特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『沖縄への差別』と読書『ちゃぶ台返しのススメ』、それに『1021再稼働反対!首相官邸前抗議』

近頃 コンビニの店員さんは外人さんが多い、とは良く聞きます。地域にもよるかもしれませんが、ボクの勤務先の周りのコンビニは確かにそうです。中国だけではなく、パキスタンとか東南アジアなど多種多様な国の人がいるみたいです。昨日 コンサートのチケット発券のために寄ったコンビニで、高良健吾君に似たハンサムな店員さんが居たので名札を見たら名前はヴィーさん、きっとベトナムの人です。農業や漁業にしろ、サービス業にしろ、今や外国の人が居なければ成り立たなくなっています。
抵抗がある人もいるかもしれませんが、習慣やコトバ、感覚の面で違いがあったとしても、そこはお互い対話して共存していかなければしょうがないですよね。だって外国の人がいなければ日本の社会自体が成り立たないのが現実です。今日のお昼はカレーを食べたのですが、隣のテーブルで中国語をべらべら喋っていた若い中国人の女の子たちが注文の時はパキスタン人の店員と日本語で会話していました。世の中、最早 そんなもんです(笑)。
●里芋とチキンのカレー、チャイ付きで780円。安くて量があるこの店は凄く混んでます。

                                       
ボクは20代の頃、沖縄には仕事で随分通っていました。散々泳ぎました(笑)。海兵隊と潜り比べもした(笑)。仕事でも中部、北部はそれこそ隈なく回ったつもりです。商売の話をしながら、現地の人と色々なお話をしました。その程度で沖縄のことを判っているつもりはありませんが、まるっきり外国みたいだ と思いました。空気も匂いも風土も違うし、人の気質も本土と全然違う。良い悪いじゃなくて、違う、んですね。好き嫌いで言えば、大好き(笑)。
                                          
ビジネスでは厳しいところもありますけど(笑)、こんな楽園みたいなところで血まみれの戦争なんかやったのは本当にバカ、と思いました。米軍が上陸したら、日本軍は電光石火で無条件降伏すれば良かったんです。軍のリーダーたちには住民を守るためにさっさと降伏する責任があったはずです。第2次大戦の欧州ではドイツ軍ですら、パリやローマのように『無防備都市宣言』をして流血・破壊を防いだ例がありました。パリの独軍司令官コルティッツはユダヤ人虐殺にも加担した男ですが、ヒトラーの命令に背いて文化財と多くの市民を戦争の巻き添えにすることを拒否しました。イタリアを守っていたケッセルリンクも戦わずに撤退してローマを戦禍から守りました。同じ日本軍でもフィリピンを守っていた山下奉文は、一度はマニラを無防備都市宣言しようとしたそうですから、判っている人は判っていたわけです。ただ山下の場合は結果として大失敗、大虐殺まで引き起こしてマニラを廃墟にしてしまい、それこそ末代まで現地の人に恨まれているわけですが。
沖縄戦は本土決戦のための時間稼ぎとか尤もらしい言い訳が言われていますけど、日本軍の司令官、特に総司令官の牛島満は大局が読めなかった大バカ、判断を誤りリーダーの責任を果たせなかった犯罪者、とボクは考えます。リーダー個人の人格とか善意なんか関係ないんです。狭い視野に捉われたバカ将軍の判断ミスで国民を守るどころか巻き添えにして、今日にまで多くの人々の人生に悪影響を与えているんですから。
                                               
