特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『存在の耐えきれない不安』と『1125再稼働反対!首相官邸前抗議』

今週は大地震もあったし、11月なのに雪は降った。さすがに驚きました。歳を取るにつれ天変地異や寒さは身体に応えるな〜としみじみ思います。今日も下半身が冷えまくりです。早くもインフルエンザが流行ってきたそうですし、皆様ご自愛ください。

                                   
この前 また、サントリーホールへ行ったんです。あそこへ行くたびに、ボクは『音が悪い』と文句を垂れてます。ボクが行くのはピアノ・リサイタルばかり、というのもあるんですが、実際 1Fの前の方だと天井が高すぎてピアノの音の反響がいまいちなんです。このホールはよく、クラシックの殿堂とか言われますけど、こんなセコイ音で偉そうにするな、と思っていたんです。要するにボクは、偉そうにしてるものはジャンルを問わず嫌い!なんです(笑)。
今回 たまたまサントリーの佐治氏がいつも座るという席を教えてもらいました。彼自身 音楽が大好きで良く来るそうです。席は別に豪華でもなければ広くもない普通のシートで勿論 他の席と隣り合っています。言われなければ絶対に判りません。ところが、その近辺で音を聞いたら、異様に音がいいんです。上からも下からも音が響いてくる。勿論 ステージも良く見える。当たり前かもしれないけど、そういうことだったんだ(笑)。このホール自体がその席のためにあると言ってもいい。でも自分でカネを出して作ったんだから文句は言えません。ごもっとも!(笑)。ほんとの金持ちというのはこういうもんなんだな〜と思いましたよ。スケールが違い過ぎて笑っちゃうしかない(笑)。ちなみに、ホールに天皇が来るときは、佐治氏はその席を譲るそうです(笑)。



さてプーチン先生の気まぐれ?で年明けの総選挙は雲行きが怪しくなってきました。先週 日本側への窓口だった大臣が拘束・解任されてしまいましたし、http://www.asahi.com/articles/DA3S12661708.html、流れてくるニュースを見ても日ロ会談もまともな成果が出るのか怪しくなってきた。安倍晋三の目論見通り、北方領土が1島でも2島でも帰ってきて、衆院選挙をやられたら改憲間違いなしなので、これは良いニュースです。


                               
今朝の新聞の話題です。朝日朝刊には社会学者の宮台真司首都大学東京教授と政治学者の白井聡京都精華大学専任講師が、毎日朝刊には文芸評論家の加藤典洋早稲田大名誉教授が『トランプの就任と日本の今後』について述べていました。論客ばかりです。3人とも表面上は違うことを言っていますが、実は中身はほぼ同じだったのが面白かったです。
●車が突っ込んで、トランプタワーをぶち壊す! 映画『アザー・ガイズ 俺たち踊るハイパー刑事』より(笑)。度々取り上げているウォール街を告発するコメディですが、今にして思えば、この映画は良くわかってる!としか言いようがありません。

アザー・ガイズ [Blu-ray]

アザー・ガイズ [Blu-ray]


宮台は『トランプ就任を望んでいた』としつつ、その理由を『とにかくアメリカについていけば良いとする日本の対米追従を可視化させるから』としています。短期的には世界的に混乱が起きるだろうけど、『グローバル化への反発は歴史的な必然だから、反発による混乱が起きるのは早いほど、混乱は小さくて済む』としているのは卓見かもしれません。しかし、その混乱が短期的なものであるかどうかは保障はないし、宮台も言っている通り『対米追従以外に政治的資源がない日本』では尚更、その懸念は大きくなると思います。
                    
白井聡はトランプ政権で『対米従属が一層強まる』としています。それは政府も官僚も対米従属以外の意志がないからです。白井曰く『米国が孤立主義に振れれば、日本は対米従属から対米自立へと向かわざるを得なくなる。私も早く自立してほしいと思います。ではすぐにそっちへ向かうかと言えば、官邸や外務省にはそのビジョンも意志もない』。白井が沖縄の基地問題を『私が権力中枢にいたら、「日米安保を断固維持するために、なんとかして地元の怒りを静める」と考えます』と言っているのも、日本のTPP反対派がトランプに期待しているのを楽観的に過ぎる、と切り捨てているのも、全く同感です。

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12674631.html?_requesturl=articles%2FDA3S12674631.html&rm=150#Continuation  
                                                                
加藤典洋は『トランプが政権に就いたら現実的な対応を取るという見通しは、極端な意見で有権者に選ばれた以上 大幅な軌道修正は不可能だろう』と言っています。そうなると『アメリカが同盟国を守る時代の終わりが始まった』ことになります。加藤は今夏の映画『シン・ゴジラは日本は米国の属国というタブーに踏み込んだ』と高く評価しつつ、『トランプは日本にとってのシン・ゴジラである』としています。従来からの安全保障と核問題のタブーが外れるからです。それによって日本の核武装核廃絶を視野にいれた対米自立という二つの可能性が開けるが、もちろん、後者しかない、としています。加藤は『私の大統領ではない』という反トランプデモが繰り広げられるアメリカと今の日本を重ね合わせて、『今の日本は、まるで自分の国ではないと感じる』そうです。

特集ワイド:この国はどこへ行こうとしているのか トランプという嵐 文芸評論家・加藤典洋さん - 毎日新聞
                            
内容は各人各様ですが主旨は共通で、アメリカの属国として生きてきた日本もこれからは自立を考えなくてはならない、と言っています。安全保障も、外交も、原発も、TPPも、今迄は自分で判断せずにアメリカの言うことに従っていれば良かったのが限界に来ている、ということなんでしょう。だけどもう一つ、宮台も白井も加藤も共通しているのは、じゃあ、どうする、というのは特にないことないんです(笑)。そこいら辺が日本の所謂 知識人のダメなところ、でしょうか。現実から遊離しているんです。

