特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『クエとポルチーニの包み焼き』と『選挙のお話』

 昨日NHKのニュースを見ていたら、ショパンコンクールで日本人が2位、4位に入賞したそうで、凄いなーと思いました。
 番組では入賞者の過去のエピソードが紹介されてましたけど、1位と3位が誰かすら報道されませんでした。2位にもう一人イタリア人が居たこと、つまり2位が二人いたことも報道されない。
NHKのニュースって、報道番組なの?ワイドショーと何が違うの?
www.asahi.com

 日本人が2位になったことより、1位にどんな人が選ばれたかのことの方が1億倍も重要じゃないですか。オリンピックの放送も映ったのは日本人選手ばかりだったらしいですが、なんと天下のショパンコンクールまで。流石に呆気にとられました。こういう内弁慶な発想だから、日本はどんどん貧乏になっていくんです。

 夜7時や9時のNHKニュースの酷さは、今に始まったことではありません。でも、こんなものだけを真に受けてたらアホになる。視聴者も複数メディアを比べて判断する意識を持っていないと、この国は大変なことになると思いますね。白痴国家への道をまっしぐら


 コロナ感染者もずいぶん減ってきました。9月の末にはワクチン接種者が増えて感染者は減る、とは思ってましたけど、8月末頃は正直怖かった。

 今週 付き合いのある外資の超大手IT企業の担当者に聞いたら、この2年間!アメリカ本社からの指示で厳しく出社を禁じていたその会社も出社OKになったそうです。経口薬も実用化間近なので、もう大丈夫、と判断したらしい。この会社、東京駅徒歩30秒の超一等地のオフィスを2年間、ほぼ空にしていたんです。

 コロナに関して、ボクは政府や役人より、そちらの会社の判断の方を信じています。アメリカでも日本でもワクチン接種管理システムを担当している彼らの方が情報量も経営者の判断力も、日本政府より遥かに優れていることは間違いないからです。
 第六波が来るのは避けられないにしてもワクチンを接種していれば、恐らく重症化は避けられる。経済を回さなければいけないし、いよいよコロナと共存するアフターコロナの生活が現実になってきました。

 冬に感染が広がる可能性は大いにあるのに、こんなバカなこと↓を言いだす田吾作もいるようですが(部署単位で感染したら、どうするんだ)、そろそろ新しい生活を始めなければならないのは確かなようです。
 じゃないと、弱肉強食の世界で生き残っていけない。自分の安全保障だけは確保しないといけません(笑)。とは言え、宴会とか出張とか嫌だなー(笑)。


 最近 美味しかったもの、と言えば、これです。近所のイタリアンで食べた秋の味覚、「アラ(クエ)とポルチーニ茸の包み焼き」です。アラとはクエの九州地方での呼び方です。

 クエのようなハタ科の魚って、フグよりもマグロよりも遥かに美味しい、と思います。

 ポルチーニ茸も一本の半分丸ごと、というのがポイントです。松茸もシイタケもそうですが、丸ごとの方が香りもおつゆも封じ込められて美味しい。
 昨年コロナで閉店した神宮前の老舗イタリアンではポルチーニの大きいのを一本丸ごとフリッターにしてくれるのが↓、毎年 秋の楽しみでした。また食べたいなあ(泣)。


 
 フリッターもいいですが、包み焼きは包みを開くと文字通り秋の香りが広がります。素敵です。マツタケは茎の方が美味しいですが、ポルチーニは笠が美味しいです。
 普段の生活の憂さ晴らしで食欲に走るのが自分のダメなところなのは自覚してるんですが、たまには現実逃避でもしないと生きていけない(泣)。


 

 さて、今週は少し選挙のお話をします。ボクは生まれてこの方、自民党公明党には投票したことがありません。政党にこだわりはありませんが、当選の可能性があって最もマシに思える候補に投票しています。自民党よりマシと思ってアホと判っている山本太郎にすら、投票したことがあります(笑)。

 今回の選挙はある意味明快で野党を増やすと言うより、自民・公明・維新の議席を減らしたい、と思っています。

 この時期 家にはなぜか投票依頼の電話が入ってきます。ボクは一切電話に出ませんけど、留守番電話に投票依頼のメッセージが残ってる。電話番号なんか教えてないのに連中はどこで調べるのだろう。
 電話を入れてきたのは共産党と維新ですが、共産党が『選挙区は立憲民主党の●●、比例区共産党にお願いします』と言っていたのはちょっと感動しました。野党共闘が本気で動いている。

 この2、3年、色々な駅前で立憲民主党の候補が演説しているのを何度も見かけました。旧民主党時代は選挙以外では見たこともありませんでしたが、自民党の候補より遥かに活動していました。どぶ板選挙の鬼、’’選挙無敗の男’’と言われた中村喜四郎先生のご指導なんでしょうけど、ボクは立憲のこういう動きは頼もしいと思って観ていました。
●この演説は泣きます。

 ネット民の間では評判悪かったですが、枝野がこの数年間、全国で組織作りに力を注いでいたのは正しかった、と思います。大事なのはリアルです。山本太郎が『野党共闘の統一候補』とウソをついて突然 八区で立候補するとか言い出したら、地元の市民の反発を食うのは当然です。お前は今まで何をしてたんだって。
 今回の選挙の結果は判りませんけど、そんなに悲観したものではないとボクは思っています。


