特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

映画『シン・ウルトラマン』

 毎度の話ですが、楽しい週末が過ぎるのは早いものです(泣)。バイデンの来日で六本木や麻布界隈には警官がウジョウジョしてました。うざい。今晩辺りは東京の夜は身動き取れないんじゃないですか。日本の政府は他の事ももっと一生懸命やればいいのになあ。

 ニュースに出てこないネタをお話しすると、バイデンもトランプも自動車移動は停車しないように信号はオールフリー、全て青信号に調整しています。ところが日本側の出席者は信号を守ってやってくる(笑)。外交儀礼もあるでしょうが、必然的に先に会場に着いてお待ちすることになるそうです(笑)。

 アメリカと仲良くするのはいいけれど、アメリカとだけ交渉しているから足元を見られる。日本みたいな小国は『戦国策』にあるように合従連衡、多くの国と仲間になっておいたほうがいいんだけどな。

 ウクライナの件ではっきりしたのは、今の時代でもこちらが何もしなくても(武器を持っていなくても)プーチンのように核をちらつかせて武力侵攻してくる奴がいる、ということです。だからスウェーデンは約200年、フィンランドも約70年続いた中立政策を止めて集団的自衛権の傘の下に入ろうとしている。歴史的な転換です。
 自国の力だけでは平和は守れない、集団で平和を守ろうと言うのです。


 
 下のtweetJSF氏が引用している『日本が何もしてないのに他国が攻めてくるはずがない』と言ってる菱山は安保法反対などで活動するロートル左翼の市民団体『戦争させない・9条壊すな!総がかり行動』の集会にいつも出てくる人です。ジジイだらけの団体の中で殆ど唯一の女性ですが、リズム感が全くないコールで失笑を買っている人(笑)。

 ベルギーやチェコなど様々な歴史上の事例を振り返っても、ウクライナの例を見てもまだ、こんなことを言い張っている人がいるんですね。日本のような小国は武力があるから守れる、と言う訳ではありませんが、武力がないことがかえって平和を損ねることもあるという事実を判っていない。まして日本は中国、ロシア、韓国、北朝鮮、周辺国ほとんど全てと揉めている、という世界でも稀有の国です。

 いわゆる左寄りの人たちは良く『平和を守れ』って言いますけど、どうやったら平和を守れるかって議論はあまり聞きません。『平和を守れ』だけだったら安倍晋三だって言える(笑)。歴史からも現実からも学ぼうとしないのはバカウヨだけじゃありません。ロートル左翼にとって憲法9条は殆ど現実逃避の宗教になっているのでしょう。中立とか非武装とか現実逃避の夢ばかり見ている。

 こういうボケ左翼が多いから、自民党政権が続いているのだと思います。


 と、いうことで、六本木で映画『シン・ウルトラマン

shin-ultraman.jp

 謎の巨大生物「禍威獣(カイジュウ)」が次々と現れるようになった日本。莫大な被害をもたらす禍威獣に対抗するため政府は専従組織・通称「禍特対(カトクタイ)」を設立する。田村君男(西島秀俊)を班長に、さまざまな分野のスペシャリストから成るメンバーが任務に当たる中、銀色の巨人が突如出現する。謎の巨人対策のため、禍特対には分析官・浅見弘子(長澤まさみ)が新たに配属され、作戦立案担当官・神永新二(斎藤工)と組むことになるが。


 ウルトラマン自体はそれほど興味なかったけど、シン・ゴジラは面白かったですからね。ま、あまり期待しないで見に行きました(笑)。企画・脚本がシン・ゴジラ庵野秀明なのはともかく、監督が特撮シーンだけしか能がない、全く話を作れないことで定評がある樋口真嗣ということで不安は残ります。

 結論から言うと、思ったよりは悪くなかったというか、こんなものかという感じでした。今回の俳優陣、西島秀俊斎藤工長澤まさみは想像以上に良かった。ちゃんと芝居をしていました(笑)。

 特に長澤まさみはアップに耐える顔というか、微妙にエヴァンゲリオンのミサト役が入ったキャラクターといい、この人を主役にしていればきちんとしたドラマになったのに、とは思いました。

 あとメフィラス星人役の山本耕史は本当にサイコーでした。この人って雰囲気がなんとなく胡散臭いと思うのですが、彼の宇宙人役は妖しさがマッチしていて驚くべき当たり役でした。彼が出てくるシーンは断トツに盛り上がりました。

 お話はやっぱりダメ。つまらないって程じゃないけど、感心するようなところが何もなかった。色々ネタはあるのに、全然生かし切れていない。

 期待するような話ではないのは分かっているけれど、何を言いたいのかわからない。

 シン・ゴジラもオリジナルのウルトラマンもドラマ、テーマがありました。例えばシン・ゴジラだったら『戦後の日本はそろそろ終わりなのかなー』と思いました。『無様かもしれないけど、これからの日本は、核と言う矛盾を抱えながら何とか生きていこうとするのだろう』って思わせるメッセージが有りました。

 今作は宇宙人と地球人の関係、日本と米軍との関係、シン・ゴジラから引き続いての竹野内豊の官僚役など、何となく何かが感じられなくもないけれど、基本的にはメッセージはない。2022年の今を反映したドラマになっていない。なぜ今 ウルトラマンなのか、監督が何も考えてないからなんでしょうね。細かい演出もダメ。凡庸です。その癖、気持ち悪い変態ネタは入ってるし。ウルトラマンに変なことやらせるなよ。ボケ。

 特撮もショボい。ヘボい。

 家に帰って口直しにアマゾンプライムで『パシフィック・リム』を見ました。同じように怪獣が登場する、日本に影響を受けた約10年前の作品ですが、今作との特撮の差は歴然、100倍は軽く違う。こちらも話はくだらないけど、特撮を見ているだけでも説得力がある。

 シン・ウルトラマンの特撮のショボさは予算や技術の問題だけではなく、クリエイティブの問題だと思う。特にクライマックスのところが一番特撮がショボかったっていうのはかなり問題でしょう。ゼットンのネタだって盛り上がりは幾らでも作れたはず。

 気楽に2時間楽しめる映画ではありました。感想を書こうとすると悪い点ばかりが目に付くけど、退屈はしなかったし、見ている間は楽しかったのは事実です。見て損はない。
 だけど、勿体ないなーという作品であることは間違いありません。回顧ばかりで、今のドラマになりきれなかった。本来ならウルトラマンという豊富なネタ、それにせっかく長澤まさみが出ているんだから、この10倍は面白い映画に出来た筈なんだけどなあ。


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