このところアメリカで『 ゴジラ‐1.0』の興行収入が好調なのが報じられています。
『ゴジラ-1.0』邦画実写作品として全米興収歴代1位に 神木隆之介「夢みたいです!!」|Real Sound|リアルサウンド 映画部
更に先週12月8日の全米興行収入、1位が宮崎駿の『君たちはどう生きるか』(The Boy and the Heron=少年と鷺)、2位が『ゴジラ‐1.0』でした。この週は目立った新作映画がなかったとはいえ、日本映画がアメリカの興行上位を独占するなんて前代未聞です。
Domestic Box Office For Dec 8, 2023 - Box Office Mojo
1位の宮崎駿はどういう層が見ているのでしょうか。アメリカで宮崎駿を見るような都市部のインテリ層だけでは1位にはなれないでしょうし、最近のディズニーやマーベルの映画に表れているように、若い人を中心にアメリカのリベラル層は日本よりはるかに分厚いのでしょう。
ゴジラ‐1.0はボクはそれほど面白いとは思いませんでしたが、アメリカ人に受けるのは判らないでもありません。特攻とか戦後とか関係なく、単に怪獣が暴れてればいいんだと思う(笑)。悪貨が良貨を駆逐するのは洋の東西を問いません。
藤子・F・不二雄先生の『T・Pぼん』の「戦場の美少女」は、タイムパトロールに導かれた恋人が、死ぬはずだった特攻隊員を説得し、「ムダ死に」を思い止まらせる話。
— 拉致問題 憎しみを超えて (@Serenitypraye12) 2023年12月9日
初出は1979年だが、藤子・F・不二雄先生亡き今の日本は、急速に逆行して、左のコマへと向かっている。 https://t.co/3LSyavqfT4 pic.twitter.com/JiIEkF3YDl
安部派の裏金が次々とニュースになっています。確かに議員の数が最も多いのに安部派はパーティー収入が少ない。残りは裏金に流れたと考えるのが自然です。
“派閥と金権”再び/自民パー券 億単位の荒稼ぎ/一晩に2億円も
しかし同様の裏金は他派閥でもある筈です。野党にもあるかも。一番悪質だとしても安部派だけが集中砲火を浴びているのは何か意図があるように思えてなりません。岸田だって安部派を内閣や党の要職から厄介払いできるし、次に河野太郎や小泉進次郎が出てくるのなら麻生や菅の思い通り、ということでもある。麻生はウィシュマさんを殺した名古屋入管を『入管は大切な命を預かる施設』と庇った元法相の上川陽子も推してるそうですが。
岸田総理、麻生副総裁と会談 裏金疑惑受け政権運営を協議か(テレビ朝日系(ANN)) - Yahoo!ニュース
安部派の勢力が減るのは良いことだし、これで自民党の議席も減ればよいですが、今の野党に政権担当能力がある訳じゃありません。岸田が辞めても、高市のようなもっと酷い奴が出てくる可能性もある。岸田を倒せとか検察頑張れ、とか呑気なことを言っている場合ではないでしょう。
日本人はモラルが低いと言われる原因がここにある。縦のモラルは強いくせに横のモラルがないのだ。政治家のモラルなどたいへん低く、罪の意識がない。政治家を検察庁が起訴すると、新聞なり国民なりが検察庁をほめるが、検察に頼って政治的道徳が維持できるなどというのは、およそ最低の国なのだ。
— 羽仁五郎bot (@gorohani) 2023年12月10日
さて、新大久保へガチ・バングラ料理を食べに行ってきました。
いつもtwitter(X)で目につくバングラディッシュ料理の店、全く訳のわからないメニューが並んでいるので味見をしにいったのです。
歩道を埋め尽くす韓流の下品な雑踏(韓流が悪いんじゃなくて、客層が下品)をかき分けながら、新大久保の裏道に入った住宅街に一軒家を改造した店があります。怪しいです(笑)。
この日のメニューです。料理は何が何だかわかりません(笑)。それとは別に、お店の人は日本語は書けるし話せるけど、読めないそうです。
