特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『トランプ大統領で起きること』と『1118再稼働反対!首相官邸前抗議』

今年は秋が短くなかったですか?最近の景色はめっきり冬らしくなりました。もう11月も半ばを過ぎてしまったんですから信じられない。夕空がきれいです。

毎年 この時期になると同じ事ばかり言ってますが(笑)、宴会とかパーティーみたいな野蛮な風習はやめてほしいです。毎週1,2回はそういう催しがあって、時折 どうしても逃げ切れないものがあります。そういう場で聞くような話も別に面白くもないし、かといってボクから他人にお話しするような話題もないし、とにかく超退屈。きっと相手も退屈でしょう。パーティーなんかは特にいたたまれない思いがします。トイレに隠れたり、途中で逃げたり、自衛手段は講じてるんですが(笑)。
それに加えて、眠りが浅くなって翌日に響くから、ボクは仕事がらみの席では一滴も飲まないことにしています。結局 食べることしかやることがない(笑)。そうすると、太る(笑)。帰りの電車は頭の悪い酔っぱらいで臭いし、電車を降りれば寒い。睡眠時間も減る。まさに百害あって一利なし。友達とご飯を食べたりするのはいいですけど、仕事がらみで宴会とかパーティーを考えた奴って、4んでほしいです(泣)。酒もゴルフも宴会も野球もサッカーも興味ゼロ。やだなあ、この国の野蛮な風習、頭の悪い男社会。
●今まで犬の手帳でしたが、来年からパンダ手帳に変えました。普段は手帳カバーをかけているので外からは判りませんが、何かの拍子で中身を他人に見られると、たいてい、ぎょっとされます(笑)。気が乗らない会議とか打ち合わせの時は、可愛い動物の写真を見て心を慰めているんです(笑)。

グリーティングライフ 手帳 2017 A6 マンスリー パンダ ソフトカバー CD-554-PA

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さて、この前 トランプの当選について、某アナリスト氏に話を聞かせてもらいました。彼はちょうど先週 TVのニュース番組で今回の件を解説したばかりです。ちなみに日本のTVでトランプ当選を予想したのは木村太郎だけ、と言われていますが、あいつは単にいつも右翼を応援しているだけなので、予想じゃないです(笑)。言ってることがあまりにも右過ぎるので、フジテレビも現場では困ってる、と同局の人に聞きました。
今回はアナリスト氏とオフレコでディスカッションもさせてもらったので、それも踏まえて、1.何故トランプが勝ったか、2.これから何が起きるか、3.じゃあ、どうする、について考えてみました。

                                                
1.何故 トランプが当選したか。
何故トランプが勝ったかを考えるのは今回の現象を考える上でヒントになると思うんです。本質的な問題なのか、たまたま、のことなのか。日本では、トランプの当選を労働者階級の叛乱とか言っている奴がいます。本当でしょうか。NYタイムスの出口調査Election 2016: Exit Polls - The New York Timesを見てみます。
●所得階層別の投票行動(2016)(NYタイムス調べ、単位は%)

年収5万ドル未満の人の過半はクリントンに投票しています。トランプの当選が労働者階級の怒りの表れ、とか言ってる奴は表面上のことしか見ていない大バカですよ、大バカ。ただし、前回のオバマ↓と比べると、クリントンへの低所得層の支持が減っていることは確かです。
●所得階層別の投票行動(2012)


しかし2016年の投票では年収5万ドル未満の層の投票総数に占めるシェアは前回の41%から36%に減っています。つまり年収5万ドル未満の層で投票に行った人は前回より減った、ということです。それは得票数の推移を見ても裏付けられます。クリントンだけでなくトランプの得票数も前回、前々回の共和党候補より少ないんです。トランプを支持する人が圧倒的多数ではないんです。とにかく、今回の選挙には右も左もウンザリしていたんですよ!(笑)
●大統領選の得票数推移

米大統領選の得票数、08年と12年を下回る (写真=ロイター) :日本経済新聞



さらに年齢別の投票行動。今回 若い人はクリントンに多く投票していたことは間違いない。しかしオバマの時に比べれば支持が減っている。それと比べれば年寄の共和党への支持は底堅いです。言われてみれば、頭がボケてくれば投票行動は変わらないのかも(笑)。


