特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

映画『ヒンド・ラジャブの声』

 今日の東京は大雨。ボクが住んでいる辺りは雨が強かったのは夜中だったのは幸いでした。
 伊豆七島の方は大変みたいですけど、大きな被害がありませんように。

 今日はこのお話しかしません。というか、したくない。

 おそらく 今年の最重要映画。先週末の日経の映画評では評論家の春日太一が『21世紀公開作品ではベスト級』とも評していました。公開が待ち遠しかった。

 渋谷で、映画『ヒンド・ラジャブの声

 2024年1月29日、ヨルダン川西岸にある人道支援組織「パレスチナ赤新月社」の下に緊急通報が入った。イスラエル軍の銃撃下の車内に閉じ込められた6歳の少女ヒンド・ラジャブからのものだった。イスラエル軍の避難指示に従っていたにも関わらず、ヒンドと親戚の家族は乗っていた車はイスラエル軍に攻撃され、ヒンドをのぞく全員が命を落としていた。赤新月社のボランティアたちはまだ生きている彼女を救出するため、電話をつないだままあらゆる手段を尽くすが……
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映画『ヒンド・ラジャブの声』9.4公開 (@Hindrajab_film) / X

 『24年1月、ガザでイスラエル軍に攻撃された6歳の少女が電話で助けを求めるも救援に向かった救急車は攻撃され、そのあと彼女もイスラエル軍に殺された』という耳を疑うような酷いニュースは、ボクもリアルタイムで耳にしていました。

 事件は電話を受けた赤新月社が音声データを公開したことで世界に発覚しました。この作品はその電話の音声データをそのまま使い、事件を再現した劇映画です。

 監督はチュニジアの女性、カウテール・ベン・ハニアという人。25年のベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞。今年のアカデミー賞では国際長編映画賞にノミネート。
8分の距離で救えなかった6歳の命…アカデミー賞ノミネートの衝撃映画『ヒンド・ラジャブの声』監督が語る、ガザの生音声と「傍観者でいられない」私たちの責任(田幸 和歌子) | 現代ビジネス | 講談社

 制作総指揮はブラッド・ピット 、 ホアキン・フェニックス、 ルーニー・マーラ 、ジョナサン・グレイザー 、アルフォンソ・キュアロンなどの名だたる有名人が名を連ねています。監督曰くイスラエルの妨害が予想されたので、映画を守るために彼らが加わってくれたそうです。


 24年1月、イスラエルはガザ北部の住民に避難指示を出します。多くの人が避難しようとしますが、イスラエルは一般住民にも攻撃を加えるのが常です。
 その中に6歳の少女、ヒンドちゃんが居ました。親戚一家と一緒に車で避難する途中、イスラエル軍戦車に攻撃を受けたのです。

 ガザから80キロ離れたヨルダン川西岸地区にある人道支援組織、パレスチナ赤新月社のコールセンターに助けを求める彼女からの電話が繋がります。

 コールセンターの面々は彼女の話を聞き、彼女がいる場所に救援の救急車を送ろうとしますが、イスラエル軍の許可がなければ出発することができません。

 コールセンターの人達は軍の通行許可を得るために手を尽くします。その間はヒンドちゃんの訴えを聞き、励ますことしかできない。
 怯えるヒンドちゃんとコールセンターの責任者がコーランの一節を一緒に唱えるシーンがあるのですが、こういうときは宗教も価値があるとは思いました。

 たった8分の距離でも救急車を送れないのは、今まで大勢の救急隊員がイスラエル軍によって殺されているからです。民間人への攻撃だけでなく、新聞記者、医療関係者、人道支援団体への攻撃もイスラエルは平気で行っています。時には故意に行っている。
 勿論 国際法違反ですが、イスラエル軍のような連中には国際法は通用しません。

 彼女のところまでたった8分のところで待機している救急車を送るために、赤新月社のメンバーは赤十字社や政府機関だけでなく、非正規ルートの政治家を頼ってイスラエル軍から通行許可を得ようとします。しかし調整は進まず、時間は刻一刻と過ぎていく。

 映画では戦場となったガザは直接 描かれません。実際に赤新月社の中で起きていたこと、助けを求めるヒンドちゃんの声を聴きながら、赤新月社の人たちがどのように感じていたかを描いています。そこにあるのは焦燥、苦悩、怒り、涙、そして深く傷ついた心です。
 この映画を見る観客も彼らと同じ体験をすることになります。

