特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『#3分の2を取らせない(2)』と読書『日本×香港×台湾 若者はあきらめない』と『ネット炎上の研究』、それに『0708 再稼働反対!首相官邸前抗議』

この前 高校生の姪っ子から『大学受験、どうしよう』と相談されたんです。いくつかある志望校を聞いた後、こう答えておきました。『受験とか偏差値なんてくだらない。社会に出れば、自分の頭で考えることが大事。だからICU(国際基督教大)へ行って、SEALDsにでも入りなさい。』(笑)。SEALDsの当初のメンバーは殆どがICU明治学院大ばかりだったそうです。良く知らないけど、学生に自分の頭で考えさせる風土があるのでしょうか。今度の選挙で彼らは解散だそうですけどね(笑)。受験勉強で頭がいっぱいの彼女は呆れたような、苦笑いをしていました。
                                                            
そのSEALDsの諸君は全国の激戦区の候補者に同道して応援演説や手伝いを続けています。予定を見るとスケジュールの過密さは驚くほどでした。ボクが行った日曜日はその日だけで三回も応援演説に立っていましたし、奥田君なんか、小川敏夫候補の『練り歩き』(群衆の中に入っての握手)のスピーカー持ちまでやっていた。彼らが応援にいくのは党派に関係なく勝ち目がありそうな選挙区、特に当落線上の候補に集中しています。つまり 戦略的投票、です。
●SEALDsが重点的に支援する候補:奇しくも情勢の『読み』はボクと一緒。ボクは選挙区は小川敏夫氏、比例区有田芳生氏に投票します。http://sealdspost.com/archives/4049 


勝つためにはどうしたら良いか、彼らは現実的なスタンスを崩さない。机の前で文句たれているだけの奴とは違います。実践と思索のバランスって大事です。実践が無いと夢想論になったり偏るし、思索がなければ、ただのバカです(笑)。実践と思索のバランスが取れているからこそ、このような生きた言葉が出てくる、とボクは思います。

●奥田君の福岡での応援スピーチ 小原 美由紀 - ▼拡散△ 7月5日 福岡天神イムズ前・ 共産党街宣 ... | Facebook
『代表者ってのは、代わって表れる、って書くんですね。ってことは、なにがあらわれてるのか、ココに集まってる人が表れてるんじゃないですか?だから俺たち、頑張らなきゃいけないんですよ!いまの政治に対して


●SEALDs関西の寺田さんの小川敏夫候補の応援スピーチ: 小原 美由紀 - ★拡散希望☆★☆ 7月7日 小川敏夫さんの渋谷街宣での... | Facebook
『野党の議席を、ほんの少しでも増やさないと、今は与党のパワーバランスが強すぎて、まともな国会運営が難しくなってしまいます。国会のバランスを健全なものにするためにも、わたしたちの生活と、憲法を守るためにも、ぜひ、小川さんを、国会に送りましょう。』
『家族に、友達に、恋人に、親戚に、選挙なんて意味ないって、投票なんて行かなくなって何も変わらないって思っているあの人に、今回ばかりは、投票に行こうと、民進党のためじゃない、小川さんのためじゃない、あなたのためにこそ小川敏夫さんに投票しようと、呼びかけていきましょう!』
                
    
そろそろ 報道機関の選挙情勢も出そろってきました。改憲派が3分の2、という恐ろしい話が各紙に出てきていますけど、情況は今まで書いてきた通りです。個人的には地方区はもっと酷い結果も予想してたので、新聞の予想はちょっと楽観的かも、という気すらします。一部の予想を見ると比例区が思った以上に悪い、それに維新がなんで強いんだろう、というのは感じます。新聞各紙は投票率を結構低く見ていると思いますが、いずれにしても、それほど大きな差はついていない。それが各紙を総合した客観的な話だと思います。

                                                
つまり、当日の投票率が5ポイント変われば、景色は全然違います
とにかく、投票に行くよう呼びかける、それに頭を使った投票=戦略的投票をするということでしょうか。投票に行くのは当然ですが、投票したい政治家がいないとしても、泡沫候補に入れるのは与党に入れるのと同じです。選挙という場において現実と闘う手段は、当落線上にいる野党候補に入れることです。
                                                   
平時はいいんです。ご立派なことは誰でも言えます。でも何か起きたときこそ、自分の判断力が試されます。
丁度 今日の昼間に俳優の石田純一都知事選に関する記者会見をしました。彼は昨年の国会前のデモに来ていた人です。それでも最初は『またかよ』と正直 うんざりした。ところが間違っていました。TVニュースだけ見た人には伝わらなかったかもしれませんが、彼は都知事選の話ではなく参院選の話、野党は共闘しなければダメなんだ、ということを力説していました。つまり お昼のワイドショーの時間を狙って記者会見をすることで、参院選に注目を集め、また野党共闘を進めようとしたってことみたいです。自分の立候補確率は10%と言ってた通り、彼は『自分のことなんて、どうでもいい』と考えているようにすら見えます。ボクだって彼には都知事になってもらいたくない(笑)。でも彼の行動には感銘を受けました。尊敬に値します。






