特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『老醜』と映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル』

 九州や島根は大雨のようですが、東京は酷暑の日、でした。
 近年 西日本で大雨が多発するのは東シナ海の温度が上がっているからだそうですが、日本の自然環境そのものが変わってきているのでしょう。ディストピア小説にあるように、今に人間は生身で室外に出られないような環境になるかもしれません。

 昨日  山下達郎が、自分の事務所がジャニーズ問題に言及した音楽プロデューサーの契約を破棄した件についてコメントを出しました。
 個人的には山下達郎の音楽なんか好きじゃないし、どうでもいいです。が、今の山下の老醜は人間の生き方、晩節のケーススタディ、反面教師だと思うんです。

 山下の言う通り、音楽と作者とは関係がありません。しかし今問題になっているのは音楽ではなく(笑)、山下がジャニーズの性犯罪隠ぺいに間接的に加担している点です。本人曰く『山下家・小杉家(事務所社長)・藤島家(ジャニーズ)のご縁と御恩』(笑)。


 日本人が甲子園に夢中になっている間は日本に民主主義なんか定着しない、と思うのですが、所謂演歌もJ-POPも同じです。夏目漱石が嘆いたように、日本人の多くが個人を喪失した価値観に囚われているのは戦前から変わっていない。右も左も一緒です。

 音楽と本人は関係ないといいつつも、未成年への性加害を知らんぷり、自分のご縁と御恩を優先させる(笑)山下はやっぱり、よほど金が大事なんでしょう。

 それなりにラディカルだった山下の化けの皮があっさり剥がれたのは、山下と同世代の団塊世代の多くが学生運動をやってたくせにあっさり企業勤めに転んだ(笑)のを想起させます。ボクはこういうことを直ぐ、口に出すから揉めるんですが(笑)。

 山下には『戦後民主主義の賛歌』のような『アトムの子』という歌があります。キリンビールのCMソングだったみたいですね。


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 そんな山下の化けの皮が剥がれたのは、米軍の核の傘に庇護されながら平和を唱え、臭い物には蓋でカネ優先、女性などへの差別など矛盾をはらんだ戦後民主主義がいよいよ綻んできたのを象徴しているように思えてなりません。
 時代の変わり目、です。


 老醜をさらす輩とは対照的な人の訃報が飛び込んできました。奇しくも山下と同世代。ああ、今度はPANTAか~(嘆息)。

 その昔、成田闘争にも関わったロックンローラーとして有名な人です。15年前のムーンライダーズの30周年ライブにも登場しました(笑)。

PANTAが歌うビデオの途中で、細野晴臣高橋幸宏がライダーズの本質を突いた言葉を吐いています。前回エントリーの川添象郎氏と同じことを言っている。

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PANTA鈴木慶一も30年前から山下達郎の本質を見抜いていた(笑)。

 80年代の絶頂期 PANTAの厚生年金ライブに行きましたが、あまりにも退屈で轟音にも拘わらず寝てしまいました(笑)。歌が下手過ぎる(笑)。
 だけど彼はロックの本質、精神は理解していたとも思う。311以降の反原発デモでも、彼には度々お世話になった。
 R.I.P.

●この『ルイーズ』は好き!歌っている彼の目が良いです。

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 おまけ。共産党の本質(笑)。

 おまけ2。安倍晋三の本質。


 日比谷で 映画『インディ・ジョーンズと運命のダイヤル

 第2次世界大戦末期。考古学者のインディ・ジョーンズハリソン・フォード)とバジル・ショーは秘める古代のダイアル型の秘宝“アンティキティラ”をめぐり、ナチス・ドイツの科学者ユルゲン・フォラー(マッツ・ミケルセン)と奪い合いを行うが秘宝は消えてしまう。そして1969年、大学を定年退職したインディの前にかつての仲間であるバジル・ショーの娘ヘレナ・ショー(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)とフォラーが現れる。

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 ハリソン・フォードが考古学者の冒険家を演じる『インディ・ジョーンズ』、第1作と第2作はめちゃめちゃ面白かったことを良く覚えています。それ以降の3作目と4作目はどうなんでしょうか。3作目はつまらなかったし、4作目は見たかどうかすら記憶にありません(笑)。

 今回は前作から何年振りかすら判りませんが、齢80を迎えたハリソン・フォード、最後のインディ・ジョーンズということは間違いないでしょう。これまで監督を務めてきたスティーヴン・スピルバーグジョージ・ルーカスと共に製作総指揮に回り、監督は『フォードvsフェラーリ』などのジェームズ・マンゴールドなので、そこは期待できます。

 お話は第2次大戦末期 美術品を強奪したドイツ軍と美術品を追いかけるインディと相棒のバジル・ショーのアクションから始まります。イタリアを走る鉄道列車で、ドイツ軍相手に派手なアクションを繰り広げる中年期のインディ、このハリソン・フォードはCGなんでしょうか、メイクなんでしょうか(顔をデジタルで若返らせたそうです)。

 今までのシリーズで見たことがあるようなアクションが続きますが、今だったら『お約束』で許せます(笑)。久し振りにハリソン・フォードがかってのように暴れているのを見るだけでもうれしくなる。いいなあ。


 
 そして舞台は1969年に移ります。インディも年老いた大学教授になり、学生からは煙たがられている。宇宙開発競争が盛んになり、ビートルズのように彼には訳の分からない音楽も流行っている。
 
 そんな彼の引退の日、講義にやけに馴れ馴れしい女性が参加してくる。かっての彼の相棒、バジル・ショーの娘、ヘレナ(フィービー・ウォーラー=ブリッジ)でした。

 

 かってインディがナチから奪還したアルキメデスの秘宝について熱っぽく語るヘレナでしたが、彼女を追って謎の男たちが迫ってくる。

 そしてロンドン、モロッコ、美しい地中海のシシリア島と観光地世界をまたにかけた大冒険が始まります。

 ハリウッド映画のお約束ですが、舞台が観光地というのは画面を見ているだけでも楽しい。そしてアクションも控えめながら、いつものインディ・ジョーンズです。

 今回の脚本は結構いい加減でお話が破綻をきたす寸前ではある、とは思いますが、手に汗握る大冒険であることは間違いない。

 今回 ナチのラスボス役は最近売れっ子のデンマーク人俳優、マッツ・ミケルセンです。この人、どことなく人が良さそうです。怖くない。でも、ボクはその方がいいんです。

 インディシリーズが始まった80年代から豪華な大冒険活劇というジャンルもずいぶん変わりました。このジャンルはかってはハリウッド映画が独占していましたが、今だったらインド映画の『バーフバリ』や『RRR』の方がCGもアクションもアイデアも遥かに上です。

 それでも今回のインディ・ジョーンズ、復活作としてはそんなに悪くない。懐かしさだけでなく、お決まりの豪華な活劇もそれなりに面白い。インディの第1作目や第2作目より面白いか、というとそうではないけれど、娯楽作品としては充分及第点です。
 

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