特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『選挙に行かない奴は- - -』と『東山の昼下がり』(夏休み旅行記3)

 やっと暑さも峠を越したのが実感できるようになりました。まだまだ蒸し暑さは残りますが、時折こんな空を見ることができるようになりました。秋空が恋しいです。

 岸田が『今まで停止していた柏崎刈羽や東海第二などの原発を動かす、原発の新設も検討する』と言い出しました。安全対策や避難計画の欠如など、停止には理由があるのにトンデモない話です。

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 今夏のように電力不足の恐れがある、と言われたら、確かに少し考えます。『本当に電気がたりないのなら、安全を確保した上で電力不足やCO2削減のためには再稼働も仕方がない』と、まともな人(笑)だったら思うでしょう。10年近く再稼働反対の官邸前抗議に通ったボクだってそう思います。

 しかし、本当に既存原発が安全なのか、本当に電気が足りないのか、と言う問題は全く議論されていません

 最近策定されたエネルギー第6次基本計画では電気の需要の元になる、2030年までの日本の経済成長率はOECDの長期予測の1.8倍、という前提で計算されているそうです。
 一橋大の野口名誉教授は『そんな経済成長は不可能であり、サハリンのLNG権益が無くても問題ないし、30基必要とされている原発の再稼働も10基で十分』と指摘しています。

diamond.jp

 今年は老朽火力発電の故障&メンテとウクライナという緊急事態が重なりました。長期的には電力は余る可能性は高い
 特に東海第2のような、事故が起きれば東京全滅になりかねないリスクがある老朽原発を動かしていいのでしょうか。電気がどうしても足りないなら兎も角、東京・中部・関西の電力を融通する連係線もまだまだ拡張する余地があるのに、トンデモナイ話です。しかも原発の発電コストは再生エネに比べてはるかに高い


www.nikkei.com

 ボクは今まで、安倍や菅に比べれば漢字が読めるだけ岸田の方がマシ、腰が定まらない野党の政権よりもマシ、とすら考えてきました。
 しかし原発の再稼働強行は許しがたい。まして新設なんか論外。バカ高い原発の電気で日本の産業競争力をこれ以上下げようというのか。岸田まで日本弱体化を狙う統一教会の手先か。
 まず、電力が本当に足りるのか足りないのか、本当に安全なのかどうか、きちんと議論をすべきです。なんで、こんなひどい政治家ばかりなんでしょうか、日本は。


 さて統一教会の件、報道が続いています。日本人お得意の『飽き』の問題は怖いですが、まだまだ問題はいくらでもあるでしょう。飽きている場合じゃない。統一教会の汚染は自民党だけでなく、維新や国民民主、公明にまで広がっていますが、立憲民主の枝野、安住などが世界日報統一教会系の新聞)のインタビューを受けたという話までありました。

 思わずムッとしたのですが、

 事情を詳しく見ると、当時 枝野は憲法調査会の会長で調査会として自民党の議員と一緒にインタビューを受けたそうです。それでも『アホか』って話ですが、個人としてというより憲法調査会や当時の民主党としての問題でもある。

●枝野の弁明。「反対の立場の媒体にも自分の主張を載せるべき」というのは判る。ただし、まともな媒体なら。

 それでも立憲民主の幹事長に岡田克也国対委員長安住淳が戻ってくるそうで、そこは期待します。リーダーシップはともかく、政策では岡田克也は殆ど間違ったことは言わないし、国対委員長としては安住が有能だったのは既に証明済みです。

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 どんな政治家、政党にも問題はあります。
 例えば枝野は初当選の際 革マルの影響下にあるJR労組から支援を受けています。元幹事長の福山は自民党の麻生などと一緒に、現代の奴隷制度と悪名高い技能修習生の派遣に携わる日本ミャンマー協会の理事をやっています。

 福島瑞穂共同通信からの転載でインタビューが世界日報に載ったこともあるそうです(これは完全無罪ですが)。さすがに共産党統一教会とは関係ないでしょうが(笑)、かといって共産党の訳のわからない政策と独裁体制の政党が良いと言うわけでは勿論、ない。
 れいわだって山本太郎は選挙の際 中核派の関連団体の支援を受けているし、政策が間違っているばかりか普段言ってることすら嘘ばかりです。統一教会中核派も世の中への害悪、という点では大して変わらない。統一教会の方はカネは持ってるだろうけど。

 完全無欠の政党、候補者なんか残念ながら存在しない。どこまでが許容できて、どこまでが許容できないか、という境界をはっきりさせること、それに有権者にきちんと説明しているかどうかで判断するしかないんじゃないでしょうか。我々はよりマシなものを選んでいくしかない

 昔の学生運動に始まり、現在の野党に至るまで、自分たちの主張に固執するあまり内ゲバが始まり、自滅していったのが日本の左翼の歴史です。夏休みの旅行の合間にこの本↓を読んで、改めて納得しましたよ。
 

 やはり変な団体が介入しても意味がないくらい、投票率を上げること。結局それに尽きる、とボクは思います。選挙に行かない奴は統一教会の手先(笑)、それでいいんじゃないでしょうか。
 
