ボクの家の近所でも桜が咲き始めました。
同時にボクも、いよいよお引越しの始まりです。今日はまず、引越し屋さんの車への荷物の積み込みです。
1月からずっとやっていた家の片づけは今週ギリギリまでかかりました。それに加えて徒歩10分のところにある新居へ、ギターやワインなど壊れやすいものを何回自分で運んだことか(笑)。引越し業者さんにはお任せパックをお願いしてはいるんですが、壊れたりしたら其れまでですからね。
今回の引越しは老後に備えての『終活』の一環ですが、考えることも多いし、労力もお金もかかる、それこそ終活で死んでしまいそう(笑)。昨日なんか荷物を抱えて、新居への往復で合計3万歩。引越し本番前に疲れ果てました😭
家の住み替えが具体的になったのは昨年11月初め。なんだかんだで半年かかっている。今はもう、全てが早く無事に終わって欲しいです(泣)。
せっかく一度はカルト教団を脱退しても、自分で考えるのが辛すぎて元の鞘に戻っちゃう信者が結構いるらしいが
— 愛国心の足りないなまけ者 (@karasumi01411) 2023年3月15日
せっかく一度は大日本帝国というカルト国家から脱退して近代的な民主国家を目指したのに、なんか元に戻りつつある今の日本は国全体がそんな感じだよな。
さて、土曜深夜BS-NHKで放送している『世界サブカルチャー史 欲望の系譜 日本編』、第2回の先週は70年代でした。
安保闘争や学生運動など政治的な活動が盛んだった60年代に続く70年代はどうだったのか、というのがテーマです。
当時を象徴する言葉として『しらけ』が紹介されます。そういえば、子供の時そういう言葉があったような気がする(笑)。安保闘争でも大学紛争でも今では考えられないくらい多くの人が立ち上がったにも関わらず、一般の人々の支持は広がりませんでした。60年代の政治活動は大した結果を残せなかった。
社会の雰囲気として、人々は屈折した思いを抱くようになります。
番組で映画研究者、横浜国立大学准教授のファビアン・カルパントラ氏がこう語っていました。
「戦後民主主義なるもの、その戦争が終わった後にできた仕組み、その国、組織みたいなものを否定する。要するに信じる者はもはや存在していない』
60年代に戦後日本を定義することに失敗した結果、戦後民主主義も信じられなくなった。そのため70年代は社会を停滞感、屈折感が支配するようになったのです。
編集者の松岡正剛はこう語っています。『(70年代とは)戦後日本とは何か、シミュレーションをしているようなものだった』
『戦後日本』のアイデンティティーとは果たして『国家』なのか『国土』なのか『精神』なのか、70年代はそれを試行錯誤し続けた時代、というのです。
その例として当時のベストセラー、小松左京の『日本沈没』を挙げています。国土がなくなり、国家も消滅状態になったとき、戦後日本は存在できるのか、それを問う作品、というのです。
『日本沈没』は読んだこともありませんが、国土が沈没し世界中に散り散りになった日本人が放浪の民族として生きていく、という作品らしい。コスモポリタンとして生きていくのか、日本人ならではの民族意識を持って生きていくのか。
松岡は『(70年代の日本人は)間尺にあわないものを抱え込んだ』と表現しています。
戦後日本、というものは未だ見えない。60年代を経て戦後日本は信じられなくなったが、コスモポリタンもムリ、民族主義もムリ、そういうことも判った。70年代はそういう時代だったと思います。
果たして80年代、90年代になって『戦後日本』のアイデンティティーは確立できるのでしょうか。ボクは今に至るまで、はっきりしていない、と思っています。
戦後日本のアイデンティティーは国土なのか、国家なのか、精神なのか。精神だとしたら多くの日本人がコンセンサスを得られるものはあるのでしょうか。
かっては平和憲法が戦後日本のアイデンティティーの役割を果たす可能性はあったとは思いますが、60年代に『日米安保の傘の下の平和』という偽善が暴露されました。それ以降 冷戦の崩壊などの国際情勢の変化や戦争を知っている年代の減少なども相まって平和憲法の神通力は徐々に失墜、現代に至っているわけです。
上野千鶴子が言うように国民自ら日本国憲法を承認する『選憲』というプロセスを経ていれば良かったのでしょうが、今となっては日本人にも野党にも市民勢力にもそんなことは難しい。野党にはビジョンがないし、そもそも投票率が半分もない、それこそガーシーのようなアホを選んでしまうような国民です。
戦後日本とは何か、その問いは今も続いているようです。その前に日本は無くなってしまうかもしれませんが(笑)。
割と真面目に、日本の少子化の最大の原因は、庶民の生活の実情が全くわからないポンコツな政治家ばかり選んだことだけど、世襲のお殿様を選ぶようにそういう人ばかり選んだのは国民だからな。
— 愛国心の足りないなまけ者 (@karasumi01411) 2023年3月13日
きつい言い方すると、民主主義が正しく機能し、国民の質の結果で人類社会から淘汰されようとしてるだけだ。
ということで、引越し前に元気をつけようと、また近所のイタリアンへ行ってきました。
今回の料理はシェフいわく、『冬の終わり』だそうです。お皿の上で行く冬と春の走りが入り混じっています。
『発酵野菜のスープと一口大のサルシッチャ(ソーセージ)』。お見せするのは初めてですが、この店ではいつも最初に出てきます。季節に応じた野菜のエキスとおつまみ代わりのコロッケ。
『もくじ』。今日使われる材料のお披露目です。中央上から生の白アスパラ(今年初めて!)、王様シイタケ(という名前の巨大なシイタケ)、太刀魚の炙り、ツキノワグマ、ランド産の鳩。
これもお見せするのは初めて、自家製のパン。店の庭に植わっている梅の木の酵母を使っているそうです。
『マナガツオの炙りとホワイトアスパラガス』。焼いたアスパラはロワールの温室ものだそうですが、ばっちり苦みがありました。皿の上部にはペースト状にしたソース。ハマグリの煮汁にゆずの香りがついています。
『天城軍鶏と王様シイタケのガランティーヌ』。春野菜がたっぷり載っています。こういうものは美味しいに決まっています
『蕗の薹と太刀魚のパスタ』。上の太刀魚はほぐしてパスタと混ぜて食べてくれ、とのことでした。パスタはペースト状にした蕗の薹がジェノヴェーゼみたいになってます。折角フワフワに焼いた太刀魚をほぐすのはもったいなかったけど、太刀魚の塩の香りと蕗の薹の苦みのコンビネーションは素晴らしかった。この日 最高の一皿でした。
『春の豆のパスタ』。『クレシュタイアーダ』というトウモロコシの粉を混ぜたイタリア北部のパスタだそうです。ツキノワグマの挽肉がコクを出しています。
『鳩と3種類の人参のロースト』。低温調理してからローストした鳩は驚くくらい柔らかかった。シェフいわく『まだ、ちゃんとしたものが市場にあった』というシーズン終盤の黒トリュフも素晴らしい香り。
『アップルパイと黒トリュフのアイス』。アイスでも香りはビンビンで(笑)、この日の黒トリュフはサイコーでした。
引越し先を近所にしたのもこういう店が近くにあるから、というのも理由の一つです(笑)。引越し頑張ります(笑)。
この週末はコメントのお返事が遅れるかもしれませんが、お許しください。