特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

85歳の投げキッス!(『バート・バカラック東京公演』)と0411 再稼働反対!首相官邸前抗議!

今週はSTAP細胞とやらの件で大騒ぎだったけど、ボクは全く興味がない。強いて言えば、マスコミのバカ騒ぎが相変わらず酷い、ということしか感想はない。NHKまで記者会見を中継するくらいのバカ騒ぎも酷いが、過度に持ち上げては落とす下品なやり方はまるで集団リンチのようだ。STAP細胞が本当だったらどうするんだよ。かっての中国の『文化大革命』や日本の学生運動の『総括』ってこんな感じじゃなかったのだろうか!日本のマスコミを見ていると、言論の自由がない中国や北朝鮮と日本との距離はそんなに遠くない、と思えてならないよ。

そんなバカどもに対処するのに一番良いのは無視することだと思う。バカTVは見ない。アホ新聞は読まないそんなヒマがあったら考えることもやることもいくらでもあるだろ(笑)。
ただ、理研という仮にも日本で1流と呼ばれている研究機関のマネジメント能力が東京電力なみに皆無なのには驚いた。ノーベル賞学者の理事長を筆頭に揃いも揃って理研の上層部はザルで無責任じゃん。昔 元理研槌田敦氏に原発エントロピーの話を聞いたとき、『理研は研究の自由のない酷いところだ』と仰っていたのを思い出す。日本の原子力技術は化けの皮が剥がれたが(笑)、普段はえらそうにしている日本の科学技術全体も本当のところはかなり怪しいのではないか(笑)。




昨日は渋谷のNHKホールで『バート・バカラック東京公演-An Evening With Burt Bacharach And Tokyo New City Orchestra-

NHKホールの入り口にて


全米ベスト40が70曲もあると言うバート・バカラック氏は文字通り、アメリカポピュラー音楽界最高の作曲家だろう。御歳85歳!その人が自身のバンドを引き連れて、現地のオーケストラとジョイントしての公演。ボクはマニアックなファンではないけれど、『Make It Easy On Yourself』や『Alfie』、それに『April Fool』みたいな、まるで触ると崩れ落ちそうなくらいに繊細なメロディの、この人のバラード群が大好きなのだ。
                                                                
ちなみにこの人のオリジナル最新作はブッシュのイラク戦争への激しい怒りをテーマにした『At This Time』(2005年)。ヒップホップなんかの要素も取り入れながら、ブッシュに抗議する激しい歌詞が流麗なメロディの上に散りばめられていて、実に格好良いアルバムだった。デモや集会などでヘタクソが歌っている古臭くて汚らしい日本のインチキフォークソングや当たり障りがないだけの商業主義のJPOPみたいなゴミ音楽とは大違いだよ!

グラミー賞も受賞した近作。一曲目は『Please,Explain』。『何故 親たちや兄弟たちが泣かなければならないのか、説明してくれ』という歌詞は、無益な戦争を始めたブッシュに向けて抗議しているかのようだ。

                                                  
というようなことを考えながら見に来ている客はボクだけだろうけど(笑)、客席は若い人から年配の人まで幅広い客層で埋まっている。予定の開演時間を10分過ぎて、ご本人が登場。金ボタンつきの濃紺のジャケット、白いスニーカーといういかにもアメリカ人らしいお洒落スタイル。胸元には赤いポケットチーフ(笑)。編成はキーボード2名、ブラス2名、ベース、ドラムス、ヴァイオリン、女性シンガー2名、男性シンガー1名、それにオーケストラという文字通りゴージャスな編成。TVで見ると結構広いNHKホールのステージが、今日は演者で立錐の余地もないくらいだ。

●ご本人の最近のポートレイト。結婚歴通算4回という親父は当日もこのスタイルでした。85歳でこれだったらモテるのは判るけど(笑)

                                                    
まず挨拶代わりに『What is love』を軽くやったあと、ディオンヌ・ワーウィックメドレーからステージが始まった。『サンホセへの道』、『I Say A Little Prayer』、『I'll Never Fall in Love』、どこかで聞いたことのある曲のオンパレードだから、誰にでも楽しめる。そうそう、ビートルズのカバーでも有名なシュレルズの『Baby,It's You』もやってた。よく考えたら、これもバカラック氏の曲だったんだ。本当にすごい人だなあ。
                             
事前には高齢の当人は殆ど演奏しないんだろうと想像していたが、とんでもない。ほとんどずっとピアノを弾きっぱなし。それにかなり細かくオーケストラに指示を出しながら演奏していて、これも驚く。85歳の御大は立ち上がると背はちょっと曲がっているような感じだったが、ピアノを弾いたり、指揮をするときは背筋がシャキンッと伸びるのは不思議だった。
                                                  
