特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

NHK『最後の講義 保坂正康』と『香辣魚』

 今週は夏至でした。1年で昼が一番長い日。
 その一方 旧暦では端午の節句。中国では粽を食べるそうです。

 新暦と旧暦、あまりにも感覚が違います。歴史的に使われている期間が長い旧暦の方が自然かな。

●中国の端午節のドローン。夜空を舞うドラゴンはちょっと感動するくらい美しいのですが、大量のドローンをコントロールするのは重要な軍事技術でもあります。日本にはこれだけの技術はない。

 今の日本はドローン技術どころか、ジェンダー平等度は世界でも最低レベルで、

 山本太郎のように国会議事堂で暴力をふるう嘘つきが国会議員で(同類は自民党にもいますが)、

 ミサイルのために北朝鮮へ送金する邪教を取り締まることもできない。

 国民のレベルの低さだけは、どうにもなりません(笑)。


 先週 NHKで『最後の講義 保坂正康』を見ました。3月9日に最初の放送があったそうですが、ボクは全く見逃してました。その頃は引越しでそれどころじゃなかった(笑)。

www.nhk.jp

 番組の内容は第二次大戦や戦前の歴史を中心とした緻密なノンフィクションを書いている保坂氏が若い人に語ると言うものです。サラリーマンを辞めて専業作家になった保坂氏は取材で4000人もの人にインタビューをしたそうです。

 その中で東條英機の未亡人にインタビューをした時の話が印象に残りました。日米開戦が決まったとき、東條は家で布団の上に座ってずっと泣いていた、と言うのです。バカな戦争を始めてしまったということは当人も判っていたのでしょう。

 保坂氏はそれに対して、『日本の指導者は涙で誤魔化そうとする傾向がある』と指摘していました。感情論で直ぐ事実を覆い隠してしまう

 東條だって勝てるはずがない戦争であることは判っていた。欧米のまともな指導者だったら『開戦を阻止するか、戦争が始まっても停戦を目指す』ように動くでしょう。
 日本のクズ指導者連中は何もしないで泣くだけ(笑)。涙が事実に向き合うことを誤魔化すための道具になっている。

 終戦の時の御前会議でも出席者が何人も泣いていたことも含め、保坂氏は日本の指導者連中の無責任さを糾弾していました。殺された300万人以上の人にしてみれば冗談じゃないですよ。

 この話は単に東条英機がアホだった、大日本帝国の幹部がマヌケ揃いだった、というだけではありません。現実を直視しないことは、左右を問わず、現代とも繋がっている。

 例えば、今日見かけたこのニュース↓。アニメだか何だか知らないけど、お年寄りも子供も生活保護を受けている人も誰もが払っている消費税を自分たちだけは払いたくない、とゴネて泣くバカ
 インボイスなんか消費税がある国では世界共通なのに、どうしてお前らだけ対応できないんだよ(笑)。ふざけんな。涙で自分たちのバカを正当化するな
news.yahoo.co.jp


 保坂氏は終盤 『現代日本の課題は戦後民主主義から普遍的な民主主義に変わっていくことだ』と言っていました。アメリカから与えられた戦後民主主義は所詮 強者の民主主義である。『もっと普遍的な民主主義があるのではないか』というのです。

 確かに戦後民主主義と言っても、アメリカの核の傘の下に守られたものです。それに外交や安全保障、多くの規制緩和LGBT法だって日本人が意思決定をしているわけではない(笑)。とても独立国は思えませんが、かといって日本人が独力でまともな判断ができるわけではない入管法の改悪がその典型です。


 この課題は戦後ずっと有耶無耶になっている。三島由紀夫のように時折 指摘する人も居ましたが、60年代も70年代もそれ以降も有耶無耶になっている。

 戦後民主主義は後退し続けているように見えます。現在はいよいよ限界に来ている。そこで憲法9条を守れとか戦後民主主義を守れとか言ってるより、もっと普遍的な民主主義を考えるべきではないかと保坂氏は言っている、とボクは解釈しました。上野千鶴子が言っている『選憲』に近い。

 ただ、左右を問わず思考停止している輩が多数の今の日本人に普遍的な課題に取り組むだけの知的体力や理想があるのか、甚だ疑問です(笑)。LGBT法ですら、まともなものを作れない国です。今の日本人にまともな知性や理性があるわけない。普段の生活を振り返ってみれば、誰にでも判る筈です。

 それにしても保坂氏や半藤一利氏などは昔の慰安婦論争などではどちらかというと保守側に位置づけられていた人です。それが今や、まともに見える
 左側のイデオロギーに囚われず地道な証言を収集、積み重ねてきた彼らが言ってることが正論だったのか、それとも時代が右に行き過ぎたのか、どちらでしょう。ボクは両方だと思っています。


 さて三軒茶屋でまた湖南料理を食べてきました。

紫蘇煎黄瓜

 キュウリと大葉のロースト。キュウリと大葉を炒めただけですけど、一口食べて『ああ、美味しい』と思わず声が出ました。控えめな塩と短時間の高温調理の賜物なのでしょう。

蒜蓉粉絲蒸蝦

 海老と春雨のニンニク蒸し。上にはコリアンダーなどのハーブが載っています。これもシンプルな料理ですが、めちゃめちゃ美味しい。こんな旨いものが世の中にあっていいのか、というレベル(笑)。適度なニンニクとハーブの香り。しかも春雨が海老から出たスープを吸っているんです。これは3食食べても飽きないだろうなあ。

香辣魚

 白身魚の香辣蒸しです。ハーブや香辛料を混ぜた塩水に10日漬け込んで発酵させた白身魚=『臭魚』を発酵させた唐辛子と一緒に炒め煮にしたもの。この日は黒ソイです。

 残ったスープには太いビーフンを入れて食べます。魚の汁を吸って、これまた美味しい。中華風パスタです。

 この日食べたものはどれも、油は香りづけだけで殆ど使っていません。炭水化物も控えめだし、食べ終わった翌日も全然、体重は増えていませんでした(笑)。