特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『デジタル封建時代』と『0117再稼働反対!首相官邸前抗議』

 今日は1月17日、神戸の大震災から、もう25年も経つのですね。


 あの日の早朝、暗いはずなのに真っ赤な空がTVに映っていました。それから急遽 大事なデータや書類を持ち出すために神戸の営業所へ行くことになって、午前中はまだぎりぎり動いていた新幹線に飛び乗ったのが昨日のことのよう。
 とは言わないけれど(笑)、4,5年前くらいのように思えます。現地の人の運転で警察の非常線を掻い潜って、まだ煙がくすぶる尼崎、神戸に入ったときの光景は忘れることができません。あの時、もし神戸に原発が有ったら、どうだったでしょう!
 確かに今は尼崎も神戸もきれいな街並みにはなったけど、どうなのかなあ。あれから世の中、良くなったのかなあ。疑問に思ってしまいます。



 今週 ウインドウズ7のサポート切れというニュースがありました。
 ボク個人のパソコンは既にWIN10ですが、多くの企業などでは今 端末の交換を進めています。しかしWIN7からWIN10に代わって、何かメリットがあるでしょうか?(笑) セキュリティは強化されたんでしょうけど、それはマイクロソフトのバグ(欠陥)の問題。ユーザーの使い勝手が良くなったとか等のメリットはボクは全く感じません。

 サポートを終えるのはマイクロソフトの勝手ですが、ユーザーには何のメリットもないのに連中の都合で買い替えを強要される、ウィンドウズに限らずIT業界では『あるある』話です。

 そんな理不尽な話が通るのは、彼らが圧倒的シェアを持つ独占企業だからです。言うまでもなくマイクロソフトGAFA、これら巨大IT企業は国家を左右するような存在になってしまいました。
 アメリカにおいてすら、APPLEiPhoneのセキュリティ・ロックを巡って政府に逆らい続けているのは有名ですし、FBIやCIAはアマゾン、国防総省はグーグルのクラウドに自分たちの心臓であるコンピュータを委託しています。
 そうそう、以前も書きましたが、日本政府も『共通プラットフォーム計画』と言って、今年10月から原則として省庁のシステムはすべてアマゾンに委託することになっています。構築作業を担当するのは外資系コンサルのアクセンチュア
tech.nikkeibp.co.jp

 TPPはアメリカの陰謀、と騒いでいる人たちがこれを全然気にしないのがボクは不思議でなりません(笑)。要するにいい加減というか、連中はなんでもいいんですよ、ああいう陰謀論の人たちは(笑)。

 GAFAなどはただデカいだけではなく、技術力もある。一時期は「長期的視野に立つ日本企業は研究開発に投資するから短期的経営の米国企業より強い』みたいなことが言われていましたが、今やGAFAと日本企業とは圧倒的な差がついています。


https://www.kantei.go.jp/jp/singi/keizaisaisei/miraitoshikaigi/dai31/siryou2.pdf


 これらGAFAの研究開発費を合わせると約8.3兆、日本全体の研究開発投資の約4割に上るそうです。もう追いつけませんよ。
diamond.jp



 この前 勤務先に年始の挨拶に来た某コンサル会社の社長の話を聞きました。彼曰く「『現在はデジタル封建時代』ではないか」と言うのです。

 現代で最も大事なのはデータだが、今はGAFAマイクロソフトなど一部の巨大IT企業がそれを囲い込んでしまっている。彼らは莫大な利益を上げているが、データを握られた一般の人や他の企業はGAFAに利益を吸い取られ、格差がどんどん広がっている。
 データが一部の企業に囲い込まれた現代は、領主が領土・領民を囲い込むことで利益を上げていた封建時代と同じだ。
 だからこそ、GAFAなどにデータを所有させずにオープンに使えるようにすれば、封建主義が資本主義に移っていったように、将来 民主化されたデジタル民主主義の時代が訪れる可能性があると思う。

 なるほど~、です。
 ITにしろ、AIにしろ、遺伝子技術にしろ、今後の技術進化を見ていると、どう考えても格差が拡がっていく方向しか思いつきません。何度も書いてますが、これから世の中の人は大まかに3種類に分かれると思うんです。
1.機械に使われる人
 荷物の積み下ろしなど不定形で機械に任せにくい低付加価値(低単価)の仕事をする人。当然 給料は超安い。

