特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『辺見庸と佐々淳行の差』(笑)と『ボクらのアウフへーべン(笑)』、それに0122 再稼働反対!首相官邸前抗議

相変わらず寒いなあ。これだけ寒いと何が地球温暖化だよ(笑)、と言いたくなります。これから週末はもっと寒くなるっていうんですよね(泣)。
                          
さて、先週のデヴィッド・ボウイの訃報に続いて、今週はイーグルスグレン・フライ、木曜日にはエットーレ・スコラ監督の訃報が飛び込んできました。
エラーページ - 産経ニュース
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グレン・フライと言えば名曲『デスペラード』(ならずもの)の作者です。アメリカ人相手の宴会ではとりあえず、この曲を歌っておけばOKです(笑)。六本木の外人カラオケバーで『デスペラード』を歌えばアメリカ人は大喜びだし、映画のなかでもアメリカの田舎酒場のそういう描写は良く見かけます。ボクも大好きだし、名曲だとは思いますが、アメリカ人(白人)はどうしてあんなに『デスペラード』が好きなのか不思議でなりません。そのワンパターンぶりはバカなのか、と思わないでもない(笑)。

Desperado

Desperado

グレン・フライ本人が歌う『デスペラード』。レコードではドン・ヘンリーが歌っています。

                         
エットーレ・スコラ監督はこのブログのタイトルにもなっている映画『特別な1日』の作者です。同性愛者のアンチ・ファシズムの闘士(マルチェロ・マストロヤンニ)が生活に追われる平凡な主婦(ソフィア・ローレン)と1日だけの恋に落ちる、ボクの大好きな映画です。テルマエ・ロマエは良く知りませんが、作者のヤマザキマリという人は面白いと思います。

                                              
こうやって才能ある人の訃報を聞くのは自分の歳も感じるだけでなく、がっかりします。仕事にしろ、生活にしろ、政治にしろ、厳しい世の中に対して、音楽・映画・文学の総動員で対抗して、なんとか精神の平衡を保っている(笑)ボクとしては、大げさに言うと少しずつ手足がもがれていくような気がします。だから新しい音楽や映画に触れ続けなきゃ自分がアホになりそうだ、って脅迫観念を持っちゃうんです。

          
今週の株価大暴落は流石に驚きました。先週の下げから更に下がって、昨日は年初から3000円も下がったんですから。これがあんまり長引けば企業の決算も悪くなるし、経済にも悪影響がでてくるでしょう。賃上げどころじゃありませんよ(笑)。これからどうなるか、銀行、アナリスト、株屋、誰に聞いても、答えはまちまちです。あと1か月もして、3月決算の見通しが出てくれば収まるという人もいるし、3月末こそ危ない、という人もいる。つまり、誰も判らないってことです(笑)。
今や株や債券、先物取引などの金融経済の規模は、生産や商取引などの実体経済の数十倍から数百倍と言われています。アメリカ、EU、日本、世界中で金融緩和をして、金融経済というラスベガス経済(博打ですな)を膨らませているツケがこんなところにも出てきています。
●ロイターのこの記事は重要だと思います。日本はこれ以上金融緩和しても、消費税を延期しても深刻な事態に陥る可能性がある、というもの。進むも地獄、退くも地獄、という話です。

焦点:浮上する政策限界論、消費増税見送りなら市場の洗礼も | ロイター
                                            
金融経済の規模がこんなに大きいのはどう考えても不健全です。今の世の中の諸悪の根源はほぼ、これだと思います。コツコツと真面目に働いている人より、博打で一発当てる人の方が儲かる構造ってことですから。一般的に世の中で今 最も給料が高いのは、M&Aや株を扱う投資銀行で働いている人だと思いますがゴールドマン・サックスみたいなところですよ!)、画期的な新製品を作るとか、病気を治すとか、介護をするとか、リアルに人の役に立っている人と数倍〜数百倍も給与の差があるというのはおかしいですよね。そうなったら優秀な人材もそういう業界へ行ってしまいますから、社会にとって実害も大きいわけです。
                                         
だけど、それを何とかする特効薬は今のところ誰にもない。いきなり金融経済を潰したら、年金や保険が危うくなるだけでなく、企業の資金繰りだっておかしくなって倒産が多発する。特に収入が少ない人、新興国ほど皺寄せが大きくなる。
対策は、すこしずつ金融経済を縮小させていく(金融緩和を止める)ジャック・アタリロバート・ライシュなど良心的な学者が主張しているように金融を規制する国際的なルールを作っていく(タックス・ヘブンや多国籍企業への徴税ルールなど萌芽は出てきていますhttp://www.asahi.com/articles/ASH9N55LQH9NUTIL00H.html)しかない。
あと、もう一つは我々一人一人があまりにもカネ優先の価値観を止めること。ボクも含めて誰だってお金は欲しいですけど、それをあまりにも優先させると自分のクビが絞まるんだよなあ。難しいもんです。
●TBS『報道特集』(1/8)で『アベノミクスでは損をする人も出る、と最初から私は云ってたんだ』と言い訳をする浜田宏一エール大名誉教授。財界の人ですら、既にこいつはボケているというのがもっぱらの評判でしたが、自己保身の老醜をさらす姿にはフクシマの事故直後の原発ムラの連中を思い出しました。

