特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『40年周期で動く日本(2)』と『200年のお雑煮と甘鯛』(京都紅葉紀行3)

 今週になって『良いお年を』なんて挨拶を耳にするようになりました。
 『今年ももうちょっとの我慢』と自分に言い聞かせながら会社に行っています(笑)。

 内閣の支持率がどんどん下がっています。

 しかし政権の選択肢という意味では野党は論外。維新や参政党は勿論、共産党もこいつ↓も、野党の員数から外して考えなくてはならない(笑)。自民党の別動隊ばかりです。

 マスコミの酷さがそれに輪をかけています。

 これも凄い(笑)。

 自民党内にも選択肢がありません。

 次の首相を尋ねる時事通信の調査でも最多は『いない』(笑)。

 当然、岸田は全然堪えるはずがない。開き直れば済むんだもん。


 今 一番おっかないのは、国民が政治に絶望すること、でしょう。
 太平洋戦争が典型で、日本人にはヤケクソ癖がある(笑)。ポピュリズムを煽る政治家に引き摺られて、ファシズムに陥る可能性は幾らでもある。トランプ、マドゥーロ、オルバン、左右を問わずそういう政治家が出てくるリスクは自民党だけでなく、野党にだってある(無能揃いなので救われてますが)。
 民度の低さに比例してか、リベラルと言われる知識人もどんどん劣化している。


 
 旧態依然とした市民運動もリベラルと言われる知識人も、55年体制で野党を商売としていた(笑)、かっての社会党と一緒です。どんどん狭くなる自分たちのサークル内でお山の大将でいたいのでしょう。日本の世論が劣化するのも無理はないかもしれません。


 1ヶ月前のエントリー『日本の近現代史は約40年のサイクルで盛衰しているのではないか』には議論の続きがあります。


spyboy.hatenablog.com

 『日本が落ち目になった2回のサイクル、1回目は日露戦争~太平洋戦争、2回目はバブル~現在には共通の原因がある』という人がいました。
 『日本の1回目の凋落は軍事力・軍部に引き摺られ、2回目は金に引き摺られた。何かに引き摺れて日本人は判断力をなくした』というのです。

 結構 言えている、と思います。
 日本では個人主義も弱ければ、宗教、国会や社会を成立させるアイデンティティも薄い。言論・思想も劣化している。卑近な例でいえば、明治期に官僚がでっち上げた国旗だの国歌だのなんてガラクタ同然なのは内心、誰もが判っている。

 強いて言えば天皇、でしょうが、それは今の世の中で天皇個人が、比較的まともな見識を見せているからでしょう。天皇が政治家より遥かにマシに見えるのは天皇制だからではない。個人の問題です。特に先代は親父の贖罪もあるのか、かなりまともだった。そもそも天皇だって江戸時代までの800年くらいは有名無実。いずれにしても歴史的蓄積がない。

 だから日本人は鬼畜米英だの、バブルだの、ポピュリズムで感情を刺激されると、付和雷同でそちらへ走りやすい。判断力を失くしやすい

 今度日本がファシズムのような状態になるとしたら、国民がポピュリズムに引き摺られて思考力を無くすことから始まるでしょう。消費税を無くせば景気は良くなるとか、日本を取り戻せとか、何とか特権とか、デマもどきのポピュリズムのネタは事欠きません。しかも知識人やジャーナリストがデマを煽ってるのもザラです(笑)。

 そういえば元NHKの岩田明子の『安倍さんは裏金をやめさせようとしていた』というのもありました(笑)。信じてる奴がいるんでしょうか。

「裏金に激怒!」「統一教会は天敵!」進む安倍元首相の神格化に「気持ち悪い」の声(女性自身) - Yahoo!ニュース

 改憲やら安保法制がどうこうより、アホな日本人が理性を無くすことの方が怖いし、リスクも高い。与党はダメ、野党もダメ。ボクもその通りだとは思うけれど、それだけで終わらせて良いのか。結局 国民がまともかどうかの問題なんだよね(笑)。

 今回の政治不信はそれを助長させ、ファシズムのマグマが貯まっていくかも。心配だなあ。


 さて、京都紅葉紀行、最終回です。
 朝ご飯を食べたあと、ホテルのすぐ近くにある知恩院を散策しました。

 

