いやあ、寒い~。東京では初雪が降りました。
雪道を歩きなれていない東京の人間は道に雪が積もると滑って、マジで命にかかわります。そんな自然と乖離した生活はおかしいに決まってますが、現状はそうなっているから仕方がない。今年の初雪は殆ど積もらなくて何よりでした。
でも、陽の光の強さはだんだんと増しているようです。春に焦がれます。
今 ニュースでは厚労省の統計詐欺で実は実質賃金は下がっていた、と報じています。野党もやっと攻め口を見つけたようです。
でも、実質賃金はアベノミクスが始まって半年経った時点から急激に下がり始めています。5年前から、このブログではそのことを書いてます。
spyboy.hatenablog.com
当たり前です。金融緩和して物価を上げようという政策は言い換えると、消費者から企業への所得移転です。そんなこと最初から判ってる。マスコミも野党も、何をいまさら、ですよ。あほか。これだけトロいんだから、日本の為政者は楽なもんでしょう。
*本文には関係ありませんが、今朝毎日に掲載された元DAYS JAPANの広河隆一のセクハラ・パワハラに対する被害者の実名手記、読んでみて我慢がならなかったのでリンクします。例のTBS元支局長の山口敬之と一緒で、広河隆一って想像以上のクズです。良くこれで人権とか平和とか云えたと思う。結局 右左は関係ない。人間のクズはクズ。さすがデマ芸人のおしどりマコを編集委員に起用するだけのことはあります。
はじめから最後まで、徹頭徹尾、隅から隅まで、漏れなく、一分のスキもなくひどい話の連続。ひとっかけらも擁護できるポイントがない。ただただ醜悪。
— 小田嶋隆 (@tako_ashi) 2019年1月31日
広河隆一氏のハラスメント、被害女性が実名手記 - 毎日新聞 https://t.co/HdjPwgiUJ5
さて 30日水曜日の朝日朝刊に出ていた、経済同友会代表幹事の小林氏のインタビューが面白かったです。
題して『平成は日本敗北の時代』。
内容は普段 不肖 ボクがブログで書いていることとほぼ同じでもあるんですが(笑)、インタビューの内容を周辺資料も併せて、ご紹介したいと思います。こういう意見が大マスコミに出てくること自体重要だと思うので。
小林氏はまず、こう語っています。
戦後復興や高度成長期にモノづくりで世界をリードした日本だが、バブル経済崩壊以降、グローバリゼーションやデジタル革新、公益を見失い、平成は敗北、挫折の時代となった
インタビューに出てくる企業の時価総額というのは株価に発行総数を掛けたもの、企業の価値、規模を表します。30年前は日本企業が世界の上位10位のうち8割を占めていた。今は影も形もありません。米中のIT企業が殆どです。
あまり実感できないかもしれませんが、今、日本のモノづくり企業が世界をリードしているのはせいぜい一部の機械や化学、素材関連があるだけで、他は結構厳しい と思います。AIや次世代通信(5G)などが広まった将来には、トヨタだってどうなるか判らないんですからね。
日本にはかって、液晶やケータイ、太陽電池、半導体と一瞬 世界で勝てそうな技術もありました。現在の惨状は、判断ミスや新しいチャレンジの芽をつぶしてきた経営者/企業だけでなく、バブル期以降 半導体、太陽電池、クールジャパンなど税金を使って失策を重ねた経産省や、様々な分野を無用な規制で縛ってきた他の官庁も大いに責任があります。
ちょうど昨日 経産省が音頭を取って東芝・日立などの液晶部門を合併させて成立したものの、経営危機に陥り、経産省のファンドによって再度救済された大手液晶メーカーJDI(ジャパン・ディスプレイ)が再々度経営危機に陥り、とうとう中国・台湾メーカーの傘下に入りそう、というニュースが流れました。でも、経産省や政治家は誰も責任を取りません。
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5GもAIもサイバーセキュリティ―も日本は本当に遅れてしまった。基幹的な技術を欧米や中国から手に入れなければ社会が立ち行かない。このままでは他国の2次下請け、3次下請けとして食いつなぐ国になってしまう。
小林氏はアベノミクスについてもバッサリやっています。
