特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『物笑いの開会式』と『鮎のカヴァテッリ』(選挙だけでは足らない)

 昼間歩いているだけで倒れそうな(笑)酷暑が続いています。昨日は東京の感染者は5000人を越えました。酷暑と感染の夏。

 迷惑極まりないオリンピックだけでなく、こんな時に甲子園もやってるんですね。驚きです。だから朝日とか毎日は信用できない。偉そうなことを言いながら、髪の毛丸刈り大日本帝国もどきの人権侵害スポーツを主催してる偽善者連中です。

 オリンピックや甲子園はやってるわ、デパートは開けているわ、満員電車は放置されてるわで、感染が収まるわけがありません。

 政府が突然、コロナ中等症、軽症者の『入院拒否』を言い出したのはびっくりしました。1年半も時間があったのだから病床を拡大するのが、普通の方策の筈。

 しかも具体的な根拠、理由を説明しようともしない
 日本の政治は中国共産党にますますそっくりになってきました。いや、経済にしろ、コロナ対策にしろ、権力争いを勝ち抜いてきた中国共産党の面々は優秀ですから、2世や3世のボンクラ揃いの自民党より遥かにマシです。


 さて、ボク自身は全く見ていないのですが、オリンピックの開会式は酷かったらしいですね。
 出演者や出し物のひどさ、脈絡のなさに加えて、『唯一まともに見えたドローンのショーも、インテルYouTubeにアップしているものそのまんまじゃねーか』と、ネットでずいぶん笑われていました。

 先週、文春にMIKIKO氏が作った開会式の原案がすっぱ抜かれていました。
 プレゼン資料では、Perfumeが’’WELCOME TO NEO TOKYO''とオープニングをやって、大友克洋の漫画『アキラ』のバイクが場内を疾走して、世界的ダンサーの菅原小春などが登場する、ボクでもちょっとワクワクするような案でした。
 海外で知名度がある人たちを使って、日本は生まれ変わった、というコンセプトを表現しようとしていた訳です。『生まれ変わった日本』は現実とは異なる、単なる願望かもしれませんが、少なくとも夢はあった。


bunshun.jp


 ところが政治家やJOCが色々いちゃもんをつけてきて、クリエイティブ優先のMIKIKO氏がクビになった。その結果 森が海老蔵の出演に執着したり、安倍が極右のすぎやまこういちを押し込んだり、小池が木遣りや火消しの出演をゴリ押しした、というのが真相らしい。その結果、理念もコンセプトも脈絡もまるでないものが出来上がった。

 それなら開会式を巡るごたごたも頷けます。そんなものだろうなーと思いました。日本の政治家は政治能力だけでなく、文化・教養レベルも低いのは今に始まったことではありません。で、電通はスポンサーの顔色を見ながら、イベントをうわべだけででっち上げる。ボクも経験ありますが、連中のいつものお仕事のやり方です。
 今の日本では文化的なイベントすらまともに運営出来ないんです。商業的なことは出来るかもしれないが、世界に理念を訴えるような文化的なコンテンツなんかとても、発信できない。
 美しい国とか平和憲法とか言っても、実は左右共にまともな理念なんかない、日本の現状を象徴しています


 政治家だけではありません。開会式をクビになった小山田圭吾には全く同情する気はないですが、小山田もメンバーに入っているバンド’’META FIVE''のCDやコンサートも発売中止になりました。

news.yahoo.co.jp

 META FIVEは高橋幸宏テイ・トウワ、元電気グルーブ砂原良徳など豪華なメンバーを集めた6人組、現代の技術でYMOを再現したようなバンドです。
YMOの’’Cue’’のカバーは本家よりカッコいいと思います。歌ってる人は同じ高橋幸宏ですが(笑)

www.youtube.com

 ある意味スーパーバンドと言っても良いバンドで、スタジオアルバムは大したことないけど、ライブアルバムは圧倒的な演奏力でボクも愛聴してます。

 小山田の行為と音楽は別、なんですよね。
 音楽家が清廉潔白でなければならないのなら、クスリ中毒だったミック・ジャガーデヴィッド・ボウイエルトン・ジョンのCDだって発売中止にしなきゃいけない(笑)。クイーンやロッド・スチュワートに至っては、かって人種差別が続く南アで制裁破りのコンサートをやって世界中から非難されました。胸糞悪いからボクもクイーンやロッドは大嫌いですが、良い曲は良いし、クイーンの映画だって面白かった。
 小山田だって胸糞悪いけど、ギター弾いてるだけのMETA FIVEは関係ないでしょ。こういう幼稚なことをこの国はいつまで続けるのでしょう。

