特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

読書『主権なき平和国家 地位協定の国際比較からみる日本の姿』と『1201再稼働反対!首相官邸前抗議』

もう12月が始まってしまいました。
忘年会があるというだけで、前の週から確実にユーウツになります。金を払って、つまらない時間を過ごす。あくびを押し隠しながら、にこにこ作り笑いをして、ウーロン茶だけ飲んで2時間過ごす。宴会なんて時間の無駄、としか言いようがないじゃないですか。翌日は眠いし、間違って食べ過ぎでもしちゃったら翌週くらいまで体調が戻らない。まさにバカ丸出しです。散々断りまくっているボクですら、こんなバカな催しが毎年2、3回もあります。大変な人はもっと大変でしょう。こんなバカなことを12月は日本中でやってるんだから、この国は救いようがないと思います。もう、いや〜(笑)
●例えば 日中を比べても既にマスコミの知的レベルは逆転しています。国民もそれを認めるバカばっかりです。フェイクニュースが流行るわけです。まあ、中国だって忘年会はやっているかもしれませんが(笑)。



さて、軽い読書の感想です。『主権なき平和国家 地位協定の国際比較からみる日本の姿

主権なき平和国家 地位協定の国際比較からみる日本の姿

主権なき平和国家 地位協定の国際比較からみる日本の姿

国連PKOに長らく加わった伊勢崎賢治東京外語大教授、南スーダンの日報問題を暴いたジャーナリストの布施祐仁氏の共著です。どちらもそれなりにバイアスがかかっているのでそういうつもりで読まなくてはいけない人たちですけど(笑)、特に紛争の現場を知っている伊勢崎氏の言うことにはなかなか説得力があるとボクは思っています。


内容は『1.刑事裁判権』、『2.基地管理権』、『3.全土基地方式思いやり予算』、『4.国連PKO地位協定』、『5.日米地位協定改定案』についてです。具体的には日米安保条約の下で、米軍の日本での行動を規定する日米地位協定を他国と比較して、その不平等性について述べたものです。例えば、こんなことが指摘されています。


韓国や敗戦国であるドイツ、イタリア、イラクよりも日本は不平等な地位協定を結んでいること』、
他国政府は地位協定の改善を進めてきたにもかかわらず日本政府は交渉すらしようとしないこと』、
日本はジブチアメリカと同様の不平等な地位協定を押し付けており、ある意味 日本も同罪であること。また自衛隊が海外で犯罪や事故を起こした場合も、日本には法律上は軍隊である自衛隊を裁く法律がないこと』、
地位協定を改善していくには何よりも国民世論の盛り上がりが必要であること



それぞれの記述は国内・海外も含めて実例ベースですし、根拠となる資料も明示されていますから言っていることは納得できます。同じようなテーマを論じても、最近時々目にする矢部宏治のようにまともな根拠も示さず、非論理的に一方的に決めてつけているのとは違います。この本では紛争の現場に立って修羅場を経験してきた伊勢崎氏と情報公開制度を利用して資料を発掘してきた布施氏がうまくかみ合っています。


読んでいると、いかに日米地位協定が韓国やイラクと比べても不平等か、たとえば性犯罪などが頻発しているにもかかわらず米兵を日本は裁けないし、米軍も半分程度しか起訴していない、やりたい放題状態になっていること。その一方 韓国やイラク、イタリア、ドイツなどは国民世論の後押しで政府は米国と交渉を続け、地位協定の改善につなげている。しかし日本政府は改善の交渉に消極的なことが良くわかります。おまけに思いやり予算で世界で最も米軍に金を払っている(失笑)
●例えば本書には布施氏が情報公開で得たこんなデータが出ています(表はボクが作成)。日本側に裁判権があるケースでも、日本政府は米兵を裁くことに消極的です。
★2001〜2008年の一般刑法犯の起訴率


ただし、伊勢崎氏と布施氏は今後の方向性については意見が異なります。この本でははっきり書いていませんが、伊勢崎氏は『憲法9条を改正して軍隊の存在を認め、NATOのように日米の互恵性を確立した上で地位協定を改定すべき、その上でPKOに積極的にかかわるべき』と旧著やtwitterなどで発言しています。布施氏は『憲法はそのままで地位協定の改善を図るべき』という立場かな。伊勢崎氏は日本は平和的手段にこだわりつつ集団的安全保障も認めるべきだという人です。この本ではそういう二人の立ち位置がはっきり書かれていないので、この本しか読んだことがない人は判りにくいし、混同する可能性があります。


そんな二人の最大公約数として、この本は『基地負担が沖縄に押し付けられたことで日本国民は不平等な日米地位協定に無関心になっている』、『国民世論の盛り上がりがあれば地位協定の改善はできる』という主張に絞ったということなんでしょう。それ自体は異論がありません


