特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

これからの日本を考える二題:『東芝メモリーの売却』と『経産省若手プロジェクト』、それに『0623再稼働反対!首相官邸前抗議』

木曜 NHKの7時のニュースで流れた自民の豊田衆院議員の罵声は衝撃的でした。兵庫の野々村以来 久しぶりにひどいモノをTVで見た(聞いた)(笑)。今週はまずこの写真から(笑)

まあ、自民党だけじゃないにしろ、最近の若手議員はよくぞここまで人間のクズを集めた、とは思います。社会人としてまともに通用しないようなレベルの連中が政治家をやってるんでしょう。


NHK7時のニュースでも流れた豊田議員の罵声のテープ、まるで鬼女が叫んでいるみたいでした。現実に文字通り妖怪みたいにイカレタ人間っているんだ。まあ、たまにネットでもストーカーみたいに人のコメントまで追いかけている頭のおかしな人が居ますけど。とにかく、この議員はインパクトありました(笑)。


都議会選が告示されましたけど、選挙期間が短すぎます。投票まで10日しかありません。都民の大多数は昼間は働いているんですよ! 広報カーや演説など相手にしている暇はありません。せいぜい街頭でビラ配りする維新の候補者に『この汚職政党』、『自民党に入れ』と言って、ビラを突っ返すくらいか(笑)(実話です)。いきおい有権者は新聞と広報だけで判断するしかなく、選挙への関心は下がる一方でしょう。都議会でも大田区の鈴木あきひろ(自民党)のようなセクハラ議員がいましたが、クズ議員が当選するのもそれが一因ではないでしょうか。

この国はそもそも選挙制度がおかしいんです。選挙期間が短すぎ国政は選挙区もおかしい一票の格差だけでなく、そもそも国政に地方区なんかいるわけないじゃないですか。全国比例区一本にすればいいんですよ。選挙期間を長くして、TVやネットで政策や演説や討論会を流せばよろしい。選挙期間が長ければ候補者のボロもでるでしょ(笑)。そうやって国民の関心を高めれば、組合や宗教、日本会議のようなカルトなどの組織候補の力も削がれる。選挙制度に言及する政党って殆ど聞いたことがないですが、実は大問題じゃないでしょうか。

●お口直し。今朝の紫陽花💐。そろそろ終わりですが、花の色は一層鮮やかになって来ました 😺



さて 今週 東芝半導体の売り先は『日米韓連合』が優先的に交渉するというニュースが流れました。


日本の政策投資銀行産業革新機構アメリカのべイン・キャピタル共和党の元大統領候補ロムニーが作った会社)、韓国のハイニックスの連合軍だそうです。出資比率など詳しいことは判りませんが、日本勢が3分の2出すことに経産省はこだわっているそうです。これだけの情報でも間違いなくうまくいかないのは手に取るようにわかります(笑)。


元来は東芝と共同事業をやっているWDに売ればスムーズですが、独禁法の問題とWDが株式の半分以上を握ることにこだわったため、こういうことになったそうです。が、過半数の株式を握るというのは当然です。経産省が作った寄合所帯の枠組みでは重要な経営課題にぶつかってもなかなか意志決定できません。2兆円という金額は政策投資銀行産業革新機構も出すことができず、経産省が日本企業に声をかけても断られて寄合所帯になったそうですが、その2兆円が適当な価格かどうかすらわからない。WHの2の舞になる可能性もある。そもそも この10年くらいルネサスエルピーダジャパンディスプレイ経産省が音頭を取ったIT企業は全て失敗しています。当たり前です。変化が激しい業界で、意思決定・責任が不明確な体制で経営なんかできるわけないからです。やり方が時代遅れなんですよ。


その好対照がシャープ。台湾企業のホンハイ傘下になってわずか1年で立ち直りました。信賞必罰でだいぶ厳しいこともやったようですが、結果はわずか3か月で赤字から脱却、1年で東証2部から1部へ復活です。経産省東芝メモリと同じように産業革新機構を使って買収しようとして、ホンハイに競り負けました。その結果 台湾企業に買ってもらって従業員も株主も万々というわけです。この前の株主総会では株主から、『ずっと今の台湾人社長にやってほしい』という声が出て、会場は拍手喝采だったそうですよ。今迄のシャープの経営者がいかに無能だったか、そして国籍ごときにこだわることがいかにバカバカしいかということがよくわかります。シャープ株主「ゴーンさんのように長くいて」:日経ビジネスオンライン
イデオロギーも性別も人種も宗教も関係なく、経営者も政治家も世の中には2種類の人間しかいないんです。バカか、マトモか、です。経営者も政治家も優秀な人がいたら外国の人をどんどん引っ張ってくればいいんですよ。


東芝の件は日本人の体質が如実に現れた出来事だと思います。不正をしても、致命的なミスを犯しても、この国の指導者層、役人も超大企業の経営者も責任取らない。今回の買収もみんな一緒にやろう、で、失敗するパターン(笑)。浮き沈みの激しいIT業界で、数年後メモリーの経営が傾いて、残った資産や技術を韓国メーカーとアメリカのファンドに骨までしゃぶられて後はパー、というのが目に見えるようです。こんなやり方じゃ、東芝本体の方も厳しいでしょう。原発事故も太平洋戦争も東芝も全て一緒です。まさに無能と無責任
今の日本人がいかにダメになってしまったのか、金もなければ決断力もない、責任を取る力もない、名実ともに日本は落日の国になりつつあるのを示す典型的な出来事だと思います(笑)。




