特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『これも一つの権力構造』と『ムーンライダーズ@東京国際フォーラム』(ピーター、ケイト&ガープ)

 東京は雨が続いていましたが、晴れ間が次第に戻ってきました。夜明けの太陽を見るのも久しぶりです。

 あの酷暑が、『来た~』という感じです。今年はまだクーラーを一度も使ったことがなかったのですが、そろそろ出番のようです。


 最近、世界も日本も世の中は本当に変わってしまいました。これがアメリカの大統領? 

 日本の金利も30年ぶりの高さにまで上がりました。住宅ローンがある人は大変でしょう。国債の利払いがあるから国の財政にも利いてくるし。

 それなのに何もしない総理大臣、ですから、ある意味あっぱれというか、自分の権力のことしか考えないバカほど強いものはありません


 権力と言えば、興味深い記事を読みました。
 先に琉球新報が報じたスクープ『辺野古で海難事故を起こした基地反対運動の船長、金井創はかって性暴力を起こしていた』を書いたのは元朝日新聞記者で新聞労連の元委員長、その後 腐敗した朝日に絶望して琉球新報へ移った南影氏だったそうです。


dot.asahi.com

 ボクはかねてから南氏のことはSNSで見ていたので『さすが』とは思いました。が、記事を書いたことで抗議が沢山来ていたようです。しかし、南氏は敢えて書いた。
 米軍の女性暴行を取り上げるのなら、基地反対運動の船長の性暴力を書くのは当たり前です。自分たちの都合の悪いことを認めない反対運動の関係者こそ、偽善者です。

 性被害を受けた女性が琉球新報の南氏の取材を受けた理由は『反対運動の中でも、本土出身者と現地の人との権力構造があるから』と、言っています。

 金井も06年に関東から移り住んだ牧師です。もともと平和運動家として有名だったそうですから、反対運動内でも有名活動家と一般人、といった権力構造はあったのかもしれません。

news.yahoo.co.jp

 どのような組織でも、どのような人間関係でも、権力構造があります。時にはそれは理不尽なものに転化する。
 数年前 沖縄やパレスチナ、原発問題を取り上げていた有名写真家の広河隆一が、実は写真家やジャーナリスト志望の女性を多数暴行していたのが明らかになりましたが
mainichi.jp
 広河や辺野古の金井創のような連中は運動を自分の権力の源泉、『商売』にしていたのでしょう。

 昨日 山本太郎が政治活動から引退、れいわ新選組が解散同然の状態になりましたけど、れいわや社民党、共産党みたいな連中も『商売』でやっているとしか思えません。程度の差はあるでしょうが、自分の権力のことしか考えてない点では、高市と大して変わらない。

 現実を無視した理想論(空理空論)にしがみつくことでコアな特定層からの支持を得るのが議席や活動資金などの既得権益になっていた。だから、れいわも社民党も共産党も自党内の自由な議論を抹殺する権力構造を作ってしまう。
 内田樹などれいわをさんざん持ち上げていた一部の知識人を見ると、日本のインテリ層の知が如何に脆弱か、判ります。教授とか言っても、連中もまた、ポピュリズムに踊らされているだけです。
『山本太郎から見える日本』から - 内田樹の研究室

 結局 政治家は理想や政策だけでなく『結果』や『成果』で判断するしかない
 就任して半年以上経ったこの人は何か『成果』をもたらしたのでしょうか


 


 今週 火曜は有楽町の東京国際フォーラムで、ムーンライダーズのライブ『moonriders LIVE 2026 DON'T TRUST OVER THIRTY and more』がありました。


 86 年に発表された名盤『DON'T TRUST OVER THIRTY』の発売40周年記念の再現ライブです。

 当時 30代半ばを迎えた本人たちが『30歳以上は信じるな』と宣言した、このアルバムは個人的に非常に思い入れのあるアルバムです。

 時代はバブル絶頂期、それに真っ向から抗うような作品ばかりです(笑)。演奏がアバンギャルドでラディカルなのはいつものムーンライダーズですが、今にして思えば、バブル崩壊どころか資本主義そのものの終焉を宣言する、時代を予言するようなアルバムでした。

