特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『バカのリトマス試験紙』と『ブラッドオレンジの3変化』

 今週火曜には東京でも雪が降ったばかりですが、それでも段々と桜が咲き始めました。
 とにかく、この時期は株主総会、人事異動、入社式と嫌なことばかりなので早く過ぎて欲しいです。あと、もう何回この時期を我慢すればいいのかなあー。

●今朝の''夜明けの桜''。60年代の『夜明けのスミレ』(Violets Of Dawn)という美しいフォークソングが思い浮かびます。ボクはリアルタイムで知ってる訳じゃありませんが(笑)。


 今日 北海道警が街頭演説中の安倍晋三にヤジを飛ばした人を強制排除した件で、裁判所が北海道に罰金を命じました。

 明治期の自由民権運動や戦前の治安維持法で 警察が一般人の発言を取り締まったのと同じことが起きている訳です。警察の人権感覚(というか一般常識の無さ)やそれを黙認する世の中の雰囲気には文字通りゾッとします
 一般には日本は民主主義国家と言ってますけど、実は西欧やアメリカともまた違う、お上に媚びる権威主義と形式的な民主主義のキメラのような異形の国家じゃないのか。時々そう思います。


 さて、今週のゼレンスキー氏の国会演説は『うまいこと言うな―』と思いました。『日本はアジアで最初にロシアに経済制裁した』と持ち上げ、軍事的貢献ができないことも判っている。

日本の文化面について言及していたのも意外でした。逆に今の日本にはそれしか強みがない、のかもしれません。これは悪いことではありません。少子高齢化が進む日本の生きる道はそれしかないと思いますから。

 ただゼレンスキーが日本のことなんか知っている筈がないですし、スタンディングオベーションまで段取りが決められていたわけですから、日本側とウクライナ側で綿密な打ち合わせは行われていたのでしょう。


 それでもゼレンスキー氏は他国での演説も含めて、どういう言葉を使えば『より多くの人の』気持ちに届くかを意識しているのは確かです。この『より多くの人』というところは日本の政治家、安倍や岸田、

 それにボケたリベラル爺さん連中がとても及ぶところではありません。

 ただ日本側の反応は面白かったですね。ゼレンスキー氏の演説はバカのリトマス試験紙だったみたい。

 相変わらず酷いのがれいわ。スクリーンの設備がないから本会議場から会場を変更したのに、『格下げの会場にしたから出席した』とデマを飛ばし上から目線で、ロシアへの制裁強化に反対しています。それじゃあ、どうやってロシアを止めるつもりなのか(笑)。
 れいわは嘘ばかりだし、民主主義を守る気すら、ない。維新や共産党ですら賛成したロシア非難決議に賛成しなかっただけのことはあります。党勢拡大のために、自分たちが目立つことしか考えていない山本太郎の選挙を支援した中核派とそっくり(笑)。

 そういう札付きの連中だけでなく、一般でもゼレンスキー氏がアメリカで真珠湾に言及したことを文句を言っている日本人がいるというのは驚きます。さすが奴隷臣民というか、レベルが低すぎ(笑)。

diamond.jp

『民間人を標的にしなかった』云々と言いますけど、宣戦布告前の奇襲なんて国際法違反もいいところ、80年前の日本はロシアや北朝鮮並みの無法国家として世界中の爪弾きだった。ロシアも今後100年くらいは世界中の爪弾きになるわけです。

 因みに日本は真珠湾だけでなく、日露戦争でも宣戦布告前の奇襲を旅順港や仁川港に行っています。太平洋戦争でソ連満州に攻めてきた時、スターリンがそのことに言及したと思いますが、日本人は意識してなくてもロシア(ソ連)の人は根に持ってるし、日本は卑怯な国と思われている筈です。
 だから、アメリカはヤバい国に平和憲法を押し付けた。そして日本人が『抱きしめた』。

 いずれにしても右左関係なく、日本人って夜郎自大だなーとは思いました。どこの国でも戦争になれば、国民は頭がカー助になるものですが、この悪癖は非常に危ない。


  
 さらに言えば、日本人って実は自信がないんだ、と思う。日本サイコ―とか言ってるくせに、自分たちがよって立つところの価値観も不明確だし、民主主義も大事にしてない。

 たいていの国、所謂 国民国家と言われるものには国民を統合する理念や物語(ナラティブ)がありますアメリカ人だったら独立戦争や独立宣言、フランス人だったらフランス革命、イギリス人だったら名誉革命大英帝国、WW2を戦い抜いたこと、中国だったら中華思想辛亥革命、WW2後に復活を遂げたことなどです。