そもそもデフレマインドの克服ということ自体が本末転倒。アベノミクスの財政出動、金融緩和は本来は時間を稼ぐため、円高を克服するための手段で、それ自体が成長戦略だったわけではない。この6年間の時間稼ぎのうちに独創的な技術や産業を生み出すことが目的だったのに結果がでていない。ここに本質的な問題がある。
そんな日本に対して、小林氏は地政学的に3つの選択肢があると言います。
今は米国依存だが、さらに従属を深め米国の別種の州として生きていく。もしくは中国の一つの市、上海や北京になる形もあり得る。独立を守り、米中の間で中立を保つことも可能性としてはある。そのためには経済、技術を通した地経学的見地が死活的に重要だ。
アメリカの51番めの州は大賛成ですが、中国の一つの市というのはちょっと(笑)。しかし日本は独立を維持しようにも経済、技術ともに前述のようにお先真っ暗なわけです。アベノミクスに手を差し伸べて時間稼ぎに加担した自分を含めた経営者たちにも責任がある と、小林氏は言います。
『経営者として、社会的公器のリーダーとして、トップに社会に対して強く関わって変革していこうという意志を持った人の絶対数が減った。』
『でも、ネット社会の今は、財界トップと言っても情報が一般社員と比べて特段に優れているわけではないから、社会的地位も特段に高いわけでもない。政府の意思決定過程に組み込まれてしまえば、出来ることもたかが知れている。』
ボク自身はアベノミクスに加担した経営者は小林氏も含めて反省が全く足りないと思いますが、小林氏は今後 経営者はこうすべきだ、と述べています。
『財界トップには権威のない時代だと自覚する。財界人だけで群れて固まらず、若い人たちを含めた幅広い団体、知的NPOを作って意見を交わし、社会に問いかけ、政治に注文する。そういう柔軟な形が必要』
ここまで日本が凋落してしまった原因は大衆迎合的な政治家とそれに忖度する行政が『知的退廃と自己革新力の枯渇を招いた』ことにあると小林氏は語ります。
『国家の未来図が描かれないままの政治が与野党含めて続いてしまった。今さえよければ、自分さえよければという本音の中で国民も政治家も生きてきた。』
それなのに国民は未だに自己認識すら出来ていない。
「内閣府の2018年6月の調査でも74.7%の国民が今に満足しており、18~29歳では83.2%。心地よいゆでガエル状態なんでしょう。・・カエルはいずれ煮え上がるでしょう」
『先進国、文明は老いるものだ。新しい血と混ぜることを嫌えば衰退に向かう』
『単なる労働力として外国人を入れるのではなく、勉強する、考える日本人を増やす触媒の役割を担ってもらうべき』
『異文化と接することで日本本来の文化も磨かれる。そういう新陳代謝を怠ったのが平成時代の一つの性格。異文化とワイワイガヤガヤやることで実力がつく』
このインタビューは昨年末に発表された経済同友会の提言『Japan 2.0 最適化社会の設計—モノからコト、そしてココロへ—』
https://www.doyukai.or.jp/policyproposals/uploads/docs/d20118bef9db92e568468e436cd6a581be6adc07.pdfを受けてのものです。
www.doyukai.or.jp
この提言には『裁量労働制拡大』や『原発再稼働や年限延長』など必ずしも賛成できない内容が含まれています。
しかし
『経済格差に関わらず教育機会を提供する』
『公的医療は年齢ではなく、所得や資産に応じた窓口負担にする』
『働き方に対して中立的な税制とし、女性の社会参加を促進するために配偶者控除を廃止する』
など大事なことも言っている。
また現実を考えれば『消費税率引き上げと給付月勤労税額控除の導入』も議論の価値がある。
そして経済界も反省、生まれ変わって、『ヒューマニティを根幹に据えた持続可能な社会を目指すべきだ』というのは言えているでしょう。
今回のインタビューは、経団連や日本商工会議所と異なり、リベラルな経済同友会ならではの意見かもしれません。小林氏の講演は聴いたことありますけど、以前はアベノミクスを擁護していたし、こんなことは言ってませんでした(笑)。この、インチキ野郎!
