特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『これもひとつの春の訪れ?』と読書『戦後70年史』、それに『0317再稼働反対!首相官邸前抗議』と『未来のための公共』

今週は関東でも雪が降りましたが、それでも陽の光には次第に力を感じるようになってきました。そろそろ春の訪れを感じます。
                         
水曜日 スーパーでレジの列に並んでたら、突然 店員の女の子が寄ってきて『私 今日で最後なんです。今までありがとうございました』と言われました。ちょっとびっくりしました。ボクは毎週1回 そのスーパーへ買い出しに行きますから、その子にもレジをやってもらったから顔は知ってるけど、何か世間話をしたとかそういうこともありません。ただ ボクはスーパーでも食べ物屋でもどんな店でも、相手が日本人だろうが外国の人だろうが、必ず相手の眼を見て『どうもありがとう』ってお礼を言います。彼女にも、それだけです。
『こちらこそ今までありがとうございました。どうもありがとう。』って頭を下げて挨拶しましたけど、その人はお客さんの顔を覚えるという商売の基本が出来ているんでしょう。でも、たかだかスーパーのお客さんに自分から声をかけて挨拶するなんてなかなかできないですからね。若いけど大したもんです。他の店への異動なのか転職なのかは聞きませんでしたが、そういう人はこれからどんなことをしてもうまく行くんだろうな。
                            
スーパーを出る時にその子からもう一度 大きな声で『ありがとうございました!』と言われたとき、何となくセンチメンタルな気分になりました(笑)。何気ないところにも別れがある、春はそういう季節です。

●今朝 通勤の途中に咲いていた白い花。空の青との対比が鮮やか。


今週 行われたオランダの下院選の結果は極右の第1党、政権参加が阻止されてホッとしました。グローバル化で最も利益を得てきた国はある意味 オランダです。今回初めて知ったのですがオランダには動物の権利を守る『動物党Partij voor de Dieren - ホーム | Facebookがあって、今回の選挙でも2議席 獲得しています。日本の社民党以上の勢力があるわけです(笑)。動物保護団体っていうのは昔 悪名高い動物解放戦線(AF)というテロ集団もどきがありましたから、動物党もヤバい人たちである可能性もありますが(ちょっと怪しい)、ボクがオランダに住んでいたら多分 動物党に投票しちゃうかも。そんな多様な価値観の国に排外主義が出てくるというのは恐ろしいことです。いくら社会的再配分も唱えていると言っても、EU脱退、モスク閉鎖、コーラン禁止とか言ってるウィルダースとかいう極右の党首、髪形見ただけでまともじゃないってことは判りそうなもんです(笑)。それだけ右も左も既存政党が市民の意識とかけ離れている、現実と遊離している、ということでしょう。日本だって、それは同じです。日本の場合は既存の市民運動も含めた野党こそ、現実との遊離は酷いかもしれません。一般的には自民党の方が利害や権力欲が明確な分だけ野党より現実的に見えます。


http://www.asahi.com/articles/ASK3J23LXK3JUHBI007.html

気の早い証券アナリストは『オランダ選挙はポピュリズムに対する失望のうねりの始まり? 』として、イギリスのEU離脱やトランプによる混乱を見て、ポピュリズムはうまくいかないと考える人が増えているのではないか、反ポピュリズムの波が出てくるのではないか と言っています。ログイン | NIKKO Research Direct。フランスも右派のフィヨンが死に体となって中道のマクロンに一本化されて、ルペンを止めてくれればいいんですけど。
                         
振り返ってみれば、日本ではもう極右が政権に就いているんですからね。恐ろしい話です。中韓との関係にしろ、ぎりぎりのところでアメリカの圧力で極右・排外路線がなんとか止まっているんじゃないでしょうか。今にも朝鮮半島で戦争が起こりそうなときに、韓国に大使も居ないんですよあんなウスラバカ女が防衛大臣なんですよ! 正気の沙汰とは思えません。そういう点では現実的じゃないんだよな。右にしろ、左にしろ、極と名がつくものにロクなもんはありません
結局 野党のふがいなさが安倍晋三の延命をサポートしていると思います。満足に答弁すらできない稲田や金田を始め安倍内閣の一部が最低レベルなのは勿論ですが、じゃ、野党に替りが務まるかという問題にぶち当たってしまいます。来週 安倍晋三記念小学校の籠池を証人喚問するそうですけど、違法性があるのかどうか怪しい寄付の有無なんてどうでも良くて、問題は国有地の売却、強いては『国家の私物化』ですからね。それくらいは野党もしっかり追及してもらいたいものです。