すべてのものはもう、一度行われている
ボクはあれもこれも何もかも知っている

戦争で持って逃げられないようなものが好き
売り物にならない、何にもならないものが好き

(『マニアの受難』)

 後年 水野和夫先生が仰っていた話を思い出しますが、バブル期に『全ては既知』だとか、『戦争がどうの』とか言ってる人は殆ど記憶にない。

 他にもこのブログの第1回のエントリーで取り上げた、音頭のリズムに乗せて『とつぜん顔がだるくなる』と歌われる蛭子能収先生が作詞の『だるい人』も反資本主義的かもしれません。『あ~カネが欲しい。自由が欲しい、何もしたくない』です(笑)。
spyboy.hatenablog.com

 そのアルバムの発売40周年ライブ。

 この日もロビーにはいつものようにファン有志からの赤いバラの花束。

 時間になると客席の電気がついたまま、当人たちが出てきて『悲しいしらせ』の演奏を始めました。演奏しながら『音を大きく』とかサウンドチェックをやっている。
 その後 何食わぬ顔でメンバーは引っ込んでしまいます。やがて客席の照明が消え、本編の演奏が始まりました。このひねくれ具合がムーンライダーズだ(笑)。

 この日のセットリスト。最初は『DON’T TRUST OVER THIRTY』の曲順そのままで再現されます。

 何といってもCDの終盤『A FROZEN GIRL,A BOY IN LOVE』から『なんだ?、この、ユーウツは!!』への流れが凄かったです。
 バイオリンとシンセをフィーチャーして、ロマンティックに演奏した『A FROZEN GIRL』が終わると、鈴木慶一氏が中央にやってきて新聞を開き、嘆息する。そこで曲が始まる。

Today 目が覚めたら もうユーウツの中
ニュースペーパー広げて、もっとユーウツのなか

  毎日 ニュースや新聞を見て嘆息が出るのはボクも同じです。40年前の歌が、まるで今の時代を表現している。静かに始まった曲はやがてヘビメタに変わり(笑)、更に一変する。そして高らかに宣言する。

一人で立てるかい?そんな夢から覚めて
君の心にたたずむ友達、ピーター、ケイト&ガープ
道に迷わないように、手を引いてくれる
ボクの肩につかまれば、山も越える

 そして、締めくくり。

何だ、こんなユーウツは
いつまで続くんだろう
ガラス瓶の中に閉じ込められて

 感極まって泣いちゃいました。同じように感じた人は他にもいたようです。

 ちなみにピーターはイギリスのロック歌手のピーター・ゲイブリエル、ケイトはケイト・ブッシュ、


www.youtube.com

 ガープはアメリカの作家ジョン・アーヴィングのベストセラー小説『ガープの世界』の主人公。名優ロビン・ウィリアムスの出世作でもあります。
 ゲイブリエルもガープも、ボクの精神的な支柱の一つです。アーヴィングが来日した際 ボクは講演会に行ってサインをもらったほどです。

ガープの世界 [DVD]

ガープの世界 [DVD]

  • ロビン・ウィリアムス
Amazon

 そのあとはメンバーがそれぞれ歌います。


https://x.com/metrotron_com/status/2074505968793375159


https://x.com/moonriders_net/status/2075223286716490095

 この日は『はい!はい!はい!はい!』、『黒いシェパード』と明確な反戦メッセージが入っている曲を2曲もやったのは驚きでした。政治という言葉を使わずに政治を取り上げるライダーズが、です。そういう時代なんでしょうか。

 客席に新聞をばらまいた鈴木慶一氏は『新聞損壊罪だ』と言ってました。5月に小泉今日子が武道館で『戦争反対』と書いた銀テープをバラまいたのに対抗したのか?(笑)。

 本編の最後は『罵倒してください』というMCに続いて『くたばれ、ムーンライダーズ』。自分たちの権力構造を守ることに血道をあげる連中とは違います(笑)。ライダーズも信じるな、全てを疑え、と。
 それにしても70半ばで2時間以上立ちっぱなしで演奏しているのだから、大したものです。

