特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『マロン・シャンテリーと北海道の旅』と『原油高の向こうに見える危機』

 今週は寒くなりました~。
 徒歩通勤のボクが家を出るのは夜明け前なので、寒さはもろに響きます(笑)。いよいよ、冬物のコートの出番です。

 こちらは今週 東京会館で食べた『マロン・シャンテリー』。70年前にモンブランの姿から発案された東京会館の名物だそうですマロンシャンテリー|商品|東京會舘
 紅茶カップと比べると、大きさが判ります(笑)。まさにダイエットの敵ですが、好き💛

 雪山を模したケーキの中には栗が詰まってます。クリームもそれほど甘くないので、大きさは別にしてさっぱりしてます。料理もお菓子も、シンプルなものの方が美味しい。飽きません。
 ただ、これを午後3時に食べたらお腹いっぱいで夕飯はまともに食べられなかった。歳には勝てません(泣)。


 北海道へ日帰りで出張してきました。
 行きは始発の電車、始発の朝6時発の飛行機で、札幌で朝9時から打ち合わせ。帰りも6時発の飛行機。出張が楽しいと言う人もいるけれど、いつもボクはギリギリまでスケジュールを詰め込んでいるので美味しいものを食べる時間もないし、食べたいとも思わない。
 今回も帰りの千歳空港で5分くらいの待ち時間にソフトクリームを大急ぎで食べただけでした(笑)。飲み会なんてとんでもない(笑)。

 早く行って、早く帰ってきたいし、食べ物だって(店を選べば)東京の方が美味しいですからね。ただ、海鮮丼というものをボクは食べたことがないので、時間があったら一度くらい食べてみたいとは思っているのですが。
●朝6時、夜が明けたばかりの羽田空港

 飛行機に乗ったのもコロナ後初めてでした。ほぼ2年ぶりだったのですが、やばい、と感じました。
 換気はしてるんでしょうけど狭い空間に人がいっぱい詰まっているし、当然 窓も開かない(笑)。昨年 飛行機内で感染が広まったことがありましたが、そりゃあ、そうでしょう。

 途中でCAの人がゴーグルを被りました。何をやるのかと思ったら飲み物サービスです。そんなことまだやってるんだ。こっちはマスクを外すのも怖いのに飲み物なんか飲むわけないでしょう。

 空港から札幌へ行く電車も窓が嵌め殺しで開かない。冬の北海道で電車の窓を開けてたら死んじゃいますけど(笑)(地下鉄は開けているそうです)、これも考えようによってはおっかない。

 勿論、それでも飛行機も電車も日常的に使っている人は大勢いるわけです。でないと経済が回っていかない。人々の生活が成り立たない。今ぐらいの感染者の数ならリスクは許容範囲でしょうけど、結構怖いと思いました。

 現地の人は’’10月から観光客がずいぶん増えた’’って言ってました。北海道でも夏に医療崩壊を味わっているからか、とても喜んでいるとは言えない、複雑な表情でした。未だに札幌市役所脇のホテルですら休業しているくらいです。観光が無ければ北海道の経済は厳しいけれど、感染リスクも高まります。難しい問題です。


 さてさて、相変わらず、マスコミは立憲民主の党首選の悪口ばかり言ってます。ボクは思ったより良い、と感じますけどね。もうちょっと具体的な経済政策の話はしてもらいたいとは思うけれど、4人ともちゃんとしているじゃない。

 この記事、面白いと思いました。『最近の選挙では若い世代ほど自民党に投票し、働き盛りは維新に投票し、高齢者ばかりが立憲民主に投票するのは何故か』という話です。
www.nhk.or.jp

 京大法学部の待鳥という教授がこんなことを言っています。
立憲民主党は今のことしか言っていない、と若者から思われている。しかも政策の信頼度や政策のピントがずれているなど、自民党より(内容が)悪いと思われている。

・30代、40代になると自分の家族の生活、特に自分の子どもの生活に関わってくるので、人口減など将来に対する想定がリアルになってくる。現状維持的な政策ではダメで、具体的に上向きになっていく政策を唱える党を支持しやすくなっている

自民党は現状維持色が強いと思われている。下り坂を下るペースを緩めることを言っている政党、と若者から思われている

 結構 納得できる話でした。
 選挙前に散々書いたようにボクは、消費税の時限減税や所得税免除など今回の野党共闘、立憲民主の経済政策は全く信頼できませんでした。目先のバラマキばかりで将来の展望が見えなかったからです。
 一方 維新が言ってることはウソばかりだけど少なくとも上向きになろうとは言いつづけている。殆ど嘘だけど(笑)。
 自民党の政策は現状維持ですから、下り坂から脱することはできないけれど、野党よりはマシだから日本が凋落するスピードを緩めることはできるかもしれないと思う人がいるのは判ります。現実にはアベノミクスのような衰退加速策もあった訳ですが(笑)。

