特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『黒トリュフのカルボナーラ』と映画のニュース2題(『新聞記者』と『主戦場』)

 寒いですねー。段々夜明けも早くなってきて、春の気配も感じますけど、寒い(笑)。
 今週は株が劇下がりでした。年初から3000円以上も下がるとは思わなかった。これが長引くと企業の業績や年金の運用に響くので、我々の生活にも効いてきます。

news.yahoo.co.jp

 それに加えてウクライナの戦争危機、原油の値上がり、そしてコロナ感染の拡大、と世の中が急に騒然とし始めました。年初から激動です。心の準備が出来てない(笑)。

 感染は周囲でもすごい勢いで増えています。
 今まではボクの勤務先では感染者は累計でも従業員全体の0.1%もありませんでしたが、今週になって急に感染者や濃厚接触者発生の連絡メールがバカスカやってくるようになりました。PCのメールボックスがコロナだらけです。

 本人が注意していても子供が学校や保育園で感染するのが多いし、保健所も機能がマヒしていて濃厚接触の判断が来るまであまりにも時間がかかっている。また感染や濃厚接触にならなくても保育園が休園になると、仕事にも大きな影響がある。しかし学校や保育園が明らかに大きな感染源の一つになっている。どうしたらいいのでしょう。

 ワクチン接種はOECD内で最低レベル、まだ人口比で一桁台と全然進んでいません。政府・厚労省が当初決めた接種間隔8か月に拘ったために自治体の接種準備も遅れた。第5波の時のようにワクチン接種でどうにかなることはなさそうです。
 イギリスやフランスの感染者数推移を見ると、日本は2月4日頃がピークという話もありますが、ワクチンの問題があるから、それでは収まらないかもしれません。
●これだけでも政府や厚労省の役人は万死に値すると思う。

日本のワクチン3回目接種が先進国で最も遅い訳 | ブルームバーグ | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース

 検査もワクチンも全然間に合わないし、相変わらず飲食店にばかり責任を押し付けています。小康状態の10~12月に検査キットの備蓄くらいどうして出来なかったのか。ワクチンの接種間隔もどうして他国のように短縮できなかったのか
 この国は何回同じ失敗を繰り返せば良いのでしょうか。太平洋戦争も原発事故もコロナも全く同じパターンです。

 基本的には2年経っても対策をまともにとれない政治家が悪い訳ですが、そういう政治家を野放しにする、事実を直視しない国民性が本当に嫌になります。これでオリンピックが始まったら忘れてしまうのかな(笑)。

 
 こちらは 先週食べた黒トリュフのカルボナーラ。高カロリーですが、組み合わせに思わず惹かれてしまいました。

 食事をするのも徒歩圏内しか行きたくないので、近所のいつも行っている店とは別のもう一軒のイタリアンに行ってみたんです。ご夫婦だけでやっている庶民的な店で昼間はヒマな主婦で大盛況(笑)。夜はどうなのかと思ったのですが、こんなに麺が一杯でてくるとは目算を誤りました(笑)。でも使われているのはベーコンではなくパンチェッタでしたし、山盛りの黒トリュフは色からして仏伊ではなく中国かオーストラリア産でしょうけど、流石にこれだけ載っていると香りはありました。

 ここも何でも丁寧に作っているだけあって、メインの牛肉の赤ワイン煮はちゃんとワインを大量に使って煮てあって、これは美味しかった。

 いちごのティラミスもだーい好き💛(笑)。


 さて、昨日は映画に関するニュースが二つも流れました。
 まずネットフリックスのドラマ『新聞記者』。ボクは見ていませんが、評判は高いようですね。
 ボク自身は、元になった映画版の『新聞記者』が全然ドラマになってなかったので、同じ監督/制作/原作者で作ったドラマ版もあまり食指が伸びません。
 テーマ自体もそれ程興味ない。ドキュメンタリーならともかく、劇映画ならもっと普遍的なテーマに昇華させてくれないと見る気がしない。そのためには無能な監督や脚本家を取り換えないとムリ(笑)。定年になって時間が出来てネットフリックスに入ったら見るかも、ってところです。

 そのネットフリックス版の『新聞記者』に故赤木氏の夫人が協力しなかったことや夫人役で出演が予定されていた小泉今日子大先生が出演しなかったのは公開当初から話題になってました。

