特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『日米地位協定』と『アメリカ大統領選』、 それに『安倍政権の退陣を求める国会前抗議行動』(Final)

この前、渋谷の『くじら屋』へ行ってきました。東京ではクジラ料理はあんまりメジャーではありません。東京の山の手側では、この店くらいじゃないでしょうか。店の前はしょっちゅう通っているんですけど、何十年ぶりかで入ってみました。とっくの昔に店は代替わりしています(笑)。レジにはアカデミー賞を取った反捕鯨映画『コーヴ』に反論するドキュメンタリー『ビハインド・ザ・コーヴ』のポスターが貼ってありました(笑)。
●クジラの天ぷら、ということでしたが空揚げみたいですね。

昔はすご〜く美味しいと感じていたんですが、今食べてみるとそうでもない(笑)。不味いってほどではありませんけどね。でも懐かしかったです。時代は遠くなりにけり、です(笑)。


さて、今に始まったことじゃありませんが、政治はうんざりするようなニュースが続いています。安倍晋三が国会で『私は立法府の長だ』と言った発言が議事録で消されてしまったそうですhttp://mainichi.jp/articles/20160610/k00/00m/010/049000c
中学生でも判る間違いにやっと気づいた安倍晋三(笑)は『単なる言い間違い』と閣議決定して訂正してしまったそうですけど、もう滅茶苦茶ですね。なぜ滅茶苦茶かというと、先日のサミットで世界に大恥をかいた『リーマンショック発言』と同じで、事実を捻じ曲げているからです。右とか左とか意見の違いならともかく、事実を事実として認識できないというのは旧日本軍や中核派認知症患者と同じです。まして行政府の長がその有様、というのは想像を絶するくらい酷いことだとボクは思うのですが、それほど非難する声も上がっていません。慣れっこになってしまったというのもありますが、もしかしたら我々も同類になりつつあるのかもしれません。


沖縄で基地の問題が起こるたび『日米地位協定ふざけんな』と言う声が上がります。確かにボクもそう思います。具体的には伊勢崎賢治氏↓が言っているように不平等条約、それも他国に比べても日本が不利な条件にあることははっきりしています。それを何とかしようともしない政治家や官僚は『国賊』でしょう。



だけど、ボクは地位協定の内容がちゃんとは判らないんです。いくら新聞や本を読んでもTVを見ても断片的な話しか分からない。日米秘密協定があるからどうのこうの、とか言ってる人もいますけど、そんな単純な話で片付くような話ではないでしょう。日本の法体系の中の位置づけはどうなのか、他国と比べて具体的にどうなのか、背景はどうなのか、そういうことまできちんと考えて初めて納得できる。きちんと解説してくれている本があればなあ〜と思ってるんですが、どうも見当たらない。
●非論理的でくだらなかったです↓。頭悪い。

本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (戦後再発見」双書2)

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先日 TBSラジオの荻上チキの番組の『地位協定特集』【Podcast】特集「沖縄で起きた女性遺体遺棄事件をきっかけに、見直しを求める声が再燃。日米地位協定、その問題点とは?~渡辺豪さん×前泊博盛さん」▼5月25日(水)放送分(TBSラジオ「荻上チキ・Session-22」平日22時)を聞いていて、なるほど〜と思ったことがありました。誰の発言か忘れましたが、『今の日本の不透明な司法制度ではアメリカが容疑者の裁判権を簡単に日本に渡すわけがない』、って言うことです。確かにアメリカはずっと日本の司法制度に不信を抱いています。あまり知られていませんが日米構造協議でアメリカは日本の司法制度の透明性をなんとかしろ、とずっと要求し続けました(その文書は米大使館が日本語で公開しています)。その結果 裁判員制度が導入されたんです。
ところが、先日の刑事訴訟法改正で露わになったように、日本の司法制度にはまだまだ問題ありまくりです。取り調べは相変わらず不透明だし、先進国ではありえない代用監獄制度だって残っている日本弁護士連合会:国際人権基準に適った未決拘禁制度改革と代用監獄の廃止に向けて
一方 アメリカの刑事ドラマを見ていると容疑者には取り調べの際 弁護士の同席を求める権利があります。可視化なんて当然なんです。どんな荒くれデカ(笑)でもそれに従わざるを得ない。そういう障害を乗り越えて証拠を見つけていくから面白いドラマになるんですね(笑)。

刑事ナッシュ・ブリッジス シーズン1 [DVD]

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そんなアメリカからすれば、警察が密室で取り調べして有罪率99%なんて国は全く信用できないのは当然です。自国民をそんな野蛮な取り調べに晒すことはできない、というアメリカ側にも一理あります

日米地位協定というのはふざけた話です。だけど我々自身にも問題がある、案外 根が深い問題じゃないかなと思います。アメリカだけの問題じゃなく、これもまた、我々の社会の不条理が凝縮されている問題なのかもしれません。


                       