                                    
残念ながら、今時点の日本で対米従属以外のオプションがあるのか、ボクはあまり自信がありません。
例えば、今 国会で審議が続いているTPPを例にとって考えてみます。自民党はTPP反対と言って前回の選挙を戦いました。でも、今は強行採決も辞さずに審議を進めていますよね。政府は国民に対して内容を真摯に説明したり、まともに議論をしようとしているとは思えない。TPPにしろ、今日の年金の強行採決にしろ、酷いですよ。

                                                
一方 野党やTPPに反対する市民の側。TPPで国民皆保険が無くなるとか、農業の聖域守れとか適当なデマや言いがかりを並べ立てて反対するだけで、まともに議論を出来る感じじゃありません。連中は変な宗教に入っているか(笑)、国民に負担を押し付けて自分たちの利権を守るための農協の手先にすら見えてくる。

元来 日本の利益を真面目に考えるのなら、トランプが就任する今こそTPPを批准して、アメリカ抜きのTPP発効を目指すかRCEPなどの交渉材料にする、という意見が出てきてもいいはずです。今 批准して将来の交渉材料に使えることはあっても、マイナスになることは殆どないでしょう。もちろんプラスにならないかもしれないけれど、マイナスにはならない。

                                            
結局 現状は政府も酷いけど、反対する側もバカばかりでどうにもならない。TPPだけじゃなく、日本の政治全般に言える問題じゃないでしょうか。

ま、敢えて日本の将来に関する判りやすい答を挙げるなら、日本はアメリカの51番目の州入りを目指すことだ、と思います(笑)。今のような属国よりアメリカの一部の方が遥かにマシ、でしょう。これで基地問題も安全保障も解決する。今 ド田舎の田吾作の言うなりになって頭のおかしい共和党の大統領ばかり選ばれるのに頭にきたカリフォルニアの人たちが独立するという『カレグジット』という動きも出ています「カレグジット」 トランプ氏勝利受けカリフォルニア州で独立運動 写真7枚 国際ニュース:AFPBB News。何だったら カリフォルニアと日本、それにハワイで太平洋合衆国を目指してもいいじゃないですか!(笑)。カリフォルニアの人だって、未だに南軍旗を振り回している保守的な南部の州より、日本の方がまだ、価値観を共有できるでしょ(笑)。

                                                     
感情的な理由でそれがダメだ(笑)というのなら、やはり、一人一人が利口になっていくしかないと思います。政治家も経営者も官僚も、ボクらと大して脳味噌に差があるわけじゃないし、人格が高潔なわけでもない。だったら2、3世代くらいかけて一人一人が賢くなっていくしかない。具体的には全てのことを疑い、左右を問わずポピュリストのデマやヘイトを排除する、そして皆で話し合っていくことでしょう。人々の良識とポピュリズムの拡がりとどちらが強いでしょうか。いずれにしても『世の中には簡単な答なんかない』と諦めること(笑)、いわば耐え忍ぶ(笑)ことが大事だと思います。
                  
ボクも含めて、答えがない、というのは人間不安なものです。それに耐えきれないバカな連中がトランプやEU離脱に投票したり、ネトウヨやバカサヨになったりする。思考停止の方が楽だもん(笑)。たぶん今 先進国に住んでいる人は現在も将来に明るい展望があるわけではないと思うんです。あるのはただ、不安。国も企業もリーダーも信じられないし、もしかしたら自分自身も信じられない。自分の中にある『存在の耐えきれない不安』こそが現代の大きな問題なんだと思います。

●今週 レッドフォード、デニーロ、スプリングスティーントム・ハンクスらがアメリ文民の最高位 大統領自由勲章を受章。あと4年間はまともな人は選ばれないから、今のうちにということですね(笑)。

                            

と、いうことで今週も官邸前へ。今日の午後6時の気温は10度を割っています。今朝 必死の思い?で慌てて真冬の衣類を出しましたけど手袋は忘れてしまった。プラカードを持つ手が冷たい。それにもめげず、今日の参加者は主催者発表で750人。
●抗議風景。空の色が文字通り漆黒です。寒い。





                                         
今週 ベトナムがとうとう原発建設を断念したそうです。多額な建設費用と住民の反対が原因だそうです。三菱重工、ざまあみろ(笑)!

                                          
ベトナムや台湾で脱原発が出来て、日本でどうして出来ないんでしょうね。日本が野蛮だから(笑)? 10年くらい前にベトナムへ行ったとき、現地の人から聞いたんです。ベトナム共産党は60年代の日本の自民党をモデルにしてるって。現実には60年代の日本は原発を推し進めていったわけですけど、国民の意見を聞くという点では今の自民党民進党より遥かに優れていたんじゃないでしょうか。
今の日本ではそういうやり方は『足して2で割る』と揶揄されて、何故か評判悪い。でも 現実に自分が判断に迷うような難しい時は『足して2で割る』は大変優れた判断なんですよ。どっちに転んでも対処できるからです。ゲームみたいな短期決戦ならともかく、人生は長期戦なんだから、負けを少なくするほうが賢いに決まっています。そういう意味でも日本人はもうちょっと賢くならなくちゃいけないと思いますけどね、自分も含めて(笑)。
ではでは!
●その通りです。なんで地震がある度に日本中がビクビクしなくちゃいけないんだよ!