                           
いざと言う時、自分の損得を顧みず こういうことをする人がいます。一方 足を引っ張って醜態をさらす人もいる。生きるって勉強の場だと、つくづく思います。毎日が自分の判断力の訓練ってことかもしれない。思うようにいかない現実に直面した時、自分がどうふるまうか、人間の価値(笑)はそこにある、とすら思うんです。

●さすが、身を持って差別と闘ってきた映画評論家の町山智弘氏は良くわかっています。



●町山氏は内田樹と共著もあります。町山氏や石田氏を見れば、判断力って知識や学歴とかじゃない、胆力や意志を含めた広い意味での智恵(知恵ではない)だと言うのが良くわかります。それに引き換え、内田樹想田和弘も日本のリベラル層の一部って、なんと知的に脆弱なんでしょうか。たまには立派なこともいうけれど、結局は自分の信条だけが後生大事で現実を見ようとしない。だから彼らはいつまでたっても現実に対して無力なんですよ。



                                      
 
さて、今回は軽めな本(笑)の読書特集です。まず『日本×香港×台湾 若者はあきらめない

日本×香港×台湾 若者はあきらめない

日本×香港×台湾 若者はあきらめない

                                                               
国会前で安保法反対運動が巻き起こったのと前後して、香港でも台湾でも若い人を中心にした反政府運動が巻き起こりました。香港の『雨傘運動』の中心人物、周庭ちゃんと黄乃鋒君、台湾の『ひまわり学生運動』の陳為廷君とSEALDsの3人(奥田君、牛田君、溝井さん)の対談を風営法改正でも活躍した音楽ライターの磯部涼がまとめたもの。
大変面白かったです。3組とも、より民主的で、平和で、自由で、若者が希望を持てる社会を作りたい、という方向性は一緒ですが、日本、香港、台湾、国籍も違えば、政治状況も直面している問題もかなり違います。ところが同年代の会話と言うこともあって、話が良い具合に噛み合って、読み応えのある対話になっていました。例えば、香港の子たちがSEALDsの子たちに『なんで解散するのか。なんで政党にしないのか』と食い下がったり、台湾の子が『中国が攻めて来たらどうしたら良いか』とSEALDsの子に問いかけたり、率直な会話が非常に面白いです。特に後者は日本で考えるのと台湾の人が考えるのとではリアリティが全く違います。平和的な手段を模索するしかない、という結論は両者ともに一緒なんだけど、例えば台湾の子は『日本と韓国、台湾で東アジアの安全保障の仕組みを作っていけばいい』と発言したりします。集団的安全保障です。さあ、どうする(笑)。
話は具体的な運動論から文化論、生活まで及びます。香港や台湾の事情も勉強になりましたし。若者ではないボクにとっても、物の見方を相対化させてくれる本でした。記述も平易だし、とても良かった。

                                  
もうひとつ、こんな本を読みました。『ネット炎上の研究
ネットは役に立つものですけれど、『酷いなあ』と思うこともたびたびです。この前もフジロックフェスティバルにSEALDsの奥田君が出演することに対して、『音楽に政治を持ち込むな』って言ってた白痴どもにはあきれ返ったばかりです。そもそも今年のフジロックの大トリは超政治的なバンド、この前もバーニー・サンダースの支援コンサートをやったばかりのレッド・ホット・チリ・ペッパーズだろって、バ〜カ(笑)。
要はネットで書き込みのハードルが下がったことから、実生活では相手にされないようなくだらない意見やデマが目に触れるようになっているということなんでしょう。元来はそういうものは周囲が叱りつけるとかして、他人様の前には出してはいけないものでした。頭がおかしいデマを振りまいている在特会ネトウヨ、それにバカサヨの陰謀論、更にそれらを本気にして拡散していく人を見ていると、果たしてネットというものが本当に世の中の役に立っているのか疑いたくなります。

ネット炎上の研究

ネット炎上の研究

                                            
この本はネットで起きる『炎上』という現象について、約4万人の調査を基に実証した純粋な研究書です。何かヒントになるかな、と思って読んでみました。内容は最近起きた様々なネット炎上事件を分析しながら、考察を進めています。結論はこんな感じです。

1.起きた炎上への参加者(実際に書き込んだり閲覧した人)はほんのわずかで、全体の0.5%程度だった。ネトウヨなどそういう人間に関する一般的な印象、『引きこもりの未熟な青年』というイメージとは必ずしも一致せず、炎上への参加者はある程度経済的余裕がある中年男性が多かった。