ボクが沖縄に通っていた頃 拠点の責任者(本土出身)が本土資本の競合との販売競争で『薩摩の犬に負けるな』(笑)と部下に激を飛ばしていたのが印象に残っています。勿論 彼は冗談交じりで言っていたんですが、そういう言葉がある程度説得力を持ってしまう歴史が沖縄にはあります。鼓舞された現地の若い子なんかは本気で受け取っていましたからね(笑)。それまで独立国だった沖縄が日本本土(薩摩藩)に征服されて以来 本土は約400年間 沖縄を常に差別的に取り扱ってきました。例えば沖縄では多くの人が薩摩支配当時の人頭税がどんなに酷かったか知っている、と言うより『覚えて』います。本土の殆どの人は聞いたこともないと思います。それだけじゃありません。ちょっと前まで本土に渡った沖縄の人たちを本土の人たちはどう扱ってきたでしょうか。就職や結婚の差別がなかったとでもいうのでしょうか鶴見や大阪の沖縄人街は周りからどういう風に扱われていたでしょうか差別した側は簡単に忘れるかもしれませんが、差別された側は世代が替わっても覚えている、そんなもんです。
●1903年、大阪で開かれた第5回内国勧業博覧会の会場で「7種の土人」として、朝鮮人や台湾先住民、沖縄県民らが見せ物として「展示」される「人類館事件」が起きた。「土人」発言は何が問題なのか 大阪で沖縄女性らが見せ物にされた人類館事件 | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス

本土から押し付けられた差別や戦禍、そんな歴史を考えれば、たとえ米軍基地の問題がなくても、沖縄は日本から独立した存在であるのが自然じゃないでしょうか。ボクが沖縄生まれだったらそう考えるからです。勿論、実際は沖縄の人たちが選ぶことですが。

                                        
この前 高江の警備に動員された大阪府警の警官が反対派の人に『土人』とか『シナ人』と暴言を吐いたのは、許しがたい話です。それを弁護した大阪府知事の松井のアホも同罪で、彼らのなかには沖縄の人への差別意識が根底にある。文明国なら、公職者がこのような差別発言をしたら一瞬でクビになるのが普通だと思いますが、そういう声があまり高まらないというのも、差別に対する暗黙の支持が本土の人間の中に少なからずある、ということではないでしょうか。実に恥ずかしいことですけれど。
●「土人」発言、鶴保沖縄相「間違いと言う立場にない」:これも恥ずかしい。これでも沖縄担当大臣かよ! (産経、時事はこの部分を端折って報じています)
*朝日
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161021-00000040-asahi-pol
*産経&時事
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161021-00000521-san-pol                     http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161021-00000042-jij-pol                       
                                         
沖縄に限らず、日本に巣食う差別意識が、近年ますます目立つようになってきたと思うんです。経済が不安定になってきて日ごろの不満を他人のせいにする人が増えている、ということなんでしょう。このまま行くと世の中はどのようになってしまうのか考えざるを得ません。こういう問題は間違いなく、明日は我が身なんですから。
●87歳で車椅子、心臓に持病がありながらも、高江で抗議を続けている島袋文子さんの取り調べが今日行われたそうです(怒)。高江に押しかけている恥知らずの売国クズ右翼が島袋さんに手を払われたとして暴行で訴えているからです。ドキュメンタリーで沖縄戦の経験を語っていた、この人のことは他人事とは思えません。

                     

ロマン優光は写真真ん中、黒猫の人

盗んだバイクで天城越え

盗んだバイクで天城越え

            
                                                     
さて、先週 日曜夜の『NHKスペシャル マネー・ワールド 資本主義の未来』第1回NHKドキュメンタリー - NHKスペシャル マネー・ワールド 資本主義の未来(1)世界の成長は続くのかにも出演していたフランスの経済・歴史学者兼EU復興銀行の元総裁のジャック・アタリ先生、ちょっと前に読んだ彼の『ちゃぶ台返しのススメ』の内容が印象に残っているので、ちょっとまとめてみたいと思います。これから先 どんな時代になっていくのか考えるうえで、ボク個人として非常に参考になったからです。当面の時代の見立てとして、彼はこんなことを言っています。