 アンコールの最後はインストの『月面賛歌』。演奏が終わったあと、観客の間から自然発生的に湧きあがった『ラララ』という歌声の中をメンバーが舞台から去っていったのは感動的でした。
 そのあと、いつものように舞台に月が上る。素晴らしいライブでした。 

これも一つの世界の終わり:映画『サンキュー、チャック』

 梅雨らしいお天気が続いています。
 昨年の今頃は猛暑でしたから、ずいぶん違います。湿っぽいけれど、今年はまだ1度もクーラーをかけていない。
 

 この歳になってくると毎日何も起こらずに日々が過ぎてくれれば、それでいいのかもしれません。政治がこんなひどい状態なんだからなおさらです。

 テレビニュースで嘘つき総理大臣が出てくるたびにボリュームを絞ったり、消してしまう。これだけ人を不愉快にさせる奴も珍しい。やっぱり嘘つきは嫌いです。しかもバカ

 ニュースだけでなく、夜空を見上げりゃこんなことまでやっている。

 世も末のようなことばっかり起きています。ダメだ、こりゃ、以外に言葉が見つかりません。


  と、いうことで、ちょっと前になりますが、渋谷で映画『サンキュー、チャック

 大規模な自然災害が相次ぎ、世界は終わりを迎えようとしていた。インターネットもSNSもつながらない中、街頭やテレビ、ラジオに「チャールズ・クランツに感謝します。素晴らしい39年間に、ありがとう、チャック」という謎の広告が大量に突如現れる。高校教師・マーティ(キウェテル・イジョフォー)は元妻・フェリシア(カレン・ギラン)に会うため家を飛び出したが、誰もいない街はチャック(トム・ヒドルストン)の広告で埋め尽くされていた。チャックが何者なのか誰にも分からない中、徐々に彼の数奇な人生が明かされていく。

gaga.ne.jp

 スティーヴン・キングの短編小説をマイク・フラナガン監督が映画化したもの。予告編では奇妙なお話のように見えましたが、非常に評判が高いので行ってきました。

 お話は遡って進行していきます。世界が終わりを迎える第3章、そしてチャックの成人期を描く第2章、チャックの幼少期を描く第1章と続きます。

 最初の第3章でいきなり、世界は終わってしまいます。でも、何てスイートなんだろう(笑)と思った。同じ『世も末』でも、今の日本とはずいぶん違います。

 1年以上もの間 世界中で自然災害が多発する。カリフォルニアは大地震で太平洋に沈み、テキサスは大洪水に見舞われる。世界中の穀倉地帯で異常気象が起こる。日本では再び原発事故が起こってしまう。『日本政府は安全だと言っているけれど、そんな筈はない』というどこかで聞いたセリフまであります。

 そんな世界で、ある人は自殺をする。ある人は仕事に行くのをやめる(笑)。人々は次々に職場を放棄し、インフラも止まっていく。病院も機能を停止する。

 ネットは止まり、テレビも放送停止、やがて電気も止まる。

 そんな中、現れるのは『立派な39年間だった。サンキュー、チャック』という謎の広告です。

 世界が終わるとき、人間が何をするか。決まってますよね。ボクもこうありたいです。世界に感謝しながら死にたい。
 これならば、世界が終わってもそれはそれでいいか、と思ってしまう。

 第2章の成年のチャックのエピソード。

 素晴らし過ぎて、何も書けません(笑)。ダンスもドラムも最高です。

 映画史に残る、と言っている評論家が居ましたけど、ボクもそう思う。ダンスシーンには『ラ・ラ・ランド』の演出家が加わっているそうですが、『ラ・ラ・ランド』の10000倍は素晴らしい。あれは人生を否定する映画です。根本的な意味が全然違う。