同情的に見れば、小林氏は同友会代表幹事を3月に退任するということで、ようやく本音が出てきたのかもしれません。
ただ、問題は多くの日本人が右も左も含めて、日本の現状を認識していないこと。
安倍晋三はもちろん、小選挙区制でモノが言えない自民党内の政治家、忖度ばかりの役人とマスコミ、集合離散するばかりで現実的な代替策を打ち出せない無能な野党、それに、半分近くの人間が棄権する無責任な国民、と何重にも障害が連なっています。
日本は別にムキになって経済成長しなくても良いし、まして世界の一等国なんかである必要はない、と思います。でも、最低限のカネがないと日本は資源を輸入できないだけでなく、存立すら危うくなる。残念ながら 今の日本は理念で勝負できないのだから、日本の最良の安全保障は経済です。
まして少子高齢化、ジジババばかりの社会になって、日本がある程度のカネすらなかったらどうしたら良いのか。このまま長いものには巻かれろ、異論がでてこないような閉塞した世の中になってしまったらどうなるのか。
政治的に右とか左とか、年齢も性別も関係ありません。日本なんかどうなってもいいんですが、個人個人は自分の生き残りを考えなければいけないですからね。
ちなみにボクは、日本自体はもう、このまま緩やかに衰退していくのは避けられないと思っています。
時代遅れの原発に固執したり無策な少子化対策ばかりでなく、政治家も国民も危機意識のないバカばっかりだもん。選挙を棄権する奴が全体の半分も居る国に未来があるわけないでしょう(笑)。
小林氏がいう様に、将来の日本は貧乏な年寄りたちが新興国の2次下請け、3次下請けで何とか糊口を凌ぐようになるんでしょう。けれど、世界的な競争に生き残る企業や事業をやっている人(経済的な面だけでなく、道義的(ethical)だったり、個性的だからこそ生き残るパターンもあるでしょう)が多ければ、もう少しマシな社会を目指せる可能性もあると思います。ここ数年が正念場じゃないですか。
●内海桂子師匠96歳
ということで、今週も官邸前へ #金曜官邸前抗議
今朝は本当に寒かったです。思わず180×60センチの巨大マフラー(というかストール)を巻いて通勤してしまいました(笑)。その格好のまま、官邸前へ(笑)。
午後6時の気温は4度、参加者は400人。こんな寒い日はスマホの電池の減りが早い、早い。電池の残量がタクシーの料金メーターみたいなスピードで減っていきます(笑)。
●抗議風景
30日、東海村の研究施設で放射性物質漏れが起きた、というニュースがありました。
幸い大事故ではありませんでしたが、問題はいくつかあります。
まず、施設を所轄する日本原子力研究開発機構はしょっちゅう事故を起こしている機関だ、ということです。
もんじゅで散々事故、トラブルを起こしただけでなく、2017年にレベル2の汚染事故、2018年には2件の火災事故を起こしています。はっきり言って、札付きのダメ組織です。
発表・お知らせ|プレス発表、事故・トラブル関連(2018年度)|国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
発表・お知らせ|プレス発表、事故・トラブル関連(2017年度)|国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
さらに、公開された現場写真を見て驚きました。
news.tbs.co.jp
現場では ビニール袋で作業をしており、その袋が破れて放射性物質が飛び散ったかもしれない、というのです。以前 東海村で起きたJCO臨界事故の原因はバケツでウラン溶液を扱うというずさんさにありました。今回も、破れるような強度しかないビニール袋で放射性物質を取り扱っていたわけです!
食べ物にしろ、工業製品にしろ、良く日本の品質の優秀さが言われるじゃないですか。しかし近年のさまざまな偽造、偽装の報道を見ると、日本の品質の優秀性なんて今や単なる信仰、願望に近いように思えます。今回の事故はそれを良く示しています。
今、日本は敗北の時代にあります。せめて日本人はもう少し現実を直視し、謙虚にならなくてはいけないと思います。