特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

読書『対米従属の謎』と『0224再稼働反対!首相官邸前抗議』

今日から早帰りを推奨するプレミアム・フライデーなんですって。そんなのまったく関係ないよ(笑)。役所がそんなことの音頭を取るのは実にバカらしいと思いますが、クールビズも結局 役所が音頭をとったから広まったという面もありました。今時ネクタイ締めて仕事してるなんてヨーロッパと米東海岸だけで、経済の中心のアジアや米西海岸はネクタイなんか誰も締めてねーよって。クソ暑い日本の夏にネクタイ締めるなんて文字通りアホ、なんでしょうけど、結局役所頼みだった。自分も含めてですが、日本人ってホント、情けない。

                    
最近は段々寒さも緩んできて三寒四温、いや、四寒三温みたいな感じです。時間が過ぎるのは早いです。20代の時から毎日 定年を指折り数えてるから、齢を取ってきて時間が過ぎるのが早いのは嬉しいけど、定年後はゆっくり時間が過ぎて欲しいなあ(笑)。
●今週水曜日、夕陽に映る富士山のシルエット。冬の澄んだ空気もそろそろ見納めでしょうか。

                                    
しかし大阪の国有地払い下げの件は酷いですね。9億円の国有地を『安倍晋三記念小学校』を立てようとしたネトウヨにタダ同然で払いだした『事件』も酷いが、報道も酷い。先週 朝日新聞がスクープしましたが、NHKの夜7時のニュースが報じたのはやっと今週半ば。それまではどうでもいい金正男の暗殺の話ばっかり。TVばっかり見ているとアホになるという典型でした。アホと言えば名誉校長(笑)と一緒に、嬉しそうに写真に写ってた三宅洋平とかいうバカが居たなあ(笑)。

                             
さて、本の感想です。読書『対米従属の謎

著者の松竹信幸氏柳澤協二(元内閣官房副長官補・防衛庁運用局長)伊勢崎賢治(東京外国語大学教授)植木千可子(早稲田大学大学院教授)冨澤暉(元陸上幕僚長)などの各氏が加わっている『自衛隊を活かす会』の事務局長をやっているジャーナリストです。

米軍の基地の問題米兵が犯罪を犯しても日本側が裁けない問題、それにNATO諸国や韓国より遥かに高い駐留米軍の費用負担米軍が東京の西半分の空をコントロールしている問題など、日本はアメリカの言いなりになっていると良く言われます。ボクも同感です。でも、なぜそうなっているのか、メカニズムをまともに説明してくれたものって見たことがないんです。防衛関係の日米の官僚が集まって開いている『日米合同委員会』のせいだ、と言う人もいますけど、ボクにはさっぱり理解できません。一応 日本も法治国家なのに、たかが官僚の会合がそんな大きな力を持てるはずがないじゃないですか。持ってるとしたら、単に政治家が官僚をマネジメントできないだけでしょ、と思うわけです。
●これなんか論理性に欠けた本でした。お金出して買ったから根に持ってます(笑)

本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (戦後再発見」双書2)

本当は憲法より大切な「日米地位協定入門」 (戦後再発見」双書2)

対米従属の謎』は、日本と米国との防衛面での関係を歴史的経緯、法的な面、法運用の面、同じ敗戦国ドイツやイタリアと比べてどうなのか、ということを探った本です。
例えば公務中 事故や事件を起こした米兵への裁判権は日本にはありません。しかしNATO諸国は敗戦国であるドイツやイタリアも含めて、米兵への裁判権を持っています。この違いはどこから生じているのでしょうか。
この本は以下のようなことを述べています。
●歴史的な経緯
1.ドイツは連合国の共同占領だったのに対して日本は実質アメリカの単独占領だったため、アメリカが自国に都合が良い仕組みで統治ができた。
2.戦後のドイツやイタリアでは保守と言えども戦前の体制を否定する政治家が大勢だったが、日本は必ずしもそうではなかったため、日本側はアメリカに強く意見を主張できなかった

●法的な面
・安保条約制定の際、NATO諸国は裁判権は自国に属すると言うことをアメリカに対して意思表示したが、日本はNATOなみということを示しただけで意思表示をしなかった。

●法運用の面
・近年 日本政府は平等な運用を行うことに消極的になっている。例えば同じ日米地位協定下にあっても68年に九州大に米戦闘機が墜落した際は米軍の事故現場立ち入りは不可能で、日本が単独で調査した。77年に相模原に戦闘機が墜落した際は日米共同で調査した。近年の沖縄での事故のように米軍が単独で調査し日本側は立ち入りすらできない、というのは日本側が意志を示していないからである。

                                             
要するに日本側がしっかりアメリカ側に要求をしていないところが問題であるというのですね。これなら理解できます。日米合同委員会と言っても、外務省の局長レベルがトップという委員会が政府や官庁全体を動かしているなんて法的にも有り得ないし、荒唐無稽な話です。そもそも上下関係に敏感な官僚がそんなこと認めるわけないじゃないですか(笑)。