 ところが日本は国民がよって立つところの理念、国民を統合する物語が甚だ不明瞭です。出る杭は叩く集団主義のくせにね(笑)。明治維新なんて薩摩長州の田舎者が日本の伝統なんか無視してでっち上げた紛い物だし、戦後民主主義アメリカが呉れたもの
 強いて言えば天皇がそうかもしれませんが、中世以降 天皇が日本にとって大した功績があったわけじゃないし、そもそも天皇家なんて他人の家の話、関係ないじゃん(笑)。


 今週のBS-TBS報道1930で元ウクライナ大使の角氏が『従来のウクライナは親ロシア、極右、親西欧など色々な考え方の人が混じっていたが、14年のクリミア侵攻以来 ウクライナには一般人には親ロシア派は殆どいなくなった』と言ってました。今 ウクライナの人たちは戦いながら自分たちの国の物語を紡いでいるのかもしれません。
 そのために、こんなに悲惨なことが起こらなくてはならないのか、とは思いますが。

 かってウクライナスターリン穀物を略奪されて400万から1000万人近くの餓死者を出し、今また侵略を受けているわけです。そう簡単に参るはずがありません。

 国民国家というものは19世紀の発明品ですし、グローバル化が進んだ現在、中途半端かつ時代遅れのものになりつつあります。安倍晋三の戦前回帰、9条信者の憲法盲信も時代遅れです。

 ボクは今更 日本で国民統合の物語を紡がなくても良いと思います。国民国家でいくらじたばたしてもグローバルな問題を解決するのは困難だし、物語を紡ぐという事は少なからず、血が流れる可能性が高いからです。
 ホントだったら根無し草の日本人こそ、グローバルな、世界に通じる理念を紡いでいけばいいと思いますが、現実は夜郎自大路線まっしぐらです(笑)。


 また、近所のイタリアンへ行ってきました。徒歩圏だとジャケットだけ羽織れば、ぱっと出かけられるので楽なんです。歳をとった証拠ですが、生来 人が多い所へ出かけるのが嫌いなんでしょう。

 いつもは断片的にご紹介していますが、今回は一通りの流れに沿って。

●山菜とマナガツオ

 春らしい山菜の苦みと淡白なマナガツオ(大きいでしょう)をトマトソースが繋いでいました。

●桜マス 

 皿の置き方について、シェフは『魚をお客さんの正面から見て縦に置いてくれ』、サービスの人は『それでは食べにくい』と意見が異なっているそうです(笑)。ソースの白い泡(エスプーマ)はヨーグルトです。イタリアンというより焼き魚みたいですが、焼き魚にもヨーグルトは合う、ってことですね。これは発見。
 
●ズワイ蟹とネギのタリアテッレ

 3種類のネギがメインで、カニの肉と出汁がネギとパスタを結びつける、面白いバランスの料理でした。食感も丁度良い。

●トラフグのリゾット

 リゾットにはフグの出汁が利いていて、その上に削った黒トリュフの香りが加わっています。素敵です(笑)。最近は温暖化で東京湾でトラフグが釣れるそうです。

●鮎の馴れ寿司を入れた天城軍鶏と海洋深層水で育てたエノキ茸

 極みエノキという海洋深層水で育てたものなのですが、異様に味が濃くて美味しいんです。軍鶏も普通の軍鶏の2倍くらいある特殊なものですが、味が強い者同士でぴったり。軍鶏の皮と身の間にアユの馴れ寿司が詰まっているのも美味しかった。

●ブラッドオレンジ

 一番上に焼いたブラッドオレンジ、その下にリコッタチーズのムース、その下にブラッドオレンジのムース、一番下にブラッドオレンジのシャーベット。ブラッドオレンジの3変化でした。


 呑気に食べ物を食べていられるのも平和だからなんですよね~。
 BS-TBS『報道1930』でポーランドの首相が『ウクライナの次はバルト3国かポーランドだ』と言っていました。08年にロシアがジョージアへ侵攻した時も『次はウクライナだ』と言われていたそうです。
 世の中には言葉が通じない奴は確かにいる、それが現実です。プーチンだけじゃなく、トランプも安倍晋三山本太郎も言葉なんか通じませんよね(笑)。

 今 色々なことが言われています。敵基地攻撃能力も、核シェアリングも、憲法9条も、非武装中立も、平和を守るための手段に過ぎません。相手と環境変化によって使い分けるものです。ダメなら捨てればいい。
 北朝鮮の標的になりやすい日本海側に原発が林立しているのもそうですが、時と場合に応じて手段を使い分けるという前提に立った合理的な議論って日本では皆無だよなーと思ってしまいます。
 往々にして、日本人って手段が目的になっちゃうんだもん