特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『マウリツィオ・ポリーニ@サントリーホール』とTBS『JNNドキュメンタリー ザ・フォーカス「翁長雄志を引き継ぐ」』と『1026再稼働反対!首相官邸前抗議』

いきなりで、なんですが。
ジャーナリストの安田氏が解放された件、こういうことが起きるたびに毎度、毎度『自己責任病』を振りかざす幼稚な低能が湧いてくるのは実に不愉快です。危険な地域に渡航したことを非難しているバカがいますけど、ジャーナリストが危険な地域に行くのは当たり前! 映画『タクシー運転手映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』 - 特別な1日(Una Giornata Particolare)で描かれた、命がけで軍の検問を潜り抜けて潜入するドイツ人記者(史実では朝日の記者も)みたいな人がいたからこそ、光州で軍部が市民を虐殺したことが明らかになった訳です。

タクシー運転手 約束は海を越えて [Blu-ray]

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危地に飛び込む人がいなかったら世の中 トランプやプーチン、アサドや安倍晋三大本営発表だらけになってしまいます。世界中の女子アナが北朝鮮のアナウンサーやNHKの岩田明子みたいになっちゃうよ(笑)。
ダルビッシュという人は賢いんですね。

●他にもカンボジアクメール・ルージュに殺された一ノ瀬泰造みたいな人も居ます。『地雷を踏んだらサヨウナラ』を読んでみろって。


それに、国民が危害に晒されたら、国が助けようとするのは当たり前です。何のために税金払ってるんだよ。今まで、日本が衰退の道を転げ落ちていくのは男女差別のせいと思ってましたけど、日本が衰退する根本の原因はバカが多いから、そういうことですね。それじゃあしょうがないか(笑)

#自己責任バカは家から出んな


もうひとつ、24日の日経朝刊に『歴代の経団連会長は今の中西に代わるまで、経団連の部屋にパソコンがなかった、メールも使えなかった』という記事が載ったそうです(笑)。



ネット時代到来、経団連会長の執務室にパソコンを初導入(THE PAGE) - Yahoo!ニュース


経団連は、よく、これで労働者の生産性がどう、とか、国際競争力がどう、なんて言えましたね日本の権力層のジジイ連中の質が如何に低いか、を顕著に示すエピソードだと思います。前々から言ってるとおり、日本企業の生産性が低いのは高プロとか裁量労働制とかの問題じゃありませんバカな経営者が多いからです(笑)。


老害経団連だけじゃありません。ケント・ギルバートネトウヨ本の読者の平均年齢は59.69歳、最頻値は68歳だそうです。もちろん男が圧倒的に多い。空気吸ってるだけで無駄なネトウヨ認知症ジジイはさっさと〇ねよ


さて老害ではなく、年の功の話に転じます(笑)。21日の日曜日はマウリツィオ・ポリーニのピアノ・リサイタルへ行ってきました。


今回の来日公演は8日がシューマン、11日がベートーヴェン、18日がドビュッシーが予定されていましたが、8日に腕のアクシデントが発生、11日は21日に変更、18日と21日は同じプログラムになりました。ボクは18日と21日の券を持っていたので18日はキャンセル、今回はより良い席だった21日のドビュッシーを見に行きました。

良く考えたら、彼のコンサートは20年くらいずっと、見に行っています。今年76歳のポリーニ先生、前回2年前の公演の時は流石に歳をとった、と思いましたけど、それなりの味があるし、やはり見たいんです。ディランだって70過ぎても、ずっとツアーをやっているし、チャック・ベリーなんか90過ぎても、ダック・ウォークをやってたんですからね。
●公演変更についてのポリーニ先生のお詫びの文章。『腕の疲労がどうしても抜けなくて、日本で3回のリサイタルをやるには曲目を変えるしかなかったの、ごめんね。日本のファンのみなさん、愛してるよ』(意訳)

●先生のピアノ。スタインウェイの特製品


日程が急に変更になっただけあって客席は7割くらいの入りでしょうか。いつもポリーニのコンサートは満員ですから、やはり違和感があります。空きを埋める為なのか、招聘元の梶本音楽事務所の社長がボクのすぐ近くの空席に座ってましたからね(笑)。当日 プログラムは再度変更。当初予定されていたショパンの『ピアノソナタ3番』の替りに『3つのマズルカ』に変更、ガンガン弾くものは敢えて外したプログラムでした。
●セットリスト
ショパン: 2つのノクターン op.27
      2つのノクターン op.55
      3つのマズルカ op.56
      子守歌 op.57
***
ドビュッシー前奏曲集 第1巻(全12曲)

