特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『第4次産業革命』(笑)と『1007再稼働反対!首相官邸前抗議』

いやあ、野菜が高いです。参りました。先週スーパーでレタス1個380円にびっくりしたばかりですが、今週は486円!冗談じゃありません。前回のエントリーでレタスが598円、というGAEIさんからのコメントも頂きましたから、もっと酷い例があるのかもしれません。当分 そこまで値上がりしていないゴーヤとピーマン、人参、玉ねぎで暮らすことにします(笑)。でも人参もにんにくも店頭で売ってるものが小さくなりました(泣)。
●今日は何の日。義手をつけた平田昭彦大先生の雄姿と言い、このころはもっと自由だったと思うんですよね。

 
                                                                                                   
今週も 世の中の移り変わりが激しいなあ、と思わせるニュースがいくつも流れています。昨日もそごうの神戸店や西武高槻店が阪急・阪神グループへ売却されたり、かって激しいシェア戦争を繰り広げたホンダとヤマハがバイクで協業したり、富士通のPC部門が中国メーカーに身売りしたり、少し前なら考えられない話です。国内ではデパートという業態自体が成り立たなくなってきたということでしょうし、国内の二輪車市場は80年代の8分の1に縮小したそうですし、家電だけでなくPCメーカーまで国内ではほぼ成り立たなくなった。これらの事柄はまさに今の世の中を象徴しています
身の回りを見ても変化は激しい。近くのJR東日本の駅では『みどりの窓口』は今まで可能だった1か月前の指定券予約はこれからは駅では不可、ネットでやってくれ、という張り紙が貼ってありましたし、ボク自身レストランの予約もネットで済ますことも多くなりました。

                             
機械が苦手なお年寄りの人はそういう世の中の動きについていくのは大変だろう、と思いますし、若い人を中心に現役世代はものすごいスピードの変化にどうやって生き残っていくか自体が問われていますから、もっと大変です。個人的には面倒くさいので世の中の変化になんか関わりたくないですが、とりあえず生き残りは図らなきゃいけない。1年、2年くらいではあまり感じないかもしれませんが、5年、10年のスパンで考えると世の中の変化は物凄いと思います。

                                                  
昨日 今 一緒に仕事をしている人が話すと言うので、某シンクタンクの講演会へ行ってきたんです。テーマは『デジタル化で世の中がどう変わっていくか』という話でした。
最近 第4次産業革命ということばを聞くことがあります。産業のデジタル化の事です。これも良く聞かれるインダストリー4.0とかIoTもデジタル化のことを指しています。簡単に言うと、工場などの生産現場も人間もカネの動きも小型端末で全てデジタルデータ化して効率的な産業構造にする、という話です。もうちょっと判りやすく言うと、生産現場も事務もどんどん自動化、無人化する、ということです。
一般の人には関係ない、と思う方もいるかもしれません。ところが身の回りのことを考えても、無関係ではいられません。あと10年も経てばタクシーやバスはかなりの部分は自動運転になるでしょうし、銀行だってネット化されてフィンテックと言います)地方の支店なんかバンバンなくなるでしょう。地銀なんか一部を除けば 存在できなくなるんじゃないですか。企業の事務仕事や商店だって、かなりの部分が自動化やネット通販に置き換わるでしょう。BABYMETALのコンサートですらIoTの端末を観客一人一人に配っているんですからね(笑)。
●東京ドームでは観客一人一人に配った、首につけるコルセットにIoTの端末が仕込まれていて、特定の曲の間奏部に点灯するようになっていました。


                                         
今 経産省を中心に国はこの第4次産業革命に対応しなくてはならない、と躍起になっています。金額は知りませんけど、来年度予算にもかなりの額が計上されているはずです。ロボットとかIoT、AIと名目がついていれば予算は青天井になっている?という話も聴きましたし。
●独ボッシュ社が想定するインダストリー4.0.要するに現場をトコトン無人化して情報をデジタル化、中央で集中管理して効率化すると言う話です。要するに、中央のごく一部を除いて人間は機械の奴隷になることだとボクは解釈しました。

