特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『ビクトリアン・スイーツと毒まんじゅう』と『再配分とジニ係数』、それに『0916再稼働反対!首相官邸前抗議』

ボクは毎朝 出勤前 朝刊を読みながら20分、エアロバイクを漕ぐのが日課です。理由はダイエットというか、太らないようにするため、です! それでなくとも、朝いちばんに汗を掻くのは気持ちいいです。ペダルを漕ぎながら、折込のデパ地下のチラシをみていたら、『ロンドンから初出店、ビクトリアン・スポンジケーキ』という広告写真が目に留まりました。店の女性オーナーの写真も載っていたのですが、名前はサリームさんという女性でした。インド系の人みたいです。
●太るのは判っていますが、クリーム系に弱いんです(泣)。我ながら、ダイエットしながらこんな写真に惹かれているようじゃダメ(笑)

http://www.tokyu-dept.co.jp/shinqs/foodrenewal/index.html/

インド系の女性がロンドン、挙句の果てには東京でビクトリア朝風のケーキを売ってるって、昔だったらびっくりするようなことじゃないでしょうか。ビクトリア期はイギリスの最盛期、その時期にインドはイギリスの植民地になったんですからね。こういう現象こそが今のイギリスでしょう。

                                         
イギリスを代表する高級車ジャガーは3年前インドのタタ財閥の傘下になりましたし、先日誕生したイスラム教徒のロンドン市長のことは言うまでもありません。フランスだって日本人のフレンチシェフが大勢 活躍してますよね。日本だって家電はサンヨーもシャープも東芝の家電事業も中国や台湾の企業に買収され、日立は家電事業は止めたも同然です。日本に残る総合家電メーカーってもはやパナソニックだけです。ソニーの株の半分以上が外国人株主のものになって久しいですし。世の中はもうそうなりつつある。今に日本でも外国人シェフが和食を始めるかもしれない。そしたら、今まで食べたことがない、美味しい物が食べられる(笑)。日本の社会がそうなっていけばいいなあ と思います。

15日の日経朝刊で自民党の茂木政調会長が『働き方改革』と称して『(1)同一労働同一賃金の法整備(2)長時間労働の是正(3)配偶者控除の見直しと「夫婦控除」の導入(4)雇用のミスマッチ解消(5)外国人労働者受け入れ』をこれから検討すると言っていました。自民政調会長「働き方改革、5本柱で」 :日本経済新聞 
内容はこれから詰めるそうですからまだ判りませんが、記事に書いてあることだけでしたら、ボクは文句ありません。外国人労働者受け入れも含めて、全て賛成です。TPP反対とか言ってる農業や漁業も含めて、今だって既に外国人労働力がなければ成り立たないんですから(笑)、外国人労働者に来てもらわなければ社会は維持できないです。介護1つとったって団塊世代の高齢化で2025年には人材が約40万人も足りなくなると予想されています厚労省のリリース=http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12004000-Shakaiengokyoku-Shakai-Fukushikibanka/270624houdou.pdf_2.pdf)。今でさえ介護の人材は足りないと言われているじゃないですか。今更 移民がどうのこうのと言ってる奴は、貧乏くさいネトウヨが中国製の服を着て中国製の材料を使ったファーストフードを食いながらマレーシア製のTVを見て安っぽい愛国心に浸っているのと同じですよ(笑)。バカ丸出し(笑)。

その他も経済面でも社会の活性化の面でも効果があることばかりです。このような政策は元来 野党にやってもらいたいですが、残念ながらそういう実行力はないでしょうし。安保ではタカ派そのものの安倍政権ですが、内政ではむしろ社会主義と言われる面が良く現われている。憲法改正まではとにかく、支持率を維持したいんでしょう。典型的なファシストの手口です。
だけど長時間労働の是正』は本当にできれば、世の中をかなり変えていくと思います。政治に無関心な人が多いのは、忙しすぎてそんなことに関わりあっている暇がないから、というのが大きな理由でしょう。それに男は家事やれってどんな政党が政権執るより、そのほうが世の中を変えますよ! 今までホワイトカラー・エグゼンプションなどが議論になるたびに労働側は、長時間労働の歯止めが必要、と指摘していました。今回はそれが検討項目に入っているんですから驚きすら感じます。
配偶者控除の見直しと夫婦控除』も、夫婦控除というのは気に入りませんが、性差別、差別的な税制である配偶者控除を見直すことは大賛成です。配偶者控除はLGBTの人や事実婚の人、それに勿論 共稼ぎの人に対する差別的な税制です。配偶者控除は男性でも受けられますが、主夫より主婦のほうが遥かに多いんだから、労働市場での女性の低賃金と組み合わさって実質的な性差別として機能しています。そもそも配偶者控除で一番得をしているのは専業主婦がいる高所得者世帯ですからね。控除見直しは増税、と言ってる人がいますが、一応 現時点では高所得者の負担を増やす形で、とは茂木は言っています。今の状況では増税はどこかで必要になりますし、低所得者対策は税制上の差別を無くした上で所得税率や給付付き税額控除で対策すべき問題です。
                            