つまり日本のマスコミや頭の悪い左翼や右翼が言ってる、労働者の反乱でトランプが当選した、というのは間違いなんです。スイングステートで多少は労働者がトランプ側へ動いたかもしれませんが、もっと大きな原因があります。『クリントンがあまりにも不人気で、支持層が投票に行く気すら失せた。』、そして『激戦州の民主党支持層に的を絞ったトランプの選挙戦略(マーケティング)が巧みだった』のがトランプの勝因です。
*偶然ですが、デマとインチキを活用した選挙戦略で悪名高いブッシュの選挙参謀カール・ローブもWSJで同じことを言ってました。ゲロゲロ。http://http://jp.wsj.com/articles/SB10780138144506903447704582441502504068254
●敗因はもう一つ。民主党指導部の油断・無能でしょう。ヒラリーは投票日の数日前まではミシガン州での世論調査も実施しなかったし、ウィスコンシン州に至っては1度も足を運んでいないそうですよ。
「頭のいい」指導部のせいで、米民主党はすべてを失った | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト

2.これからどんなことが起きるか。
候補者が選挙で言ってたことはそのまま実現することはあまりないのではないでしょうか。オバマだってイラクから完全撤退すると言ってたのに、できなかったわけですから。早くも兆しは表れていますが、トランプの場合はもっとあてにならないでしょう。アナリスト氏の話を基にこれから起きそうなことを考えてみました。
(1)ネオコンの復活とオルト右翼の台頭
アナリスト氏によると、トランプは『共和党側の人材とトランプ側の人材を両立させて、それをコントロールすることで自分の権力を保っていこうとする』という話でした。ある種の企業経営と同じですね。それは共和党全国委員会のプリーバス委員長を最高補佐官、自分の選対のトップでオルト右翼の親玉、スティーヴン・バノンを戦略担当顧問として並立する形で起用したのにも現れています。
【米政権交代】トランプ氏、首席補佐官と顧問を起用 党委員長と保守メディア幹部 - BBCニュース
共和党側はジョン・ボルトンなどブッシュ政権にいたネオコン、経済閣僚ではウォール街の人材を推しています。女性やユダヤ人への差別はするけど同性婚はOK、ネオコンティーパーティーやキリスト教原理主義者など旧来の右翼は大嫌いというオルト右翼共和党がどう両立できるのかボクにはさっぱり理解できませんが、どちらにしても最悪ですね。

                                    
(2)バブルの再来
トランプの経済関係の閣僚は元ゴールドマン・サックスとか元ヘッジ・ファンドとかそんな連中ばかり取沙汰されています。トランプに投票した労働者はいきなり裏切られてやんの(笑)。もちろんトランプはウォール街の手先に決まっています。
トランプは『低所得者層への減税と金持ちへの減税をやり、さらにインフラ投資を拡大する』と言っています。その財源がどこにあるか知りませんが(笑)、本当にやったら、一時的には景気は良くなります。現在ドルは高くなり、株があがっているのはそれを期待しているからです。このまま行けば、土地なのか、株なのか、資源なのか判りませんが、いずれバブルが発生し、リーマンショックのようなことがまた起きます。もちろんアメリカの財政も破たんして、結果としてインフレと低成長に陥る。
日経ですら、同じ心配をしています。
トランプ次期大統領の経済再生策は、前例のない巨額減税とインフラ投資が軸となる。ただ連邦政府債務はすでに20兆ドル(約2160兆円)弱と、米財政に余裕はない。成長と財政再建を両立できなければ「トランプ減税」は重いツケを残す。
中略
トランプ氏の税制改革案は1980年代のレーガン政権を模している。同政権は81年に5年で7500億ドル規模の大型減税を決めた。財政赤字のGDP火は2.5%から2年で5.9%まで拡大。長期金利も10%台に上昇し、ドル高が加速した、それが85年のプラザ合意に繋がり、日本のバブル景気とその崩壊を招いた。
巨額減税、危うい賭け トランプ新政権の課題(4) (写真=ロイター) :日本経済新聞

リーマン・ショッククリントン(旦那のほう)の銀行の規制緩和とブッシュの住宅政策(オーナーズ・ソサエティ)とウォール街の腐敗が原因でした。これから12月のイタリアの国民投票や来年のフランス大統領選などの要素で乱高下はするでしょうけど、短期的には高成長・低インフレになる。でもそれはまやかしで、いずれインフレと低成長の大不況になる。前回はバブルが起きて破裂するまで約10年かかりました。今回は放漫財政でアメリカの金庫は空っぽかもしれないから、リーマンのような大ショックが起きても救済資金もないかもしれない。そうなったらアメリカは中国かインドに救ってもらうんでしょうか。それとも究極の景気対策=戦争か?それがヒトラーのパターンですね。
日本も無関係ではいられません。レーガンの財政政策が日本のバブル崩壊、強いては失われた20年につながりました。今回はオリンピック後の国内不況に加えて、アメリカのバブルとその後の大不況をどう考えるか、個人も企業も考えておかなくてはいけないでしょう。一時的に株に突っ込むか、手堅く現金を貯め込んでおきますかね(笑)。