これからの時代は国家の無力化が進んでいくだろう。企業の力が増大し民主主義を脅かしている(コーポラティズム)一方格差は広がっているにも関わらず国家、先進国の多くは財政危機で社会福祉を削らざるを得ない状況になっている。技術進歩は利便性をもたらす半面、富の格差や失業も拡大させる。新興国では人口問題や貧困の問題でテロや過激思想の温床が広がっている。それに対して国連その他の国際機関も有効な調整機能を果たしえない。当面は『国家のソマリア化(無政府状態)』が進んでいくだろう。
一方 それに対して市民の側には『甘受者』が増えている。彼らは危機から眼をそむけ、政治家や企業に要求だけをする人々である。政治家はそれを自分の勢力拡大の為に利用し、危機はより深まっていくだろう。
                                                     
あんまり、明るい未来じゃなさそうです(笑)。残念ながら これから暫くは流血の事態が増えてくる時代の様です。格差や経済の問題だけではありません。特に日本は中国、ロシア、アメリカが角錐するという世界でも稀な地理的な条件にあります。ボクは軍備だけで平和が守れるとは思わないし、アメリカ一辺倒で安全が守れるとは思いません。でも九条守れ、だけで平和が守れるとも思いません(笑)。これからの安全保障だって、どうしたら良いのか考えてしまいます。
市民の側も問題です。アタリ先生の言う『甘受者』です。右とか左とか関係なく、そういう風潮は良く見かけます。情報や言説に踊らされるばかりで、何が問題か、自分に何ができるかをあまり考えようとしない。
日本で言えば、ネトウヨや極端な排外主義に陥っている人、その反対の側だって、カネの事を考えずに即時原発を廃止しろと言っている人や訳の分からない理由でTPPに反対している人も同類、と思います。原発補助金で地域振興とか未だに言ってる連中や、ただ増税に反対するだけの人もそうみ〜んな、要求するのはいいけれど、その後どうなるかを真剣に考えてない。

                                       
じゃあ、どうしたら良いか。アタリ先生はこう、指摘しています。現代は過去のルネサンス(文芸復興)にも似た、創造的な文化が生まれている時代だ、と言うのです。確かにこれもうなずけます。映画や音楽などのポピュラー文化、PCやIT関連の新しいツール、AIやバイオなどの技術、確かに新しいものが出てくるスピード、量ともすさまじいですよね。アタリ先生は、そういう時代だからこそ、市民一人一人がより主体的に生きていくべきだ。そうすることで新たなルネサンスを作り出せるのではないか、とも言うのです。政党や組合や国家には頼らない、一人一人がもっと自分で自分の人生をコントロールするのを目指していくことで、世界のソマリア化を防ぐことができる、というのです。彼の見通しでは世界がソマリア化から脱却できるのは今世紀後半ですが(笑)。

                          
今の世の中の本質的な問題は『コーポラティズム(企業・金持ち優先の資本主義、縁故資本主義)』『甘受者の増加』だとボクも思います。民主主義がカネの力で歪められているのに市民の側は危機に眼をつぶって、アホな自己満足にふけってばかりいる。それでは問題は悪化するばかりです。安倍晋三ネトウヨやバカサヨ、大企業だけが悪いんじゃありません。真の問題は一人一人の生き方や心の中にあるのだと思います。

                                                   
10年近く前 ベストセラーになった『21世紀の歴史』などアタリ先生の今までの著作と比べて言っていることが大きく変わっているわけではありません。彼が言っていることは正しかった、というより、現代の本質的なことを突いていた、とボクは理解しています。

21世紀の歴史――未来の人類から見た世界

21世紀の歴史――未来の人類から見た世界

ちゃぶ台返しのススメ』は一般向け啓蒙書ということもあって、内容が整理されていて非常に判りやすい。ただ 本の前半と比べて、人物紹介が延々と続く中盤がかなり酷いので、買う必要はないと思います。図書館にあったら、また本屋で見かけたら、まえがきと第1章数十ページ、あと末尾の数ページを立ち読みするのがこの本の正しい使い方です(笑)。
本の題名『ちゃぶ台返し』とは英語で『Upturn the tea table』、任天堂の役員がスピーチで使ってから欧米でも広がっているコトバだそうです。
今 日本という国に生きる、のは、結構デンジャラスです。呑気に暮らしているボクですら、毎日が綱渡り、と感じます。油断すると後ろからバッサリやられる。一応 これでもストレスで身をすり減らしてるんです(体重は減らないけど)(笑)。そんな不安定な時代だからこそ誰かの言いなりでなく、常に自分の頭で考えてないと実に危ない、と改めて思いました。

