特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『対人ミサイル』と『アベノミクス批判 4本の矢を折る』、『1017 再稼働反対!首相官邸前抗議!』

台風が過ぎたらめっきり寒くなった。季節の移り変わりは美しいけれど、寒くなるのはなあ。今年もあと3か月を切ってしまった。
     
                                     
前回書いたイスラエル製品ボイコットの話を少し補足します。罪もないパレスチナの市民を国ぐるみで殺し続けているイスラエル現代のナチスという別名の他に、ベンチャー大国とも呼ばれているらしい。
http://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/archive/2014/05/0512.html
米ナスダック市場では日本企業の上場は10社にも満たないのに、イスラエル企業は140社近くある。イスラエルのハイテク産業は同国の輸出の40%を占め、民間労働者の14%が従事しているそうだ。ボクはケータイ嫌いなので良くわからないが、スマホの地図や有名アプリにもイスラエル企業が作ったものがあるらしい。日本のゲーム企業、グリーやスクエア・エニックスイスラエル企業と契約しているという。
確かに奴らは頭もいいし、根性もあるから起業家精神は旺盛なんだろう。人口700万人の小さな国が経済的に自立するにはどんどん起業して新しい産業を育てていくしかない。いくらナチス国家と言えども、こういう自律・自立の精神は大したものでボクなんかが及ぶところではない。例えば原発がないと経済的にやっていけないと言っているような日本の原発ムラや原発立地の無能な連中とは大違いだ

 
                                                        
だいぶ前、こんな体験をしたことがある。こともあろうに日本の外交官が仲介してイスラエル企業が製品の売り込みをかけてきたのだ。詳しくは書けないけど消費者向けIT製品だった。子供でも使える、一見しただけでは誰も武器とは関係があるとは思わないだろう。先方の担当者は嬉しそうに言ってたね。『対人ミサイルの誘導技術を応用した製品です。』 同席した日本の外交官もうんうん、と頷いていた。
                                  
てめえら、ふざけんじゃね〜(怒)。
                                   
対空ミサイルとか対戦車ミサイルはあるけど、『対人』ミサイルなんてものがあるのは知らなかったし、その仕組みを聞いたら、頭いい、とは思った。
だけど、そのミサイル、誰に向けて撃ってるんだよ!この前の映画『自由と壁とヒップホップ』のトークショーで、映画に出てたガザのラッパーのお父さん(勿論 一般人)は今夏 ミサイルで撃たれて亡くなった、それを助けようとした消防士も9人、撃たれて亡くなったと言ってたぞ。そんなクソ技術が応用された製品を取引することはイスラエルの人殺しを手助けすることだ痩せても枯れても、お前らの人殺しに加担する気なんかね〜よ。もちろん売り込みなんか断固拒否。問題外。
                                          
だが後日 それを売り出したバカな日本企業があったのには驚いた。お前ら、良心はないのかって。全く売れなかったから、ざまあみろだけど。

      
                                                         
これに限らず不条理なことって目の前に一杯転がっている。それがカモフラージュされたり、自分が無知だったりで、気が付かないだけだ。気が付かないのは仕方がないけど、別に胸を張って威張るような話でもないし(笑)、自分がマヌケであるという事実は変わらない。ボクの知識や能力なんて限界ありまくりだけど、それでも目の前にある不条理なことを放置するって悔しいもんな。
●ストップ!ソーダストリーム・キャンペーン(日本語):不法入植地で作られているソーダ水製造機のボイコット。
 ストップ!ソーダストリーム 売らないで、買わないで、違法イスラエル製品
●BDSキャンペーン:イスラエル製品の消費者ボイコットのページ(英語)
http://www.bdsmovement.net/activecamps/consumer-boycott
アメリカのオークランド港ではイスラエルの船舶会社の荷揚げに反対するデモまで起きている
http://www.answercoalition.org/national/news/block-the-boat-to-end-israeli.html


                                           
少し前に読んだので内容は失念しているところはあるかもしれないけど、軽く、本の感想。この本は先週 朝日新聞の書評で水野和夫先生が取り上げてから、少し盛り上がっているようだ。
アベノミクス批判----四本の矢を折る

著者は東大の伊藤光晴名誉教授、この人は生粋のケインジアンアベノミクス公共投資による景気対策というケインズ的なこともやっているわけで(と言うより、国家社会主義ファシズムなんだけど)、そういう人が敢えてこういう本を書くところが注目すべきだと思う。
内容に目新しさは感じなかった。第1の矢の金融緩和は全然効果が出てない、第2の矢の公共投資は人手不足で予算消化すらできず効果は薄い、第3の矢の成長戦略は人口減の世の中で政府がどうのこうの言ってもどうにもならない、ということが書かれている。アベノミクスが始まった当初から予測できていた話ではある。だが平易な表現で、ちゃんとデータに基づいて論理的に書かれている。