[アンコール]
ドビュッシー前奏曲集 第2巻から 花火


往時の超人的な早弾きもいいですけど、今のポリーニの穏やかで深みのある音色も良いと思います。ノクターンはもちろん、『3つのマズルカ』も穏やかな湖のような曲で、結構気に入りました。
ドビュッシーの方は腕がまだ厳しいのか、と思いましたけど(フィナーレの『歓びの島』抜きでした)、だけど お得意の『沈める寺』などの独特な和音は実に美しかった。と、思っていたら、アンコールの『花火』は文字通りの早弾きで、『俺はこれだけ弾けるぞ』ということを意地になって示しているみたいでした(笑)。


今回は感動して涙が出るとか、そういう世界ではなく、レイド・バックというか、リラックス感漂うリサイタルでした。ボクはそういうのも嫌いじゃないし、何よりもやっぱりライブって良いなと思いました。音色がCDとは全然違いますもん。終演後の客席は大喝采でした。


歳を取ったら、それなりの表現をしていけばよいのだし、それはそれで味があるものです。ポリーニとはレベルが天と地ほども違う我々凡人でもそれは一緒です。ジジイになって認知症ネトウヨになるのは惨めだけれど、そうじゃなく、歳を取ったら穏やかさや深みで勝負していけばいい。そして我々後進はそれを実践している先達の生き方を如何にパクるか。ジャンルもレベルも違っても、それが大事です(笑)。
幕間にシャンパンを飲みながら(さすが酒メーカーだけあって、サントリーホールシャンパンは安くて美味しい)、リラックスした美しい音色を楽しむ。楽しく豊かな時間の過ごし方でした。



そのあと、10月21日、日曜深夜に放送されたJNNドキュメンタリー ザ・フォーカス『翁長雄志を引き継ぐ〜民主主義の成熟へ〜』はボク自身がちょっと気になっていたけど、今までなかなか本土のメディアが触れなかったことを取り上げていました。




JNNドキュメンタリー ザ・フォーカス|TBSテレビ


元SEALDsの元山仁士郎くん、金秀グループの呉屋会長、翁長知事の未亡人などのインタビューを交えながら、今 沖縄県が進めている『辺野古新基地建設についての県民投票』についてのルポです。ナレーションは東ちづる。番組のプロデューサーは昨年『米軍が最も恐れた男 その名はカメジロ』を作った佐古忠彦映画『米軍が最も恐れた男 その名は、カメジロー』 - 特別な1日(Una Giornata Particolare) 番組の内容を、新聞などで補足しながらご紹介します。


番組は一橋大の大学院に在学中の元山君が1年間休学する手続きをして、『「辺野古」県民投票を進める会【公式】「辺野古」県民投票の会を立ち上げるところから始まります。彼は名護市長選で自公の候補が基地に触れない「争点隠し」で勝利したことを受けて、『様々な論点がある選挙だけでなく、住民投票ではっきり基地の是非について県民の意思を示せばよいのではないか』と語ります。それをバックアップするのが沖縄の大手スーパー、金秀グループのトップ、呉屋氏らです。


今春 沖縄経済界の大物、金秀グループの呉屋会長、それに、かりゆしグループが翁長知事を支援するオール沖縄から離脱、右から左まで含んでいたオール沖縄が分裂か?、という事態が起きました。その理由は本土では『オール沖縄が革新色が強まりすぎてついていけなくなった』としか報じられませんでした。ボクはこのことが非常に気になっていたのです。
金秀グループやかりゆしグループが離脱した具体的な原因は昨年来 呉屋氏らが主張していた新基地建設についての県民投票がオール沖縄の中で議論もされないまま却下されてしまったから、だそうです。翁長知事も県民投票に賛成で、前年から住民投票に詳しい大学教授にアドバイスを受けていたにも関わらず、です。県民投票と連動?沖縄の政界再編の行方 - 山本 章子|WEBRONZA - 朝日新聞社の言論サイト


県民投票に反対していたのは革新政党と労組、それに辺野古に座り込んでいる人たち。例えば辺野古に座り込んでいる人たちのリーダー格、沖縄平和運動センターの山城氏は昨年から『県民投票なんて逃げの手段で、翁長知事は早く承認を取り消せ』と主張していました。


オール沖縄から離脱しても新基地を阻止することを諦めない呉屋氏らのバックアップを受けて、元山君らは『県民投票を進める会』を立ち上げます。一方 山城氏は今年になってもまだ『県民投票より、圧倒的な人々の力で座り込みを行って建設を阻止するべき』(笑)と県民投票に反対していましたが、

「県民投票より阻止を」 辺野古新基地建設で山城議長が提起 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース


5月末には今まで消極的だった社民党、社大党、共産党も県民投票に賛成します。座り込みの中からも署名に加わる人も出てきたそうです。
元山君らは基地の賛成、反対にこだわらず『県民の意思を示す』ことを足掛かりにして幅広く運動を進めようとします。署名運動を始めた子たちは辺野古の座り込みに参加したことがない子たち、座り込みに抵抗を持つ人が多かったそうです。署名のハードルは低くありません。2か月で有権者の50分の1、約2万3000筆もの署名を集め、さらに議会で条例を可決しなければならない。
一方 署名が始まると同時にオール沖縄から離脱していた金秀やかりゆしグループらも加わった『政経懇話会』が発足、翁長知事を支える経済界、保守、中道側の体制が出来上がります。これらをまとめて『沖縄で初の中道勢力の結集』と評する記事もあります。県民投票と連動?沖縄の政界再編の行方 - 山本 章子|WEBRONZA - 朝日新聞社の言論サイト

保革ブリッジ共闘へ 翁長知事支える 政経懇和会発足 企業や議員の受け皿に - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース


当初は署名集めに苦戦していましたが、結果的に目標の4倍もの約10万弱の署名が集まりました。翁長知事は生前最後の記者会見の冒頭で署名に言及します。県民投票条例は議会に提出されることになりました。

辺野古県民投票、条例制定を請求 市民、県に署名9万2848筆提出 - 琉球新報 - 沖縄の新聞、地域のニュース


翁長氏の未亡人曰く、生前 翁長氏は『保守に見える人』でないと民意をまとめきれない、と言っていたそうです。そこでデニー氏に白羽が立った。デニー氏は就任時の記者会見でさっそく県民投票に言及、年内の条例成立が見込まれています。番組はここで終わる。
ちなみに今日26日に県民投票の条例が成立しました。内容は『辺野古新基地の建設はYESかNOか』の二択です。自公の『どちらともいえない』、『やむを得ない』を加えた4択の修正案は否決、来春までに県民投票が実施されます。

https://www3.nhk.or.jp/lnews/okinawa/20181026/5090004777.html


番組の中で、県民投票反対派は『もし県民投票で基地容認の結果が出たらどうする?』と述べていました。それに対して元山君は『事実を知れば、県民はきちんとした投票をする。』、また県議会で県民投票を疑問視する自民党議員には『有権者が議論をして県民投票を行うことで、民主主義の成熟という果実が得られる』と反論します。


ボクは元山君らの言ってることが正しいと思います。県民投票反対派は『新基地を潰すこと』しか考えてない。まして山城氏が言う様な『圧倒的な数の座り込み』なんてマヌケにもほどがある(笑)。この爺さんは現実を直視していないだけでなく、視野が狭い。一方 元山君らは基地うんぬんよりもっと大事な、民主主義について考えています。我々の社会にとってどちらが大事か、それは言うまでもありません。
そもそも承認取り消しは知事に残された最後の手段ですから、やたらと行使するわけにはいきません。翁長知事は承認取り消しを行うのは、もっとも効果的な時期=つまり選挙に近い時期を狙っていた。山城氏が昨年来から『早く承認を取り消ししろ』と言っていたのなんて子供の戯言です。ともすれば、我々は辺野古で座り込みをしている人たちだけが反対運動だと思いがちじゃないですか。ボクが山城氏のことを始めて知った『戦場ぬ島』など三上智恵のドキュメンタリーなんか、見たときは冷静な視点と思いましたが、実態とは全然違う。一方的な見方しかしていない。


こういう体たらくを見ているとだから、バカ左翼はダメなんだよ、と言いたくなります(笑)。翁長氏が『保守に見える人』と言っていたのは、彼が自民党出身だからではなく、人間の『質』の問題を言っているのだ、とボクは思いました。
沖縄で起きていることはまだまだ中途です。右から中道、普通くらいの左まで(極右や極左のようなバカは言葉が通じないからムリ)(笑)、異なる意見の中からどう共通するものを見つけていくか、最大公約数を作っていくか。本土では上から与えられた民主主義がむしろ退化しつつあるのと異なり、沖縄では自分たちの民主主義が成熟するプロセスが少しずつ進んでいるのかもしれません。
●翁長氏の次男(那覇市議)のツイート





ということで、今週も官邸前 #金曜官邸前抗議
今日はほぼ😄秋晴れの爽やかなお天気でした。午後6時の気温は20度、参加者は600人
●抗議風景





●注目!

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20181026/k10011686691000.html


奇しくも今日、東芝がイギリスの原発子会社の売却を断念、清算を余儀なくされるのではないか、また日立はイギリスの原発事業で大きな損害が出る恐れがあるとして昨日、株価の年初来最安値を更新、子会社のクラリオン外資に売却、というニュースが報じられました。アメリカやドイツの企業が原発から足抜けしつつあるのに、わざわざ不慣れな外国の原発に足を突っ込んで火傷を負う。東芝も日立もババ抜きのババをつかまされたということです。これこそが自業自得、自己責任って言うんです(笑)。