特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『とめよう!戦争法案 集まろう!国会へ 6・14国会包囲行動』と映画『新宿スワン』

今朝は朝刊お休みなので、昨日のニュース?から始めます。
安保法案について例の憲法調査会での学者3人の証言以来『潮目が変わった』と良く言われる。政府与党側の言いぐさが余りにも酷いのが誰の目にも明らかになったのだと思う。ボクも12日の夜、若い人たちが国会前に1000人以上集まって抗議をしているのを見て、確かにそう感じた。それくらいヤバい、多くの人がそう思っているのだろう。ボクは『理屈を考えない行動はバカ』と思っているけど、『行動が伴わない理屈も最低』とも思っています。ぐちゃぐちゃ言ってる場合ではない成否なんか関係ない。とりあえず今は声を挙げたほうがいい、とボクは思っている。


                                                                      
ということで、先週 新聞に全面広告が出ていた集会へ。
とめよう!戦争法案 集まろう!国会へ 6・14国会包囲行動とめよう!戦争法案 集まろう!国会へ6・14国会包囲行動 | 戦争させない・9条壊すな!総がかり行動

主催者HP:戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会



開始時間は2時からと言うことだったが、映画『幸せはどこにあるロザムンド・パイク、いい女だなあ)を見てから行ったので現地着は2時半。その時はもう舗道に人があふれて身動きが取れなかった。もちろん、それは警察の嫌がらせのような不自然な通路妨害のせいでもある。国会議事堂前の駅から地上に出て人並みに流されていたら、図らずも国会をちょうど一回りして全体を見渡す形になった。志位和夫吉田忠智のスピーチがBGMだ(笑)。悪いけど政治家のスピーチより、沖縄で基地に反対している二十歳の女の子のスピーチ、『私の彼氏や子供に戦争に行ってもらいたくない』のほうが心に残った。男女同権だから君も戦場へ行かなければいけないかもしれないけど(笑)。それはさておき、やっぱりヤマトンチューも安保法案に反対して初めて、沖縄の人たちに向き合えるのではないかって話だ。

●抗議風景:官邸前






                                                                                     
議員会館






                                                      
反原連主催の原発再稼働反対の抗議とも、組合などが多い各種団体主催の原発反対集会とも、客層が異なっているのが面白い。年齢層は高いけれど、子供連れの人もところどころ混じっている。マスコミのカメラも結構多い。頭上にはヘリが2機、飛んでいる。帰宅して見たTBS五時半のニュースはこのデモを取り上げて『じっとしてられなかったので子供と一緒にきました』と言うお母さんを映していたが、ボクも含めて、多くの人が同じ気持ちだろう。
ちなみに今日NHKの7時のニュースを見たら、大して人数も集まってない福岡で行われた拉致家族会の集会とデモ、それに香港の民主化デモは取り上げられていたけど、国会前に数万人も集まったデモ!は影も形もなかった(笑)。NHKとしては今日のデモはなかったことになってるんだろう(笑)。それにしてもマスコミの拉致の取り上げ方って異常だよな。何か圧力があるのか、それともカネでも動いているのか(笑)。勿論酷い話ではあるけど、これだけ不自然にしつこく取り上げられると、『拉致』と聞くと条件反射で胡散臭さしか感じない(笑)。改めてテレビばっかり見てるとアホになるわ〜と思った。

国会図書館



                                                      
●国会正門前











                                            
辺野古基金呼び掛け人として紹介された鳥越俊太郎氏。『今の政権は歴代の自民党政権の中でも想像を絶する位 酷い独裁政権だ。国民の言うことを全く聞こうともしない。』


                                                    
山口二郎法政大教授。この人、ボクはあんまり好きじゃないが、今日のスピーチは気合が入ってた。『皆で何度も何度も国会を囲んで、昔 岸信介を退陣させたのを再現させよう!』


                                                                                                                      
今日の参加者は主催者発表2万5000人。ボクが見た限りではそれより遥かに多かった。3、4万人くらいはいたんじゃないか、と思ったけどな。でも、まだまだ、これからだよ!
                               
