特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『住み替え顛末記』と『豆豉冷吃魚』

 桜の花が咲いてから東京では、ずっと雨が続いています。まあ、そういう年もあります。家の前の桜もどこか手持ち無沙汰です。


 全く盛り上がらない地方統一選挙の真っ最中ですが、G7サミット後に国政選挙があるのではないか、と囁かれています。確かに、ここで選挙に勝てば岸田の長期政権という目が出てくる。

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 岸田だけではなく、野党のだらしなさは本当に問題です。経済も安全保障も浮世離れしたことばかり言っているだけでなく、立民も共産もわざわざ自爆している。まともな議論もできないのに牛歩とかくだらないパフォーマンスに浮かれているれいわなんか、政党というレベルじゃない。
●オフレコでの発言らしいけど、小西が口が滑らせるのはこれが初めてじゃありません。今回も案の定。

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 支持率を見ても岸田が良いと思っている国民は多くないでしょうが、よほど頭が悪くない限り積極的に野党に投票したいという人も少ないでしょう。今のままでは野党の政権なんかあり得ない。結果として、自公一強政権が続いてしまう。
 多分 今夏の選挙も与党の勝利でしょう(笑)。そして選挙の度に政治が悪くなっていく政治が悪くなるどころか、この国そのものが凋落しているのを我々はこの目で見ているのでしょう。


 さて、今週は引越しに続いて、『今まで住んでいた家の引き渡し』という大きなイベントがありました。
 銀行で買主さんから代金を受け取り、家の鍵と権利証を引き渡した。3月末は1年のうちでもっとも不動産取引が集中するそうで、この日も某銀行のアプリがダウンして冷や汗をかきました。幸い、送金処理は滞りなく済んで代金の受け取りも無事終わりました。そのお金で自分のローンも繰上返済した(笑)。
 楽しく過ごしてきた家だったので最後は少し名残惜しかったけど、11月からかかりきりだった住み替えもこれで、やっと終了です。


 新居は11月早々にはもう、決まっていました。1週間もかからなかった。
 最初は近所に出来る新築マンションにしようか、と思っていたんです。ただ竣工が1年以上も先なので躊躇していました。その間に今住んでいる家を売却&引き渡しをしなければなりませんが、バブル状態の不動産業界ではいつリーマンショックみたいなことが起きてもおかしくないし、それこそプーチンがバカなことを始めて大不況になる可能性だってある。

 とりあえず住んでいる家を売却査定するために複数の不動産業者を呼んで『何か策はないか』と相談しました。すると大手業者の営業マン氏が『(ボクの家に来る前に)ちょうど近所の中古マンションの売却依頼を受けてきたところです』と言うのです。その物件は新築以外にも住み替え候補で考えていたマンションだったし、中古だったら住み替えのタイムラグも心配ありません。
 『それ、売り出す前にうちに回してよ』とお願いしてその日の夜に見学、15分で決めました(笑)。早い者勝ちだからです。数日後にネットに広告が出た時点では既にボクが契約済み、でした(笑)。
●ネット広告に出た部屋の写真。

 住んでいた家も12月初めの土曜日に軽井沢へジビエを食べに行って、日曜日に帰ってきたら売れていた。内覧を始めて2日目です。15年前に住み替えをしたときはリーマンショックで、当時住んでいたマンションを売るのに4か月もかかりました。精神的にかなり辛かったので、今回は正直 ほっとしました。

●売却の際 不動産屋のネット広告に載った近隣の家々。左端のボクの狭小住宅以外は桁が違う豪邸ばかり。ちなみに右隣の写真は4億で売っていた美川憲一の家(笑)。ここには出ていませんが同じ町内にあるドラマ『エルピス』に出てきた豪邸も10億(笑)で売りに出てました。

 売買の契約はスムーズでしたが、新居のリフォームと今まで住んでいた家の掃除と引越しで結局半年近くかかりました。

 いずれ犬と暮らしたいので床は犬用のフローリングに張替えて、部屋の扉にはペットドアもつけた。水回りの交換と窓は二重窓にして、エレキギター用の防音室も入れた(笑)。
 今まで使っていた電子レンジは30年物、TVや冷蔵庫は20年物だったので買い替えなくちゃいけなかったし、ベッドのマットレスも交換した。全部まとめて値引き交渉もした。廃品回収の手配も手間がかかった。週末の度にCDやDVDを整理して本を捨てるのも大変でした。

 そんなことをやっていたら、肉体的にも精神的にもどっと疲れた。想像以上でした。
●テーブルや食器棚は30年物です(笑)

 それでも今回はありがたいことに、営業マン氏からリフォーム屋さん、引越し業者さんと人に恵まれました。有能な人たちに随分助けられた。ハイエナや詐欺師まがいの連中が多い不動産業界には珍しい慎重居士の営業マン氏も今回の取引のおかげか?4月から営業所長に昇進です。めでたしめでたし(笑)。
●リビングのテレビ台もステレオも30年物(笑)

 新居は駅からは遠いですが公園の近くで、窓を開ければ朝から夕方まで鳥の声が聞こえます。ボクの部屋の窓からはこんな風景が広がっています。

 残念ながら戸建てと違って生活音はありますけど、周辺環境も含めてなかなか静かなところです。

 今回 バリアフリーのマンションへ引越したのは『終活』のつもりです。それに相応しく、これからはもうちょっと心穏やかに(笑)暮らしていきたいところですが、そうやって逃げに入ると資本主義社会では足元を掬われかねません(泣)。

 子供の頃からの『世俗から離れたい願望』と『生活のためのサバイバル』との葛藤が、ボクの中では常に渦巻いています。昔の西行法師も同じことを悩み続けたそうですから、普遍的な話なのかもしれません(笑)。静謐な心の境地に達するにはボクはまだまだ、修行が足りませんが(笑)、それを目指していきたいと思います。

●玄関には昔 大叔父が描いた絵のリトグラフを飾りました。


 また、新大久保のガチ中華(ガチ四川)へ行ってきました。

 最初に食べたのが本場四川の麻婆豆腐。引っ越しの際にホテルで食べた上品な麻婆豆腐(笑)と食べ比べたくなったんです。

 驚くほど辛い、とか痺れるようなことはありませんでした。それより豆鼓がガバガバ入っていてコクがあるのと、ひき肉ではなく包丁で刻んだ牛肉が使われていたのが印象的でした。やっぱり挽肉より刻んだ肉の方が歯ごたえがあって遥かに美味しい。こういうのが本当の人間らしい料理、と思いました。

 もう一つ頼んだのは『豆豉冷吃魚』。軽く揚げた魚を豆鼓のソースで和えたもの。
 豆豉は黒大豆でつくられ、アミノ酸などのうまみ成分が多く含まれているそうです。魚と一緒に調理すると一層うまみがでてくるそうですが、これは実に美味かった。出し惜しみない量も含めて、生きててよかった~(笑)と思えるような一皿でした。

 中にはもやしなどの野菜が入っています。もっと野菜の分量があっても良かったかな。とにかく実にソースが美味しい。こんな旨いものがあっていいのか(笑)。

 世俗なんか興味ないし平穏な心境を目指してはいても、美味しいものを食べたい、人間らしい料理を食べたい、という欲求は止みそうもありません。まだまだ修行が必要です(笑)。