個人的には地位協定についてはちゃんとした学者・研究者が各国を比較したものを読みたいと思います。この本は判りやすく信頼のおける例が挙げられていますが体系的ではないので、この本だけ読んで自分の意見を決めてしまうことは出来ません。が、平易で読みやすいし、ソースは信頼できるから議論を始めるには良い本だと思います。他の本も読まなきゃだめですけど(矢部宏治や堤未果みたいなのはダメ)(笑)


右左ともに安全保障に関する議論がないからこそ、首都圏上空の半分を米軍が管轄し、米軍機の事故や米兵の犯罪が起きても日本の警察は指一本ふれられない、やりたい放題、という現状になっているわけです。だからボクが西日本から帰ってくるときは羽田に遠回りして降りなきゃいけない😅。


でも 日本人に国の主権を持つ資格があるんでしょうか。そもそも選挙の棄権者が5割近いことが示しているように国民の多数は当事者意識を持っていないし、北朝鮮への強硬論がはびこっているのが示しているように昨今の日本人は夜郎自大になるばかりで自分の頭で考える能力も乏しそうです。日本なんて国の主権や独立は諦めて(笑)、アメリカの51番目の州になるのが最も良い手段だとボクは思っています。そりゃあ、アメリカだって問題があるけど、安倍晋三一派のネトウヨ大日本帝国(兼アメリカの属国)よりは、アメリカの51番目の州のほうが遥かにマシじゃないですか。アメリカだって酷いもんですけど、日本ほど歴史や事実を捻じ曲げようとはしないし、まだ論理的です。トランプのようなクズだって、少なくとも何を言っているかは判りますから(笑)。



ということで、今週も官邸前抗議へ #金曜官邸前抗議
めっきり寒くなりました。今日の午後6時の気温は11度。また官邸前抗議も寒くなるなーと思ったけど、もう6年やってるわけです😄。少なくとも再稼働を遅らせる効果はあったと思いますからいいんですが、いつまでやらなきゃいけないんだろう。ずっとか?はは😅。まぁ、いいです🤗
今日の参加者は450人。

●抗議風景




今週29日の水曜 毎日新聞が 『もんじゅ」は廃炉の際 原子炉容器内を満たしている液体ナトリウムの抜き取りを想定していない設計になっていると、日本原子力研究開発機構が明らかにした。』と報じました。

もんじゅ:設計、廃炉想定せず ナトリウム搬出困難 - 毎日新聞


これだけでも びっくりしたんですが、その翌日の30日 福井新聞が『原子力規制委員会の更田豊志委員長は29日の定例会見で、「もんじゅのナトリウムの取り出しは難しい」との認識を示した。』と続報を報じました。

規制委員長「取り出しは難しい」 もんじゅ1次系ナトリウム | 原発 | 福井のニュース | 福井新聞ONLINE


一方 原子力研究開発機構国立研究開発法人日本原子力研究開発機構は29日 毎日の記事について『誤報であり、抗議する』、その翌日 毎日、福井両新聞の記事について『技術的には取り出しは可能』という声明を出しています。
29日の原子力機構の言い訳https://www.jaea.go.jp/about_JAEA/article/2017/112902.pdf
30日の原子力機構の言い訳https://www.jaea.go.jp/about_JAEA/article/2017/113001.pdf

どっちがどうなんでしょう。双方の言い分を読んで判るのは、『ノーマルなやり方ではもんじゅのナトリウム全てを取り出すことは出来ない』、『取り出しは技術的には可能な見通しはあるが 詳細はこれから検討する』ということです。
もんじゅの設計時に廃炉のことは十分に想定していなかった』のは確かなようです。どうりで29日に『毎日は誤報』と強い調子で反論していた原子力機構が、翌日にはただ『技術的に取り出しは可能』と表現が後退した訳です。原子力機構は強気に出てごまかそうとした、と受け取られても仕方がないですよね。


原子力開発機構の言を信じれば、現在 もんじゅの中にあるナトリウムはそれほど高い濃度ではないようです。不幸中の幸いです。ただし、それは相次ぐトラブルで何十年も運転が出来なかったからで、運転していたら、それこそ大変なことになっていました。廃炉のことを考えずに原子炉を設計する、驚くべき無責任体質です。連中は机の上の勉強はできるんでしょうけど、一般常識を欠いた大バカ としか言いようがありません。恐ろしい連中です(笑)。こんなバカで無責任な連中に危ない物を任せるなんてとんでもないじゃないですか。でも、こういう木を見て森を見ず、のマヌケが日本中に大勢いるんだろうなあ。
●外務省前の坂道は銀杏の黄色い絨毯が広がっていました。