特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

ライヴズ・イン・ザ・バランス:映画『映画 みんな!エスパーだよ!』と『テッド2』

いよいよ安保法案は山場を迎えようとしています。日曜朝の朝日新聞、『安保法制に反対する、総がかり行動委員会』が今後の抗議の予定を全面広告!で載せていました。国会前では連日の抗議が行われます。昨日も大阪では大規模抗議が行われ、2万人も集まったそうです。*その様子は是非こちらを→ うつぼ公園13日「民主主義ってなんだ?」「これだっ!」 - 四丁目でCan蛙。広島でも7,000人の大規模抗議が行われました(下写真)。他の地域も盛り上がっています。

●13日TBS17:30のニュースより。広島では7千人が集まって人文字の抗議が行われました。空撮を意識した抗議も必要だと思います。国会の抗議を写す空撮のヘリも暗くて絵にならなくて困ってるそうです。次回国会前へ行くときは必ず灯を持って行こうと思っています。

                                                                   
今日14日は国会前でも大規模抗議があります。ボクは珍しく仕事で行けないのが悔しい〜(泣)。ご都合がつく方は是非よろしくお願いします。どうか大勢の人が集まって、平穏かつ盛大に抗議が行われますように。もちろん明日以降は審議の進み具合を見ながら、また国会前へ行くつもりです。


でも、そういう時だからこそ、政治も生活も、と思うのです。政治の話ばっかり書いていると自己嫌悪になります。人間は政治と無関係ではいられませんが、政治だけでも生きていけません。デモはデモ。デモは日常を変えるためにあるもので、日常はデモの為にあるわけではありません。

レーガン中南米の内戦を激化させたことに抗議するジャクソン・ブラウンの86年の作品『Lives In The Balance』。まさか日本で、この歌がリアリティを持つとは思わなかった。

                                                                         
と、言うことで、今日は柔らかい話題で行きたいと思います。(笑)。世事に疎いボクですが、PeachHoneyさんhttp://d.hatena.ne.jp/PeachHoney/20150808#p1や白魔女さん日本橋コレド、アートアクエリアム - 明日もいい日和のブログを拝見してアート・アクアリウムという展示会があるということを知ったので週末に観に行ってきました。お昼頃に着くと会場は行列で1時間待ちとか案内が出ています。しかし皆さんのブログを拝見して、それは想定内(笑)。おかげさまで先人の知恵に従い時間指定券を買ってあったので待たずに会場へ入れました。それでも会場内は大混雑でした。ボクは全然知りませんでしたが、TVで何度も紹介されているイベントだそうです。コンピューターと照明、それに立派な金魚を組み合わせた展示は綺麗でしたが、20分で観終ってしまいました。会場に一杯いた子供たちは展示を見て嬉しそうでした。
●展示が終わった後、金魚ちゃんたちはどうなるんだろうとちょっと心配になりました。



●金魚の動きに合わせて絵の柄が変わるそうです。

●会場入り口にはベビーカーが一杯とめてありました。そういうイベントなんでしょう。

                                           
早く観終わってしまったので、近くにある和食屋さんでお昼ごはんを食べて帰りました。最近はご飯を食べに行ったり、ライブハウスへ行くと、お客さんは自分たちより若い人ばかりで『歳をとったなあ』と感じることが多いんです。でも和食を食べに行くと周りは60代、70代で、どこへ行っても自分たちが圧倒的に最年少(笑)。それは結構嬉しい(笑)。
●松茸は笠が開いてますが、それはしょうがない(笑)。時々無性に抹茶が飲みたくなります。
 


                                            
と、言うことで、敢えて(笑)?、下ネタ辞さず、の映画を二つ。
新宿で『映画 みんな!エスパーだよ!』。8月30日の国会前抗議でもスピーチした園子温監督の最新作です。

舞台は愛知県豊橋市。ふとしたことからエスパーになった男女が豊橋市の平和を守るために繰り広げる脱力ドタバタ劇。

  
園子温が監督し、染谷将太真野恵里菜マキタスポーツなど園子温組が出演する、言わずと知れたテレビ東京の深夜ドラマの映画版です。TV版はテレビ局の規制に挑戦するかのような、女の子のパンチラと水着姿ばかり出てくるお話でした。詳細はここでは差し支えます(笑)。ちなみに今作でも流れるTV版の主題歌(by高橋優)は原発のことが堂々と歌われています。規制なんか知るか!という園監督の啖呵が聞こえてくるようです。映画版はあらすじは違いますが、本質は基本的には同じです(笑)。 

                                                                             
豊橋が舞台ということで、上映前にやたらと格好いい豊橋のPRビデオが流れました(手筒花火?がテーマでした)。だけど、この映画だと豊橋のイメージダウンにならないか心配です(笑)。でも映画で写る豊橋の景色は、路面電車が走っていたり、渡し舟や趣ある豊橋公会堂の建物、呑気な感じの商店街など、見ていて楽しかった。人間にちょうど良いサイズの地方都市という感じで、いいところでした。駅前の広場が映ると、ここはyonnbabaさんがサイレントスタンディングをやっているところだ!9.11豊橋駅前のコラボレーション - よんばば つれづれと思って嬉しくなりました(こんな映画で引き合いに出してすみません)
                                            