もうひとつ、将来の日本を考えるうえで、5月末から大変話題になっている報告書があります。経産省産業構造審議会で発表された『不安な個人、立ちすくむ国家』という報告書。NHKの朝7時のニュースでも特集していましたし、日経やネットでも取り上げられていました。役人とは思えない率直な物言いと危機感に満ちた内容だからです。『経産省若手プロジェクト』でググると山ほど出てきます。

https://www3.nhk.or.jp/news/business_tokushu/2017_0607.html

●報告書はこれですhttp://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/020_02_00.pdf#search=%27%E6%AC%A1%E5%AE%98%E8%8B%A5%E6%89%8B%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%27

内容は公募した経産省の若手30人と若手が東大/松岡正剛などの有識者と意見交換をしながら、日本の将来についてまとめたものです。60ページくらいのパワーポイントですが、まず内容をかいつまんでご紹介します。

まず最初に、現在は環境変化も激しく将来の不安定性も増している中で、人々の不安が増しているということを述べたうえで、現状の問題点を2つ挙げています。我が国の社会システムは高齢者にとっても若者にとっても限界が来ているというのです。




さらに経済成長を主眼にした政府の政策目標はずれているのではないかということを述べています。


そして、ネットのフェイクニュースなどで人々の判断がゆがめられていることに警鐘を鳴らしています。同感です(笑)。


その結果、今の日本はこうなっていると指摘しています。『まともな人間は日本を見捨てるだろう』とボクもしょっちゅう書いてますが、彼らも同じことを言っています。その対策として、『社会福祉の見直し』、『若者への投資』、『民営化』を述べています


そして最後にこんなことも(笑)。少子化対策に失敗した日本の過去を『見逃し三振』と評しています。日本の男が家事をやらないことが少子化の根本的な原因ですから、そのことを触れてないこの報告書を真に受けると、また見逃し三振になると思いますけどね!


この報告書、ボクは以下のように思います。まず、ディスカッションの相手に藤原帰一(ボクは嫌いですが)とか松岡正剛が入っていますから、新自由主義全開とかそういうものではありません(新自由主義の傾向は強いですが)。読んでて面白いですよ。
事実認識についてはほぼ同感です。経済成長を主眼にしてきた国の政策にしろ、社会福祉にしろ、戦後日本を支えてきた社会システムは限界になりつつある。それは間違いない。国だけじゃなく、超大企業、役所、政党、組合、時代遅れの学者、それに左側の市民運動も含めて様々なシステムが限界にきていると思います。だから、橋下や小池のバカぞろいのポピュリスト政党が出てくるんです。


ただし、大きな問題点はあります。
根本的におかしいところは、国の形、役所の形がこのままでいいのかってことです。彼らは国が主導して民間をリードすることは時代遅れと言っています。確かに、そのとおり。経産省がかかわったエルピーダルネサス、ジャパン・ディスプレイ、東芝、さらに商店街や中心市街地の活性化、商工中金、それに原発! 厳密に検証したわけじゃありませんが、90年代以降経産省が関わった政策、少なくとも産業政策は殆どすべてが失敗しているでしょう!(笑)


つまり、国の形、役所の形も変わらなきゃいけないんですよ。報告書はその点は全く触れていない。役人たちは自分の痛みには触れない(笑)。例えば、国の形だったら明治以来の中央集権を改めるとか、アメリカの51番目の州になる(笑)とか。役所だったら、まず経産省はいらないでしょ(笑)I 文科省スポーツ庁もいらないし、警察庁警察庁を監査する組織を作らなきゃダメでしょ。あと、やみくもな民営化も問題ある。要するに国の形、役割の定義が出来ていない、んですね。


あと、細部を読むと、やけに自民党の『こども保険』の肩を持ったりおかしなところも散見されます。ボクはこども保険は絶対反対なんです。国の責務なんだから、国民負担の保険ではなく税金でやるべきです。



ただ、我々一人一人もこの国はどういう方向性に進んでいったらよいか、それを考えることは非常に有益だと思うんです。選挙の参考になるだけでなく、自分の将来のイメージを考えるうえでも必須じゃないですか。賛否はともあれ、そのための材料として今回の経産省の資料は平易だし、面白いと思います。

●発表された審議会の資料。賛否は別にして面白いですよhttp://www.meti.go.jp/committee/summary/eic0009/pdf/018_03_00.pdf#search=%27%E6%AC%A1%E5%AE%98%E8%8B%A5%E6%89%8B%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%27




ということで、今週も官邸前抗議へ#金曜官邸前抗議
今日の最高気温は30度にまでなりました。午後6時の気温は26度。それでもカッコつけて上着を着ていった(笑)。今日の参加者は650人。
●抗議風景





高浜のことにしても、なんにしても中々 物事はうまく行かないんですが、それでも週1回くらい原発のことを考えるのは大事だなと、今更ながら思いました。東電でもなく、安倍晋三でもなく、経産省でもなく、忘却が最大の敵ですからね。
●抗議の後 友達と熟成肉🍖を食べに行きました。