ボクが感心したのは消費税のところだ。消費税は逆進性もあるし、景気も悪化させる。だけど税金逃れをやりにくい、というメリットもある。消費税導入前のフランスが脱税天国だったのは有名だ。だから複雑化する経済で消費税の比率が増えていくのはある意味仕方がないという。確かにそうだ。物事はメリット、デメリットがあるのだから、総合的に考えていかなくてはならない消費税が諸悪の根源みたいに言ってる単細胞もいるが、フツー、世の中はそう単純じゃないよな(笑)。著者は、欧州と違ってインボイスのない消費税は売上1000万以下の中小企業を不当に優遇する不公平税制であり、また自民党の支持基盤の青色申告共産党の支持基盤の民商は合法的節税を浸透させることで税収減と累進課税の無力化に貢献した、とまで言っている。この人は現場の事も良くわかっている。名誉教授に言うのもなんだが、ちゃんと勉強した人は違うなあと思った(笑)。


更に著者はアベノミクスの第4の矢として『戦後レジームの脱却』を挙げている。著者はそれに対抗して、平和と民主主義を守らなければ国民の生活は立ち行かない、ということを繰り返し述べている。   
ただ、問題はこの声が国民に届くかどうか、ってことだ。残念ながらボクは、これでは無理だと思う。皆 日頃の生活で手いっぱいなのだ。戦後の平和と民主主義を守れとだけ言っても多くの人にとってはリアリティが薄いのではないか。
それより、今後どういう社会を目指していくべきかということをもっと議論するべきではないかと思う。例えば安倍晋三などの極右政治家が目指す社会は明確だ。彼らの意識の中の理想国家は要するに北朝鮮だ(笑)。だけどターゲットが明確だから、その分だけ効率的に動けているのは事実だ。

それに対する側はどうだろうか。著者と同じようにボクも北欧型の高福祉・高負担の民主主義を目指すべきだと思う。きっと多くの人はそう考えていると思う。だけどそういっている人は北欧型になると消費税が20%以上になるとか、解雇は自由化する(その代り職業訓練を充実させる)、ダメな企業はバンバン潰す(その代り起業を促進する)、といったことまで考えているだろうか。ヨーロッパ旅行した人は判っていると思うけど物価は滅茶苦茶高いぞ〜(*ボクはそれでいいと思う。なんでも安いし、いつでもどこでも買えるなんておかしい。もっと物や食べ物を大事にすべきだ)
そこいら辺のリアリティのなさが、いわゆる日本のリベラルが行き詰っている大きな原因ではないか反対することが商売になってしまっているのだ。


                                                                     
この本は、アベノミクスの現状を平易に、根拠を押さえて書いているので、現状を読み解くにはとても良いと思う。巷にあふれているトンデモ本やネットのクズ記事を100本読むより、この本1冊を読んだ方がはるかに有益だ。何よりも水野和夫先生が評しているように、病身を押して老学者が敢えてこういうことを書いた気持ちは痛いほど良くわかる。著者のように経済は多くの国民の生活のためにあるというWarm heartを持っている人は貴重な存在になってしまった(リベラルの人も含めて大多数の人が日常生活で見失っていると思う)。
この本の内容にほぼ異論はない。良い本だ。だが、この本は乗り越えていくべき存在だ。我々はこの先の世界をどうしたいのか、もっと具体的に議論し、自分たちの手で作っていかなければならないと思うのだ。



ということで、今週も官邸前

今日の午後6時の気温は19度。吹き付ける北風は少し寒く感じたけれど、上着を着るのにはちょうど良い気候だ。たまに上着を着ると、普段のダラダラした気持ちが多少は引き締まって良い気持ちになる(笑)。
●官邸前





                                                     
今日の参加者は先週より若干少なくて官邸前1000人くらい、国会前他で500人くらい、併せて1500人くらいだろうか(主催者発表1700人)。
川内の再稼働を地元が承認するとかしないとか言っている。基本的には地元の人が納得するかしないかだとボクは思っているけれど、地元の人たちは本当はどう思っているのだろうか。県知事は老人や身障者をほっぱらかした避難計画で良いと公言しているような奴だし、県議会の議員が何かまともなことを言ってるような話は聞こえてこない。
今日も誰かがスピーチしていたが、スコットランドの例を見るまでもなく、今の政治システムでは結局 住民投票くらいをしなければ、住民の意志ははっきりしないのではないだろうか。ということは日本でも原発に関する住民投票というものを推進していく、こういう運動↓は重要なのかもしれないと思った。
みんなで決めよう「原発」国民投票
●国会前