2.機械を使いこなす人(仕事を機械に置き換えていく人)
 自動運転など人が従事していた仕事を機会を使いこなしたり、機械に置き換えていく仕事をする人。運転どころか、教師や医者など人間が行ってきた仕事もごく一部を除いて、機械に置き換えられていくでしょう。受付とかはペッパー君でいいわけですよね。それどころか、医者や大学教授も優秀な人間が遠隔授業やロボット手術をすれば、ごく僅かの人数で済むようになる。勿論 昔から日本の大学に跋扈している外国の学説を持ってくるしか能がない学者は不要です。
『機械を使いこなしたり、従来の仕事を機械に置き換えていく人』は仕事がありさえすれば、給料はまあまあかもしれないが、この仕事に従事する人数は現在より大幅に減るでしょう。

3.機械にできないことをやる人
 芸術家、セラピストなど癒しの提供、経営判断など機械にはできない仕事をする人。分野によってピンキリでしょうけど、稼ぐ人は多いでしょう。


 今後10年もすれば社会は、大多数の1と少人数の2&3に二極化するんじゃないか、ボクにはそう思えてしまうんです。
 特に1は厳しい。それこそ非正規労働が一生固定化してしまう環境ですが、世の中には2や3が不得意な人は少なからずいる。そうなると1しかできる仕事はなくなってしまう。どうするんだ。


 それでも認知症のジイさんや酔っ払い、暴走族が自動車を運転するくらいなら自動運転にしてしまったほうがいいし、安倍晋三やトランプみたいなアホよりAIが政治をしたほうがどう考えても世の中は良くなります。少なくとも権力の私物化はしないでしょ。

 新技術の活用で世の中は安全・安心・便利な方向へ進んでいくかもしれないけど、社会の格差は今以上に広がっていく。そんな社会は存続不可能ですから、ベーシック・インカムみたいな最低保証が本当に必要になってくる可能性がある。


 ビル・ゲイツなんかはAIに人頭税をかけろって言ってるみたいですけど、確かに放置しておくとえらいことになります。大統領候補のエリザベス・ウォ―レン元ハーバード大教授が独禁法を使ってGAFAを分割しろ、と仰っているのも一理ある。もちろんデータの独占は防がなければならない。
●例えばグーグルなどは自分がどんなホームページを閲覧したかのデータ(クッキー)を広告業者に売っています。
toyokeizai.net


 かっては国家と市民の戦いでした。国家に対して市民の権利を守ることが民主主義社会の大命題だった。でも、それだけではもう古い

 これからは国家と巨大IT企業と市民との三つ巴の戦いになる。学者は『そのためには社会的共通資本=コモンを充実させよう』とか言ってますけど、具体的にはどうしたらよいかは判りません。
●昨年出たこの本、水野和夫先生らの『資本主義の終焉』の議論を一歩進めた良い本でした。表紙の哲学者、マルクス・ガブリエルは昨年NHKで特集が作られましたね。


 少なくとも政党や組合、市民運動の形も変わっていくでしょう。いや、変えていかなければいけない。ボクなんか市民運動の人たちが紙のビラを配ってるだけで、『この人たち、ネットも使えないのか。時代遅れ』と思うもんなあ(笑)(ゴミになるから、ボクは紙のビラは一切受け取りません)
 今後デジタル技術の進歩に対して市民の権利を守ることは、民主主義にとって大きな課題になるのではないでしょうか。


ということで、今週も官邸前抗議へ #金曜官邸前抗議
明日は東京でも雪の予報、さすが一年のうちで一番寒い時期です。今日の午後6時の気温は8度、参加者は200人を少し欠けるくらい?

●抗議風景

 今日 広島高裁が、4月に迫った伊方3号機運転再開の差し止めを命じました。少し前 MOX燃料を引き抜く際 間違えて制御棒を引き抜いた!あの伊方です。
www.nikkei.com

www.chugoku-np.co.jp

mainichi.jp

 地裁レベルで原発の運転差し止めは2011年以降これで5度目、高裁レベルで差し止めが認められたのは17年の広島高裁に続いて今回が2度目、今回の判決を出した森裁判長は自身の定年退官を控えた1月中に結論を出す旨、法廷で前もって伝えていたそうです。
mainichi.jp

 残念ながら今の『(政治への)忖度司法』では、そういう裁判官でなければ、こういう判決を出せないのかもしれません。そんな状況ですら、度々運転が止まる。それだけでも電力会社にとって巨大な経営リスクであることは間違いありません。原発の声は連中に確実に巨大なダメージを与えている
 もはや会社にとっても、株主にとっても、もちろん顧客=住民にとっても原発は経営面でも大きなリスクになっています。
 こんなバカなことをいつまで続けるのか。それを問い続けるしか、正気を取り戻す方法はないと思います。