 昨日 その理由を実名で暴いた週刊文春の記事がでてきました。赤木夫人が実名で答えているし、河村プロデューサーや原作の東京新聞記者の望月衣塑子にも裏取りの取材を掛けているから、記事の信憑性は高いと思う。

news.yahoo.co.jp

 読む限りではプロデューサーも原作の望月衣塑子も酷い。スポンサーの顔色を見ないで済むネットフリックスを良いことに中途半端に事実そっくりに作った挙句、遺族にとってセンシティブな部分は都合のいいように勝手に改編、しかもその後は不誠実な態度じゃあ、遺族は怒るにきまっています。

 別に遺族の同意は必要ないんです。この前見たばかりの『ハウス・オブ・グッチ』なんか、グッチ家から抗議が来てるそうですが誰も気にしてない(笑)。実名で都合の悪いことをバンバン描いても(笑)、事件に公益性がありますからね。

 だけど一個人である赤木氏本人、しかも死というセンシティブな部分を描くのなら、遺族のことを配慮するのは当たり前。公人とは違います。主旨を損なわないような表現の仕方なんて、いくらでも脚本や表現で工夫できるでしょう。
 単にドラマ作りの才能がないって話だけではなく、人間性の問題です。

 その点 キョンキョンは流石です。結局物を作るという事に対する責任感、作り手としての自覚があるかどうかの問題です。

 人間というものを全く描けていなかった映画版を見ていれば、今回のことは驚きは有りません。作り手の人間観が貧困なことの当然の帰結です。
 良くも悪くも望月衣塑子っていう人は新聞記者より芸能リポーターだと思う。口で言ってることとやってることが違う。程度の差はあるにしても、都合の良いように捻じ曲げるという意味では安倍晋三や改竄を指示した連中と同類と言われても仕方ないでしょう(笑)。

 これって政治や市民運動に関わってる人たちにありがちな話です。連中はたぶん『自分が正しい』と思っている。で、『目的のためには手段を選ばず』になってしまい自滅する、何十年も続くパターン(笑)。子供じゃあるまいし、いい加減学べよ(笑)。

 
 もう一つ、19年に公開された傑作ドキュメンタリー『主戦場』の上映差し止めと賠償を求めて、ケント・ギルバート藤岡信勝新しい歴史教科書をつくる会などバカウヨ5人がミキ・デザキ監督と配給会社を訴えていた裁判、昨日 判決が出ました。
 クズウヨ連中の全面敗訴(請求棄却)です。

ケント・ギルバートさんら敗訴 慰安婦映画「主戦場」訴訟 東京地裁(時事通信) - Yahoo!ニュース

 『主戦場』は従軍慰安婦問題について約30人の「左右両派の論客」が主張を戦わせる内容でしたが、双方の主張を見ているうちに櫻井よしこや藤岡、ケント・ギルバートなどアホウヨ連中の知性や人間性までが自然に浮き彫りになってくる、ドキュメンタリーのお手本みたいな見事な映画でした。

news.yahoo.co.jp

 アメリカ国籍の監督ということで油断したクソウヨ連中が『金をばら撒いて記事をでっちあげた』など調子に乗って本音を喋りまくったのを見事に捉えた(笑)、『新聞記者』とは正反対の映画です。めちゃめちゃ面白いです。
spyboy.hatenablog.com

 映画の中で自爆して、文字通り笑いものになったバカウヨ連中が怒って訴えた(笑)、というのが今回の裁判です。

 公開後に行われた映画に対するゴミウヨの抗議では今回の原告の5人に加えて、櫻井よしこ加瀬英明など大物も加わって『商業映画として公開されるとは知らなかった』と主張していましたが、この二人は裁判には参加しませんでした。監督が連中の出演同意書を取っていたので勝てる訳がない、恥の上塗りになることは判っていたからでしょう。


 
 右でも左でも、バカと嘘つきは駄目(笑)なんですよ。
 豪華スター満載のアダム・マッケイの『ドント・ルック・アップ』、『バイス』やマイケル・ムーアの諸作品、それに『主戦場』を見れば判るように、政治や社会的なテーマを取り扱っても、面白い物、質が高いものは幾らでも作れます。小川淳也衆院議員を取り上げた『なぜ君は総理大臣になれないのか』や『香川一区』、それに富山市議会の汚職を取り上げた『はりぼて』も良い例です。
 映画に限りませんが、どんなに良いことを訴えようとしても、やっぱり表現の質が高くないと人々の心には残りません。ダメなものはダメ。ボク自身も残り少ない人生、極力高品質な作品に触れながら生きていきたいです(笑)。

●『ナチは死ね』。明確でさりげないけれど思いの籠った、そしてカッコいいメッセージ。質が高い表現ってこういうことです。トム・モレロはハーバードで政治を専攻したあと民主党下院議員の秘書になり、’’世の中を変えるために’’ロックギタリストに転向した人。