特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

読書『なぜ日本は原発を止められないのか』と『お正月中華』

 夢のような お正月休みはとうとう、終わってしまいました。何事も楽しいことはあっという間です。次は夏休みを目指して、日々耐え忍んでいきます(笑)。
 今日からは寒い朝、夜明け前の出勤が始まります。また、お仕事です(涙)。


 今年の始まりは驚くようなことばかりでした。
 厄落としに、縁起が良さそうな建仁寺の龍を皆さんとシェアします。


 羽田の事故は、いつかこういう事故が起きるのではないか、と思っていたんです。
 ピークの時間帯は山手線並み、殆ど3分くらいの間隔で飛行機が発着していたからです。毎日毎日 緊急発進しているのと同じで、ボクは羽田を利用する度に正直 冷や冷やしていました。昨年12月は1日1290回の離発着だそうで16時間稼働として1.5分に1回です。そりゃあ、いつか事故る。


衝突した海保機、事故前24時間以内に震災対応で2回飛行=関係者(ロイター) - Yahoo!ニュース

 避難誘導の手際は素晴らしかったけど飛行機に積まれていたペットは亡くなってしまった訳だし、ああいう事故が起きるのは時間の問題だったと思います。そもそもSDG’Sとか地球温暖化と言うのなら、飛行機の国内線なんか、欧州みたいに本数を制限するべきです。


 それにしても何か災害が起きるたびに総理大臣が訳の分からない服を着て登場しますが、日本の馬鹿げた形式主義の最たるものじゃないですか。

 撤退を転進、全滅を玉砕と言い換えてた頃と何も変わってない。今も汚染水を処理水と捏造してるんだから、これも同じか。

 そういえば、市民連合や総がかりの集会やデモの先頭でリズム感ゼロのコールをやって失笑を買っている菱山南帆子が『海保は準軍事組織』という白痴ツイートをして炎上、逃亡しました。政府も(プロ)市民の側もどっちもどっち、正月明けてもバカはバカ(笑)。


 いくら、現場で熟練の人間が細心の注意を払っても、テクノロジーを活用しても、限度がある。これだけ複雑なことをやっていれば、ある程度のリスクはある。いつかは事故が起きるに決まっています。確率論の問題です。

 いつかは事故が起きると言えば、一日の大地震志賀原発のすぐ近くだったんですよね。そういうところを原発立地にするのは、事故がいつかは起きるとわかっていても過密ダイヤを止めない発想とよく似ています。
 電力会社は志賀で火災が起きたのは今になって『観測ミスだった』と言ってますが本当でしょうか。

 いずれにしても故障した外部電源も復旧していないし、配管が壊れて油も漏れた。

 津波も来ていた。

 こういうアホ↓の言うことを真に受けずに、志賀が再稼働してなくて良かったですよ。


 世界最大の柏崎刈羽原発震源から遠くはなかった。燃料プールの水が溢れたということは、少なくとも敷地内は放射能汚染の可能性があるんじゃないですか。

 それに、柏崎にも津波が押し寄せました。

 原発がいくつも立地する日本海側はどう考えても危険です。
 今でも救援物資が届けられない地域があるようですが、仮に施設が無事でも道路が寸断されるのだから避難や救援は難しい場所です。原発を受け入れた住民連中は何を考えているんだか。

 格納容器にしても、多種多様な配管にしても、冷却装置にしても、電源にしても、原発のような複雑なシステムはいくら対策をしても、リスクが高いに決まっています。
 電力会社の経営陣や原発を推進してきた学者や役人は全員 家族を原発の近くに住まわせることを法律で強制すべきです。そんなことすら出来ないのだから連中を信用できる訳ないでしょう。これまた太平洋戦争からの伝統で、この国の上層部は何かあっても他人事で済ますに決まっています。


 ちょうど 1日にこの本を読んだところでした。
 『なぜ日本は原発を止められないのか』。
 北海道警の汚職原発事故のスクープで、新聞記者最大の栄誉である新聞協会賞を3度も受賞したエース記者であるにも関わらず、数年前なぜか記者から校正に配置転換された朝日新聞の青木美希氏の新著です。

 受賞歴からもわかるように青木氏は、デマばかり飛ばしている東京新聞の望月衣塑子なんかと違ってきちんとした取材に基づいて記事を書く人です。この本↓でも貧困ジャーナリズム大賞を受賞するなど高い評価を受けています。