 朝9時そこそこですから、さすがに人も少ない。

 まだ紅葉は少ないですが、鮮やかな赤色が美しい。


 それからホテルをチェックアウトして、錦小路を抜けて四条に向かいました。徒歩30分。錦小路を通ったのは我ながら大失敗。こんなに人が多いとは思いませんでした。ひどいものです。錦小路にはもう二度と行かない。

 目的地は繁華街を外れたところにある200年続いているお菓子屋、亀屋良長。初日の鰻屋でもこの店の落雁が出てきました。

 この『鳥羽玉』が代表的なお菓子ですが品が良くて、価格も手ごろ、美味しいし、大好きです。


kameya-yoshinaga.com

 そこから20分歩いて、今日のメインイベント。お昼の和食屋へやってきました。
 200年やっているという『なかむら』という店です。直ぐ裏にある旅館、俵屋や柊屋の仕出しから始まったそう。日本旅館は落ち着かないので好きじゃありませんが、デヴィッド・ボウイの新婚旅行先の俵屋は一度泊まってみたいなあ。

 やはり京都の店らしく、間口は狭いが奥は深いです。座敷に面した美しい中庭があります。

 せっかく京都へ来たので、一度くらいはお座敷に行きたいんです。

 床の間は菊をモチーフにした美しいしつらえ。 

 地窓って言うんですか。座ったときに中庭が良く見えるようになっているのも渋い。

 和食では最初はいつも、梅酒のソーダ割にします。いつもシャンパンを飲んでると思われるかもしれませんが、本当は度数が低いからこの方が良いんです(笑)。

 突き出しはズワイガニといくら。

 次が、この店名物の白味噌の雑煮。

 だしを使わず、店の井戸水だけで味噌を練って作るそうです。それでもコクがあって、確かに驚きの味です。からしもうまく効いてます。仲居さんに聞いたら『白味噌を焼きながら練って作る』って言ってました。

 お刺身は紋甲イカと鯛とマグロ。タイは熟成させています。マグロが異様に美味しかった。

 ただ、お刺身には日本酒が必要です(笑)。

 銀鱈の味噌漬けの杉板焼き。といっても、ごく薄く漬かったもので魚の味がよくわかります。市販の味噌漬けとは大違いでした。

 お椀。

 スッキリした良いお味です。出汁のベースである水が白味噌の雑煮と同じっていうのもわかります。前日も食べた大黒しめじと蕪が入ってました。

 炙ったシマアジと雲子。

 次がこの店のもう一つの名物、『ぐじの酒焼き』

 甘鯛に日本酒を振りかけながら、時間をかけて香ばしく焼いた料理です。お魚の表面は香ばしいですが、お皿の底に日本酒が溜まっていました。

 焼き方は一子相伝だそうで、NHKでもその技法が紹介された料理です。帰宅して番組を改めて見ると、番組はちょうどこの部屋で撮影されていました。
 
www2.nhk.or.jp

 身を食べたあとの残り、骨などに、仲居さんが薬缶で持ってきてくれる昆布出汁をかけて飲みます。ちょっと待つと、出汁に甘鯛の味が染みてきて、骨に残った身も次第に剥がれてきます。これは確かにうまい。身よりお汁のほうが美味しい。

 シメジと舞茸のごはん。地味ですが、キノコの味がでていて、かなり美味しかった。

 最後は『代白柿』に紅茶のゼリーを合わせたもの。渋柿を室に保存して甘くした代白柿は京都ではメジャーな食べ物だそうですが、ボクは初めて知りました。紅茶と柿の味って良く合いますね。

 帰り際 ご主人がわざわざ見送りに出て来ました。有名店とは思えない。ご立派です(笑)。美味しかったし、良いお店です。

 と、いうことで1泊の京都旅行はおしまい。紅葉はいまいちでしたが、やっぱりきれいでした。色が東京とは違うように感じるのはボクだけでしょうか(笑)。
 さすが京都で体験という名の勉強も色々できました。食べてばっかりでしたけど(笑)。