席に座るとペットボトルの水が置かれます。びっくりしますが、ボクは水を大量に飲むのでこの方がありがたい。
イリシュキチュリ。スペシャルメニューというからには頼まなくてはいけません。イリシュやキチュリと言われても何が何だかわかりませんけど。
11月23日(木・祝)は特別メニュー作ります!大きなイリシュを使ったスペシャルイリシュキチュリ✨バングラデシュで人気のお料理です🇧🇩食べに来てくださぁい❣ pic.twitter.com/1HSQrweboI
— バングラデシュの料理 SARSINA HALAL FOODS (@SalsinaHF) 2023年11月20日
イリシュはバングラの国魚、キチュリは豆とコメのお粥だそうです。この店では炊き込みご飯みたいになってました。その上にぶつ切りのイリシュを揚げたものが載っています。
インド料理でいうビリヤニです。ビリヤニよりスパイスが辛いのと豆が入っているのは違うけど、かなり美味しい。まさに生命力が籠った料理。イリシュはニシンの種類というけれど、白身で鯛みたいな味でした。骨はちょっと多いけど許容範囲。ホクホクして、美味しい。
食後の素朴なチャイは香り高かったです。ハラル系の店へ行くと紅茶が矢鱈と美味しいのですが、こういう葉ってどこに売っているんだろう。
素朴な手作りの料理は間違いなく美味しかったので、この店はもうちょっと通って、主だったメニューを制覇しようと思っています。この日のメニューにはありませんでしたが、羊の脳味噌が美味しいらしい?です(笑)。
「戦没者と遺族たちに対して最も言いにくいことであるが、我々が言わねばならないただ一つの言葉は、君達の死は全く無益の死であったということだ。」1963年8月15日に毎日新聞はこう記した。第二次大戦の戦死者の死が無益でなかったとするには、この戦争を世界の最後の戦争とするより他はない。
— 羽仁五郎bot (@gorohani) 2023年12月10日
と、いうことで、日比谷で映画『ナポレオン』
1789年、フランス革命が起こり、王制を続けている周辺の各国がフランスに攻め込んでくる。フランス国内が大きく揺れ動く中、軍人ナポレオン(ホアキン・フェニックス)は戦いの中で勝利を重ね、権力を掌握していく。革命政府の腐敗もあって、ナポレオンは皇帝へと上り詰めるが、妻のジョゼフィーヌ(ヴァネッサ・カービー)との間に子供が生まれない。その一方でナポレオンは軍を率いて次々と戦争を繰り返していく。
今年86歳を迎えた名監督、リドリー・スコットの新作です。
なんだかんだ言ってボクは歴史ものが大好きですけど、満足のいくような作品は少ない。
今回はナポレオンという大ネタです。大監督がアカデミー賞俳優のホアキン・フェニックスと組んでの3時間弱の歴史大作がどうなのか、楽しみでした。
お話はマリー・アントワネットがギロチンに掛けられるショッキングなシーンから始まります。いわゆるつかみはOKという奴でしょうか。こうやって映像で見るとギロチンっていうのは文字通り野蛮な刑罰です。今 西欧諸国がSDGSとか人権とか偉そうに気取っているのが偽善なのがよく判る。
それから権力を握ったロベスピエールに代表される市民革命側の無能さ、腐敗も描写されます。革命政府も王政と大して変わりがないことが活写されているのもとても良いです。
そして革命を起こしたフランスに対して、王政を続けている周辺各国が攻め込んできます。革命フランスは風前の灯です。
そこに救世主が現れる。軍ではまだ中堅の大尉、ナポレオンです。フランスの超重要港ツーロンを占拠したイギリス軍に奇襲をしかけ、一気に取り返すことに成功します。彼は大尉から将軍に昇進、革命政府の中で重きをなしていきます。
出世欲が旺盛なナポレオンは王党派の反乱を弾圧し、対外的にも連戦連勝。革命の理想を守る軍人だったはずの彼はいつしか皇帝になり、絶対権力を握ってしまう。
上映時間3時間弱の大作とは言え、ナポレオンの生涯をすべて描くのは厳しいのでしょう。この映画、事件や登場人物の背景などの説明は全く省かれています。