 今回は取材現場から外された彼女が、プライベートの時間に取材して出版しようとしたら社内で許可が下りなかった、という曰く付きの本です。そういうことをやっている記者は他に大勢いるにも関わらずです。

 何度も交渉しても許可が下りず、青木氏は原稿から自分が所属する『朝日』という名前を一切外して出版を強行しました。どれだけ朝日は腐ってるんだ。彼女を現場から外したのはボクが朝日の購読を止めた理由の一つでもあります。

 この本はいい加減なことや過激なことを書いてあるわけではありません。日本がドイツやイタリアのように原発を止められない理由は『政・官・業・学・マスコミ』が構成する『原子力村』が原子力に対する異論を排する社会風土を作ってきたからという、ごく常識的なことが書いてあるだけです。

 避難者に粘り強く密着した聞き取りに加えて、枝野や河野太郎などの政治家や元原子力委員会委員長代理の鈴木達治郎教授などのインタビューが載っています。小泉純一郎だけでなく、官房長官科学技術庁長官を歴任した元閣僚の中川秀直がかって自分が原発を推進していたのを悔いているのが面白かったです。

 原発はコストは高いし、安全保障上の大きなリスクであることははっきりしています。それに固執するのは世界的に進んでいる自然エネルギー活用の潮流にも乗り遅れることにもつながる。
 その一方 原発を止めるにしても補助金目当ての原発立地、廃棄物の処理などの問題は残っているし、原発で食っている雇用者20万人やメーカー、それに寄生している学者や電力会社の経営の問題もある。

 今すぐ原発を止めるというのも現実的ではない。この本で枝野が言っているように原発を国有化するなど税金を投入して、10年単位の作業を進めながら徐々にやめていくしかないのが現実です。

 福島の事故で脱原発の道へ進もうとした日本をたった12年で岸田のアホが元に戻しました。それは単に問題を先送りにしたに過ぎません。今後利子がついてツケは回ってくる

 この本は今までの取材結果を良く整理した労作です。と、同時に福島の事故で何が起きたのか、そして我々がなぜ変われないのかを冷静にまとめています。マスコミも含めた原子力村の強固な利権もさることながら、即時原発廃止みたいな夢物語の極論や感情論ばかり言っている反原発派も多い、それもまた原発を擁護しているのと同じなんですよね。


 お正月は 日比谷へ行ってきました。

 おせちも飽きたので夕飯は中華、いつものガチ中華とは違うお洒落中華です🤭。
 お正月に営業しているのは再開発ビルかホテルくらいしかありません。お正月映画(笑)を見た後、全然期待しないで、映画館がある日比谷ミッドタウンの中華に入ってみました。

 突き出しは熟成させて甘みを引き出した、という百合根の塩蒸し。帰宅して調べたら、百合根って中国でもよく食べるそうですね。

 この店の売り物らしい、10種類の前菜
 出てきたときは子供だましかと思いましたが、どれもちゃんと作ってあって、特にチャーシューは焼きたてで感心しました。お正月は1メニューしかない、大量生産の勝利です(笑)。

 上湯のスープ。鶏団子には上海ガニが混ぜてある、と言ってました。味は濃かったけど、おせちに慣れた口には却ってよかったです。

 鱈と白子、ココナッツミルクのグラタン。これもおせちを吹き飛ばすには良い味でした。

 フカヒレの姿煮。これは大したことない。上湯は少し煮詰まってたし、若干硬さが残っていたフカヒレは戻しをもっとゆっくりやれば良かったのに、とは思いました。

 牛肉のカツレツ。煮たバラ肉を揚げて、スパイシーなソースの上に載せてあります。柔らかいのと量が少ないのがちょうどよかった(笑)。

 台湾からすみとホタテのチャーハン。赤い色はサクラエビだそうです。これ、かなり美味しかった。

 デザートは女性向け?に2種類。最初は中華菓子の盛り合わせ。『紅まどんな』というかけ合わせのやわらかい柑橘(おいしかった)、エッグタルト、月餅。

 杏仁豆腐。硬さが緩いのと練乳の味が利いていて、ボクの好みでした。

 再開発ビルの料理屋なんて全く期待しなかったのですが、結構おいしかった。若い時だったら量も少ないし激怒していたかもしれませんが、今はもう、これくらいで十分(笑)。
 見まわしたら、周りの客も年寄りばかりでした(笑)。少子高齢化が進む日本の正月を象徴する風景でした(笑)。