特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

映画『SING/シング』と『キングコング:髑髏島の巨神』

週末は生憎のお天気でしたが気温も上がり、そろそろ衣替えの時期ですね。新年度と言うのは色々めんどくさい、うっとおしいものですが、洋服を変えるというだけでも多少、気分はアガリます(笑)。

●そろそろ、桜も最後ですかね。



やはり、国会で審議が始まる共謀罪は心配です。ですが、与野党ともに言ってることがどこまで妥当なのかよくわからない。対象となる罪が277という多さですから、さすがに内容をすべてはチェックできません。各国の法制はどうなってるかなどの相対的な比較も報じられない。これじゃ、わかりませんよ。ただ、少なくとも警察の濫用の恐れがあるということと共謀罪を作ってもテロの防止には役に立たないであろうということはよくわかります。テロを防ぐには事前の情報があるかないかが問題で、共謀罪があるかないかは全く関係ないですから。まして安倍晋三が言ってるようなオリンピックなんかまったく関係ないですよね。原発もそうですが、この国では論理的な議論がないままに物事が進んでいく。安保法制もそうでしたが、きちんと説明する気がない政府もひどいし、それを論理的に追及できない野党やマスコミも問題。国民も自分のことなのに当事者意識が薄い。で、物事がなあなあで進んで行ってしまう。ソフトなファシズムというか笑顔の独裁国家というか、そういう状況を国民自らが招いている。この国の現状はある意味 非常に恐ろしいと思います。

小平市長選は野党共闘が勝利。確かに公明党がいないと自民の足腰はボロボロなのかも。民進も都議はボロボロみたいですから事情は一緒ですけどね。

●まあね(苦笑)。トランプと習、二人そろって、あのネクタイの長さは衝撃的でした。周りはだれも注意しないってことだよね。

●日曜日の恒例になった、どうぶつ茶会。ベイブくんはお菓子の方が気になるようです。


●金曜深夜からTV東京で始まったドラマ『SRサイタマノラッパー』、第1回ですら泣かせるシーンが幾つかありました。この観客席にボクも居ます。手を挙げてる男(それじゃ、判んないって)(笑) #サイタマノラッパー




ということで、新宿で映画『SING/シング

観客減少で潰れそうな劇場を運営するコアラのバスター・ムーン(声:マシュー・マコノヒー)は、歌唱コンテストを開いて客寄せをしようと考える。集まってきたのは、やたらと音楽に詳しいハツカネズミ(声:セス・マクファーレン『テッド』の監督兼俳優)や、内気でひきこもりのゾウ、25匹も子供がいるブタ(声:リース・ウィザースプーン)、恋人に振られたパンクロッカーのヤマアラシ(声:スカーレット・ヨハンソン)ら、一癖ある連中ばかりだった……。
●コアラを演じるのは好漢マシュー・マコノヒー


最初はスルー予定だったのですが、評判が良いので調べてみたら、監督はボクの大好きな『銀河ヒッチハイクガイド』のガース・ジェニングス、それも約10年ぶりの新作じゃありませんか。そりゃ、見逃せません、絶対。

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この映画は脚本がいいです。ダメ人間(動物)が絶望の淵に追い込まれても立ち上がる、よくあるストーリーですけど、よくあるストーリーと思わせない説得力があります。『こりゃあ、ダメだろ』と思うような状況になっても、そこからどんでん返しが待っている。十分に大人の鑑賞に堪える作品になっています。
●オーディションに集まってきたのは一癖ある連中ばかりです。

音楽もセンスがいいんです。いきなりスティーヴ・ウィンウッドの『ギミ・サム・ラヴィン』がかかった瞬間、やるな!と思いましたけど、最初から最後まで全然飽きないです。きゃりーぱみゅぱみゅの曲の使い方もすごく良かった。クールです。
●ネズミ役は『テッド』の監督兼俳優のセス・マクファーレン

                            
さらに超豪華俳優(声優)の歌唱には圧倒されます。劇場支配人のコアラ役のマシュー・マコノヒーは歌わないけど、他はみんな、やたらと上手い。スカーレット・ヨハンソンってヨルダン川西岸に進出したイスラエル企業、ソーダストリーム(このブタ企業は日本にも進出しています)のCMをやってたのは許せないと思ってるんですが、歌、凄いんですね(笑)。
ハリネズミのパンクロッカーはスカーレット・ヨハンソン