 時々 背後で銃声が響く中、『迎えに来て』、『もうすぐ暗くなる』、『ひとりぼっちなの』と不安を訴えるヒンドちゃんの実際の声には言葉もありません。赤新月社の面々と同じように、我々も何もできない。

 6歳の彼女を救うために、どうして直ぐ近くにいる救急車を送ることができないのか。なぜイスラエル軍の許可が下りないのか。
 赤新月社の面々には焦燥感と理不尽への怒りが沸き起こります。それでも出来ることは、許可を得るために各方面に懸命に訴え、不安を訴えるヒンドちゃんを励まし続けることしかない。彼らは諦めずに懸命に努力を続けます。

 3時間以上たって、やっと軍の許可が下り、救急車が出発します。しかし、救急車が現場すぐ近くまで迫ったところで、通話中の救急隊員の携帯の音声から銃声が聞こえます。そこで救急車の消息が途切れる。やがてヒンドちゃんの声も聞こえなくなります。

 映画の最後にヒンドちゃんが隠れていた車や救急車がどうなったのかを示す実写フィルムが差し込まれます。
 それから12日たってイスラエル軍が撤退した後に報道陣が現場に入ったときのものです。救援の救急車は現場近くで砲撃で破壊、頭部や脚部など救急隊員の損傷した身体の一部が発見されます。そしてヒンドちゃんが乗っていた車には300発以上の銃弾が撃ち込まれ、一家の腐敗した死体も見つかります。
 これはアルジャジーラが報じた実際の映像ですが、映画で見たときはびっくりしました。ここまでする必要があるのか。

 映画ではイスラエル軍は赤外線スコープでヒンドちゃんが生きていたことを把握していたこと、恐らく電話も盗聴していたことも示唆されます。連中は全てを知った上で救急車を攻撃し(希望を奪い)、それからヒンドちゃんを撃った

 これが彼女の写真です。通っていた幼稚園の名は『しあわせ幼稚園』。彼女は海が大好きだったそうですが、映画の最後に彼女が海で遊ぶ姿が映し出されます。

 映画としての完成度は高いです。事実だけを、赤新月社の中で起きていたことだけを淡々と描いた、いわば密室劇ですが、パレスチナ人の俳優さんたちの演技は迫真に迫っています。実際に難民キャンプで育った人もいるそうです。
 携帯電話を巧みに使った演出も素晴らしい。特に俳優さんたちの表情が携帯の画面の中と外とではまったく違って見える演出には舌を巻きました。

 ですが、この映画の価値は完成度とか演技にあるのではありません。
 ニュースでは知っていましたけど、こんな酷いことが起きていていいのでしょうか。停戦後もイスラエル軍は虐殺を続けています。ヨルダン川西岸でのパレスチナ人へのイスラエルの暴力や収奪も一層激しくなっている。

 ネタニヤフの汚職をごまかすために虐殺を続けているという側面もあるにしろ、現実にイスラエルのシオニストのような連中は言葉で止めることはできません。イスラエルはかっての大日本帝国やナチスと同類です。

 ボクには、寄付をしたり、イスラエル関連の製品やサービスをボイコットするくらいしかできない。悔しくてなりません。

 ハニア監督は「観客が戦争犯罪を“目撃”するために作りました」と語っています。この映画がつくられたことでヒンドちゃんは世界中の人の心の中に生き続ける
 この映画は我々観客に『今も起きている戦争犯罪から目を背けない、そして忘れないでいることが出来るか』と静かに問いかけています。


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『反日右翼』(笑)と『うず潮旅行記』(4)

 早くも9月。
 8月いっぱいでおしまいということなので、桃のケーキを買ってきました。今年の食べ納めです。


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 桃一個丸ごと使ったケーキ。芯の部分はくりぬいて、フロマージュブランが入っています。下はタルト。皮を剝かなくてもそのまま食べられるし、自分で桃を買うより美味しいです(笑)。

 ついでに買ったマンゴーのケーキ。上にはマンゴーのムース。中にクリームとマンゴーのコンフィ、下にはマンゴーのプリン。こちらは翌日に食べました。

 やっぱりケーキを食べるのは幸せです(笑)。もっと歳をとってダイエットなんかどうでもよくなったら、ケーキや大福、饅頭を毎日食べてやろうと思ってます。


 今週、いよいよ長期金利が3%を超えました。30年ぶりだそうです。

 住宅ローンを抱えている人は勿論、耐久消費材などは売上が厳しくなるでしょう。預金を持ってる人は金利があがるけど、そうでない家計は厳しくなる。社会的格差は一層 広がる。国債利払い費の増加など長期的な悪影響は言うまでもありません。