●コラムニスト、小田嶋隆のtweet

                          
                                    

くだらない話題ですが、今週 木曜朝の朝日朝刊に辺見庸のインタビューが載っていました(妄言なのでリンクしません)。ボクは自分と異なる意見にはなるべく触れたいと思っているので一通り読みましたが、やはり救いようがないアホだと思いました。『国会前の抗議でデモのあとにゴミを片付けている学生たちに対して、資本主義への本質的な批判がない、本気が見えない』と評していたんです(笑)。
●『デモする大学講師』高橋若木氏のツイート。要するに辺見庸を始めとしたオールド左翼は自分のバカさ加減を今の学生に責任転嫁してるだけ〜。

                                  
本気が見えないとか言う辺見の『上から目線』はボケ老人の寝言としておくとしても、『原稿料』と『著作権』という資本主義的な権益で稼ぎ、資本主義下の商品を購入して暮らしている辺見庸『資本主義への本質的な批判』とはどんなものか、ボクには理解できません(笑)。少なくとも辺見庸が昨年 安保法制の成立に対して、声明なり抗議活動なり、何か自分で行動を起こしたということは聞いたことがない。自分は何もしていないのに文句だけは言えるわけです(笑)。こういうのは考え方とかそれ以前に人間として品性下劣、とボクは思います。
                                                           
同じ様に70年代安保に関わった人間で、国会前の学生に対して違う感想を持った人間が居ます。浅間山荘事件で過激派を鎮圧する側だった佐々淳行は昨年の国会前のデモを車いすで見に行ったら、学生たちに親切に介助されたそうです。それが『昔のデモとは違って、不気味だ』と週刊新潮で述べています。


                           
ボクは佐々淳行なんか大嫌いです。昔 仕事がらみで、こいつの講演会に出たことがあるのですが、途中で『女はダメだ』みたいな男女差別発言をしたので満場の会場最前列真ん中から堂々(笑)抗議の退場をしてやりました。
だが、辺見庸より佐々淳行の方が遥かにマシです。佐々は権力にとって何が脅威か良くわかっている。やはり鎮圧した側と鎮圧された側の差でしょうか(笑)。
                                           
車いすの老人を介助したり、終わったらゴミを片付ける2015年のデモと、(女性や子供も居るのに)『国会へ突入しろ』とか『警察と本気で闘え』(9月の辺見庸のブログ。卑怯にも削除済み)とか言ってる連中と、どちらが多くの人の支持を得られる可能性があるでしょうかどちらが世の中を変えられる可能性があるでしょうか。

答えは明快です(笑)。こんなこと、幼稚園児でも判ります。辺見庸のような奴は机の前で屁理屈垂れるだけで、本気で世の中を良くしようなんて思っていない。新左翼だか旧左翼だか知らないけど、自分のイデオロギー(被害妄想)で盲目になっている連中が現実を変えることなんかできるはずがありません。こんな能無し連中に出来るのは内ゲバがいいとこでしょう(笑)。太平洋戦争を始めた連中、原発事故の原因をまともに究明しない原発ムラの連中、浜田宏一、70年代安保の反省がない辺見庸、どれも同じ穴のムジナです。具体的根拠もなく福島の被害を強調したり、何でもアメリカの陰謀のせいにしているような奴も一緒。彼らは事実を直視しようとしないのです。歴史を振り返れば事実を直視しない連中こそが戦争を起こしている佐々淳行タカ派で男女差別主義者でクズだけど、辺見庸よりは遥かにマシです。少なくとも本質的なことが判ってます。どっちが品性下劣かはわかりませんが(笑)。
                                                                        
作家の景山民夫はエッセイで、霊感の強い彼が幽霊に取りつかれた体験から『嫌な奴は怒鳴りつけるしかない』と書いています。

普通の生活

普通の生活

ボクもそう思います。ボクはビジネスマンなので成果を出すことにはこだわりがあります。我々は一歩ずつでもいいから世の中をマシにしたいと思ってるわけです。成果を出そうとおもったら、こういうバカで品性下劣な奴に関わりあってるヒマはありません(笑)。時間には限りがあるのですから、事実を直視することすらできない奴、論理的に考えられないようなバカを相手にしてたら、1億年経っても世の中変わりません。と言いつつ、ボクもくだらない奴の文句言ってるわけですが(笑)。

