特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『統一地方選の結果』と映画『パリタクシー』

 予想されたことではありますが、統一地方選の結果はこんなものですか(苦笑)。
 防衛費増の問題を訴えても野党は勝てない。統一教会の件も有耶無耶になってしまった。野党は防衛費も統一教会の件も国民の優先順位はそれほど高くないのがまだ判らないのか。

 衆参補選の結果は自民4、維新1、野党は全敗。僅か300票差だった大分や野党陣営が分裂して自滅した千葉は実に勿体なかったとは思いますが、これもまた野党の実力でしょう。

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 それでもまだ、立憲の支持は案外底堅い、とは思いました。大分にしろ、野党が分裂した千葉にしろ、あれだけの接戦に持ち込めたのですから。

 ボクが住む世田谷区では元社民党議員の保坂区長が6割弱の支持を獲得して勝ったのは安堵しましたが、自民・公明・維新が担いだ29歳の元官僚が4割も得票したのは驚きました。保坂区長は区の財政を立て直し、サブカルチャーを担う中小店を残しながら下北沢の再開発を成功させ、ネウボラなど世田谷独自の子育て支援を行うなど素晴らしい実績を出しているのに。

 今回の選挙では以下のことが益々はっきりしました。

立民・社民・共産の野党共闘では勝てない。そんな共闘はもう意味がない

野党は従来の支持層より右寄りの無党派層を獲りに行かなければ勝てない。

 保坂区長が勝てたのは彼が社民党を抜けて幅広く野党の支持を受けているからだけでなく、自民党の区議も巻き込むなどの体制ができているからです。

 今回の294市議選の当選者は6635人。自民党は710人で前回の698人から微増、維新は256人(前回2019年の113人の2倍超)。公明党は891人、立憲民主党は269人、共産党は560人で前回から55人減。国民民主党65人、れいわ新選組25人、社民党30人、政治家女子48党1人、参政党67人、諸派82人。最も多い無所属は3679人だそうです。

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 地方議員の数では維新より多いとは言え、立憲民主の地方組織は依然 脆弱です。これから立憲は地方組織を強化すると同時に、従来の支持層より右寄りの無党派層を獲りに行くしかありません。高齢・カルト化する社民・共産とその支持層は無視すればいい。あと10年もすれば連中は墓場の中です(笑)。

 補選では殆どの地区が接戦だったように、自民党が圧倒的な支持を得ているわけではありません。

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 ただ、野党がまともに機能していないだけです(笑)。高齢・カルト化する社民・共産・れいわの支持層から離れて、立憲が無党派層の方へ向いた市民政党に脱皮することは将来の日本にとって益々大きな意味があるんじゃないですか。


 今の日本の民度はこんなものです。

 リベラルと言われる側のマスコミも酷い。特に望月衣塑子って本当に下劣です。たまに記者会見をみても自分の意見を述べるばかりで相手の話を聞かないし、どうして、こんなデマ屋が新聞記者と称しているのでしょう。

 あと、毎日新聞もサイテーです。得意のトカゲの尻尾切り。毎日にしろ、東京にしろ、朝日にしろ、連中は変わらないでしょうから、購読拒否して潰していくしかないでしょう(笑)。


 と、いうことで、新宿で映画『パリタクシー

パリのタクシー運転手、シャルル(ダニー・ブーン)は、借金だらけで金もなければ休暇もなく、免停寸前にまで追い込まれていた。ある日彼に、老人ホームに入る92歳の一人暮らしの老婦人、マドレーヌ(リーヌ・ルノー)をパリの反対側まで送り届けるという仕事が舞い込んでくる。『ホームに入る前に』という彼女の頼みで街のあちこちに立ち寄るうちに、マドレーヌの知られざる過去が明らかになっていく

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 最初はスルー予定でしたが、フランスで大ヒット、日本でも非常に評判が高いので見に行ってみました。
 日本語題は意味がよく判りませんが、原題は『とても良い(乗車)コース』、英語題は『マドレーヌとのドライブ』。それなら意味が通じる。英語題は昔のアカデミー賞作品『ドライビング・ミス・デイジー』をもじっているんでしょう。

 パリで働くタクシー運転手のシャルルは休みなく働いても給料も安く、借金に追われています。おまけに免停寸前、というピンチです。途方に暮れるシャルルに、金払いの良い上客の依頼が飛び込みます。

 独り暮らしの老婦人をパリの反対側にある老人ホームに送り届ける、という仕事です。指定された住所に着いたシャルルを待ち構えていたのは不愛想で嫌味たらしい老婦人、マドレーヌでした。

 マドレーヌに負けず劣らず不愛想なシャルルですが、流石に老人ホームに入る前に思い出の場所を見て回りたいという老婦人の頼みを断ることができません。指定された場所へ嫌々連れて行ったシャルルはマドレーヌが過ごしてきた劇的な人生に触れることになります。

 最初に連れていかれたのはナチに殺されたレジスタンスの碑です。マドレーヌの父はここで殺されました。

 そのあと主に1950年代を背景にしたマドレーヌの人生が語られていきます。

 フランスにおいても当時は女性の権利なんかゼロに等しい。夫の許可がなければ職にもつけないし、銀行口座も開けない。家庭内暴力だってとがめられることもない。
 


 今からは全く想像もつきませんが、フランスの女性たちが如何に自分たちの権利を獲得し未来を切り開いてきたか、その道のりの長さ、険しさが感じられます。

 マドレーヌを演じる女優さんは本当に92歳だそうです。めちゃめちゃ奇麗やんけ。
 

 後半に進むにつれ、お話はどんどん良い話になっていきます。不愛想で意地を張って生きてきたマドレーヌとシャルルが次第に心を通わせるようになる過程はあくまでもさりげなく、だからこそ説得力があります。

 食事が人生にどんな価値をもたらしているかをきちんと描いているところも素晴らしい。さすがフランス映画です。 

 登場人物たちの心の触れ合いに素直に感動したのは久しぶりです(笑)。ひねくれ者のボクがそう思うんだから、この映画、主役二人の演技も含めて本当によくできていると思います。最後は大人のおとぎ話になっているのはご愛敬、でしょう。

 自分が如何に死ぬべきか、も意識させられました。時間も1時間半ちょっと、コンパクトにまとまっていて語り過ぎないところも、良い。佳品と言う言葉に相応しい作品でした。上質な拾い物、です。


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