 しかし金利を上げて円安を抑えない限り、物価は下がらない。これがインフレの恐ろしいところです。通貨安に弱いのは資源がない日本の宿命でもある。

 1月のダボス会議でベッセントが円安を進める片山を慇懃無礼にバカ扱いしたのは日経にも載るくらい有名になりましたが(そのあと慌てて日銀が為替介入した)、

 5月の来日時にベッセントが『なんで円安を容認しているのか』と片山を2時間以上 説教(笑)したのが今週、リークされました。

 金利上昇の引き金となった来年度予算は補正も併せて140兆円超という史上最大の規模だそうです。内訳は『投資枠で約7.6兆円増、防衛費は現時点での概算で4.2兆円増、金利上昇で国債費は5.3兆円増、それぞれ2026年度比で拡大。最終的な財政収支悪化の規模は、物価高による税収増加を考慮に入れても、22兆円を超えることになる』そうです。
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 この予算の意味合いは簡単に言うと、こういうこと↓です。

 こんなバカ予算と消費減税を実行すれば円安は更に進んで物価は更に上がる。国民の生活は更に苦しくなるし、財政はいよいよ危うくなる。まさに現代のカミカゼ特攻、セルフ経済制裁です。
 同じ特攻でも目的は『目先の人気取り』という高市の私利私欲ですから、もっとタチが悪い。

 よく頭の悪いバカウヨが反日左翼、とか訳の判らないことを言ってるけど(笑)、高市のような輩こそ反日右翼じゃないのか。高市のバカの就任以来 あいつが引き起こした円安で何兆円、国富が失われたと思ってるんだ。

 与党だけでなく、野党も全く止めようともしない。どいつもこいつもウルトラバカばっかりです。

 中道・立憲もまたまたまた分裂なんかしてる場合か。相変わらず野党は器が小さいというか、料簡が狭い連中ばかりです。こいつらも私利私欲・党利党略で動いているに過ぎません。

 今週 水曜日にもベッセントは日銀総裁に直接会って、金利上げを要求しました。

 しかも、その後 記者会見までやって『念押し』までやっている。

 今や日本経済の頼みはベッセントと金融市場だけ、という状況です。

 反日右翼の高市は勿論、頭が悪くて料簡も狭い野党にも何も期待しません。マジでこいつら、要らないわ。

 今の日本に少しでも希望があるとしたらアメリカが高市のクビを切ってくれることでしょうか(笑)。この国は外圧でしか正気に戻らない。日本人には自治能力すらないのがこんなところでも露呈しています。


 旅行最終日の朝焼け。陽は出ていませんが、美しい瀬戸内の朝でした。

 また、別棟で朝ごはんです(笑)。

 こちらが朝の献立。これまた、前日とがらりと変わっています。今気が付いたのですが、右下のイカソーメンと合わせて卵3つだった。コレステロールが(笑)。

 思い出しても、茹でたてのシラスが地味に美味しかったんですよねえ。

 鳴門の蛸しゃぶ

 加茂ナスの揚げ出し

 鳴門のアジの干物。これ、最高でした。脂がのっているけど、くどく無くて、今まで食べた干物で一番うまかった。自家製のようですが、干物の生涯ベスト(笑)。

 ものすごい量の蜆の味噌汁

 デザートはなんだっけ(笑)。

 もっちりヨーグルトと言ってました。カスピ海ヨーグルトをもっと濃厚にした感じ。

 部屋に戻ると地元の放送局は延々と鳴門の渦潮の様子を放送していました(笑)。

 名残惜しいけど、11時にチェックアウト。ホテルの人に空港まで送ってもらいました。
 道中 街中には普通にこんなものがあって、びっくりします。大塚は製造から物流まで極力 徳島県内でやっているそうです。

 ボクには疑問がありました。『どうして大塚はこんなことをやり続けられるのか』ってことです。
 100年の間に一介の鳴門の町工場が売上数兆円の世界的な企業になった成功譚を言っているのではありません。

 ポカリスエットもカロリーメイトも全くの畑違いの新規事業で赤字続きだったのが、どうしてうまくいったのか。海外進出だってそうです。
 また超大企業になっても、どうして利益最優先にならないのか。悪いけど今回泊まったホテルも美術館もそれほど儲かっているように見えない(笑)。ホテルやレストランの建物も料理もワインも、巨大な美術館も、手間がかかっていて質は高いけれど、コストのことを真剣に考えているようには見えなかった(笑)。