さてアメリカ大統領選の民主党候補にヒラリー・クリントンが選ばれるようで、普段だったら民主党女性候補が選ばれれば嬉しく感じるんですけど、あまりそういう感じがしません(笑)。イラク戦争への賛成など判断ミスも重ねてきたことや時折見せる、あのドヤ顔が問題なのか(笑)判りませんが、好感度が史上最低レベルに低いクリントン氏とトランプ氏の好感度、歴代候補中で最低 :日本経済新聞のは前途に不安を感じさせます。
●ルックスの事を言ってるんじゃなくて、この人が時折見せる偉そうな表情(笑)が気になります

                                      
そもそもリーマン・ショッククリントン政権時代に、商業銀行に証券業務を兼ねることを禁じたグラス・スティーガル法を廃止したのが原因の一つですから、サンダースの支持者の多くが『ヒラリーはウォ―ル街の手先』と考えるのは当然と言えば当然です。大臣の元政策秘書氏と話した時 彼は『真面目にトランプ大統領の可能性を心配しなければならない』と言ってました。トランプが厭でクリントンに投票する共和党員もいるでしょうけど、それより遥かに多くのサンダース支持者がトランプに流れるだろうから、です。ヒラリーの好感度の低さに加えて、トランプはオバマ・ケアを支持しているし、同性婚や中絶を認めるなど内政では案外リベラルです。確かにそれはあり得る。
サンダース氏はまだ闘い続ける、と言ってます。彼が闘えば闘うほど、ヒラリーは彼のリベラルな政策を取り入れなければならなくなりますヒラリー勝利宣言でも撤退しないサンダースの深謀 | ワールド | 最新記事 | ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト
●今日のサンダース氏の集会。若い人を中心に声なき声を可視化したというだけでもサンダース氏の戦いは大いに意味がありました。日本にもこういう人が居てくれればなあ。

                                        
選挙戦の最中 ヒラリーがTPP反対を言い出したのがその好例です。若者を全く取り込めない彼女の姿に、副大統領候補として超リベラルの本命エリザベス・ウォーレン議員(元ハーバード大教授)の名前が今や公然と取りざたされるようになりました米大統領選、ウォーレン上院議員がクリントン氏支持へ=関係筋 | ロイター。ウォーレン氏はオキュパイ・ウォ―ル・ストリートの指導者の一人です。『ウォ―ル街の天敵』(笑)と呼ばれるこの人がここまで脚光を浴びるとはボクは夢にも思いませんでした。未来を担う若者層に嫌われているヒラリーがサンダース支持者をつなぎとめるにはウォーレン氏かサンダース氏を副大統領にするくらいしか手がないでしょう。体制内だけど手堅い(おそらく)職業政治家ヒラリーとラディカルな理想家のウォーレン氏、女性二人が世界を動かすのをボクは見てみたいです。日本の首相が変わるより、日本にも影響力あるでしょ(笑)。ちなみに安倍晋三も含め、自民党の政治家も役人も、ヒラリーが大統領になったら日本に強引に女性活用を迫ってくる、と マジでビビりまくっているそうです(笑)。


                                         

今日は、金曜官邸前抗議の日ですが、ボクはサボることができない(笑)宴会がありました。どうしても間に合わない。だけど、その後の時間帯の高校生たちの抗議は今日がファイナルです。そちらは間に合う、宴会の終わったあと、おっとり刀で駆け付けました。ボクは仕事関連の宴会ではお酒は一滴も飲まないことにしています。時間の無駄ですから。

                                         
ビシっとスーツを着込んだボク(笑)が国会前に着いた時はちょうど『学者の会』から高山京大教授(刑法)がスピーチを始めるところでした。スーツ姿のまま、何気ない顔で写真を撮りやすい報道陣の場所へ入り込みます(笑)。高山教授はいい感じの人でした。
●議事録改竄は犯罪!と高山教授


                                     
今日も集まっていたのは800人くらいでしょうか。高校生たちが表に出て、SEALDsの大学生たちが裏で手伝っているのは相変わらずです。でも見ていると、運営は高校生たちが中心になってきたと思います。参加者は3パターン、若い人(学生、ママの会、一部OL)、ボクのような官邸前抗議との掛け持ち組(自由業を中心とした中年層+年配層)、ヒステリックな安保ジジイ・ババ(笑)。最後の人たちは何の役にも立ちませんが(笑)、若い人たちが声を挙げ始めたのが希望です。山尾氏が言っている通りです↓

今日流れていた、こういう記事↓を見ると情けなくなります。頼むから足を引っ張らないでくれ。こういう連中はきっと自分で自分の事を正しい、と思っているのでしょう。だから何をしてもいいと思っている。安倍晋三と頭の構造は変わりません。こういう、とことん頭が悪い連中が日本の社会を退化させてきた。

でも、こういう子たちが希望です↓。おかしいと思ったら、稚拙でも声を挙げる。誰かに言われた通りじゃなく、自分の考えを表現する。だから間違っていたら反省したり、修正することができる。誰かのせいにしない。自分で責任を引き受ける。その繰り返しが世の中を変えていく。サンダース氏が言う『Political Revolution』は一人一人の心の中にあると思います。高校生たち、ありがとう。また、一緒にやりましょう。
●抗議風景