中盤になると、ボクが大々好きな『Make It Easy On Yourself』や、『On My Own』、『NYシティ・セレナーデ』などの名曲がフルコーラスで炸裂。メンバーの演奏は腕扱きぞろいで、軽く流しているような感じではない、ちゃんと演奏している。その上に御大が軽くピアノを載せると、音楽が流麗そのものになるから不思議だ。7thの音を多用した彼ならではの独特なコードがあるんだろうけど、そういう音楽理論的なことはボクにはよくわからない。
                                                
一番印象に残ったのは当人が歌った『Look Of Love』、『Alfie』へのくだり。とくに『Alfie』は本人のピアノ弾き語り。高音は出ないし、咳き込みながらで、歌はまったくうまくないんだけど、なんとも言えない味がある。余計な装飾を極限まで削り落としたポップスの本質が突きつけられる感じだ。音楽は技術じゃないんだなあ、とつくづく思った。
                                                  
アンコールで『2年前に作って、ステージでやるのは初めてだけど大丈夫だろうか(笑)』と言いながら、『Hush』という曲をやったときのこと。ピアノの弾き語りから始まり、優しいシンプルなメロディに次第にオーケストラの弦楽器が絡み付いていく。最後のオーケストレーションがバシッと決まったときは、後ろのアメリカ人スタッフたちから『Oh,Yeah!』という、客席よりでかい歓声が上がっていたうるせえよ(笑)
                                                                                                                              
かような具合で(笑)往年の大ヒット曲を連発しながらも、音楽的なスリルもある、2時間弱の生気溢れるショーでした。最後の曲は『雨にぬれても』。バカラック氏に『皆で唄おう』と客席にマイクを向けられたけど、サビの部分以外は歌えないよ、悔しい〜(笑)。

                            
バート・バカラック氏は今や歩く世界遺産みたいなものだと思うけど、彼の音楽は全然遺産じゃない。今を生きている音楽だった。サイコーですよ。最後は客席総立ちのスタンディング・オヴェーション。熱狂的な拍手の中、スーツを着た85歳の爺さんが客席に投げキッスをしながら去っていく。かっこいい!スケベでお洒落、こういう85歳になりたいなあ(笑)。

シドニーでのショーのライブ盤。昨日と基本的な構成は同じだけど、アレンジその他は全然変わっている。それだけでも凡百のナツメロとは全く違うことが判る。

ライヴ・アット・ザ・シドニー・オペラ・ハウス

ライヴ・アット・ザ・シドニー・オペラ・ハウス

                    

 
                                                                                                                               
前日の流麗なメロディの余韻を感じながら(笑)、官邸前へ。★1116再稼働反対!首相官邸前抗議 | 首都圏反原発連合
昼間は暖かいんだけど、まだ朝晩は風が冷たい。今日のボクは冬のスーツにスプリングコートという格好でした。参加者は官邸前1000人ちょっと、国会前他で1000人、併せて2000人くらいか(主催者発表3000人)。『原発が重要なベースロード電源』とか言う『エネルギー基本計画』が閣議決定された今日、参加人数は当然のことながら、多めでした。
●抗議風景。写真3枚目『原発は(原発)村人だけの重要なベース利権!』






       
それにしてもエネルギー基本計画はパブコメの結果すら発表しなかったな(笑)。「原発ゼロ」転換決定 エネ基本計画、重要電源と明記 :日本経済新聞 予想されたこととはいえ、ふざけた話だ。ま、それくらいでは怒らないし、くじけもしないよ(笑)。ということで今日の抗議は『エネルギー基本計画を撤回しろ〜』というのが中心。まあ、こんなことを言っても有効性は?って思ってしまうけど、やっぱり声を挙げずには居られない。

●抗議風景2




                                                   
パブコメにしても裁判の証拠可視化にしてもアメリカに押し付けられなければ導入されなかった制度だが、要するに日本の政治家や官僚は民主主義的な体質はもともと薄いと思う。この民主主義的な体質の薄さは、党内は分裂しても国民には強圧的な民主党も、上位下達のみんなの党共産党も、野党も含めて同じに感じる。この複雑な世の中で『スパッと割り切れるような解決策』を持っているようなリーダー(笑)なんか居るわけないし、結局 国民一人ひとりがもっと『参加』していかない限り、日本はダメなんだろうな。
●国会前他。1枚目右上の旗には『あきらめない ひるまない』とある



                                                                                                                     
それでも今夏の川内原発の再稼働も怪しくなってきたみたいだし、世の中の全てが安倍晋三の思う通りに動いているわけではないそもそも原発周辺地域の避難計画も作らないままで、誰がどう考えても再稼働なんかしていいわけないだろ!