最近 NHKの論調が少しだけ変わってきたと思いませんか?森友学園の件もきちんと追及するようになったし、廃棄したと言い張っていた、南スーダン自衛隊の日報が残っていたのも、消去指示が出されたのもNHKのスクープでしたhttp://www3.nhk.or.jp/news/html/20170315/k10010912591000.html?utm_int=news-politics_contents_list-items_004。ボクは見損なったんですが、政府広報番組として悪名高い午後9時のニュースでも今週 新作『わたしは、ダニエル・ブレイク』(昨年のカンヌ映画祭最高賞を獲得)が公開されるケン・ローチ監督の長編インタビューを流したそうじゃないですか。昔 国鉄民営化の頃、丁度 産経関連の文化賞の賞金を受け取って、それをそのまま民営化に反対する労組に渡した人ですよ(笑)。NHKもやればできるじゃん(笑)。


もちろん、安倍晋三の言い分をそのままなぞるだけのバカ政治記者とかはまだTVに出てきますけど、以前よりは遥かにマシなんじゃないでしょうか。全く見なくなっていた午後9時のニュースも見ようかな(笑)。
多少なりともNHKが変わった理由はなぜなんでしょうか。会長の籾井がお払い箱になったから? まさかド素人の籾井ひとりくらいが巨大組織に対して、そんなに影響があったとは思えません。元三菱商事の後任も籾井ほどではないにしろ、安倍晋三のお友達みたいですし。とにかく何らかの形でNHKの良心的な記者が仕事はやりやすくなってきている状況はあるのかもしれません。まさかNHKにも春が来た(笑)?

さて 読書の感想です。
A0153さんのブログで触れられていたあきらめるわけにはいかない/スタンディング - A0153の日記歴史学者色川大吉 東京経済大名誉教授の『戦後70年史』を読みました。この人は歴史家であるだけでなく、『日本はこれでいいのか市民連合』など普通の市民の政治参加のきっかけを作ってきた人です。導入当初から小選挙区制に反対するなど見識のある人だとは思ってたんですが、A0153さんのブログを読むまで、もう亡くなったと思ってた(笑)。現在91歳。

戦後七〇年史

戦後七〇年史

この本は著者が東大の学生だった戦後直後から、現在までの歴史を綴ったものです。戦争直後、安保闘争、市民の政治参加、バブルの崩壊や政権交代、それに神戸の大震災、彼自身の八ヶ岳への隠棲生活などが描かれています。
まず、思ったのは日記って大事だなということ(笑)。ボクなんか下手すれば、総理大臣の名前すら忘れてしまっています。世の中にどんなことが起きて、政治家はどんなことをしたのか、それを記録しておくことは事実だけじゃなくその時感じた自分の感情をも記録することだ と改めて思いました。ボクは論理性には結構 拘っているつもりですが、本当に人間を動かすのは論理ではなく、感情です。ボクがブログを書いている理由の一つは日記代わり、というのもあるんですが、そういう意味ではまったく足りていない。

ボクが全然知らない時代。戦争直後や安保闘争学生運動などの頃の話は面白かったです。色川氏は多摩地方の歴史の掘り起こしをやっていた人でもありますが、電車も自動車もまともにない時代で多摩や町田の丘陵を1日がかりで殆ど歩いて移動したという話などは驚きでした。
                               
一方 ボクも実体験した時代になると、ボクとは意見が異なる点も出てきます。例えば彼は、社会党から首相になり自衛隊を認めた村山富一氏を変節と評していますが、ボクはそうは思わない。外野で文句たれてるのではなく、いざ自分で何かをやろうとしたら、まず 現実を見ますよね。出来ること・出来ないことは見極めなければならない。人間の能力には限界があるのだから、一歩でもいいから現実をマシにすることしかできないじゃないかと思うんですが、色川氏には違うようです。政治に関しては実務者というより、市民・学者という立場なんでしょうね。他にも保革二元論で物事を考えがちな硬直的で賞味期限切れの傾向も多少は感じなくもないです。


でも『主権在民なのに平成天皇が国民の承諾を得ずに即位したことをとんでもない』としたり、『私はシャルリ』の巨大デモに際して『イスラム教徒を侮辱する言論の自由などない』とする見識は健在です。40年も前にシルクロードへ行ったり80代になってダイビングを始めたり、私生活もユニークです。故鶴見俊輔先生にしろ、戦前から生きていた人はやはり何かしっかりしたバックボーンを持っている人が多いんでしょうか。こういうしっかりした識見を持つ先輩のお話(笑)というのは非常に価値があると思いました。個人でなく世代論で考えるのは良くないんですが、この下の年代、特に団塊世代の多くとは明らかに違うように感じます。継承すべき部分、乗り越えるべき部分、色々考えさせられました。



ということで、今週も官邸前抗議へ。
昼間は大分暖かくなりましたが、午後6時の気温は12度。真冬とは全然違いますが、それなりに寒いなぁ(笑)。今日の参加者は700人。

●抗議風景1









今週 三菱重工がサンオノフレ原発の不良に関して7000億の賠償金を請求されていた訴訟が終結したそうです。重工の主張が認められ、賠償金は140億で済んだ。残念(笑)。MRJの開発遅れや客船などで赤字に陥っていた三菱重工がここで敗訴したら、それこそ経営危機になるところでした。ま、三菱重工が潰れたら雇用や景気にも影響がありますから、これに懲りて原発を止めれば、それでいいんですけどね。