2.更に積極的な参加者、炎上を主体的に煽ったり、奇妙なまとめサイトを造ったり、被害者のプライバシーを暴露するような人間は更に少なく、ネット全体の0.00X%、数十人程度しかおらず、しかも そういう人間はほぼ決まっている。刑事告発されても悔悟の念を感じないなど、そのような人間は過度に攻撃的でコミュニケーション能力自体に難を抱えているように見える。そのような人間は実生活でもごく僅かは存在しており、ネットが特別というわけではない。

3.ごくわずかに過ぎない、そのような人間のせいでネットの利便性が損なわれるのは、社会にとっても大きな損失である。それを防ぐためには『閲覧はオープン、書き込みは会員制などセミ・クローズドなSNS』等の仕組みをもっと普及させていくのが有効ではないだろうか


結論の『セミ・クローズドのSNS』ってはてなブログのコメントを許可制にしておく、ということですよね。そんなことで済むのかと、ちょっと拍子抜けはしましたけど、成程とは思います。特に2の『実生活でもおかしな人は存在しているのであり、ネットは特別ではない』というのは納得しました。
現実にも救いようがないバカが居るんだから、ネットにもいるのは当然。ただし、それは確率的にごくわずかの連中に過ぎないはずです。連中はコミュニケーション能力がないんだから、コミュニケーションはできない(笑)。自衛手段は考えなければいけないけど、マスコミも企業も我々も、そんなくだらない連中に過度に反応する必要はない。バカに踊らされてはいけない。
                                       
ボクのブログは反対意見は歓迎なので、今のところコメント許可制にはしていません。でも、日本語として意味がわからないコメント(笑)、最低限の礼儀がなってないコメント(笑)、論理的な議論ができないコメント(笑)は電光石火で抹消してしまいます。バカを相手にするって時間の無駄だもん。バカは何を言っても説得不可能。バカはバカだから言葉は通じない、というのはボクの乏しい人生経験(笑)から導き出された真理(笑)なので、そこには全くためらいはありません。
ゼロに何をかけてもゼロ、なんですね。ただし、ゼロと判断した相手が常にゼロ、と言うことではない。時と場合によって人間は良い方にも悪い方にも変わり得る。勿論 自分もそう。そこが難しいところです(笑)。とりあえず、バカは相手にせず、委縮しないで言いたいことを表現していきましょう!自分なりに内容を検証してからね(笑)。

都知事候補で今まで名前が出てきたのは与党は極右の小池に、知事在任時 岩手県の財政を大赤字に追い込んだ増田、野党側は民進党極右の長島に、詐欺師の上杉隆、『市民連合から支持を受けて』とウソまでついて自分が立候補したい宇都宮、おまけに在特会の正真正銘のクズ。も〜勘弁して。


ということで、今週も官邸前抗議へ。
みんなで頑張ろう。候補者を孤立させないで。』という奥田君などの呼びかけに答えたのか、今日は実際に候補者の手伝いに行っている人も多いようで、参加人数はやや少なかった。主催者発表で750人。ボクも有田芳生氏か小川敏夫氏の選挙事務所へ手伝いに行くべきか迷ったんですが、今からだと電話掛けしかできることはないだろうし、電話掛けという手段が票集めに有効かどうか疑問なので、つい、手慣れた方(笑)へ参加しました。ボクだったら電話なんかもらったら迷惑、と感じますから。
●抗議風景




                                
今週は玄海原発から30キロ圏内に立地する伊万里市長が再稼働反対を訴え始めました「再稼働反対」伊万里市長が明言 30キロ圏で県内初 玄海原発|行政・社会|佐賀新聞ニュース|佐賀新聞LiVE。それが責任ある首長の立場だと思います。伊万里市には莫大なリスクを負わされるだけで、な〜んのメリットもないんだもん。
玄海原発って老朽化だけでなく、とにかく立地がやばいんです。伊万里市だけでなく、人口150万の大都市、福岡市まで50キロなんですから。それを知ったときは文字通り驚きましたよ。福島の事を考えても危険性は伊万里と大して違いがない福岡市の人がどう思っているのか不思議でなりません。
●今日の写真

                                      
一方 参院選と同日の鹿児島県知事選、原発停止を公約にしている野党統一候補、三反園氏が現職と接戦だそうですhttp://373news.com/modules/pickup/index.php?storyid=76997。保守王国の鹿児島ですから、ボクは全く注目していなかった。正直 事故が起きても、どうせ鹿児島から東京には放射性物資は届かないと思ってましたし(笑)。鹿児島の人たち、凄いです。こちらにも希望を託したいと思います。
とにかく選挙に行きましょ〜。

●選挙後解散するSEALDsの最後のメッセージだそうです。