特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

TPPの正体(笑)+夕陽の中の抗議:★0517 大飯原発を停止せよ!首相官邸前抗議

今年の1〜3月の実質GDPは年率3.5%成長という威勢のいい数字が新聞の見出しに出ていた。だが記事を良く見ると(笑)、我々の生活実感に近い名目GDPの伸びは1.5%に過ぎないし、その内訳は主に消費税前の駆け込み需要が始まった住宅投資復興需要など政府の公共投資によるものだ。設備投資は減っているし、一般消費だって大して増えていない。 そもそもアベノミクスの目標 2%のインフレを実現するには名目値で4%の成長が必要といわれている。要するに、目標に対して全然足りてないのだ(笑)。それでも本当に名目で1.5%成長すれば大したもんだが、むしろ財政、物価値上げ、金利上昇など反動のほうが怖ろしい株だけがバブルで上がっているけれど、バブルはいつかはじけるからバブルと言うのだ(笑)。
                                                                                                                                                       
                                                
さてボクは、巷間言われている『TPPに参加したら製造業が中心に輸出が盛んになって日本が豊かになる』は どうしても納得がいかなかった。日本が輸出する製品の各国の関税は既にそれほど高くないし、製造業自体がどんどん海外移転しているから、関税がなくなっても輸出がそれほど増えるとは思えないからだ。

最近 TPPの政府の統一試算と言うものが内閣府のホームページに出ていた。やはりそうだった(笑)。 http://www.cas.go.jp/jp/tpp/pdf/2013/130315_touitsushisan.pdf TPP参加なら、輸出よりも輸入が増える | 読んでナットク経済学「キホンのき」 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

それによると輸出は+2.6兆増えるが、輸入は2.9兆増える。差し引き日本の輸出入は-0.3兆の損、だ。その代わり 内需が3.5兆増えて、トータルで日本の『実質GDPは3.2兆増える、ということになっている。それでも『TPPで内需が増えるって理解できない』、『GDPが実質値しか言及してないのも怪しい』と思って、更に『日本経済再生本部』(笑)の第4回議事録を見たらこう書いてあった。、
輸入品の価格低下や輸出増加による実質所得の増加を通じて消費が拡大(3.0兆円)し、経済全体ではプラスの効果がある
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/dai5/gijiyousi.pdf

  
                     
つまり、『実質GDPが増えるのは安い海外品が入ってきて物価が下がるから』ってことだ。 なあんだ、TPPなんて日本は全然もうからないじゃん(笑)。
                                                                                              
                                                                                               
政府の試算から、わかることはこうだ。
・TPPで日本が必ずしも豊かになるわけではない。むしろ物価が下がった分、名目GDPが減ることも大いに考えられる。この10年間がそうだったように。

                              
・TPPで実質GDP以外の重要な指標、例えば名目GDPだけでなく、失業率などどうなるかわからない。 むしろ安い輸入品に押されて国内産業が崩壊して、失業率などはあがるし、貧富の差(ジニ係数)も広がる可能性もある。この10年間がそうだったように。

                                                                                                                                                      

どうやら、TPPの正体は『輸出しやすくなる』じゃなくて、『日本は内需を増やして、もっと輸入しろ』ってことらしい。やっと、意味がわかった気がする。よく考えてみれば、この20年間ずっとアメリカから言われていることだ。納得(笑)。
それでも内需を増やすこと自体は良いことだ。アメリカの要求でも良いことならボクは否定しない。こうやって情報公開されるのも、例のパブリックコメント制度もアメリカの構造改革議定書の要求で導入されたことだ裁判員制度みたいなロクでもない物もあるが)。 実際問題 この国は奈良時代の昔から外圧がなければ変わらない気がする。 だけど変わればいい、というものでもない(笑)。