この映画で改めて感じたのは園子温監督はとにかく女の子を綺麗に撮る、ということです。と言っても、被写体に対する敬意が感じられて、全然いやらしくないんですね。俳優をパック化された商品として撮ってない。園子温映画でお馴染みの真野恵里菜は勿論、今回起用された池田エライザという女の子も異常に可愛く撮れています。ルックスが良いとかそういう話だけじゃなくて、当惑とか微妙な表情まで逃さないのが良いんです。そういう表情が出るまで、役者をかなり追い込んでいるんでしょう。吉高由里子満島ひかり二階堂ふみ園子温監督の映画で主役を張った子は出演した後、皆 大成しています。園監督が女の子を綺麗に撮る処は、アンナ・カリーナを撮る60年代のゴダールみたいだ、と言ったら言い過ぎでしょうか。お話そのものはしょうもないんですが、主役も脇役も徹底的にバカなことを徹底的に真面目に演じさせられる役者さんたちは素敵でした。
●この池田エライザという子は存在感があって、とても良かったです。あと染谷将太くんにも感心しました。とにかく役者さんたちは有名な人も無名の人もやたらと身体を張っていました。



                                        
六本木で映画テッド2 .
前作『テッド』は大好きでした。いつまでたっても大人になれない中年男の姿二人(一人はクマですが)の姿を、タブーを怖れない下ネタ、強者への差別ネタ、マリファナネタ、マニアックなオタクネタを散りばめて描いたコメディは、信じられないことに日本でも大ヒットしました。R15+の作品を上映する渋谷の映画館は制服姿の女子高生で一杯でした。今回はその続編です。勿論R15+の今作も日本でもジュラシックワールドを抜いて興収1位になりました。なんで??

前作でめでたく彼女と結婚したジョン(マーク・ウォールバーグ)。月日が経っていつの間にか彼は離婚してしまった。だがテッドはセクシーなスーパーの同僚と結婚し、養子を迎えようとしていた。ところが州政府は縫ぐるみのクマは人間ではなく『所有物』だから結婚も養子を迎えることも認められない、と言いだした。所有物には労働も認められないとして、テッドは勤めていたスーパーも首になってしまう始末。そこでテッドとジョンは市民権を求めて、州政府に対して訴訟を起こす。だが、カネがない二人に就いたのはインターンが終わったばかりの新米弁護士(アマンダ・セイフライト)だった。3人は一緒にマリファナを吸って意気投合、力を合わせて州政府への戦いに挑むのだった。


こうやって書いていても、バカなあらすじです(笑)。でも、それがいいんです。
●今回はこの3人

監督・脚本・テッドの声はセス・マクファーレン。2013年にアカデミー賞の司会をやりましたが、そこでも下ネタと差別ネタの連発で大ひんしゅくを買った人です *差別ネタと言っても強者をコケにしているだけで、不愉快な感じはありません。少しだけシャレにならないだけです(笑)。アカデミー賞司会『テッド』のセスに酷評 男尊女卑?人種と性のジョークが最悪と話題に:第85回アカデミー賞 - シネマトゥデイ 
前作の大ヒットからか、出演者も画面もゴージャスです。ダメダメコンビのマーク・ウォールバーグセス・マクファーレンに加えて、新たな彼女役にアマンダ・セイフライトに、人権派の弁護士にモーガン・フリーマン、他にも著名人のカメオ出演も大勢いるんでしょう。モーガン・フリーマンもアマンダ・セイフライトも下ネタとマリファナネタ満載のこんな酷い映画(笑)によく出演した、と思います。
●今回もぬいぐるみ相手に本気で演技を仕掛けるマーク・ウォールバーグ(笑)

                                                
今作は、いきなり大勢のダンサーとクマちゃんの華麗なダンスシーンで始まります。ダンサーたちの踊りがキレキレで素人のボクが見ても滅茶苦茶にうまい、感心しました。豪華です。往年のハリウッドのミュージカル映画の様です。その中でクマが大真面目に踊っています。それだけでワクワクしてしまいました。ボクはこういうの大好きなんです。

●TedとTed2の間に公開されたセス・マクファーレンが主演&監督を務めた『荒野はつらいよ』もすごく面白かったです。良い意味で酷かったですけど。

露骨な下ネタは相変わらず多いし、大企業や有名人を実名でバカにするし(良くハズブロ社がOKしたと思いました)、相変わらず主役の二人はマリファナを吸ってばっかりです。お話はフラッシュ・ゴードンティファニーなどのマニアックな80年代ネタで強引に引っ張っられていきます。ボクはゲラゲラ笑ってたんですけど、日本で何故これが受けるのか不思議でなりません。でも露骨な下ネタでも、正視に耐えられないようなシーンはありません。ここまで言うかとは思うんですが、それでも抑制は効いています。常識とか良識を徹底的に笑い飛ばす、この映画、痴的ではあるんだけど知的でもあるんですね。市民権を求めて闘う縫いぐるみの姿を公民権運動や同性婚の権利運動と絡めて描くところなんか、感動すらします。人権を抑圧する保守主義官僚主義、権威を徹底的にコケにする、それがこの映画の本筋なんでしょう。
●せっかくセクシーな同僚と結婚したテッドですが、政府と大企業が彼を妨害します。


惜しむらくはお話を盛り込み過ぎて、すこしだけとっ散らかってしまったこと。それでも見ていて楽しいエピソードばかりなので、それはそれで良かったんですが、政治闘争に焦点を絞るとかすればお話はもっとすっきりしたと思います。それにしても人権派の弁護士を演じるモーガン・フリーマン陪審員の前で延べる弁論が説得力あり過ぎ。この人が弁護士やったら無敵だと思いました。ただ、エンドロールの後まで引っ張るリーアム・ニーソンのネタは迫力があり過ぎてボクには良くわからなかったです。
●ぬいぐるみにアクアラングを着せて、大真面目に海に放り込みます。そういうところが良いんです。

                                                                                         
というわけで、この続編は前作より一段とパワーアップされていると思います。ボクはこの2の方が面白かったです。大好きです。こういうゲラゲラ笑えて知的(痴的?)な映画がもっと日本で公開されるといいなあ。