                                                
その経産省が第4次産業革命についてリーフレットに書いてあることがすごいです。
『今が日本の第4次産業革命の分かれ道』、『痛みを伴う改革か、安定を求めたジリ貧か』
経産省のリーフレッレット

第4次産業革命が本当に来るかどうかは判りません。そもそも事前に判るような話は『革命』なんかじゃありませんよ(笑)。でも国にとっても、企業にとっても、個人にとっても、この分野の話にどうやって対応しようか、というのは大きな課題です。少子高齢化でどんどん貧しくなっていく日本では尚更です。だけど経産省にそこまで言われると、これはインチキ臭い、と思ってしまいます(笑)。

この論法自体はありふれたものです。小泉政権の時、小泉が良く『改革なくして成長なし』って言ってましたよねあれで、なにか、成長しましたっけ(笑)。橋下の維新はどうなんでしょうか。小池百合子の改革もどうなんでしょう。豊洲の話でも8月から小池は『仕込んでいた』ようですし、小池のブレーンには豊洲の工事をした設計事務所のライバルが入っているそうです(笑)。盛大にガセネタを乱舞させていた森山高至さんが東京都専門委員に就任のお知らせ(追記あり)(山本一郎) - 個人 - Yahoo!ニュース
もちろん石原や都庁が酷かったことは間違いないですけど、それは今に始まった話ではない。バカをのさばらしておいたマスコミと都民が悪いし、その構造は石原時代も今も変わっていない。橋下の『維新』も小池の『改革』、どちらも掛け声は大きいけど、寡聞にしてボクには狙いや成果が全く見えないです。彼らの旗印は大衆のフラストレーションを解消しているだけではないでしょうか。でも大衆はそれに引っかかる(笑)。

太平洋戦争の時もそうでした。不景気に見舞われた日本の打開策としてファシズム体制を推進する、いわゆる『革新』と呼ばれる官僚や軍人が勢力を増していき、国民の多くもそれに『乗った』。その流れを止められなくなって、戦争に突入したんです。さっきの経産省のキャッチフレーズを読んで、ボクは、日米開戦の是非を昭和天皇に問われた時の米内光正の発言を思い出しました。米内は元海軍大将で元総理大臣、ナチスとの同盟にも日米開戦にもずっと反対した人で陸軍に内閣を潰された後、政界から引退していました。米内は天皇にこういったそうです。『ジリ貧を避けんとして、ドカ貧にならないよう注意願います
経産省のバカ役人に同じことを言ってやりたいです。

                                                    
第4次産業革命の総デジタル化みたいなことが進んでいけば、多くの人が職を失います。機械に置き換わって職業自体が無くなっちゃうんだもん。経産省の予測によると、このまま行けば2030年には2015年と比べて735万人分の雇用が減る、としています。雇用全体の1割ですね。更に言うと経産省は俺たちの言うことを聞けば(笑)、雇用減は100万人で済むというのです。
経産省が4月に出した中間報告『新産業構造ビジョン』。雇用の変化についてはP45に記載 http://www.meti.go.jp/committee/sankoushin/shin_sangyoukouzou/pdf/008_05_01.pdf

                                      
その真偽はともかく(こんな予測なんて、超いい加減なもんです)(笑)、大きな問題があります。それは、黙ってると社会の格差はどんどん広がっていく、ということです。それは政治の問題だけでなく、技術進歩が大きな原因です。技術進歩に伴い無くなる仕事もあれば、新しく増える仕事もあります。でも昨日まで農業をやっていた人に明日からIT技術者になれと言っても、それは難しい。教育訓練で職業転換できる人もいるでしょうけど、転換したくない人、転換出来ない人も大勢いるはずです。
じゃあ、どうするか。技術進歩を止めることは出来ないでしょう。利便性が大きければ、技術進歩は誰にも止められない。かといって今のように補助金を出して、既存の非効率な産業を守るのは不平等だし、経済的にも無駄遣いです。財政危機の日本でそんなことやってられないし、そのツケは消費者、特に弱い人が被ることになる。ボクが日本のTPP反対派の人たちに賛成できない理由はそこにあります。