 人生の意味をこれだけ鮮やかに切り取った映画ってあるでしょうか。

 第2章は20分くらいですが、これだけ3時間あっても充分 感動するほどの出来です。

 それくらい素晴らしい。天才

 最後の第1章ではチャックの幼少期が描かれます。全ての謎が明かされる。
 事故で両親を亡くしたチャックはビクトリア風インテリアが残る古い家で祖父母に育てられたのです。

 チャックは祖父から数学を、祖母からはダンスを教えられ、成長していきます。

 祖父は元ルーク・スカイウォーカーことマーク・ハミルです。

 生きるって何て残酷なんだろう。身の毛もよだつような話、ホラーより恐ろしい。

 それでも生を全うしろ、生きろという力強いメッセージが、風変わりなお話に込められています。

 いかにもホラーじゃないときのスティーブン・キングらしい構成です。お話も独特ですが、ボクにはかなり良かった。
 見る人を選ぶ作品ですが、今年ベストという人が居るのは頷ける。第2章だけだったら、ボクもそう思います。第1章も魅力的でした。こういう世界の終わりなら憧れてしまう
 総じて、素晴らしい作品、No1とは言わないまでも今年屈指の傑作かもしれません。
 

www.youtube.com

テクノ資本主義と江戸前蕎麦(共犯と共存)

 今週も、やっとの思いで週末に辿り着きました(泣)。疲れた。
 いよいよ7月です。今週 梅雨の合間、通勤途中に撮った近所の写真をAIでイラストにしてもらいました。
 現実が美化されています(笑)。

 それにしてもサッカーのバカ騒ぎが終わったのはホッとしました。日本人の民度の低さを改めて実感します。


 今月から様々な商品の物価が値上がりすることが話題になってますが、値上げはこれからが本番です。中東問題や円安で原材料が上がった分は各メーカーともこれから反映させるからです。

news.web.nhk

 それにしても、今回の値上げは以前にも増してきつく感じます。まだ終わりじゃないからでしょうね。

 国民生活を何とかするには、財政の危険度を増して円安を助長する補助金でも減税でもなく、賃上げしかありません。下のツイートを見ると消費税ばかり目の敵にする共産党ってホント、頭が腐ってることが分かります(共産党だけじゃないけど)。

 石破がせっかく決めた最低賃金アップの目標を高市は放棄したそうです。さすがに常識人の赤沢は抵抗したようですが、アホの高市は人の言うことを聞く知能がない。

 で、政治は何をやってるかと言えば、国旗損壊罪に皇室典範。そんなもの誰が求めているんだ。誰が得するんでしょうか。

 野党の方もアホばっか。社民や共産は党内の言論の自由さえ認めない非民主主義政党になり下がったし、挙句の果てには立憲まで含めて消費減税。もはや、知能指数に問題があるとしか思えません。

 今の国会はまさにこれ。国民もバカだから自業自得ですが、国というものはこうやって衰退していくのでしょう。ゲンナリする。

 いよいよ、日本は先進国の座から滑り落ちていきそうです。

 ま、自業自得です(笑)。


 この前 アマゾンの物流センターを見学してきました。
 従業員は2000人でロボットが2600台。24時間365日止まることがないセンターです。写真厳禁なので、ネット上に公表されている記事を貼っていきます。

newswitch.jp

 アマゾンは以前 倉庫の従業員が歩き回る距離が1日10キロ以上という労働条件が過酷だ、と国際的な非難を浴びていました。通勤で毎日15キロ歩いているボクはお金もらって運動できるんなら最高じゃないか、と思いましたけどね(笑)。

 国際的な非難を浴びたアマゾンはロボット会社を買収、今ではロボットが人のところへ商品が入った棚を持ってくる仕組みに変わっています。


ascii.jp

 歩かなくていいから、年配の人でも仕事ができる、という訳です。
 ボクが見学した際も年配の人が大勢 作業をしていました。老境を迎えつつある放浪者がアマゾンの物流センターで働きながら全米を放浪するアカデミー作品賞映画『ノマドランド』そのままです。