もちろん 今の政府が国民の99%の側のことを考えているとは思えませんこういうことを言いだしたのは年末か来年に衆院選を目論んでいるからです。。それに、これから解雇ルールの明確化など他の論点、ドサクサ紛れに毒まんじゅうが出てくるでしょうから、注意深く観ていかなければいけないと思います。それこそ国民が無関心や無知だったりすると連中にしてやられます。マジでファシズムになるかもしれない。お菓子にかこつけて、敢えて(笑)こういうことを書いてみました。


                                
さて、野党転落の戦犯、野田が幹事長として復活など、民進党には相変わらずがっかりさせられます。こらあ、ダメだ(笑)。それでも野田は野党共闘堅持だそうですし、野田が安倍程度でいいから、失敗から学ぶ知能があるかってとこでしょう。安倍よりバカだったら、人間失格だわ。

ただ、井出英策慶大教授の唱えるユニバーサリズムに基づく再分配政策民進党内で影響力を持ちつつあるという記事をダイヤモンド・オンラインで見ました。代表選の3候補とも再分配についてほぼ同じことを言ってるとは思っていましたが、前原のブレーンについている井出教授が民進党内で3回も勉強会をやったそうです。民進党の議員がいくらバカでも3回も話を聞けば多少は頭に残るんじゃないでしょうか。
●判りやすく解説してある良記事だと思います。窮地の民進党で「分配政策」を軸に求心力が働き始めた | 山田厚史の「世界かわら版」 | ダイヤモンド・オンライン

                   
井出教授が唱えているのは『財政によって金持ちも貧乏人も同じ基礎的な行政サービスを受けることで、経済成長に依存しなくても暮らしが保障される仕組み』です。皆が同一のサービス(ユニバーサル・サービス)を受けることで、負担の納得度を高める、貧乏人も金持ちも皆が得をする仕組みを作ろう、ということです。
●著者は神野直彦先生の教えも受けているそうです。クズ新聞の朝日(笑)と読書『分断社会を終わらせる』、それに『0812再稼働反対!首相官邸前抗議』 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)

分断社会を終わらせる:「だれもが受益者」という財政戦略 (筑摩選書)

分断社会を終わらせる:「だれもが受益者」という財政戦略 (筑摩選書)

●井出氏、佐藤優、前原というユニークな組み合わせです。前原に印税がわたるのが嫌だから、ボクはまだ未読(笑)。
分断社会ニッポン (朝日新書)

分断社会ニッポン (朝日新書)

今後 大した経済成長は見込めないとしたら、社会全体のコンセンサスを得るためにはこういう考え方は重要です。民進党もこういうことを与党との対立軸にすれば良いんです
バラマキ財政か、誰もが受益者の持続可能な福祉国家

日本の左翼(だけじゃないかもしれませんが)社会福祉の考え方でボクが非常に違和感を持つのは、何でも無料にしたがることです。良く言われる、大して体が悪くもないお年寄で朝から混み合う病院の待合室が良い例で、何でも無料というのは良くないです。負担を求めないから、限りある資源を無駄にしたり、非効率なことがまかりとおるんです。そういうことは医療費の高騰などにつながり、結局は皆のクビを締めます
日本では所得控除が複雑かつ大きく、所得税も住民税も払ってない非課税世帯が非常に多いそうですが、そういう層からも少しは税金を取る。その上で必要な人には給付付き税額控除で戻す。金をとられれば政治に関心を持つ人が増えるでしょう。もちろん金持ち、特に20%と税率が低い金融所得からはもっと、ガッポリ取る。貧乏人も金持ちも所得に応じて皆で負担する社会を目指すべきだと思います。ボクも無料は嫌いじゃありませんが、冷静に考えれば何事も無料は良くないですよ(笑)、どこかでコストがかかっていて、それを誰かが負担しているんだから。自分は無料を良いことに知らんぷり、そういうのをモラル・ハザード(心が腐ってる)と言います。原発立地も農協も同じようなもんじゃないですか。勿論 自分がそうならないように気をつけなくてはいけませんけど。