 ただ、れいわは勿論、立憲にしろ、共産党にしろ、『消費税の時限下げ』みたいな、メリット無し&混乱間違いなしの政策を聞いてると、残念ながら『頭がおかしい』としか思えません。20日の朝日朝刊で宮本太郎中央大教授(昔の共産党書記長、宮本顕治の息子)が言っていたように、『減税なんて、その分だけ社会保障が減らされるのが関の山』です。

www.asahi.com

 消費税が5%の時だって景気が良かったわけではありません。下げたって消費なんか増えるものか。税率を変えても長い目で見れば安定しているのが消費税の特徴です。現場の混乱を招くだけで効果なんかない消費税減税なんて真正100%のアホ、でしかありません。

 確かに消費税導入と同時に所得税の累進税率を下げたのは許しがたいけど、消費税を下げてこの国がやっていけるはずがない。今だって消費税の税収は約20兆、所得税は19兆、法人税は11兆。金持ちの所得税法人税を上げたって、消費税は賄いきれません。しかも少子高齢化で、社会保障費用はこれから更に増えるんです。
www.jiji.com

 消費税をなくせと言ってる連中は戦前に『鬼畜米英』と言ってた連中と同じと思います。感情論に囚われて損得勘定ができないんです。

 減税にしろ、財政出動にしろ、他国のようにちゃんと裏付けがある↓のなら良いのですが、与野党ともに言ってることは単なるバラマキにしか見えません。金持ちや大企業に増税するのは良いにしても、いくら増税するのか、アウトライン位なければ現実的な話なのか、夢物語なのか、判断できない。

 そういうと国債で、という話になりますが、一時的に国債に頼るのは仕方ないにしても、日本は今でも世界NO1の財政赤字大国です。
MMTでいくらでも発行できるというバカがいますけど、石油や食料など資源を海外から輸入しなければ生きていけない日本ではそんなことは出来ません。日本で際限なく国債を増やしていけば円安が進みます。輸入する資源価格が高騰する。

 今 石油価格が上がって大騒ぎになってますけど、資源価格が高騰すれば大きな負担を受けるのは庶民です。インフレどころか、強烈なスタグフレーション(物価高+失業増)になりかねない。

 円安になるという事はこういうことです。


 まして、少子高齢化で医療・社会保障の費用は今後もどんどん増えていく。福祉や社会保障を減らしたいのなら減税、充実させたいのなら増税。世界中どこの国を見てもこの二択しかありません。

 野党は社会保障を充実させたいと言うのなら、増税を唱えるべきです。莫大な社会保障費用を賄うには富裕層や大企業だけへの増税ではとても足りません。


à­ÍÇÌ­ç¢ØàÉ˶µÄ¢éÌ© à±È


 有権者の関心は社会保障がトップです。野党への支持がいまいち盛り上がらないのは社会保障政策に説得力がないことも原因の一つではないでしょうか。


 ちなみにボクは相続税100%を主張します。家計の金融資産は株高で膨らみ、今や2000兆もあります。相続税100%なら金持ちの年寄りが死ぬ前にお金を使いだすから景気も良くなるし、財政赤字も一発で解消する、それに機会の平等も実現するから社会も活性化する心理的抵抗はあるでしょうけど、それさえ乗り越えれば良いことずくめです。
www.nikkei.com

 そこまで言えなくても、将来的な増税すら言及できない今の野党はボクは信用できません。医療・福祉を切り捨てるのならともかく、現状維持するだけだって増税は不可避です。

 若者層ほど自民党の支持率が多い、とはよく言われます。実際、最近の選挙では20代、30代は自民党の支持がいつもトップです。
 今回の選挙でも同じようなデータが出ています。青色の自民党は若い層ほど支持率が高い。一方 野党は立憲民主も共産党も50代以降の高年齢層が中心。これはまずいですよ。

f:id:SPYBOY:20211018152211p:plain
kyodonewsprwire.jp
news.yahoo.co.jp

 若い人は将来を考えているからではないでしょうか。積極的に自民党が良いと思っている人は少ないでしょうけど、野党に説得力がない、と。


 敢えて言えば、ジェンダーは野党が若い人へ浸透する切り口になるかもしれません。若い人は選択的夫婦別姓なんて当然と思っているし、子育てを通じて今の日本の矛盾を身をもって体験している。

 自民党日本会議に支配されている限り(国会議員の約3分の2が日本会議会員)、夫婦別姓は受け付けません。れいわ支持者と同じようなカルト宗教みたいなもんです。ここに野党の攻め手があるのではないか。
●サイボーズの青野社長


 野党も問題はあるけれど、自民・公明ばかりの国会では議論どころか招集すら行われないのですから、やはり野党の議席を増やさなくてはなりません。かっての自民党なら、知性も判断力もマシな政治家が居ましたけど、今の自民党は私利私欲を追求するだけでなく、判断力もない、漢字すらまともに読めない総理大臣を9年間も続けさせてしまった

 野党が頼りないと言っても希望はあります。理屈も志もある小川淳也みたいな人もいる(ちゃんとした議員は自民党にもいると思います)。彼のようにバラマキのポピュリズムに走らない、まともな議員を皆で押し立てていけばいいと思います。

小泉今日子tweet

 選挙が始まって自民党の支持率も落ち始めました。

 世の中は手元にある選択肢の中からよりマシなものを選ぶしかありません。政権交代なんかしなくても、国会が与野党伯仲になって、議論が行われるようになれば今より遥かにマシな政治になるのではないでしょうか。我ながらハードルが低いですけど(笑)、世の中は一歩一歩変えていくしかありません