いやー急に寒くなりましたねー。朝晩はコートが手放せません。
それでも週末の昼間は穏やかな日和でした。道路で日向ぼっこしている猫がボクを見て振り返ったので、パチリ。珍しい光景でした。
静岡の参院補選、野党候補が勝ったのは良かったです。元々自民党の議席だし立憲+共産の野党共闘が成立しなかったので、どうなることやらと思ったのですが野党候補が競り勝った。
川勝知事の応援、それに無党派の7割が野党候補に入れたのが決め手になったようです。
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総裁選効果もあり、当初は自民が過半数、といわれていましたが、日を追うにつれ支持率が落ちて、今や微妙な情勢になってきた。
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最近は共産党も一般市民へのウィングを拡げているようですが、それでも共産党やれいわの支持者なんてごく一部に過ぎません。消費税の時限下げなど野党の共通政策に連中の非現実的な政策を入れ過ぎたことが逆に無党派層を遠ざけてしまうのではないか、という危惧もありますが、色々な矛盾もはらみつつ野党共闘が進んでいるのは間違いありません。不満や問題はあれど、今までとは全然違います。
日本の投票率は53.68%、なんと世界139位だそうです。
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8位のオーストラリアは棄権すると罰金があることでも知られています。3位のシンガポールでは選挙権剥奪、88%で16位のベルギーでは罰金に加えて公民権剥奪があるそうです。一方 18位のスウェーデンは“12歳から模擬投票“を実施。実際の選挙と同日に同じ候補者に投票するなど政治教育に力を注いでいる。
日本でもそれくらいやっても良いと思いますが、棄権するような無責任な輩が多いということは、日本が落ち目になるのは当然ではあります。
確かに日本人の自業自得です。ただ、だからこそ、下に張り付けた小川淳也氏の『この社会を作ってきたのは私たちです。だとしたら、私たちが社会を変えられないはずはないじゃないですか(15分過ぎ)』という言葉をボクも背負いたい、と思います。ボクは日本なんて国はあまり好きじゃないから、変わっても変わらなくても良いんですが、何もやらないのは悔しいですからね。
ハローズ六条店前での #小川淳也青空集会 の様子を生配信します!#香川1区 #小川淳也 #かがわおがわ【SNSチーム】 https://t.co/4LaAVte32l
— 小川淳也|香川1区衆院選候補🚲 (@junyaog) 2021年10月24日
31日はこちらもあります!夫婦別姓を認めないのを合憲としている裁判官は勿論×ですが、迷ったら全員×で!(笑)。
期日前投票は明日から。総選挙と同時に最高裁判所の裁判官を信任するかどうか国民が審査する国民審査も行われます。
— 青木美希 「地図から消される街」8刷決定/新刊「いないことにされる私たち」出版 (@aokiaoki1111) 2021年10月19日
「夫婦別姓」認めないのは違憲か合憲か
「1票の格差」は違憲か合憲か
それぞれの裁判官の判断や意見が一覧に。参考になります。https://t.co/u1AyhaekrA pic.twitter.com/YxHSMFsakp
と いうことで、有楽町で映画『コレクティブ 国家の嘘』
2015年、ルーマニアの首都ブカレストのライブハウス「コレクティブ」で火災が発生、100人近くの死者と200人近くの負傷者を出す大惨事となる。火災対策もおぼつかないライブハウスを放置していた政府に対する人々の怒りは爆発し、左翼政権は退陣し、実務家の選挙管理内閣が成立することになる。一方 病院に運ばれた負傷者たちは病院内の感染で次々に死亡し死者数が大幅に増加。原因を調査するスポーツ紙「ガゼタ・スポルトゥリロル」の編集長は、内部告発者からトンでもない事実を知らされる。
第93回アカデミー賞で国際長編映画賞と長編ドキュメンタリー賞の2部門にノミネートされた作品です。もちろん実話ですが、驚くべきお話です。
2015年、ルーマニアの首都ブカレストのライブハウスで火災が発生、大勢の死傷者を出します。もともと経済危機で不満がたまっていたところに、火災対策が不備なライブハウスを放置していた政府に対して人々は怒りを爆発させ、政府は退陣することになります。
●当時のニュース番組。火事の様子を見ることが出来ます。
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ところがそれだけではありませんでした。火傷を負って病院に入院した患者たちが次々に感染症を発症、更に犠牲者が増えるという事件が起きたのです。政府は、患者たちはヨーロッパ最良の医療を受けていた、と発表します。しかし遺族たちは納得しない。
原因を調査したスポーツ紙『ガゼッタ』は病院で使われていた消毒液が大幅に薄められており、院内感染が起きたことを突き止めます。
●『ガゼッタ』の編集長
消毒液を納入していた大手薬品企業が儲けのために消毒液を薄めて販売していたのです。ガゼッタは更に真相に迫ろうとしましたが、企業の社長は謎の事故で死亡。やがて企業から政府や様々な病院関係者に金が流れていたことが明らかになります。
ルーマニアの医療の腐敗は薬品会社だけでなく、政府、病院の上層部もグルだったのです。ガゼッタの編集部は腐敗を暴くことに成功はしますが、あまりにも根が深かった。
かねがね、知り合いのルーマニアの人から、企業も学校も政府もコネ社会、とは聞いていましたが、やっぱりそうなんだなあと思いました。日本でもアメリカでも資本主義国でも縁故主義は問題になっていますが、旧とは言え、共産主義国って社会の体質からしてそうなっちゃうんでしょうね。皮肉なものです。
ただ、ルーマニアの記者会見を見ているとガゼッタだけでなく、他のマスコミも厳しい指摘を政治家にぶつけていたのが印象的でした。政治家も誤魔化そうとはしているけれど、一応は理屈で答えています。安倍晋三や菅のように回答しないor意味不明、みたいなことはありません。
この点は、ルーマニアの方が日本より遥かにマシ、に見える。
後半は新たに着任した保健相の大臣が主人公です。市民運動出身の彼は医療の改革を図ろうとします。しかし医学界も官僚も協力しない。一方 被害者たちからは対策が遅い、生温いと責められる。四面楚歌状態です。
●記者会見する新保健相(写真左)。市民運動出身です。
しかし、彼は諦めず、気心の知れた官僚たちを集めて、少しずつでも衛生状態の改善を図ろうとします。
半年の時間をかけて何とか改善の芽は出てくるのですが、次の総選挙で旧来の社会民主党が復活してしまいます。投票率が低かったため、組織政党の旧与党が圧倒的な勝利を収めてしまうのです。改革を目指していた彼は辞任することになります。親からは、危険だからルーマニアを離れたほうがいい、とアドバイスされるほどです。
政府や医学界がどこまで腐っているのかを暴く強烈なドキュメンタリーです。そして性急な結論を求めたり、投票に行かなかったりして、市民たちが自ら自分たちの首を絞めてしまうところも。少し前ならこういう映画を見ると、ルーマニアは大変だなーと他人事のように思ったかもしれません。
でも、今は日本が他人事なんて、とても思えません。国民の政治への無関心やマスコミの腐敗は日本の方が遥かに進んでいますからね。むしろ、この保健相のように国を出なければいけなくなってしまうかもしれない、と感じました。そんな映画でした。