特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『裏で笑っているのは誰?』と『100年の洋館』(京都紅葉紀行2)

 今日は真珠湾攻撃があって、ジョン・レノンが殺された日。
 どちらからも学ぶことが沢山あります。

 
 先々週からずっと、岸田が統一教会の親玉と面会した話や自民党の派閥のパーティー券の問題がニュースで流れています。

 これらを見ていて思うのは、誰がリークしているんだろうってことです。
 統一教会の件は統一教会が自らバラしているのでしょう。報じた朝日新聞は『関係者』と言ってますが、続報の写真が間髪入れず出てきたことなど、文字通り面会した人間しか出すことができません。いつもと異なり、統一教会はすぐ事実関係を認めています。

 動機は解散命令に関する自民党へのプレッシャーか復讐かはわかりませんが、情報の出元は統一教会です。

 写真の提供者はギングリッチなのが明らかになりましたが、勿論 どこかからの指示があるわけです(笑)。

 少なくとも自民党の責任者である岸田にダメージは与えているから、統一教会の狙いは当たっていることになります。


 パーティー券の話も誰かのリークです。
 検察が盛んに捜査過程を漏らしていますけど↓、別に検察が正義を追求しているわけではない(笑)。元ネタがあるはずです。

 news.yahoo.co.jp

 情報の出元は岸田政権を見限った財務省ではないか、と言われていますが、

diamond.jp

 ボクですら、大きく記事になる1週間前には新聞記者から『今回は本気で行くらしい』と聞いていました。それくらい情報が人口に膾炙しているのですから意図的に情報がばらまかれていることは間違いない。前述の記事にあるように財務省のバックにいるのは麻生なのか、菅なのかはわかりませんけど。

 その記事では『次に自民党内で担がれるのは小泉進次郎河野太郎ではないか』とのことです。どちらも菅の神奈川閥だし、河野太郎麻生派でもあります。麻生が上川陽子を担ぐと言う話もありますね。
 党内であまりにも嫌われている石破は論外だとは思いますが、今週の『報道1930』で「投票義務化」と言う正論を言ってました。


 ボクの高校の先輩(笑)、石破なんか口だけで実行力なんか皆無でしょうけど投票に行かない奴は禁固刑、というのは良いアイデアです。最低でも罰金が当然だし、ただでさえ野党は魅力がないのだから、そういう正論を主張すればいい。番組では立民の辻元清美が『義務化は賛成だけど罰則までは』と腰抜けなことを言ってました。それぐらいのことをやらなければ日本は再浮上できないでしょう。

 ボクも岸田はサイアクだとは思います。けれど自民党にも野党にも、もっとマシな代わりがいる訳じゃありません。岸田が辞めても何か展望が有るわけじゃない。サイアクが違うサイアクになるってことくらいか(笑)。

 パーティー券の情報をリークしているのはどういう連中なのか。
 目先の利益には敏感だけど飽きやすく政治に興味がない国民を利用しているのはどういう連中なのか
 この泉房穂↓が典型ですが、誰か巨悪がいるみたいな陰謀論はボクは信じません(笑)。そこまでバカじゃない。

 でも、こういうリークが出てくる構造を考える事は、官僚やマスコミや政治家、いわゆるエスタブリッシュメントが支配するこの国の成り立ちを変えていく端緒になると思うんです。
 『岸田はやめろ』と吠えているだけじゃ脳がないですよ(笑)。


 先週の続き、京都紅葉紀行です。
 お寺から帰ってくると、宿の前がライトアップされていました。

 建物は京都府の指定有形文化財です。1909年に当時のたばこ王が作った洋館で名付けたのは伊藤博文

 玄関上のポーチにあるステンドグラスがきれいです。大混雑の街へ出る勇気はないので、夕食は宿で食べることにしています。


 
 内装は重厚なアール・ヌーヴォーのインテリアです。全部110年前に作られた本物です。

 まずはバーに案内されて、食前酒。このホテルがコレクションしているマディラワインのカクテルです。後ろの棚に100年以上前のものから年代別に並んでいます。

 おつまみのキッシュがまだ温かい。

 そのあと食堂に案内されて、シャンパン。

 メニューの最初は締め鯖。その下にリゾット状のコメやビーツが添えられています。酸味でそれぞれがつながっているのが面白いです。コンセプトは京都名物の鯖寿司のコンポジション、つまり再構成です。あとでシェフに尋ねたら、お酢だと酸味がきつすぎるので発酵野菜の汁の酸味を使ったと言ってました。