                                         
技術進歩がこのまま進んでいくと、格差が大きくなって世の中 エラいことになります。昔のように身分ではなく、教育やスキル、人脈による格差です。でも教育やスキル、人脈は生まれ育った環境に大きく左右されますから、実質的には生まれによって差別される強固な格差社会が出来上がるでしょう。そのような社会では機械に置き換えられない単純作業にしか就けない人はより貧乏に、機械を使いこなす少数の側はより金持ちになっていく
ボクはそういう社会が良いとは全く思いません。人材しか資源がない日本ですから、性別・イデオロギー・国籍に関係なく優秀な人がでてくるチャンスがないと社会が腐っていく。これは新自由主義とか独裁とかの話じゃないです。たとえ自民党政権を倒したって(笑)、問題は解決しない。右とか左とか旧来のイデオロギーでは全く解決できないんです。さて、皆さんはどうしたらよいと思いますか?


                                
技術がどんどん進歩していく中で、自分はどう生きていくか、自分はどんな社会を望むのか、一人一人が真剣に自分の頭で考えなければいけないと思います。そうすれば自分がどうしたら良いか、何となくは判るんじゃないでしょうか。そして、それを身の回りで、仕事で、路上で、国会前で(笑)、声に出していかなければいけない。政治家や役人の『改革』、『維新』、それに市民団体の『憲法守れ』だけでは自分自身を守ってくれません。それだけははっきりしています。
●国会議員の白紙領収書の件、ふざけるんじゃねーよ!なんだったらボクだって、全部経費で落としてもいいってことになります。この国家の寄生虫



ということで、今週も官邸前抗議
やっと涼しくなって気持ちいいです。ジャケットを着てちょうどいいって、嬉しい気候です。ボクは朝 電車の中で社会の窓が空いてることに気が付いて恥ずかしい思いをすることが多いし、髪の毛に寝癖がついてるのを勤務先で気が付くことも多い、もともと服装にかなりだらしないので、ジャケットでも着てないと格好つかない(笑)。今日の参加者は850人。
●抗議風景





                                              
今週4日 電事連が福島賠償などの費用が足りないとして8兆も国家が負担しろと申し入れている、というニュースが流れました。言うに事欠いてびっくりですよね。ふざけるなって。原発のどこが安いんだよ!

福島原発:8兆円負担増 電事連、国費求める - 毎日新聞
                                                            
それに対して、翌日 経産省はそれを検討するための東京電力改革・1F問題委員会専門委員会を開催しました福島廃炉、費用負担が焦点 料金上乗せ浮上 :日本経済新聞



                                                 
委員会のメンバーを見ると、日商の会長に日立の会長、読売の会長とうんざりするような顔ぶれが並んでいます(笑)。 
●委員名簿 http://www.meti.go.jp/press/2016/09/20160920007/20160920007-1.pdf
おまけに委員長が伊藤邦雄一橋大教授。昨年この人の講演を経済同友会で聞いたんですが、結論から言うと『曲学阿世』。頭は良いし理屈も間違ってないんだけど情況に応じて幾らでも結論を変える、それも自分の逃げ道を残しながら(笑)。委員の中でまともそうなのは船橋洋一くらいですかね?こうなってくると背に腹は代えられず、G型・L型大学で悪名高い冨山和彦の新自由主義にすら期待したくもなります(笑)。
                                                    
大事なのは国民が関心を持つことだと思うんです。国民の眼が厳しければ、連中だって好き勝手なことはできません。自民党はネットもチェックしているんですから(笑)。話が難しいから、と言って国民が放置したら、8兆円以上(消費税約3%分)押し付けられることになりますよ。
●おまけ:右側、プラカードの裏がボク(笑)。スマホをいじってたら知らない間に写されてました(笑)。