  
 こちらは 7月に行った、近所のイタリアンです。この店は緊急事態でもキャパを3割に抑え、換気、手洗い消毒を徹底して営業を続けています。東京では今年になって半分以上緊急事態宣言が続いているんです。そりゃあ、営業せざるを得ないに決まってます。

 これはあまり見かけない、マナガツオの生。野菜を発酵させたスープを掛けてあります。上にはみじん切りにしたサマートリュフ。マナガツオは身が柔らかすぎてあまり好きじゃありませんが、生は結構おいしい。サマートリュフのパリパリした食感とのアンサンブルです。

 こちらは鮎のパスタ。カヴァテッリという手打ちのパスタに山椒が練りこんであります。緑はお店で干したキュウリ。こういう夏らしさもありますね。

 これは、『ビュルゴー家のシャラン鴨(血抜きしないで窒息させた鴨)が手に入ったので』と出てきたもの。低温調理したあと皮を炙った鴨は柔らかいし肉汁をたっぷり含んでいて、牛肉なんかより遥かに美味しかったなー。


 この日 お店の人がぽつッと言ってました。『我々にはワクチンの順番は中々回ってこないんですよね。

 飲食関係でもスターバックスなんかは、社長自ら『従業員の健康だけでなく、宣伝にもなるから、直ぐ職域接種をやれ』と大号令を出し、6月半ばから職域接種を始めています。大手だったらそういうことができるけど、個人経営の店だとそうはいきません。

 国からワクチン供給を減らされた世田谷区は保坂区長が話をつけて、公共の接種だけでなく楽天の職域接種も受けられるようにしたけれど、それでも現役世代の接種は9月になってしまうでしょう。
 この国は生活に不可欠なエッセンシャルワーカーに対する配慮はまだまだ薄い。まして食べ物屋さんは配慮どころか、虐められてばかりです。
●埼玉県はエッセンシャルワーカー向けに接種を始めました。どうして国がこういうことをしないのか。

 今はまだ無理だけど、これからワクチン接種をした人が増えてきたら、フランスやNYのようにワクチンを打たない人は外食禁止、くらいのことをやればよい、と思いますね。ロックダウンの法律がどうのとかより、経済とどう両立させるかの方が大事。


www.nikkei.com


 コロナはオリンピックを通じて(笑)日本のダメさ加減を世界中に示しました。感染を防ぐどころか、開会式やオリンピックの運営すらまともにできない。政府は嘘をつくか、だんまりを決め込み、市井の人、弱者ばかりにしわ寄せが行く

 一方 半年後の北京オリンピック中国共産党の優秀さ(と全体主義)を世界中に示すことでしょう(笑)、同じような独裁政治でも日本との能力差は際立つだろうなあ(笑)。
 これが今の日本の実力ですから、それを皆で認識できればまだ良いのですが、私利私欲しか考えてない政治家とオリンピックに夢中になってる能天気な国民には望み薄でしょう。

 結局 この国に何か期待しちゃダメなのは、今回のオリンピックで改めてよく判りました(笑)。
 次の選挙で目にもの見せてやらなくてはいけないのは間違いないですが、選挙だけでは足りません
 日本人の奴隷根性や無責任が変わるには時間がかかる。例え政権交代したって、与野党、それに企業や役所の各所にいる森喜朗みたいな爺さん連中が引っ込まなければ社会は変わらないでしょう。また維新にいるような、やたらイキった40代、50代の軽薄バカだっている。長い目で見ればそういう連中には明日はないとは思いますが、そういう連中がくたばるのと日本の衰退、どちらが早いか勝負です(笑)。 


 それでも我々は生き残っていかなくてはいけない。それには、中国の人のように政府は一切信用しないで自分が信用できる人たちだけで固く結びついて生きていくのが良いのか。それとも日本人得意の社畜パターンで、これからの時代でも生き残っていけそうなグローバル企業にへばりつくか、それとも時代を無視した超ローカルで生きていくか。前川喜平先生のように組織の中で面従腹背、ゲリラ戦を戦うやり方か。

 ボクは、日本が生まれ変わるには、中高年の男やそのお相伴にあずかるバカ女みたいな既得権益者に期待してもムリだと思います。男である自分も既得権益者ですが、既得権益者が変化を起こそうとしても、どうしても気が付かない点が多々ある。
 本気で日本を何とかしようと言うのなら、早く男は引っ込んで、女性や外国人にどんどん活躍してもらうしかないでしょう。政権交代も大事だけど、それより与野党含め政治家のジェンダーを交代させたほうが早い、と思う。

 政治も大事、経済も大事、だけど我々の生活を含めて社会全体を少しでもマシなものにしていくかって視点が最も大事、だと思います。政治を変えなければ社会は変わりませんが、政治だけでは社会は変わりません。