                   
(3)TPPの行方
トランプは、TPPには反対だが2国間交渉は推進したい、というスタンスだそうです。日本の交渉力を考えたら最悪、じゃないですか。例えば国民皆保険はカナダやオーストラリアなど他の多くの国も導入していたから、TPP協定の対象から外れました。だけど2国間交渉なんかやったらどうなるか判らないですよ。TPPの方がまだマシな可能性が高い。堤未果内田聖子など根拠のない理由でTPPに反対していた連中はホント、バカだと思います。
東京新聞より。記事に出てくるマイケル・フリンは共和党側ではなくトランプ子飼いです。より良い条件を引き出せるのなら、二国間交渉は共和党側も賛成するでしょう。属国日本がそれを拒めるでしょうか?
同氏の外交アドバイザーのマイケル・フリン元国防情報局長を国防長官や大統領補佐官(国家安全保障問題担当)に起用することを検討していることが10日 分かった。TPP(環太平洋連携協定)が良いとか、悪いとかではない。トランプ氏は貿易交渉は二国間でやるべきで、多国間協定はだめだと言っている
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201611/CK2016111102000130.html
*フリンは10月に自民党本部で講演をやってます。自民党には目端が利く人間がいるわけです。ちなみに今 フリンにはトルコとの疑惑が浮上しているそうです。そんなのばっか(笑)。
【米大統領選】トランプ氏側近のマイケル・フリン氏、自民党本部で講演 日本政府とのパイプづくりとの臆測も - 産経ニュース
「安倍・トラ会談」が、かなり危なっかしい理由 | トランプ大統領誕生の衝撃 | 東洋経済オンライン | 経済ニュースの新基準

                       
(4)戦争リスクの増大
イギリスのEU離脱にしろ、トランプの大統領就任にしろ、グローバル化にストップをかけるような事態が目立ちます。来年のフランスの大統領選でルペンが選ばれでもしたら、その勢いはますます強まるでしょう。歴史を考えれば、グローバル化ブロック経済化が進めば行きつく先は戦争です。新聞などで取りざたされているジョン・ボルトンのようなネオコンのアホが国務長官にならないとしても、トランプ大統領就任で戦争のリスクが高まることは避けられないと思います。

バーニー・サンダースが語る、トランプ政権の今後とは
僕たちがしなくてはならないことは、政治のプロセスにもっと踏み込んでいくこと。何百万という人が立ち上がって戦えば、声は届く』 日本も同じだと思います。
http://rollingstonejapan.com/articles/detail/27077

●16日 バーニー・サンダース氏と(元ハーバード大教授でオキュパイ・ウォールst運動の理論的指導者と言われる)エリザベス・ウォーレン氏の民主党執行部入りが発表されました。サンダース氏は新設の有権者対策担当、ウォーレン氏は副議長です。今更かもしれませんが、希望が持てるニュースです。

Bernie Sanders And Elizabeth Warren Win Senate Leadership Posts | HuffPost
サンダース氏が米民主指導部入り、上院院内総務にシューマー氏 | ロイター

                    
3.じゃあ、どうすればいい?⇒アホの逆張りをすれば良い!
上にあげた点以外にも社会の保守化や差別意識の高まりなどトランプ大統領の誕生はロクなことが無さそうです。日本でも差別的な風潮が高まるかもしれない。でも何事も物事には両面があります。日本にとって希望はないでしょうか。
トランプ大統領の最大の特徴はアメリカ第一主義アメリ単独主義です。グローバル化への怒りが彼を誕生させたわけです。グローバル化がバラ色の未来とは思いませんが、日本でTPPにまともな根拠なく反対していたアホ連中のように、グローバル化を無条件に否定するのも大間違いです。普通に考えればグローバル化の否定は雇用を減らし、物価を上昇させ、一般大衆の生活を悪化させます。戦争のリスクも高めますその代わりに競争力のない産業を税金で保護してどうするんだよ(笑)。例えば農業だったら農家の収入の半分以上もの補助金と農産物の高い価格を消費者が負担して、農協が儲ける。でも農家にはお金は回らないから、農業の後継者がいなくなる(笑)。
医療や金融は規制を守るべきだと思いますが、一般の産業はグローバル化による市場競争に任せ、その代り、教育訓練や生活保障などのサポートを国が用意する、北欧式の方法が皆がhappyになるやり方じゃないでしょうか。

