いよいよ年末も押し迫ってきました。ボクは今日で今年の仕事は終わりです。
何か大したことをできたわけじゃないけど、この厳しい世の中で無事に過ごせただけでも感謝、ではあります。
毎年この時期、定年退職する人があいさつ回りをしているのを見ると、羨ましくてたまりません。勝ち逃げじゃん(笑)。早く定年にならないかなあー。
●これは美味しかった! 某ラグジュアリーブランドの役員さんからお土産でもらった『あんみつ羊羹』。紅白2色の求肥や栗、寒天などあんみつの具材が羊羹の中でキラキラと輝いてます(笑)。これは全く知らなかった。
さて、年末だから、というわけでもないんですが、このところ我々は今まさに分岐点にいる、まるで峠に立っているかのようだなーと感じるようなことがありました。
まず、以前 推計が出た段階で取り上げたテーマですが、今週 実際に今年の出生数が80万人を割ったというニュースは改めて衝撃的でした。
www.nikkei.com
人口の「自然減」も51万2千人で、毎年 鳥取県1つ分がなくなっていくペースだそうです。それだけでなく、生まれてくる女性自体も減っているわけですから、いくら対策をとっても人口の減少はそう簡単には止まりません。日本経済は毎年 鳥取県1つ分縮小していくだけでなく、それが今後 最低でも50年くらいは続く。
このことは流石にニュースでも大きく取り上げられましたが、それでもまだ、危機感が足りないと思う。政治家も役人も企業も、そして我々庶民も、あと50年は日本国内は下り坂、縮小していくつもりで先を考えていかなければならないでしょう、就職とか、家選びとかね。ただでさえ変化が激しい中、世の中が縮小していくのだから、これからは一か所に居続けるということが中々難しくなってくる。
今週 某IT企業の部長さんから面白い話を聞きました。
皆さんご存知の通り、日本のパソコン業界はもはや壊滅状態で、東芝は台湾のファーウェイ傘下、富士通もNECも中国企業のレノボという会社に買われました。ブランドは残っているけど名前だけで、中身は中国や台湾の企業です。もはや量販店あたりでは日本企業のパソコンを買うほうが難しい。今の日本の実力なんてそんなもの、です。
そういう会社であたりを見渡すと元NECの人、元IBMの人、元富士通、元NECなど、かってライバルだった会社の人が平気で入り混じって仕事をしているそうです。会社の人事部が社内にあるのではなく、社外の人材紹介会社が人事をやっているようなものだ、と言ってました。
栄枯盛衰が激しい業界ならでは、ですが、これからは会社の事業、形はバンバン変わるし、それに伴い人もバンバン移動する。全部と言うことはないにしろ、将来の日本のかなりの部分はこうなっていくのではないでしょうか。公務員だってそうなるかも。
政治や社会の仕組みもそれに合わせて変わらなければならないでしょう。選挙でも地方区なんて時代遅れの最たるものになるかも。たまたまボクは新卒で入社して一つの企業で終わるかもしれませんが(まだわかりませんが)(笑)、生涯一つの会社に勤めるなんて、これからは少数派になる。
今年 早期退職募集が大幅に増えたのもその表れでしょう。
今年の上場企業の早期退職者募集は年明けの富士通の2850人に始まり、東芝、ジャパンディスプレイなど1000人を超える大規模な早期退職者募集が続くなど、1~11月に36社、対象人数は1万1351人に達している。昨年1年間(12社)に比べ会社数は3倍、人数も約3倍
すでに早期退職募集7社 令和2年に吹き荒れるリストラの嵐|日刊ゲンダイDIGITAL
人材の流動化は良い面もあるし、悪い面もあるでしょうけど、公私ともに一つの会社に忠誠を捧げる『社畜』という言葉は死語になるかもしれません。
個人が組織の頸木を逃れて、一人の人間として生きていくか、それとも、奴隷根性が抜けずにナショナリズムや宗教、ポピュリストのデマなどに身をゆだねてしまうか。
我々は今、そういう転換点に立っているんじゃないですか。そういう現実を無視して、『過去からのやり方で大丈夫』と強弁しているのがアベノミクスだと思います。だから日本はどんどん世界から取り残される。
水野和夫先生が良く『資本主義が終わりかけている現代は、歴史の峠である』と言ってますけど、そんな大げさな話じゃなくとも、我々は大きな時代の変化という一種の峠に立っていることは間違いない。経済という面でも、自分の生き方の面でも。
もう一つ、野党共闘の動きが進んでいます。