 魚のすり身を乗せて焼き上げた分厚い原木シイタケ。

 最初のワインはグラーブ産のミネラルが強いもの。こういうワインは普段は好まないのですが、すっぱいものにはよく合いました。

 茶碗蒸しの上に鶏のコンソメ丹波の大黒シメジをすりつぶしてスープにしたもの、さらに上にはエスプーマ。ロワイヤル仕立てです。大黒シメジって味が濃くて美味しいです。 

 甘鯛のウロコ焼。オーソドックスな白ワインとクリーム、バターのソースですが、珍しくしつこくなかった。

 これは忘れました。シャルドネではないんですが、コクがあって美味しかったことしか覚えていない(笑)。

 柿のシャーベット。これだけでも美味しかったのですが、途中で甘いマディラワインをかけて味変させて食べます。

 メインを客席でフランベして仕上げる店も最近では珍しいです。

 これも京都の食材、丹波牛。シャトーブリアンなのでしつこくないか不安でしたが、脂より赤身の味が遥かに強かったのは驚きでした。久々に美味しいと感じる和牛を食べました。

 ワインは若いブルゴーニュですが、肉の味に合わせたそうです。コート・ドール産だけあって香りは芳醇でした。

 ホクホクしている蕪の塩釜焼は切りわけて牛の付け合わせになりました。

 100年前の部屋がそのままレストランになっています。明治期に輸入されたバカラのシャンデリアといい、壁の漆喰模様といい、こんなに手がかかる装飾の部屋は今では作れないでしょう。

 壁には鏡が貼られ、天井もやたらと高い。椅子も猫足。

 まさに文化財

 メインが終わったら、貴腐ワインが注がれました。甘いソーテルヌです。

 パルミジャーノ風に削って香りを出した北海道のチーズとサツマイモ。

 最初のデザート=アバン・デセールは裏ごしした紅玉のポタージュ。こんなものは初めてですが、滋味あふれる味でした。

 メインのデザートは和栗のモンブラン

 と言っても普通ではなかった。中にはアイスクリーム。お供は渋皮ごと煮たマロングラッセ

 最後は8種類から選んだお茶と

 お茶菓子。


 ホテルのレストランということであまり期待していなかったのですが、こんなに美味しいと思わなかった(笑)。舐めてました(笑)。

 クラシックな料理だけど、全然しつこくない。小細工を使わずに素材の味を生かして直球で攻めてくる。何でもかんでも手作りです。サービスの人も親切だし。
 低温調理もエスプーマも良いとは思うけれど、やっぱりオーソドックスな料理がボクは好きです。座右の銘は『創作料理に旨いものなし』(笑)。最近はこういうオーソドックスな料理って減っているから、貴重です。気に入りました。素晴らしい夕食でした。


 そのあとは客室棟に戻ってラウンジでエスプレッソ。無料だったので消化のために2杯も飲んだら、あとで眠れなくなった(笑)。

 部屋に戻ったら、薪ストーブに火がついていました。京都の山間部から仕入れてきた薪を玄関の脇で1年間干しているそうです。京都の夜は薪がパチパチ爆ぜる音とともに更けていきました。


 朝は円山公園を見ながら朝風呂で始まりました(笑)。窓がついているお風呂っていいですよね。

 京都の町中ですが、まるっきり山のような景色です。

 朝食は昨晩と違う部屋。ドレープしたカーテンの奥から紅葉が見えます。

 この部屋のインテリアも凄い。柱は大理石です。

 朝食の際 印象的なことがありました。
 後から食堂に入ってきた、くまちゃんの絵が描かれたセーターを着たカイゼル髭の爺さんが、ボクのテーブルの脇を通り過ぎるとき、さりげなく軽い会釈をして行ったのです。
 その所作のスマートな事といったら。

 ボクもあわてて会釈は返しましたが、そのさりげなさには正直 参りました
 爺さんは70後半~80歳くらいだと思います。昨晩の夕食時は奥のテーブルでブラック・スーツを着て食事をしていました。あの食堂にはピッタリとは言え、今時ブラック・スーツなんか珍しい。こういうところにはそういう人がいるんだろう、只者ではないとは思っていたんですが、やっぱり只者じゃない(笑)。

 ブラック・スーツとくまちゃんセーター、80歳になってもフランス料理を食べる元気があって、スマートな所作が自然に出来る、こういう爺さんになりたいです。勉強になりました。
 カイゼル髭はマネしませんが、くまちゃんセーターは本当のジジイになったら着てみたいと思います(笑)。


 朝ごはんもクラシックだけど、やたらと手が込んでいます。野菜は京都近郊が中心、トマトジュースは絞ったものではなく、皮を剥いたものをすり潰しています

 当然 オムレツは卵の数を指定できます。ドレッシングもジャムもソーセージも手作りです。ボクは既成品のソーセージは好きじゃないのですが、手作りのものは大好き(笑)。以前ボクが通っていた店で、完全手作りを貫くイタリア料理の某巨匠が『元来 ソーセージは贅沢なものです』って言ってたのを思い出します。

 お昼ごはんの店も予約しているので食べ過ぎないように自制するのが大変でした(笑)。
 まだ食べ続けます(続く)。