                                                                              
でも、もっと大事なことがあります。こういうクズになっちゃう落とし穴は誰にでもあるということです。
自分の考えに固執して現実が見えなくなり、被害妄想で使い物にならなくなる辺見庸浜田宏一だけでなく、仕事でも、普段の生活でも、そういう人、いますよね。日本の政治だってそうかもしれない。日本の市民運動について、さっきツイートを引用した『デモする大学講師』高橋若木氏は雑誌「SIGHT」2015年4月号で、こう述べています。

●冷戦が終わってからこの25年、保守派・右派は、「時代についていった」。メディアやポピュラーカルチャーを使って新しい大衆を作ったり、それを取り込んでいったりして、アップデートされてきた。ところがそれに対するリベラル側は、旧態依然とした「左翼」のまま、思想もアップデートされていないし、語り方も、観察者として漠然とダークなことを言って終わる癖が抜けない。「新しい大衆化」をしないと右派とは競争できないんだ、という前提にアップデートされていない。

●選挙のときも、ストリートの運動のときも、スタイリッシュで昔の左翼っぽい汚さがないメジャー感が、大衆的なインパクトを作るために欠かせないんです。それにアレルギーを感じて、普通の人をくさすような古い左翼は、そういう場面にはいらないです。

*高橋若木氏の発言はフリーライターの高野氏のページから引用させてもらいました。【雑誌紹介】『SIGHT 4月号』高橋若木氏インタビュー「これからのリベラルはメジャーでストレートな言葉を持つべきだ」 - おっさんひとりめし

SIGHT61号 2015年 04 月号 [雑誌]: ロッキング・オン・ジャパン 増刊

SIGHT61号 2015年 04 月号 [雑誌]: ロッキング・オン・ジャパン 増刊

                       
ボクは左翼業界(笑)のことは良く知りませんが、全く同感です。既存の左翼のダメさ加減をボクは普段、『何を言っているか判らない』とか『認知症』とか『内容がない』とか『貧乏くさい』と表現してますけど、きちんとした言葉で表現するとこうなる(笑)。例えば新聞で言うと、ネットへの対応は産経がはっきり言って一番進んでいます。新聞各社のウェブでは産経が一番見やすいし、アーカイブとしても使いやすい。逆に使いにくいのが東京新聞と毎日。ここいら辺の格差は歴然としています。

                                                
与野党含め、多くの政治家のダメさ加減には、みんな、ウンザリしていると思います。けれど政治家だけでなく、既存の市民運動平和運動、反原発運動の多くも現実的には同じレベルかもしれません。政治家がダメなのは彼ら自身の問題だけでなく、政治家が接する国民のレベルも反映しているはずですから。

高度成長が終わり、冷戦が終わり、世界の構造が変化する中で、正直 日本では政治も市民運動も国民も、現実の変化への対応が遅れたんだと思います。311以降 反原発とか安保法案反対の流れの中で、既存左翼とは異なる、市民による変革の兆しがようやく目に見える形になってきました。組織とか団体ではなく、個人の心の中に流れる想いが将来への希望なのだと思います。
アウフヘーべン(止揚)でも、アップデートでも良いけど、ボクら自身も外部環境の変化に応じて変化し続けなればいけないのでしょう。デヴィッド・ボウイの遺作『ブラック・スター』を聞いてみたらポップさのかけらもない(笑)、前衛的なジャズを取り入れた作品でした。もしかしたら、ここ30年(笑)の彼の作品で一番格好いいかも。彼は死ぬまで自分をアップデートすることを止めなかった。彼には遥かに及びないにしても(笑)、ボクも現実を見つめることを忘れずに、学び続け、変わり続けていたいと思うのです。
●ボウイの遺言のようなPV『ラザルス』

★(ブラックスター)

★(ブラックスター)


                                    
と、言うことで、今週も原発再稼働反対の官邸前抗議へ。
今日の午後6時の気温は7度。寒い〜。
●極寒の?抗議風景







                                                   
今日の参加者は主催者発表で1000人。29日に高浜3号機が再稼働するって言うんでしょ。バカも休み休み言えって。いくら権力がごり押ししても、採算は合わない、リスクはでかい、なんてものは長期的に考えれば続けられるわけがありません。もし高浜で事故が起きて関西が壊滅したら、浜田宏一みたいに『私は危ないと思ってたんだ』って、さも自分には関係ないように偉そうに言ってみたいなあ〜(笑)、フン。

●おまけ。今週マスコミはバカみたいに大騒ぎしてたけど、結局こういうことに過ぎません(笑)。要するにブラック企業の話でしょ(笑)。