特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

読書『「意識高い系資本主義」が民主主義を滅ぼす』と『腊肉のニラ玉』

 九州の方は大雨ですが、今週の東京は酷暑でした。確かに気温が36度ともなると道を歩いているだけでも倒れそうになります。
 朝 マンションの中庭では朝6時でも『もわっ』と熱気が伝わってきます。

 暑さで体調を悪くしたり、お年寄りが亡くなったりすることがあるのはよく判ります。
 炎天下でも池の周りの花は咲き誇っているのがせめても、です。

 西日本の大雨も呆れかえるような酷暑も、地球温暖化に伴う東シナ海の温度上昇が関係している、と言われています。たまたま、ではなく構造的なものです。毎年、何らかの形で続く。

news.yahoo.co.jp


 昨年観た人形アニメSF映画Junk Head』では、近未来、地上は熱波に覆われて生身の人間は外に出られない状態になっている世界を描いていました。そこでは文明も崩壊、人類は地下で細々と生きるしかない。

spyboy.hatenablog.com


www.youtube.com

 こういう世界へどんどん進んでいるような気がしてなりません。温暖化対策とか言ってますが、もう間に合わないんじゃないの。
 普段ボクは日本が衰退するのはもう決まっているとか憎まれ口をたたいていますが、もう地球規模の話かもしれません。 

 通勤路にあるお寺でも蓮の花が咲いています。美しい。

 今まで当たり前のように思えた、こんな景色も今に見られないようになるかもしれません。


 今日は 本の感想です。『WOKE CAPITALISM 「意識高い系」資本主義が民主主義を滅ぼす

 
 新聞の書評で話題になっていた本。訳者が、財政出動を主張しTPP反対の経済ナショナリストの経産官僚、中野剛志なので躊躇はしましたが(笑)、一応 読んでみました。
 内容をアマゾンの解説からコピーします。

 近年 アメリカでは『WOKE』という言葉がはやっています。WAKEから派生した言葉で所謂 意識高い系を指すか、若しくはそれを揶揄する意味です。

 WOKEの代表例では大企業、例えばナイキが人種差別に抗議したNBAの選手をサポートしたり、ディズニーやセールスフォースなどが人工中絶を禁止する州法の制定に抗議する動きを指しています。温暖化対策などSDG’Sの大騒ぎは言うまでもない。日本だってTVでSDG’SのCMを見ない日はないでしょう。
 
 この本は大企業による社会的意識の高揚は偽善と糾弾しています。以前 ナイキが児童労働で悪名高かったのは有名な話だし、多くのディズニー作品には白人ヒロインばかりが起用されるなど人種差別的な意識が反映されていました(最近は違います)。所詮は金儲け、というのです。その通りです。

 だけど、この本には『だから、どうする』はない(笑)。マヌケすぎ。
 
 ボク自身も意識高い系はやっぱり鼻につきます(笑)。確かに偽善だし、とにかく言ってることが浅い
 24H営業や店舗へ1日に何回も配送してエネルギーをムダにしまくっているコンビニがSDG'SのCMを流しているのを見ると、めちゃめちゃムカつきます。連中の偽善はもっと追及されて然るべきです。

 ただ、偽善ではあっても何もやらないよりはマシ、です。
 確かに『人新世の資本論』の自称マルクス主義者、斎藤幸平などが言うように、経済が目的になっている資本主義では環境対策は間に合わないかもしれない。でも温暖化対策のために強権的な共産主義にしていいのか、と言う話です。それはない(笑)。

 お花畑の非武装中立論や即時原発廃止論が典型で、日本のアホ左翼は直ぐ全否定して思考停止→終了というのが常です(笑)。しかし現実に世の中を変えるには、偽善は偽善であることも認めつつ、それでも一歩ずつ世の中をマシにしていくしか方法はない


 

 カネやイデオロギー、それに感情で直ぐ暴走するアホな人間ども(笑)をコントロールする方法は市場と民主主義、今のところ その両輪しか、思い浮かびません。    

 問題は民主主義がどんどん弱まっている反面、市場側の力が強まっていること。
 市民は政治参加しないし政治家は世襲やポピュリストのバカばかり、一方 企業側は市場競争に追われて絶えず努力はするし、国際的な大企業では性別・人種を問わず有能な人間を起用する。マイクロソフトコカ・コーラの社長がインド系だったり、女性だったりするのは最早ニュースにもならない。

 だからGAFAなどの超大企業が国を左右する影響力を持つようになる。
 政治家は与野党ともにバカばっかり、企業側は常に優秀とは言わないまでも(笑)、世襲よりはマシなことが多い人間が起用されるのだから、当然です。
 特に日本の野党側の人材は学者や弁護士、それに市民運動家、では勝負にならない。れいわや維新なんかはまともな社会人にすらなれない連中の吹き溜まりです(笑)。

 結局 何事もバランス、なんですよね。多様な年齢や性別、それに役人やサラリーマン、経営者など多様な経歴を持つ人間を政治に引き寄せることが必要だし、市民の側ももっと多様性を意識しなければいけないのでしょう。


 さて三軒茶屋のガチ中華、湖南料理屋で『腊肉』(ラーロウ)を味見してみました。腊肉のニラ玉です。腊肉とは中華料理の干し肉、湖南の場合は米ぬかなどで燻製にする。田舎の農家では、かまどの上に肉を干し、料理を煮炊きする際に出る煙で燻すそうです。

 燻製の香りが凄く強い。ベーコンのようにスモーキーではないけど、強い独特な香りです。あと、卵。ふんわりとしていて表面は香ばしい焼き色がついている。卵ってこんなに美味しいものなのか、と思います。これは料理人の腕としか言いようがありません。 

 ついでに羊のスペアリブ。スパイスのパウダーをつけて揚げたもの。肉についている脂分がトロトロになっている。勿論 肉はサイコーです。
 

 これは旨い。注文した時、お店の人に『お酒は無くていいのか』と尋ねられた訳が分かりました。ボクは昼間からお酒を飲むようなことはしないので断りましたが、確かにこれはお酒が欲しくなる。

 とどめは海老と春雨のニンニク蒸し。この前食べてあまりにも美味しかったのが忘れられなくて(笑)、春雨がご飯替わり、これもダイエットです。揚げたスペアリブを食べて言うことではないかもしれませんが(笑)。

 ガチ中華とは言え、昼間に定食ではなく訳の判らないものを注文していると、注文するこちらが何となく気兼ねしてしまいます。
 だけど中国の人はそんなこと気にしない。中国人客は『絶対食いきれないだろ』と思うような大鍋を一人で抱えて食べている人もいるし、店の人も誰が何を頼もうと興味を示さない。こちらが何か言わない限り、客へのサービスにも興味を示さない(笑)。

 でもアサーティブの精神からすれば、それも良いと思います。デモや投票と同じで、何か要求があるのなら、こちらが意志を示せばいいのです。
 投票やデモなどで自分が意思表明もしないくせに政治家が国民の希望をかなえてくれるなんて期待している人間は文字通り、頭がおかしい
 マスコミやネットを見ていると、そちらが多数派のような気もしますけど(笑)。

 気楽で美味しくて、幸せなお昼ご飯でした。いつまでも美味しくご飯を食べられるような健康な身体でいたいものです。