 


 と、いうことで、お盆の旅行も最終日です。
 朝、部屋に朝ご飯を持ってきた宿の人が窓の障子を全て外してくれました。ガラス戸一面に静かな保津川の光景が広がっています。まるで額縁の中の絵のようです。

 と言っても、この日は朝ご飯はほどほどにしなければなりません。宿を出て、また船で川を下っていきます。

 渡月橋のたもとで船を降ります。

 そこから市内へ戻って、嵐山とは反対側、東山のふもとへ向かいます。
 旅行のフィナーレに、京都ならではの料亭へ行ってお昼ご飯を食べよう、という計画です。近くまで来て車を降りると辺りは祇園清水寺の観光名所やお盆前のお墓参りの人でごった返していました。でも東山に向かって少し坂を登ると、人影もまばらになります。

 予約したのは創業100年余で京都ではそれほど古いとは言えませんが、その前は先祖代々高台寺の井戸の番人だった、というお店です。
 玄関前には下足番のおっちゃんがまるで待ち構えているかのように立っています(笑)。ボクは旅行で3日間履いてくたびれたウォーキングシューズで、ちょっと恥ずかしい(笑)。

 案内されたお座敷に入ると、まずお茶菓子が出てきます。食べる前にお腹を膨らませたくないんですが、京都では最初にお菓子を出してくる和食店って結構あります。不思議です(笑)。

 東京にも美味しい和食屋は沢山あるし、東京に支店を出している京都の店も多い。でも、殆どがビルの中です。料亭という独立した、それも古い建物でご飯を食べられるのは京都ならでは、です。

 このお店は全部で18部屋というから料理屋の割には比較的大きく、敷居も低い。こちらも気を使わなくて済む。店は『大人のアミューズメントパーク』と称していますが、確かにディズニーランド(ボクは行きませんが)みたいな感じです。

 案内されたお部屋に入ると夏らしい滝の掛け軸が目につきます。

 仲居さん曰く、この部屋は屋形船を模しているそうです。

 なるほど庭は川を模しています。それに生命力が溢れる草木の緑が美しい。

 庭の石も水の流れのような模様がつけられています。草木の手入れも含め、維持するだけでも大変だろうなーと思います。

 天井も屋形船の葺いた屋根風になっています。

 お料理はほおずきに入れた八寸から始まります。細かい話ですが、下に敷いてある銀杏が異様に美味しかった。

 一つ一つ開けていきます(笑)

 次にイチジクの白味噌煮で口の中をさっぱり。

 大きな蓮の葉の上にはお刺身。車エビと明石鯛。

 鱧の落しと焼霜造り。写真を撮る前に一つ食べてしまいました(笑)。
 前日の鱧は水っぽくてダメでしたが、こちらは流石に大丈夫。この店の落としは水ではなく鱧の出汁で湯がいているので味が逃げない、また普通は氷で冷やすけど皮が硬くなってしまうので暖かいまま出す、と仲居さんが言ってました。

 賀茂茄子の揚げ出し。茄子と海老が入っています。濃いめの出汁が美味しい。

 塩釜を外して現れた若芽の下はじゃーん。丸ごとの鮑と雲丹。四の五の言わず、うまいに決まっています。肝醤油で。女将には『お腹がいっぱいになってしまうから食べちゃダメ』と言われるのですが、この若芽も貝の味を吸っていて、死ぬほど美味しい。

 『盛夏の冷製』と称したお皿。タコ、北寄貝に京都で採れた野菜。マイクロトマトに赤い万願寺唐辛子、ラディシュやビーツなど。

 最近は和食でも後半に肉が出てくることも多いです。この店もそう。ボクは事前に『霜降りの肉は止めてくれ』とお願いしてあったので、代わりに伊勢海老の具足煮が出てきました。ドカンとデカいお皿で出てきたのでヤケクソ気味な感じもしましたが(笑)、白みそ仕立てのお汁と冬瓜が実にうまい。

 鮎ご飯。かかっているのは蓼の粉。

 いつも思うんですが、和食屋の漬物って売っているものより遥かに美味しい。プロの手作りだからでしょうね。みそ汁の中には蓮根餅。

 最後は抹茶の代わりにかき氷。最後に出てくる割に結構デカい(笑)。そして、お茶の色が異様に濃い。氷に抹茶を振りかけたのではなく、抹茶を凍らせてかき氷にしたのでしょう。

 氷の中には抹茶アイスと白玉、小豆が入っています。

 もう、お腹いっぱい。食べ終わってお茶を飲んでいると、蝉の声がひときわ大きく聞こえました。東山の静かな昼下がりです。

 これで年に1回の食べ放題旅行もオシマイ。この日は夕飯抜きだったことは言うまでもありません。またダイエット生活に逆戻りです(泣)。

 感染でビクビクしながらの旅でしたが、楽しかったです。来年はコロナなんか気にしないで旅行に行けたら良いなあ。健康でおなか一杯食べられることに感謝したいと思います。