 一方 従業員の人は生き生きと働いていました。例えば明日の予定をホテルの誰かにお願いすると、運転手さんにもフロントの人にもレストランの人、それも全員に、情報は直ぐ共有されていました。自分の担当外のことなんか知らない、なんて人はいくらでもいるじゃないですか。美術館の人もそうでしたけど、皆 やる気があるんです。
 地元貢献という旗印があるにしても、これは尋常な組織ではない。

 資本主義の下で巨大企業がどうして利益最優先でなくてやっていけるのか、どうして従業員がイキイキと働いているのか

 運転手さんはこう言っていました。
 『歴代の社長が先代の言っていたことを守らず、いつも新しいことをやっているからじゃないでしょうか』(笑)って言うんです。

 現在の社長は4代目だそうですが、2代目は『新規事業なんかダメだ』という初代の言いつけを守らず、ポカリスエットやカロリーメイトを始めたそうです。今や熱中症対策でポカリスエットも経口補水液のオーエスワンも大儲けだと思います。
 3代目は『事業は国内だけにしろ』という2代目の言いつけを守らずアメリカへ進出したそうです。今では国内よりアメリカの利益の方が大きいそうです。
 今年は4代目が買収したアメリカの製薬会社が巨大な利益を生んでいます。それでもアメリカの一部の企業のように従業員をリストラして利益を増やし、株主に配当するなんてことはしない。ホテルにしろ、美術館にしろ、利益最優先だったらやっていないでしょう。

 きっと地元貢献という伝統を守りながら常に新しいことをやっているから、従業員はイキイキと働いているのでしょう。
 
 大塚グループは強烈な個性の会社で、社風に合わない人が入社したら、間違いなく!不幸になると思いました(笑)。話を聞いているだけでも、待遇は悪くないけど仕事はかなり厳しい、と想像できました。

 ボランティアにしろ、NPOにしろ、企業にしろ、どんなに良い事業でも利益を出さなくては続けられません。NPOなんか、そこを勘違いしているのが多い。利益を出すのは決して悪いことではない。
 でも、利益は人生の目的ではない仕事だって人の役に立つことが本来の目的です。お金はその副産物でしかない(笑)。
 この会社も利益はしっかり出しているけど、利益は全てではないのでしょう。金の亡者みたいな企業を沢山あるでしょうけど、そうでない企業は大塚だけでなく、沢山あると思います。そういうやり方をそれぞれ自分なりに考えて生きていかなければならない。

 最後に夏休みの宿題をもらってしまった感じ。仕事は大嫌いなボクでも、ほんの少しくらいは世の中の役に立ちたいじゃないですか。自己満足でいいんですけどね(笑)。


 徳島空港に辿り着くと、売店に昔懐かしいボンカレーの復刻版が並んでいました。ボンカレーのシェアが圧倒的な沖縄と徳島空港だけの限定だそうです(笑)。

 翌日は台風で羽田も大変だったようですが、この日は幸い順調な空旅でした。楽しいだけじゃなく、宿題ももらった夏休み旅行でした(笑)。

映画『トロフィー』

 国境検問所のビルを一瞬で覆いつくしたネパールの洪水の映像にはビックリしましたが、日本でも石川、富山の次は福井で大雨。
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 今日はグランド・キャニオンで洪水が起きたそうですね。
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 その一方 欧州では渇水。気候変動の影響は誰でも明日は我が身、と思うんですが、それでも地球温暖化なんかないと主張するトランプやバカウヨのような輩が居るんですからこういう連中が言ってることは最早 カルト、邪教に近い

 それにしても高市はゴキブリ、かあ。忖度ばかりの日本のマスコミとは違って、さすがはイギリスの新聞、的確な例えです。


 
 就任以来 驚くくらい、日本にマイナスのことしかやってないもんな。ある意味大したものです。


 と、いうことで 銀座で映画『トロフィー

 在日コリアンの14歳の少女ソヒは朝鮮学校に通い、部活で朝鮮舞踊に打ち込んでいる。ある日、日本の学校との交流会で日本人の少女・未来と出会ったソヒはBTS好きという共通点から親しくなる。ソヒはBTSのライブチケット代を稼ぐため未来の力を借りて、家にある不要品をフリマサイトで売ることにする。北朝鮮のCDが高く売れたことに味を占めた二人は、朝鮮学校の校長であるソヒの父サンジュ(井浦新)が北朝鮮から授与された勲章までも売ってしまうが。