ある意味 見やすいけれど、逆にあの事件が描かれないのか、あの人物が描かれないのか、という欲求不満も残ります。
まず、ナポレオンそのものの描写が少ない。政治的にも優れているし、少なくとも軍事面では大天才であることは間違いないのですが、そういう描写はアウステルリッツくらいです。戦場描写は素晴らしかったけど、全体としてナポレオン自身の描写が少ないから彼が転落する後半が生きてこない。
ナポレオン本人の出自(辺境であるコルシカ島の出身やその家族)、ネイやベルナドット、マルモンなど部下の将軍たちとの葛藤が全く描かれないのもどうかとも思います。ワーテルローで顔がネイそっくりの将軍がでてきたのは笑いましたが、台詞すらない。ナポレオンと部下との関係も、裏切りと忠誠、野心、でも誰もナポレオンの代わりには成れなかった(笑)という面白いドラマなんですけどね。
またナポレオンを倒したウェリントンは多少は描写されるものの、ネルソンやクツゾフ、ブリュッヘルなど敵方の有名人の描写も殆ど出てきません。
結論として無理して生涯全部を描かなくても良いのに、とは思いました。脚本はいまいちです。その点は莫大な情報量を詰め込んだにも関わらず欲求不満を感じさせない、ちょっと前の『キラーズ・オブ・フラワームーン』のすごさが引き立ちます。
お話の中心はナポレオンと皇后ジョゼフィーヌとの関係です。寡婦のシングルマザーだったジョゼフィーヌに一目ぼれしたナポレオンは彼女に夢中になります。映画では彼女に認められようと活躍を続けるナポレオンが描かれる。その一方 ジョゼフィーヌはナポレオンの愛を受け入れながらも、彼には満足しない。自分も愛人を作り、世界がひれ伏すナポレオンを自分にひれ伏させる。
一時はヨーロッパを支配した皇帝、軍事面の大天才であるナポレオンが、私生活では徹底的に小物(笑)として描かれる。ほとんど戯画的ですらあります。その狙いは面白いし判るけど(ヒトラーも性癖はマゾヒズムでした)、あまり成功しているとは言えない。
ナポレオンを演じるホアキン・フェニックスは小物感を非常にうまく出しています(笑)。良い意味で怪演です(笑)。
だけど世界が恐れた大天才、英雄には全く見えない。大天才だけど小物っていうのなら面白いけど、意図的にナポレオンの描写を避けて、何がしたいのかなあ(笑)。
一方 ジョゼフィーヌを演じるヴァネッサ・カービーはカリスマがあります。彼女の美貌と迫力は素晴らしかったです。ミッション・インポッシブルに出てたそうですけど、ボクはそんな映画知らん(笑)。この映画では、どう考えてもナポレオンより大人物に見える。監督は女性映画にしたかったのかもしれませんが、それにしては中途半端です。
でも、脚本はいまいちですが映像はすごい。豪華な戴冠シーンなどは正にダヴィッドの名画の再現です。
それに合戦のシーン。エキストラが数百どころか(のべ)数千、馬も百頭という話もありますが、すごい迫力だし、こうやって当時は戦争をやっていたのか、ということがよくわかります。NHKの大河ドラマが土下座どころか、靴底を舐めても、まだ全く足りないレベル。
映画ではナポレオンの数多い戦いのうち、アウステルリッツの戦いやワーテルローの戦いしか出てきませんが、これらを見るだけでもこの映画を見る価値は十二分にあります。ボクはビックリした。よくぞ実写化したしか言いようがない素晴らしい映像は、さすがリドリー・スコットです。
と、いうことで、欠点はあるし、もっと面白くできた筈の映画でもあります。でも、これだけ豪華な大作を見ることができただけでもボクは満足しました。
全世界で興行収入1位となるなど予想を上回る大ヒットだそうですけど『ナポレオン』全世界オープニング興収1位スタート ─ リドリー・スコット&ホアキン・フェニックスのスペクタクル超大作 | THE RIVER、一見の価値はあります。面白いです、それなりに。