センスの良さ、俳優さんの見事な歌も相まって、音楽にも説得力がある。素晴らしい音楽が世界を変えると思わせるだけの力があるんです。音楽は素晴らしいけど、ただそれだけ、何も世界を変えない『ラ・ラ・ランド』より遥かに優れていると思います。それはお話に対する愛情、音楽に対する愛情がたっぷり詰まっているからです。
●ミュージカルシーンは『ラ・ラ・ランド』に負けていません。

●見てください。演奏している時の悦びの表情、自分はこれを伝えなくてはいけないという表情まで再現している。監督もスタッフも音楽のすばらしさを良くわかってます。『ラ・ラ・ランド』とは対照的です。


●描かれるLAの光景も美しい。

                       
見ていて素直に幸せな気持ちになれることは請け合い。アニメですけど子供だけに独占させておくにはもったいない映画です。しつこいけど、同じ音楽映画でも『ラ・ラ・ランド』とは全く対照的なハート・ウォーミングな作品でした。作り手の愛情に触れると、自分も温かな気持ちになれるんだなーと思いました!既に続編の決定が決まっているそうです。



もう一本は、新宿で映画『キングコング:髑髏島の巨神

舞台はベトナム戦争終結した時代。ハリウッド版『ゴジラ』で未知の巨大生物を研究していた秘密調査機関モナークは当時から存在していた。モナークは有力政治家に手を回し、南海の孤島に未知の生物探索のために調査探検隊を送り出す。メンバーは元傭兵(トム・ヒドルストン)や反戦カメラマン(ブリー・ラーソン)それに、陸軍大佐(サミュエル・L・ジャクソン)率いる陸軍ヘリ部隊。しかし、その島には骸骨が散乱している人間が足を踏み入れるべきではない“髑髏島”だった。彼らの前に、さまざまな巨大生物や神なる存在であるキングコングが出現。人間は、凶暴なキングコングに立ち向かうすべがなく……。
●この3枚の写真であらすじを全て説明できます(笑)



ハリウッド版『ゴジラ』や『パシフィック・リム』を制作したレジェンダリー・エンターテインメントが作った新作です。この会社はヘッジファンドで儲けた怪獣ファンが作った映画会社でしたが、昨年 中国の会社に4100億円で買収されました万達、映画王へ布石 米製作会社4100億円で買収 :日本経済新聞。 昔 ソニーが映画・音楽大手のコロンビアを買収したのを思い出します。昔は日本、今は中国。制作の自由は保障されるということですが、果たしてどうなるかとは思いましたが、中国人の女優さんが出ていたくらいでした。
●可愛いけど、とってつけた感が満載でした。本人も嫌だったんじゃないでしょうか

                  
お話はまあ、いいでしょう(笑)。すごくお金のかかった怪獣映画に『地獄の黙示録』を振りかけたような作品です。それもキングコングVS部下を殺されて復讐に燃えるサミュエル・L・ジャクソンの戦いです。キングコングのCGも迫力ありますが、戦争狂のサミュエル・L・ジャクソンも怪獣に負けない迫力があります。怪獣と肉弾戦でも戦えそうなんだもん。
●男の中の男。ミスター・マザーファッ○ー。このクソ親父ッと誰もが思うはずです(笑)。

                     
控えめエロ担当兼、場違いなシリアス演技をぶちかますブリー・ラーソンはなんでこんな仕事を受けたんだろうと思いましたが(笑)、ボクは好きな人なのでそれはそれでよかった。

すごーくお金のかかった怪獣映画。キングコングも怖さもありながらも可愛さを醸し出していたけど、これは怪獣映画のポイント、ツボだと思います。感動するような話でもないし、昨年の『シン・ゴジラ』より面白いというわけでもないし、ベトナム戦争をもうちょっと深堀りしたらもっと面白いのに、とは思いました。でも、それほど残酷なシーンもなかったし、純粋に面白かったです。怪獣映画を作るんだという割り切りが明快で、ハリウッド版ゴジラより良かったです。CGの物量作戦の勝利ですかね。もう3部作になることが決まっていて、次作はゴジラVSモスラVSキングギドラ、その次はゴジラVSキングコングの予定だそうです(笑)。怪獣映画楽しみ!