こうなってくると17日の日経にアメリカのシンクタンクの研究員が寄稿していたように『TPPをアメリカ抜きで発効できるよう再交渉』するのが賢いように思えます米抜きでも価値 米ブルッキングス研究所日本部長のミレヤ・ソリス氏 :日本経済新聞

日本は東南アジア市場へのアクセスという本来 一番期待できるTPPのメリットを享受できるし、アメリカ相手にも交渉力が強まる、というのです。今まで個人的にはTPPはどうでもいいや、と思ってましたが、トランプが就任したからこそTPPを進める、という手はあるかもしれない。TPPに限らず、中国を入れたRCEPも含めて、世界各国との経済的・政治的繋がりを強めるのが日本の安全と平和、繁栄に寄与する最良の手段だと思います。九条守れと言っている人こそ、平和の為にTPPを結べ、と主張するべきじゃないでしょうか。
 
                                              
それだけじゃありません。アメリカやイギリス、さらにフランスで排外主義的な動きが強まるのなら、日本は逆張りをすればいい。性や国籍の差別、ヘイトスピーチなんてもっての外。移民だって受け入れを増やせばいい。
今が千載一遇のチャンス! 日本は民族や性の多様性を認め、オープンな社会を目指していけばいいんです。シリア難民の息子だったスティーブ・ジョブスみたいな、超優秀な人が海外から集まってくるんじゃないですか。そして、所得再分配を進め、教育にお金を使っていく。そうすれば社会の魅力や競争力は高まっていくでしょう。アップルやかってのノキアみたいな高付加価値の企業や産業だって生まれやすくなる。雇用も増えるし、給料も増えます。生産性が上がって少子高齢化だって乗り越えられるかもしれない。世界中で排外主義的なアホや差別主義者のクズどもがボーフラのように湧いてくるなら、日本はその逆を行けばいいんです。今や、日本にとってとんでもないチャンスかもしれませんよ!

最後に、イギリスのEU離脱にしろ、トランプ大統領にしろ、橋下や小池の台頭にしろ、ポピュリズム反知性主義)という面で共通する現象のように思えます。大統領選なんか日本に関係ない、という単純な話ではないです。世界中の先進国が直面している本質的な問題かもしれない。ポピュリズムを退治すべきなのか、利用すべきなのか。反知性主義をどう考えたらよいか。これは長くなるので、またの機会に改めたいと思います。
●本日のトランプ・安倍会談の想像図(笑)


●実際は- - - やっぱり完全に舐められていた(笑)。なんの公職もない娘が会談に同席。これで2か国間交渉なんか出来ると思いますか(笑)。


                   
                                  
                                                   
ということで、今週も官邸前へ。今日の参加者は主催者発表で750人。スーツにマフラーを巻いてちょうどいいくらいの気候でした。気持ちよかったです。
●抗議風景






                               
今週 稼働から40年超を迎えた関西電力美浜3号機の再稼働が原子力規制委員会から認可されました。美浜3号機の運転延長認可 老朽原発2例目 :日本経済新聞 日経が言っている通り 工事増や訴訟リスクを抱えたまま、関電が原発一本やりの経営戦略を取るのは、賢いとは思いません。原発の是非はおいておくとしても、経営面でリスク分散という観点が全くない関電、原発軸の経営戦略継続へ 費用増や訴訟リスクも :日本経済新聞
市場競争にさらされている企業だったら、こういう発想はあるわけないです。こんなところにも競争が無い独占企業の弊害が現れていると思うんです。別に美浜で事故があっても東京には影響ありませんけど(笑)、関電も美浜町もどこかで痛い目に合うんじゃないですか(笑)。

一方 良いニュースもあります。日本から原子炉の輸入を予定していたベトナム原発の建設計画を中止する方向だそうです。経済的事情、住民の環境不安が理由だそうです。

停電がバンバンある電力事情を考えるとベトナム原発を欲しがる気持ちもボクは理解できるんです。そんな彼らでさえ大局的な判断、長期的な視野に立った意思決定が出来た、ということです。カネも人材もある関電はどうなんでしょうか。経産省はどうなんでしょうか。どちらが新興国なんでしょうか。なんか、おかしいですよねえ。
ではでは!