 日米で若者の意識には差があるかもしれませんが、日本の野党も若者に人気があるバーニー・サンダースやエリザベス・ウォ―レンを見習えばよい、と思うんです。

 移り気なマスコミが何を言おうと、富裕層や消費税の増税、その代わりに教育費無料や福祉の充実、グリーン・エコノミーによる経済活性化、外交だったら日米安保の堅持とその代わりに日米地位協定の改善、など現実的なトレードオフの視点に立って、社会民主主義的な政策を打ち出し続ければいい。少なくとも将来は見える。そうやって中道から左の有権者を取ればいいんです。
 反中反韓だの、消費税廃止だの、原発即時廃止だの、目先のことしか考えられない、アホなバカウヨや左巻きのおバカちゃんたちは維新やれいわに任せ(笑)ておけばいい。連中はネット上の声はでかいけど、現実には社会から孤立しているのですから。

 将来をにらんだ、若者の支持を受けられるような政策を出していかないと野党には明日はありません。そして野党がダメだと国会は機能しない国権の最高機関である国会が機能しなければ日本の将来はお先真っ暗、です。
 国民の前で議論が行われる今回の立憲の党首選がそのきっかけになっていけばよいのですが。


 そんな日本ですがコロナからの経済の回復は他国に比べて、圧倒的に立ち遅れています(笑)。この30年間、諸外国との差は開く一方です。

 ここに来ての原油高がそれに拍車をかけています。アメリカの命令で(笑)、国が石油備蓄の放出を決めました。国家備蓄の放出は始めて、だそうです。

www.nikkei.com


 11月のガソリンの価格は今や1リットル169円だそうですから、食べ物など物価にも大きな影響が出てくるでしょう。

news.yahoo.co.jp


 問題なのは原油高だけではありません。今が円安だ、ということもです。現在1バレル80ドルを超えたところですが、リーマンショック前や東北大震災直後など過去には原油価格が100ドルを超えることもありました。
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 ところが当時は幸い円高でした。2008年は1ドル100円そこそこ、2009年は90円、2013年は80円くらい。現在は115円くらいです。それを換算した原油価格の推移はこうなります。

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WTI原油価格の推移 - 世界経済のネタ帳

 (日本以外の)コロナからの経済回復による需要増で原油高はまだまだ続くと言われていますから、今回の方がショックは大きくなる公算は結構ある、わけです。

 石油が上がると、ガソリンや灯油だけでなく、電気代や農産物などほとんどの物価が上がる。かといって給料が増えるわけではないですから、人々の生活は厳しくなります。補助金を出しても焼け石に水、です。

news.yahoo.co.jp

 アベノミクスの円安で物価は上昇して実質賃金は下がったわけですが、今回はそれに拍車をかけることになります。多くの人が言うように、石油ショックの時のような『不況なのにインフレが進むスタグフレーション』になる可能性だってあり得る。

news.yahoo.co.jp
www.itmedia.co.jp

 でも、もっと大きな、構造的な問題があります。
 アベノミクスのような過度な財政緩和にしろ、山本太郎みたいなアホが言っているMMTにしろ金融を緩和して通貨が過度に増えると円安をもたらす、ということです。円安は日本円の価値が下がるということ、つまり物価が上がって、資源輸入国の日本人の生活は苦しくなるわけです。

 アホ連中が言ってる消費減税などで野放図に金をばら撒いていると円安を招き、今回のような原油高・資源高で酷い目に遭います。日本の対外収支が黒字だから円安もこの程度で済んでますが、赤字になったら円安はもっと進みます。そうなったら、庶民の暮らしはどうなってしまうでしょうか。

 かといって円安を防ぐために金利を上げる、なんてことも出来ない。景気の面でも、財政収支の面でもそんなことはできない。
 今の日本は前へ進むことも後ろへ退くことも難しい、それが現状です。アベノミクスでそれが決定的になった。


 今回の原油高は日本の将来の危機を垣間見せています自民党内ではアベノミクスの悪口を言えなかったし、野党の面々は減税とか言ってるバカが多いから、日本ではバラマキの危険性を指摘する人はまだまだ少ないです。
 先日『報道1930』で自民党税制調査会会長の宮沢洋一がMMTによる円安のリスクを指摘していましたが、こんな声が出てきたのはごく最近です。

 確かに今の景気は良くない。困っている人には手を差し伸べるべきです。でも、今のように後先考えずに金をばら撒いていると、しっぺ返しは確実にやってくる。
 このことは書いておきたい、と思いました。