ノマドランド (字幕版)

ノマドランド (字幕版)

  • フランシス・マクドーマンド
Amazon

 老人だけじゃなく、モヒカンの男の子もいました(笑)。そういう人にも雇用の場にもなっているのは悪いことじゃありません。

 センターではKAIZEN(改善)、GEMBA(現場)という言葉が使われ、作業や設備の改良が日々おこなわれています。他国でも良い点は学習してどんどん取り入れるのがこの会社の真骨頂です。アメリカ軍が捕獲したゼロ戦を徹底的に分析して対策をたてたのを思い起こします。

 一方、センターの通路はアメリカと同じ右側通行(笑)。また階段を歩くたびに『手すりにつかまりましょう』というアナウンスが自動的に流れる。事故防止のために階段を歩く際は全員手すりを掴む、本社でそう決めたからだそうです。
 外資あるある、ですが、とにかく本社の方針を末端にまで徹底させるのは実に強烈です。


 驚いたのは品出しをする人の脇にあるモニターです。かわいらしいアニメ画面の中で数字が刻一刻と変動していました。世界中の作業員と比較した作業効率の順位がリアルタイムで表示される。つまり世界中で作業員をリアルタイムで競争させている(笑)。

 アマゾンという会社は良くも悪くも、全てが数字(KPI)で管理されています。作業者はもちろん、ホワイトカラーも当然。ダメだったら直ぐクビです。
 昨年 アマゾン(日本)のある部門がまるまるAIに置き換えられて社員が全員リストラされたというのはIT業界では有名な話です。ただアマゾンに居たとなると経歴に箔はつくので、次の転職はしやすいそうです。

 このセンターでも食堂の定食まで満足度が測定され、あまり満足度が低い定食を出すと担当者が数字で詰められるそうです(笑)。

 でも従業員の環境には気を使っていて、センターの床はクッションフロアになっていてケガを防止している。そんな物流センターは珍しいです。食堂のメニューは殆どが500円以下と安価で、食べ物にうるさいボクが見ても美味しそうでした。

 最繁忙期の7月のプライムデー、11月のブラックフライデーなど節目ごとに従業員への慰労パーティーが行われるそうです。全てのシフトの従業員に参加してもらうために毎回10回以上同じパーティーを開いている。センター長など幹部社員が従業員を『おもてなし』をする。ロイヤルティを高めて離職率を下げ、いざというとき残業をしてもらうためだそうです。

 なんでも数字で管理され徹底的に効率を追求、ダメだったらすぐクビになる。作業は秒単位で効率を管理され、食堂の定食までKPIで管理される(笑)。下の口コミに書いてあるように仕事が出来る人には良いが、結果を出せない人(正当な理由があっても)にはかなり辛い。

jp.indeed.com

 それだけでなく、ケン・ローチの映画で描かれたように、フリーランス配達員の過酷な労働環境の問題もある。

家族を想うとき (字幕版)

家族を想うとき (字幕版)

  • クリス・ヒッチェン
Amazon

www.youtube.com

 その代わり 自社契約の労働者の福利厚生は充実しているし、おそらく給料も悪くない。
 何よりも消費者には低価格と充実した品ぞろえを提供し、利便性は素晴らしい

 これをどう考えるか、です。アマゾンのようなテクノ資本主義のシステムは世界全体を覆いつつあります。
 アメリカ政府の情報システムは軍やFBIも含めてアマゾンやマイクロソフトのクラウドで動いています。日本政府や自治体、多くの民間企業も同じです。もちろん、アマゾンに任せた方が技術もコストも優れているからです。
 これは今朝のニュースですが、もはやGAFAは一国を超えるような力を持っている。