●映画評論家の町山智浩氏のツイート。ブラック企業どころじゃなく、ブラック国家ですよ。


                                     
そうそう、『NHKスペシャル マネー・ワールド 資本主義の未来』の第2回、第3回は今週の土日の夜に放送されます。『コーポラティズム』と『格差』を取り扱うみたいです。
NHKドキュメンタリー - NHKスペシャル マネー・ワールド 資本主義の未来(2)国家VS.超巨大企業
NHKドキュメンタリー - NHKスペシャル マネー・ワールド 資本主義の未来(3)巨大格差 その果てに


蓮舫が米山新潟県知事の選挙応援に行ったことで、民進党の野田が原発推進の連合新潟に謝罪。野田も組合もクズ!

http://www.47news.jp/photo/1454438.php



と、いうことで、今週も官邸前抗議へ。
午後6時の天気は19度。スーツを着て丁度いい気候です。一昔前まで『デモには逃げやすい恰好で行け』と言われていました。訳もなく警官が襲ってくることがあったからです。反原発デモでも初期のころはそう言うことがありました。ボクの眼の前でも、警官がデモの隊列を取り囲んで周りから見えにくくしたかと思うと、ただ歩いていただけの外国人のおじいさんを捕まえて道路に押さえつけ、額から血を流したおじいさんがしょっ引いていかれたのを見たことがありますまた、夏が終わる:9.11新宿・原発やめろデモ - 特別な1日(Una Giornata Particolare)
ところが今は違う。お年寄りも子供連れのお母さんもサラリーマンも、普通の人が平和的に参加するデモの形態が出来ている。これも官邸前抗議の功績です。ボクもデモの時はある程度はみっともなくない、小奇麗な恰好?をしていくようになりました。やっぱり、そのほうが気分はアガるじゃないですか(笑)。今日の参加者は主催者発表で800人。いつもより人の集まりが早かったせいか、それより多い感じがしました。

●抗議風景




今週19日 『9/28、再稼働申請中の志賀原発2号機に6.6トンもの雨水が流入して電源停止に追い込まれる可能性があった』ということが報じられました。もし再稼働していたら原子炉の冷却もストップ、福島の二の舞になる可能性があったわけです

志賀原発2号機で雨水が流入 規制委、北陸電に原因報告求める :日本経済新聞
                                              
どれだけ雨が降ったか知りませんが、あばら家じゃあるまいし原発に雨水が流入するというのも信じられません。でも、もっと酷いことがあります。
9月28日に流入事故が起きたにもかかわらず、北陸電力は9月30日に志賀原発の安全対策について記者会見をしているんです。曰く『西野彰純副社長は「安全性向上により積極的に取り組むとともに、早期の再稼働を目指していく」などと語った』

北陸電、志賀原発2号機の安全対策追加 完了時期、17年度中に :日本経済新聞
つまり、流入事故から2日経っても北陸電力は事故を隠していた!んですよ。
ブログを書くために日経の記事を検索していたら気が付いたんですけど(笑)、マスコミ、これくらい追求しろよ!!
原発が雨漏りするだけでも信じられないのに、更に隠蔽する北陸電力も許し難い体質のインチキ企業のようです。こんな企業が原発を触っていいんでしょうか。更に志賀原発活断層の危険性が取りざたされています。志賀原発で事故が起きても東京には影響ないけど、関西の人は気にならないんでしょうか。未だに補助金をせびってる乞食体質の福井の皆さんは事故が起きても自業自得ですけどね(笑)。
●今日の写真。頭の悪い3代目同士、気が合うに決まっています(笑)。