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 是枝裕和監督などの助監督を務めてきた孫明雅という人の初監督作。制作も是枝監督の率いる映像集団、分福です。監督ご本人は在日3世で朝鮮学校に通った経験があるそうです。非常に評価が高くロングランが続いています。
 ボク自身はそれほど興味がある題材ではなかったので足が遠のいていましたが、夏休みで時間が出来たので見に行ってみました。

 朝鮮学校が高校の授業料無償化の対象から外されたことに対して、ネットで時々、反対の署名が呼びかけられています。
 ボクにはさっぱり理解できません。朝鮮学校の実態は門外漢には判らないから断定する気はありませんが、まともな教育ならともかく、朝鮮学校が北朝鮮の現体制を無条件に賛美する教育をやっているのなら何故 税金を投入する必要があるんでしょう。最近は北朝鮮賛美もだいぶマイルドになったとは聞きますけど、どうなんでしょうか。

 民族教育というと聞こえはいいけど、国民を困窮に追いやり、近隣国を核で脅している金の独裁体制を讃えるようなものは民族教育どころか、教育ですらない単なる洗脳、それも邪教の洗脳です。
 一方的に辺野古の基地反対運動の船だけに子供を載せるのを平和教育と言い張るバカと同じでしょう。

 安倍晋三を賛美していた森友学園と朝鮮学校、どれだけ違うんでしょうかどちらも統一教会と同じじゃないですか(笑)。と、いうか、ウクライナで自国の兵隊の命を侵略国ロシア兵の弾除けとして売って外貨を稼いでいる金王朝の方が遥かに悪質です。金一族を賛美する学校なんか教育機関じゃない。

 ま、日本も北朝鮮のことをどうこう言っているような資格はなさそうですが(笑)。

 そういうこともあって朝鮮学校を舞台にしたこの映画、足が遠のいていました。

 ですが(笑)、映画の冒頭 少女たちが部活で朝鮮舞踏の練習をしているシーンには、非常に惹かれるものがありました。少女たちには罪はない(笑)。
 すらっとした少女たちが手足を伸ばして群舞する姿は非常に美しかった。出演者たちは1年以上 舞踏を練習したそうです。

 指導の先生は言っていることは頭がおかしいけど(笑)、叩く太鼓のリズムが変拍子でカッコいい。ボクはこれで引き込まれました。


 
 14歳の少女ソヒ(恒那)は朝鮮舞踏の部活をやっていますが、家に帰れば普通の女の子です。北朝鮮は彼女にとって行ったこともない遠い国だし、北朝鮮では禁止されているBTSの大ファン。幼い弟に至ってはアホなYouTubeを見て『北朝鮮ではうんこを食べてるの?』と親に尋ねてたしなめられる始末です。
 在日四世の世代であるソヒたちの感性はそんなものです。北朝鮮なんか興味ない。そりゃあ、そうだ(笑)。

 ソヒの父、サンジュ(井浦新)は朝鮮学校の校長を務めています。

 彼が勤務する朝鮮学校は年々生徒が減り、トイレすらもなかなか修理できない経済状態です。サンジュはまだ一人も決まっていない来年の新入生を確保するために、在日の人たちの間を勧誘に回っています。

 家の経済状況は厳しく母のミリョン(市川実和子)は節約に励みますが、洗濯機が壊れても買い換えられない状態です。監督によると朝鮮学校の先生の給料は日本の教師の3分の1だそうです。

 それでも北朝鮮がミサイルを発射すれば、万一を恐れて朝鮮学校の生徒は集団登校を強いられたりします。北朝鮮に興味がないソヒですら、朝鮮語が書かれた袋を外からみられないように隠したりする。

 サンジュは自分の考えを押し付けるような強権的な人間ではありません。しかし北朝鮮は彼のアイデンティティの一部にもなっている。

 長年 日本で朝鮮人差別はあったのは事実。なかなか希望する職業に就けなかったり、家を借りることも難しかったりした。サンジュにも建築家になる夢をあきらめた過去があります。この映画はそんな人たちの拠り所として、朝鮮学校を始めとした在日コミュニティが存在した面があることを言外に描いている。見事な描写です。

 朝鮮学校に通った在日3世の監督は『自分は差別を受けた経験はない』と言っていますが、現在でも差別はゼロではない。映画の中でも地元密着で商売をしている在日の商店主が『我々は日本人にはなれない』という台詞があります。

 サンジュ曰く、金日成は差別されていた在日コミュニティに奨学金を送って支援してくれたかっての恩人、だそうです。昔は現実にそうだったと聞きます。なるほど、と思いました。