                       
今日 厚労省から3年ぶりにジニ係数が発表されました。ジニ係数とは社会の貧困度合いを表す指標で、0〜1の範囲で1に近いほど不平等であるというものです。社会保障などの再配分前の所得では所得格差が広がり、過去最大を更新しました。また社会保障などの再分配後の所得ではほぼ横ばい、と厚労省は発表しています。


http://www.yomiuri.co.jp/economy/20160915-OYT1T50136.html

では、その『横ばい』というのはどの程度の水準なのでしょうか。こういうことはニュースには出てきません(笑)。OECDのデータを使って、再分配後のジニ係数を各国の最新の数字で比較してみました。
G7+韓国のジニ係数比較(再分配後)(国名の後の数字は年)

Inequality - Income inequality - OECD Data

先進国G7の中では日本はアメリカに次いで第2位の格差大国です。金融資本主義の権化みたいなイギリスより格差が大きいっていうのは驚きです。個人的には韓国は格差大国というイメージがあったのですが、日本の方が遥かに格差が大きいと言うのも驚きでした。
原因はアベノミクス(笑)と厚労省が言うように高齢化です平成26年所得再分配調査結果について |報道発表資料|厚生労働省。それだけ日本の高齢化が酷いということでもあります。社会保障などの所得再配分をどうするのか、というのは日本にとって、ますます大きな問題になってきました。
●日本の所得再配分は65歳以上の世帯に極端に偏っています。少子化が進むわけです。(厚労省の報告書: http://www.mhlw.go.jp/file/04-Houdouhappyou-12605000-Seisakutoukatsukan-Seisakuhyoukakanshitsu/h26hou.pdf

大事なのは持続的な社会保障所得再配分をどう実現するか、ということです。ただ カネよこせ(笑)、増税反対(笑)というだけでは実現不可能です。まして二重国籍がどう、とか芸能人のスキャンダルにかまけている暇があったら、こういうことをもっと議論しなければいけないと思います。






と、いうことで、今週も官邸前へ。デモから帰ったら10分以内に夕食にできるよう、今日も仕込みはバッチリ済ませてます(笑)。

今日の午後6時の気温は28度、参加者は850人。連休前でちょっと出足は鈍かったかな。  
●抗議風景




●ボクのプラカード。自分の美的センスが皆無なのが悲しいです。

今日の午後出た、『辺野古違法確認訴訟』に対する福岡高裁那覇支部の判決の事は良く調べてから書きたいと思います。  
                  
今週は今まで1兆円以上の無駄ガネを費やしてきた、そして維持費が年間200億もかかっているという『もんじゅ』の廃炉の話が出てきました。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20160915/k10010686531000.html
政府は民間に押し付けたかったようですが、グローバル競争でどこの企業だってヒーヒー言ってる昨今 あんな馬鹿なものを受ける民間があるわけありません。そんなことをすれば株主、それこそ外国人株主が訴えてきますからね。経産省も匙を投げたみたいです。もんじゅだけでなく、存続を主張する文科省も一緒に潰すのが日本の為、なんじゃないでしょうか。補助金欲しさに存続を主張する補助金泥棒の敦賀市もいらないかも(笑)。そんなにもんじゅを続けたけりゃ、敦賀市のカネでやれって(笑)。これも表面上のコストがかからないからこそ起きる、モラルハザードの典型です。

その一方 経産省原発の電気をこれから始まる電力自由化の公開市場に流通させようという、ふざけた話も出てきました。何が自由化だよ。お前らは社会主義者かって原発の電気、公開市場に 経産省検討 大手に義務付け :日本経済新聞

原発の電気が安いという前提でしょうけど、所詮 市場原理では原発なんかムリなんだから(笑)、無駄な抵抗、だと思いますけどね。原発立地を黙らせるための補助金や安全対策費用は負担しなければならないわけですから。世の中に無料のものなんかないんだよ!この世に生まれた者は誰でも、代償を支払わなければいけないはずです。
●今年 御年68歳のスプリングスティーン『The Price You Pay』。