一方 東芝の方は3月14日に予定されていた決算が再度延期されました。
利益のほとんどを稼いでいた半導体を売って、WHを切り離して(出来るかどうかは別)、営業利益率5%の会社を目指すそうですけど1991年以来、この会社は営業利益率を5%以上だったことはないそうです(笑)。
普通に経営を考えられる人は、この会社はもうムリだと判っているでしょう。東電もそうでしたが、東芝も優秀な社員から辞めているんでしょうねー。1月半ばから2月中旬まで、東芝が「経営改革を担う」経理財務担当者や「危機発生時のメディアコントロール」を担う広報担当者を転職サイトで募集していたのが話題になっていました。

東芝、「改革人材」「広報担当」を募集 ネットで話題 :日本経済新聞
苦境の東芝、「経営改革担う」人材募集中 「危機発生時のメディアコントロール」担当者も - ITmedia NEWS

っていうか、今頃そういう人材を募集してるのかよって、しかも公募で(笑)。もはや完全に会社の体を為していないんですね。今朝の日経一面に『東芝再建に公的資金案』という見出しがありましたが、東芝から切り離す半導体事業に日本政策投資銀行産業革新機構に出資させると言う話しで、東芝公的資金が入るわけじゃない半導体事業が中国や韓国に買われるのを防ぐためだそうですけど、スピードが速い半導体事業に親方日の丸が手を出してもうまくいったためしはありません。経産省は90年代から半導体に手を出しては失敗を繰り返していますし、最近でも日本政策投資銀行が300億出資して2013年に倒産したエルピーダの例もありますし(笑)、産業革新機構が出資したルネサスだって、別にうまく行っているわけじゃないですからね。
基本的には東芝はもうダメだと思いますが、ボクには再建する秘策があります。WHを始め原発事業を中国かロシアに売ること(笑)。それくらいの思い切った手を打てれば大したもんですけど、ここの経営者にそれが出来るくらいの能力があればこんな危機には陥っていないでしょう(笑)。歴代の経営陣がこれだけ無能なのも珍しいとは思いますが、かっての日本軍もこんな感じだったんですかね。こんな会社に廃炉作業が出来るんでしょうか。いやあ〜。


今日は もう一つ。
この1か月 国会前で『稲田やめろ』という抗議が行われてきましたが、元SEALDsの子たちが『未来のための公共』という団体を作って活動を始めるそうです。勿論 官邸前抗議とダブルヘッダーができる時間帯です(笑)。未来のための公共 (@public4f) | Twitter 未来のための公共。 #Public4Future #0317国会前


シールズ:新たな団体「未来のための公共」17日に発足 - 毎日新聞
始まる前から国会前にはマスコミも含めて、大勢の人が集まっています。途中で参加者2000人以上という発表がありましたが、政府に対する怒りのマグマが溜まっている感じがしました。その後に反原連に参加した人が加わりましたから、もっと増えた筈。2500人だそうです。

集会は大学生、高校生、保育士の人のスピーチで始まりました。彼ら・彼女らはマイクを取るのは初めてではないでしょうか。途中で司会の女性から、私たちは色々な立場で集まりたいと思っているのでSEALDsとは違いますから、と言うお断りがありました(笑)。と言いつつも、ボクの近くにいた、相変わらず組織の幟を持ってきているバカオヤジをSEALDsに居た女の子(Uさん)が丁寧に説明して後ろへ連れて行きました。彼らはちゃんと陰でサポートに回っている。頭使ってます。それに引き換え、幟なんか持ってる時代遅れの役立たずの思考停止ジジイは早く●んで欲しいです。周囲には邪魔だし、孫みたいな子たちに注意されてるって恥ずかしくないのかよ。

●抗議風景


そのあと、民進党の小西、社民党福島瑞穂、それに学者の会の佐藤学先生などがスピーチしました。佐藤先生、どんどん演説が上手くなってます(笑)。運動家みたい(笑)
●SEALDsのステッカー付スピーカー

●今日は久しぶりに、福島『希望の牧場』が

                                                 
今日はコールと言うよりスピーチ主体でした。内容は彼らのtwitterをご覧ください未来のための公共 (@public4f) | Twitter。彼らとしては、『様々な問題があるけれど、色んな人が集まって丁寧に言葉を紡いでいこう』という意図だと思いました。集会の構成と言い、twitterと言い、運営側は結構考えているなという気はしました。個人的には寒い中で他人の話をジッと聞いているのは辛いところもあるし、やっぱり声を挙げたいな。ま、その点は試行錯誤ということでいいんじゃないですか。

                                              
既成政党もダメ、旧来の市民運動の多くにも期待できない、だったら、まともな思考を持った人たちと新しい芽を育てていくしかありません。まだ少し寒いけど、しばらくダブルヘッダーを続けてみようと思います。