 しかし今では北朝鮮からの支援も減り(逆に在日の人のお金を搾取している)、金王朝の悪臭漂う実態もようやく明らかになり、朝鮮学校に入る生徒もどんどん減っている。現在は70年代の10分の1程度にまで減っているそうです。
 この映画の登場人物たちも皆 朝鮮学校がいずれ消滅することは判っている

 ソヒは日本人の学校との交流会で未来(梨里花)という女の子と親友になります。お互いBTSの大ファンなのです。

 BTSのライブチケットを買うために、ソヒは家にある北朝鮮グッズをネットで売ることを思いつきます。北朝鮮のCDが高値で売れたことに味を占めたソヒは父親が北朝鮮からもらった勲章をネットオークションに出品しますが。

 登場人物たちは皆 好演だと思います。主人公ソヒを演じる新人の恒那や未来を演じる梨里花は文字通り輝いて見えます。それを井浦新や市川実和子の演技が引き締めている。井浦新はやっぱり大好きです。

 脇を固めるYOUやきたろうも良い味を出している。YOUって人は時々近所で見かけるんですけど、60歳くらい?なのにいつもかかとがバカ高いブーツを履いて、スタイルはビシっと引き締まり、若い男を引き連れて歩いていたり(息子さんかもしれませんが)(笑)、大したものだと思います。

 脚本も悪くないです。平壌の偽凱旋門(笑)を称える朝鮮学校の狂った教育もちゃんと描写しているし、彼らの言い分も判るようになっている。

 ボクは知らなかったのですが、彼らの間では『北朝鮮』って呼んじゃいけないんですね。ウリナラ(祖国?)と呼ばなくてはいけないらしい。北朝鮮に限らず、ウリナラとか玉砕とか残念とか訳の判らない言葉を使い始めたら、その体制はもう、マトモではない(笑)。

 在日朝鮮人と言っても世代によって大きな差があることも判ります。サンジュは『同胞のため』という使命感で朝鮮学校を運営しています。彼はタバコや酒を止めてまで費用を捻出しようとしています。しかし彼より若い先生はそこまで熱心でもない。若い先生と対比すると、サンジュはイデオロギーで雁字搦めというより、単に世の中の変化に取り残されただけ、のようにも見える。

 そういう人って日本人の中でも大勢いますよね。アホな邪教に取りつかれているように見えるサンジュも実は我々と大きな違いはないのかもしれません。

 ただ、わからなかったのは北朝鮮マニアの扱い方。イデオロギーに関係なく、北朝鮮のグッズやCD、ビデオを集めて愛好者が集まるバーで楽しんでいる、世の中にはそういう『マニア』(笑)がいるんですね。そんな存在は全く知らなかったけど、ソヒたち登場人物から見ると『バカにされているように感じる』というのです。

 まともな人間なら北朝鮮の舞踊や金将軍の演説、グッズなどはお笑いの対象に見えるのは当たり前だと思う。だってバカなんだもん(笑)。不可抗力のバカではなく、自ら選んだバカなんだから笑われるのは当たり前(笑)。ボクの大好きなセス・ローゲンのお笑い映画のように。

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 なんで北朝鮮マニアの存在が登場人物を傷つけるのか、その点だけはボクには理解できませんでした。

 誉めている人が多いクライマックスの朝鮮舞踏もボクはあまり面白くなかった。練習光景は素晴らしかったんですが、変な歌詞とメイクが加わった本番は北朝鮮のマスゲームを連想させて気持ち悪い。
 やっぱり、ファシズムは嫌いです。アホの大日本帝国の教育だって、こんな感じだったんじゃないか。子供たちが一生懸命やっていれば美しく見えちゃうんですが、逆にそこが恐ろしい。タチが悪い。
 J-POPの出来損ないのような腐った歌詞や曲は北朝鮮ではなくオリジナルだそうですし、踊りそのものは悪くないんですが、このシーンは判断が分かれるんじゃないか。

 それでも、エンディングに至るまで非常に爽やかな映画でした。
 10代の女の子たちの瑞々しい感性や友情、親子の愛情が嫌味もなく、善性で描かれています。差別やアホなイデオロギーにも目を背けず、かといってそれに囚われていない。ルサンチマンの牢獄に自ら閉じこもるようなこともしていない。ここは素晴らしいです。是枝監督の前作『箱の中の羊』の100倍は良い作品だと思う。
 日本映画の今年を代表する1作であることは間違いありません。


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