●久々に国会前で人があふれる光景を見た。


                                        
●犬だって安保法制に反対なんだよ!

                                                                                                          
ということで、やわらかい話題。政治の話だけだとバカみたいだもん。六本木で園子温監督の新作『新宿スワン

食うや食わずで歌舞伎町に流れてきた主人公(綾野剛)はふとしたことから、クラブや風俗店で働く女性のスカウトとして拾われる。やくざまがいの稼業に主人公は当初は戸惑うばかりだったが、仕事を紹介することで女性を幸せにする、ということに次第に喜びを見出すようになる。やがてライバルのスカウト会社との縄張り争いが勃発するが。
                                                                  
お話の舞台となる夜の世界のことはボクは全くわからないし興味もない(笑)。綾野剛に、伊勢谷祐介、沢尻エリカ山田優などの豪華キャストも興味がない。園子温の新作ということで嫌々?見に行った次第。興行収入1位になるなど大ヒットしているらしい。『ピッチ・パーフェクト』と同じ日に同じ映画館で見たんだけど、『ピッチ・パーフェクト』の客席はお洒落目な女性ばかりなのに対して、こちらは庶民的なカップルばかり、極端に客層が違ってた。
                                         
だけど、映画は結構 面白かった。リアリズムを追及するところはリアルに、おちゃらけのところはおちゃらけとはっきりしていて、心地良いくらいだ。園子温の演出は円熟してきたと思った。本人にしてみれば反原発映画も作れるし、大資本のエンターテイメントも作れるんだぜ、というところだろうけど、見事に成功している。

                                    
園子温監督は吉高由里子満島ひかり二階堂ふみ、と無名だった俳優を大きく育てる演出には定評がある。今回の俳優陣はTVで出ているような人ばかりだけど、嘘くさくなかったし、不自然さは感じなかった。主役の綾野剛は飄々としていて良かったと思うけど、役柄に興味がないせいもあって印象は薄かった(笑)。沢尻エリカという人は初めて映画で見た。この人の持ち味があんまり出ていたとは思わないが、確かに綺麗な人ではある。初めて見たと言えば伊勢谷友介という人は良かった。やくざみたいなスカウト会社の幹部を物怖じせず演じてて感心した。敢えて言えば、ライバルのスカウト役の山田孝之の小物感が気になったのと高級クラブのママ役の山田優が少し厳しかったくらいか。あと、園子温監督のTVドラマ『みんな、エスパーだよ』で毎回 滅茶苦茶なことをさせられていた真野恵理奈が今回はリストカット癖のあるキャバ嬢役。可愛いなあ(笑)。
沢尻エリカは、普通の服は全く着させてもらえず下着姿ばかりだった、とボヤいていた(笑)。

伊勢谷友介って結構いいな、と思った。



お話で面白かったのは、スカウト会社の抗争が、まるで現実のビジネスみたいだったところ。ライバル会社に買収をしかけたり、幹部間の勢力争い、絶対的な強者であるヤクザをなだめすかしたり、舞台や言葉遣いは全く違っても、現実のビジネスでやっているようなことばかりで、リアリティがあった。特に幹部間が裏で策謀をめぐらしているところは実に面白かった。
基本的に女性を搾取する世界の話だけど、映像表現としてそういう傾向が少なかったのは感心した。描いている世界自体はロクでもないし噓くさいが、表現として酷い描写は避けている。少なくとも監督は女性に対して敬意を持って撮影している。一方 主人公とライバルの悪徳スカウトとの関係や主人公が成り上がる話は描写も軽いし、よくある安っぽいヒロイズムも強調されない。そんなことはどうでもいい、と言う感じなのだ。そういうものに興味がないボクはそこも良かった(笑)。
●主人公のライバル役の山田孝之。独特の小物感(笑)。

                                               
2時間があっという間に過ぎるエンターテイメント。単純に面白いだけでなく、後味も悪くなかった。大人の鑑賞に耐える拾い物だと思います。