 今回の紛争でイランがアマゾンやオラクルのデータセンターを標的にしたのも当然です。

www.nikkei.com


 まさに先日の映画『急に具合が悪くなる』のテーマの一つでもあった『現代の資本主義システムとその共犯者たる我々』の構図です。
 判りやすく言うと『グローバリゼーションを否定しながらユニクロを着ている奴』、『中国の悪口を言いながら中国産の食品を食べているバカウヨ』が典型です(笑)。トランプのMAGA帽子が中国製なのと一緒(笑)。

www.hokkaido-np.co.jp

 斎藤幸平がいうように、これをテクノ資本主義と言えばいいのか、テクノ封建制と言えばいいのか判りませんが、このようなシステムを全面否定することは現実的ではないと思います。
 左翼の面々は往々にして直ぐ全面否定するような極論に走りますが、アマゾンで雇用や利益、利便性を得ている人が多いから企業として存続できているんです。全否定して済むような単純な話ではない。アマゾンをやめて楽天にしたって何も変わらない(笑)。

 社会的には如何に連中の独占を規制していくか。ちょうど今日EUがグーグルに7600億円もの巨額制裁金を課したニュースがありました。
www.nikkei.com

 個人としては如何に経済的にも精神的にも連中に支配されないようにするか今ですらアマゾンのリコメンドやYouTubeやXのフェイクニュースに支配されている奴だらけじゃないですか(笑)。

 しかも今はAIまで出てきた。はっきり言って、あいつらの方が賢い。冒頭のイラストのように現実まで改変、美化してしまう。何が自由なのか、すら判らなくなってくる

 我々は既に共犯者です。濱口監督が言っていたように『巨大なシステムを如何に「すり抜けて」生きていくか』は現代人にとって最重要テーマかもしれません。大変な世の中です。


 久方ぶりに、神田でお蕎麦を食べてきました。神田の錦町更科。
 江戸三大老舗蕎麦屋の麻布永坂総本家更科堀井(更科蕎麦の元祖)から明治初めにのれん分けした唯一の分店。あちらは一回潰れて戦後に復活した経緯があるので、ある意味こちらが本筋じゃないか、とボクは思っています。

 神田には藪やまつやなど超有名蕎麦屋はありますけど、観光地化した店に並ぶのは辛いものがあります。ここもひっきりなしにお客さんは入ってきますけど、大行列というほどではない。

 見てください、店の渋い佇まい。紫陽花がちょうど花開いています。大震災や空襲、バブルの地上げ、最近のマンションブームからも生き残って、今もこういう建物がビルの谷間に残っているのは本当に良かったと思います。

 店の中はボクが子供の時の家みたい。昔の東京の家ってこんな感じです。懐かしい。

 フランキー堺主演、川島雄三監督の名画『幕末太陽伝』に出てきた光景です。映画が作られた1950年代にはそういう景色を覚えていた人が大勢いたのでしょう。

 この雰囲気、ほっとします。

 頼んだのはアナゴ天と二色せいろ。

 二色のはずでしたが三色になってました(笑)。右上が唐辛子、右下が青ゆず。どちらも今の時期らしい、ほのかな品の良い香りで、特に青ゆずが素晴らしかった。そばつゆをつける必要がない美味しさ。
 おそばも文字通り角が立っていて、素敵でした。こういうのは久々に食べた。

 アナゴ天も家では作れません。アツアツの天ぷらを濃いそばつゆにつけて食べるのはサイコーでした。ボクは天ぷらは塩では食べない、絶対につゆで食べます!(笑)。

 だけど、そばつゆもまたカツオが利いています。同じ濃い味の江戸前のつゆでも昆布主体の藪とはまた、違う味です。

 お店の人はぶっきらぼうだけど、めちゃめちゃ気が利く。例えば寒いときは温かいお茶、暑い時は冷たいお茶、こんな雨の日はぬるめのお茶がお勘定が終わった後でもさっと出てくる。こういう気遣いって何なんだろう。
 こちらもさっと食べて、お礼を言って、さっと出ていかなければ粋ではありません。

 やっぱり店とお客は共存関係、店は客を育てるし、客は店を育てる。ただ、この店くらいだとこちらが育てるなんて恐れ多いことは言えません(笑)。