                          
では、なぜ日本側が意志を示さないのか。著者は日本の防衛戦略が米軍の核抑止に頼り切っているからだ、としています。有事の際 日本をどう守ったらいいか、『米軍に任せる』『最後は米軍の核に任せる』以外の選択肢を国として持っていないから、過度に米軍に頼るのだと言うのです。
例えばNATOでは敗戦国のドイツやイタリアも含めて、アメリカが核を使用する際は自国が関与する仕組みを持っています。自分も責任を持っているんですね。しかし日本は核抑止に頼っているくせに核の問題は議論すらなされない。左右を問わず、日本には自国の安全保障戦略がないことが諸悪の根源だ、と著者は指摘しています。

著者は専守防衛の原則に立って通常兵器の抑止力を充実させる』、『テロには核抑止力は役立たないのだから、アジア地区では核先制不使用を宣言する』と言った我が国なりの安全保障戦略を明確にしたうえで、米国に対して自立を図るべきだ、としています。

 
この本に書いてある、『日本が米国に従属しているのは日本に自立する意思がないからだ。だから自国の安全保障を真面目に考えないのだ』、と言うのは非常に納得できました。こう考えると政府の側の『米軍に任せておけばいい』という発想も、反対する側の『平和を守れ、憲法9条を守れ』だけも無責任さでは変わらないように見せます。安保法制や秘密保護法の成立を後押ししたのは、反対する市民側の『平和を守れ、憲法9条を守れ』で思考停止している態度じゃないか、とも思うんです。政府側は米国従属という一応の解を出しているのに対して、反対する側はナショナリスティックな感情論や抽象論ばっかりで、きちんとした代案は出してないじゃないですか。あ、ボクは代案ありますからね。日本はアメリカ51番目の州になればいいんです(笑)。

 
以前からアメリカは日本に米兵の裁判権を渡さないのは、代用監獄のように先進国ではありえない野蛮な刑事司法制度に自国民を委ねることはできないからだと主張しています。これは向こうの言い分の方がどう考えても正しいです(笑)。実際 日米構造協議でも日本の行政・司法制度の不透明さが問題になって、パブコメ裁判員制度などの制度が導入されました外圧で国内の制度が変わっていくって鹿鳴館時代と変わってないんですよ(笑)。
結局 安全保障も司法も行政も日本人はお上の言いなりなんですね。日本人が政府に従属している限り、同時にアメリカに従属し続けなければならないのだと思います。


この本は条文などの部分は多少読みにくいところもありますが指摘はいちいち具体的で、ボクは今まで読んだ日米関係に関する本で、初めてまともな話を読んだ気がしました(笑)。ベストセラーになった白井聡の『永久敗戦論』と同じくらい良かったかもしれません。機会がありましたら是非どうぞ。著者らの『自衛隊を活かす会』の関連本をもう少し読んでみようと思いました。




ということで、今週も官邸前へ。
陽も長くなり、多少は暖かくなったとは言え、まだまだ風は冷たいです。午後6時の気温は8度。参加者は主催者発表で750人。
●抗議風景




                           
おざなりな避難計画のまま、昨日 川内原発2号機が再稼働されたのは腹立たしいです。地元の人はどう考えているんでしょうかね。

●23日のニュース。注目されている柏崎だってこれですからね。


前回のエントリーで『東芝の行く末』と映画『ニュートン・ナイト 自由の旗をかかげた男』 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)東芝には現在発表されているもの以外にも3つのリスクがある、と書きましたが、早くも今週22日、そのうちの1つがさく裂しました(笑)。『WHがアメリカ ジョージア州で建設中の原発の建設が遅れており稼働が遅れる』と、発注元の電力会社が発表したのです。

東芝、米ジョージア州の原発2基も工期遅れ 3~6カ月 :日本経済新聞
                       
発注元の電力会社は『(契約には)追加費用はWHが引き受ける価格固定条項がある』とも述べています。東芝米原発で既に7000億の損失を出していますが、更に損失が膨れ上がる、と言うことです。

                   
そして今日、さっそくWHの倒産の可能性が、各紙で報じられました。

東芝、ウエスチングハウスの米破産法申請も選択肢 :日本経済新聞

                          
もう、にっちもさっちもいかないってことでしょう。でも東芝は損失とは別に、WHに8000億の債務保証もしてますからね(笑)。これから米国や中国の原発で新たに幾ら損失が出るのかはまだわかりませんが、東芝という日本有数の大企業は文字通り原発に血を吸われているかのようです。自業自得とは言え、社員はやってられないでしょうね。あと取引先は罪もないのに値下げ要求で苛められてるだろうなー。そっちはお気の毒です。


今日も先週に続いて、官邸前抗議のあと国会前で『#稲田は辞めろ』の抗議があったのですが、友達と遊ぶ約束があったので、そちらは欠席です。嘘つき大臣への抗議は全国各地に広がりつつあります。


●デモの後のいちご入りシャンパン。写真撮る前に一口飲んじゃった(笑)。



●おまけ:厚労省が保育園で3歳児に君が代歌わせるんだって。大阪の安倍晋三記念小学校どころじゃありません。ネトウヨ国家にするつもりかって。抗議のパブコメの締め切りは3月15日

パブコメ送り先: パブリックコメント:意見募集中案件詳細|電子政府の総合窓口e-Gov イーガブ


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