既報の通り、共産を含めた野党共闘の話し合いが続いているし、国民民主、社民、立憲は具体的に合流の協議をしています。かねてから村山トンちゃんが言っていたように、地方組織が残っているうちに社民はさっさと解散して他党に合流すればいいのに、と書いてきましたけど、良い傾向です。
立憲、国民と社民に合流呼びかけ 玉木氏「対等」な合併求める - 毎日新聞mainichi.jp
●これなんか、ちょっと前なら考えられない光景です。
党首会談に先立ち、国民の玉木代表は共産の志位委員長とネット番組を収録。「酒と泪と男と女」を弾き語りした=2019年12月20日、議員会館👉国民民主と共産が党首会談、政権交代に向けた共闘で合意:朝日新聞デジタル https://t.co/kCgCJ2uqVW
— 前田 直人 (@Nao_Maeda_Asahi) 2019年12月20日
もちろん年末の議員数で配分がきまる政党助成金の問題もありますけど、共闘が具体化してきたのは元自民、現無所属の中村喜四郎衆院議員が裏で走り回ったのが大きいそうです。
gendai.ismedia.jp
中村喜四郎先生の存在感、かつての野党にはない。立憲国民合流の暁には入党を明言くださり本当にありがたく心強い。旧民主を基軸としつつも、新たな質感を加味し魅力ある新勢力を。https://t.co/dRaCHvxSLF
— 小川淳也 (@junyaog) 2019年12月27日
現実が小選挙区である以上、野党は共闘しなければ選挙では勝てません。そんなこと子供でも判ることなのに、何年もかかっても中村喜四郎のような元自民のベテランの力を借りなくては体制すら整わないというのは野党の人材不足を表していると思います。かって小沢一郎のような見掛け倒しに頼ったというのもそのことを示している。
逆に言えば、中村のような穏健保守も加わることが出来る路線にしか野党の活路はないことは明らかです。
まして、共産以外の野党に対して自分から話し合いも働きかけもしていないくせに『消費税5%を呑めなければ、野党に対しても対立候補を出す』なんて一方的なことを言っている山本太郎は単なる安倍晋三の応援団でしかありません。何年政治家をやっても相変わらず、現実も理屈も判ってないばかりか、トレンドにも乗り遅れている(笑)。
今週の週刊文春はこの記事も大事。
— こたつぬこ (@sangituyama) 2019年12月26日
これまで菅官房長官の天下で黙っていた、官僚や元官僚が声を上げはじめているわけです。 pic.twitter.com/4LhppyA8AW
ちなみに今 政界では山本太郎が来夏の東京都知事選に出るんじゃないか、という説が飛び交っていて、それに立憲などの野党が載るとエラいことになると与党はビビッている、と 新聞記者に聞きました。山本太郎が都知事になっても何もできないでしょうけど、野党共闘側では大した候補者もいないでしょうし、小池百合子のうっとおしい顔をみるよりはマシかもしれません。ただ山本太郎の都知事も悪夢であることには間違いないですけどね。
財源についていきあたりばったりなのがよくわかる記事
— まる (@marseille1945) 2019年12月25日
山本太郎“消費税ゼロ”でも税収増加の秘策は? 田原総一朗に明かす (1/4) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット) https://t.co/lZCixeDKUE
そういうノイズはありますけど、野党の共闘がやっと形になりつつある、これもまた一つの可能性。年末にかけて、日本の政治もまさに峠に立っているわけです。
●田中信一郎千葉商科大准教授(政治学)、面白い論考でした。今回の動きが野党再編の終わりになるかどうか。
hbol.jp
ということですが、今週の官邸前抗議はお休みしました。
代わりと言っては何ですが、女川2号機再稼働に関するパブコメを出しておきました。締め切りは今日の24時(笑)。
search.e-gov.go.jp
以前も書いたように女川原発はほんの数十センチの差で津波の被害を免れました。本当に間一髪だったのに、『同じ形式(BWR)の福島第一の事故原因だってまだ明確になってない』、『住民の避難計画も審査対象になってない』そんなことで再稼働を認めるなんて、おかしいですよね。もう一度福島のような事故があったら、ただでさえ落ち目の日本経済全体の致命傷になりかねません。
それが判っていたら、簡単に再稼働なんか口にできるはずはないんですけどね。今の野党だって立派なものではないかもしれませんが、政府や経産省こそホント、危機感がない、というかお花畑な連中です。