                            
TPPで内需が増える、というのは誰が考えても かなり無理があるロジックではないか。
ボクなんかはTPPで一般庶民の生活は厳しくなるような気がする。輸入品の物価は下がるかもしれない。だが収入のほうはどうだろうか。唯一政府がマイナス3兆円減ると言及している農業は農協が補助金をふんだくるだろうが、輸入に押されるその他の産業はどうなるのか。もちろん競争力がない産業が衰退するのは仕方がないけれど、例えば昨日まで建設現場で働いていた人が明日からIT産業に移れ、といわれても普通 どうにもならないではないか。
TPPで儲かった人から富の再分配をする、それに構造改革(具体的に言うと、弱い産業は潰れて他の産業へ移動しろってこと)で生じる失業者に国が手厚く支援する、とでも言うのなら別だけれど、そんなことは日本の為政者も(高額所得者ぞろいの)大手マスコミの議論にも今のところ影も形もない。
農作物の聖域がどうのなんてセコい話じゃなくて、もっと大事なこと、『TPPが日本の人にとって本当に得かどうか』が問題なのだ。
TPPの損得を論ずるなら、名目GDPや失業率、それにジニ係数がどうなるかくらい議論しないのはおかしいのではないか。 せめて各人が一人ひとり、自分にとって得かどうかくらい、真面目に考えるべきだろう。



と、やっとTPPの合点が行ったところで官邸前へ(笑)
★0524 大飯原発を停止せよ!首相官邸前抗議 | 首都圏反原発連合
最近 陽が長くなった。今の時期はほんとさわやかなお天気。だけど最近のニュースはさわやかどころか腹立たしいものばかり。まさにデモ日和だ(笑)。
今日は飲み会があるので1時間だけの参加。時間より早く着いたので最前のブロックに潜り込んだ。最初は集まりが悪かったけど、だんだん人が埋まってくる(時系列の写真で人口密度の変化をみてください)。参加者は官邸前2500〜3000人くらい、国会前1000人弱くらい、トータル3500人くらいだろうか(*主催者発表3000人)。ヴァラエティに富んだプラカードを見るだけで活気をわかってもらえるでしょう。

●始まる前の光景

●夕陽の中の抗議




●今日は最前列にも子供が

●自転車抗議の人たち

●スピーチをする双葉町のおばあさん(横じまのセーターの人)

上の写真のおばあさんは毎週見かける人だが、双葉町の人だということを今日 初めて知った。何人かで連れ立ってきているらしい。原発立地は都会の犠牲になっているというような言説を聞くとボクはムカつくのだが(そもそも電気を選ぶ自由がないのだから、その責任は電気の地域独占体制に帰すべきだ。都会と田舎云々の言説はお互いを分断するだけじゃないか)、被災地の人が来ているのを見ると申し訳ない気持ちになる。しかも腰のまがったおばあさんたちが毎週来ているのだ。若い者として情けない(泣)。まあ、あのおばあさんはデモの周りの柵をまたいで乗り越えるくらいで、ボクよりよっぽど元気なんだけど(笑)。

抗議が始まってすぐ、シュプレヒコールに合わせて、恥ずかしそうに控えめに拳を振り上げながら歩いてくるOLさんみたいな人がいた。さすがに珍しいと思ったら共産党都議会議員候補、吉良よしこだった。ボクはいつも共産党の悪口ばかり言っているが、今日は恥ずかしそうに頬を染めているところがちょっとかわいい、と思ってしまった、不覚(笑)。
最初は寂しいくらいの集まりようだったが、始まって40分も過ぎて後ろを振り返ったら、後ろはずらっと人が並んでいた。うれしくて、ちょっと涙腺が緩くなる、不覚(笑)。
●後ろを見渡すといつの間にか人、人、人(泣)

●国会前

短期集中で声を挙げたあと、国会前へ。車いすの人がスピーチしていた。チェルノブイリの時は何もしなかったのが悔しい、と涙ながらに語っていた。そのあとファミリーエリアへ。子供もいるし、中学生くらいの女の子がシャボン玉を吹いていて、すごくいい雰囲気。その脇では自転車抗議のお誘いの看板が立っている。こういうのを『創意工夫』って言うんだ。自転車抗議の人数はこうやって増えてきたんだ。猪瀬とは違う意味で、グッジョブ!(笑)。

●自転車抗議のお誘い(春になってから、こんな看板が立つようになった)

●ファミリーエリア


                                                    
怒りの官邸前、自由奔放な国会前、それに雨が降ろうと雪が降ろうと、まったりしぶとく続けているファミリーエリア。毎週毎週 こんなことやっていて何になるのという声もあるのはわかってる。でも、この雰囲気、いいでしょう(笑)。勝った(笑)。