特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

映画『パラレル・マザーズ』

 11月ももう半ば。時間が過ぎるのは早いですねー。

 この週末 立憲民主の枝野前代表が改めて『公約に消費税減税を入れたのは間違いだった』と自己批判しました。『消費税減税で政権がとれるのなら、とっくに社民党政権ができている』とも(笑)。

 全くその通りです。少子高齢化が進み、医療・介護財源が益々膨らむ日本の状況で簡単に減税なんかできるわけない。

 仮に減税を唱えて政権を取っても、すぐ行き詰るに決まってます。

 物理的にムリなんだし(笑)、市場だってどういう反応をするか判らない。
 今回の円安で為替介入のために日銀は僅か2か月で9兆円も外貨準備高を取り崩しました。

止まらない円安…それでも日銀の「外貨準備を減らす為替介入」はやりすぎ注意の理由(ビジネス+IT) - Yahoo!ニュース

こんなことを未来永劫続けるわけにもいかない。9月末の日本の外貨準備高は180兆円だそうです。
www.nikkei.com

 野党支持者にもそんなことすら判らないようなアホが居ますが(志葉玲や松尾なんて所詮こんなものです)、

そんな消費税ガ―の限界系左翼(笑)はごく一部で政権を取るためには無用の長物、切り捨てても構わない。どうせ言葉は通じないんだから(笑)、相手にする必要はない。
 右・左に関係なく、ポピュリズムは民主主義の宿痾みたいなものです。

 そもそも、世論調査では消費税維持が圧倒的に多数の筈です。

 先週 共産党で論理的な話が出来る数少ない議員である小池晃がカメラの前でパワハラ体質を自ら晒して、約一週間後の昨日、謝罪に追い込まれました。
 

 自民党も酷いけど、

野党はまず、まともな社会人の政党になること(笑)、じゃなければ、政権交代なんて未来永劫出来る訳がありません。



 と、いうことで渋谷で映画『パラレル・マザーズ

写真家のジャニス(ペネロペ・クルス)は撮影で法人類学者の男性と知り合った。曽祖父がスペイン内戦でファシストファランヘ党)に虐殺されている彼女は『歴史記憶を回復する会』のメンバーでもある彼に遺骨の発掘作業を相談する。ほどなく彼女は彼と愛し合う仲になり妊娠するが、彼にはガンの妻がいた。シングルマザーとなることを選択したジャニスは産院で17歳の未婚の母アナと同室になり二人は仲良くなる。子供が成長するに従い、子供の外観が自分にも父親とも似ていないことが気になったジャニスはDNA検査を行うが- - -
pm-movie.jp


 スペインの巨匠、ペドロ・アルモドバル監督の新作です。主演のペネロペ・クルスベネチア国際映画祭で主演女優賞に輝き、アカデミー賞でも主演女優賞候補にノミネートされました。
ペネロペ・クルス演じるシングルマザー、ジャニス(右)が主人公です。

 映画ではまず、『30年代のスペイン市民戦争でナチスの援助を受けた軍部とファシストが反乱を起こして当時の共和国政府を倒した際、無辜の市民を10万人以上を大量虐殺、その死体は穴や墓地の周辺に埋められ、現在も大きな社会問題になっている』とのテロップが入ります。
 実際 スペインでは、殺された親や親せきをせめてきちんと埋葬したいと願う遺族や歴史の真実を調査するべきだとする人々と『今更 寝た子を起こすような真似はするな』と主張する右派との論争が今も続いているそうです。

 村はずれの原野で発掘をしようとする人々の中に、主人公のジャニス(ペネロペ・クルス)がいます。彼女の曽祖父はファシストに殺されて埋められている、という証言があるのです。

 映画はひたすらペネロペ・クルスの存在感で突き進んでいきます(笑)。
●産院でジャニスは10代のシングルマザー、アナ(左)と知り合います。

 スペイン市民戦争は単に歴史上重大というだけでなく、ウクライナ問題や日本の野党共闘など現代に通じる示唆に富む事件だと思うし、その総括が今もまだ済んでいない、というのは大きな問題です。歴史修正主義は日本だけでなく、スペインでも根を張っている。インタビューを読むと、監督もペネロペ・クルスもその点には非常に拘っています。
●彼女のTシャツの文字に注目

 ただこの映画、赤ちゃんの取り違えと歴史の歪曲/隠蔽とどうかかわりがあるのか、その繋がりが今いち良く判らない。

 脚本としては失敗です。真実を隠すという点では赤ちゃんの取り違えと歴史の隠蔽は共通しているけれど、お話としてはムリがある、とボクは思いました。

 つまらない映画や駄作という訳ではありません。ペネロペ・クルスベネチアで女優賞を取っただけあって、凄く良かったです。彼女を見ているだけでも十分 楽しい。
 巨匠が気合を込めて作った映画ではあるけれど、お話や撮影より、ペネロペ・クルスの圧倒的な存在感を楽しむ、そういう作品でした。


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