特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

アベノミクスで日本人の暮らしは良くなったか(笑)+『全国の力で原発再稼働を阻止しよう集会』@官邸前

3月になったとは言え、今朝も東京は寒かった。昼間は雪まで降ってたもんなあ。
今週 TVのニュースを見ていたら4月からの消費税値上がりで買いだめをする人の姿が流れていた。そういうことは全然気がつかなかったけど、ツナ缶とか乾燥パスタなんかはいいかも(笑)。まあ、ちょっと不要なものを買ってしまえば3%分なんて吹っ飛んでしまうので、買いだめなんて所詮は気休めでしかないんだけど。

それでも実際 買いだめ需要は起きているようだ。物の動きを見ていると、個人だけでなく法人や役所まで買いだめをやっているのが良くわかる。自衛隊まで消耗品の買いだめをしているという話を聞いた(笑)。だから3月までは景気は良く感じられるだろうけど、その後が怖い。政府は5兆円の景気対策を用意しているそうだから奇しくも全原発を廃棄する費用と同じだ)、マクロでは消費税の影響自体はクリアできる可能性はあるかもしれないが、我々の暮らし向きはどうなるだろうか。


3月4日に発表された厚生労働省の統計を使って、昨年12月から今年の1月まで毎月支払われた現金給与総額の前年比の推移をグラフにしてみた(厚生労働省 勤労統計調査)。毎月勤労統計調査 平成26年1月分結果速報|厚生労働省

●現金給与総額 賃金指数 前年比の月別推移

                                                   
青い直線は名目上の前年比、青い点線がその傾向値(線形近似)だ。これを見ると名目上の現金給与は一応は上昇傾向だ。では物価値上がり分を考慮したら、どうだろうか。ピンクの直線が物価変動を考慮した実質値、点線がその傾向値だ。円安による物価値上がりが顕著になった昨年7月以降 はっきり言って給与水準は下がりまくっていることが判る。
今年の1月で言えば日本人の給与は名目で-0.2%、物価値上がりを考慮すると-1.8%、前年より減っていることになる。ちなみにこの金額は2010年比85%の水準だ!しかも4月から消費税が3%上がる。賃上げを見込まなければ我々の生活は約5%、前年より苦しくなる、と考えて良いだろう。しかもこれは平均値だから、パート労働者や小規模事業者の給与の落ち幅はこれより遥かに大きいんだぞ!

TVでは給与が上がるかどうかの街頭インタビューみたいな、文字通りバカみたいなニュースばかりやっている。実際の現金給与額も報じられるけれどごくわずかだし、『国民の生活は豊かになったのか(物価変動と比べてどうなんだ)』という国民の生活にとって最も大事なことは全く報じられない。自分で調べて、自分でちょっと考えてみなければ、この国では本当のことはわからないみたいだ。答えはこうです。ハイ、アベノミクスで日本人の生活はより一層 厳しくなりました!


でも、これは予想通りの結果ではある。いつも書いているが、企業は市場が伸びる海外へ工場を移してしまったので円安にしたって輸出が増えるわけがない。3月5日に超保守のウォールストリートジャーナルですら『やっぱりアベノミクス、だめじゃん』という記事が出ていたが(笑)Bank of Japan Questioning When — or Whether — Exports Will Revive - Real Time Economics - WSJ、アホの安倍ちゃんはともかく、自民党の経済政策をやってるほうは判ってやっているのだと思う。普通に考えたって円安にすれば物価は上がるが、その上昇分だけ給与が上がるなんてことがあるはずがない。バブル期だって無理だったんだから、こんなことは最初から判っている。更に金利が上昇し始めたらもう、アウトだよ。
                                                                                                                         
要するにアベノミクスは輸出企業や株屋など一部の人間は大儲けできるが一般国民にしてみれば、アベノミクス自爆テロカミカゼ特攻隊みたいなもん(笑)だ。これが本当の永遠のゼロ(点)だな(笑)。
それなのにマトモな投票先がない、っていうのがつらい所だ。今回の給与の問題だって、これだけ問題ははっきりしている。はっきり言って失政だろう。それなのにマトモな政策上の攻め手すら持ってない野党は自民党以上にバカばっかり、ということなのだろうか。勿論、これは国民一人一人の問題なんだけど。

                                                                                              
  
                                                                                         
ということで今週も官邸前へ。と言っても3月9日に大がかりな抗議行動があるので0309NO NUKES DAY 原発ゼロ★大統一行動 | 首都圏反原発連合、いつもの官邸前抗議はお休み。反原連にも入っている『再稼働阻止全国ネットワーク』という人たちが抗議をやるというので、とりあえず行ってきた。題して『全国の力で原発再稼働を阻止しよう集会』。
今日の夕方の気温は5度くらい。やっぱり寒い。今日の参加者は4〜500人くらいだろうか。いつもより少ないが、日曜日があるから仕方ないだろう。それでも普段来ている顔も結構見かけたし。ただ、いつもより年齢層が高い。この主催者団体の人たちはそういう感じなんだろうなあ。。
●抗議風景。年配の人が地べたに座っている。






                                                    
普段の抗議と異なり、今日は主催者のスピーチ中心だった。『集会』だから仕方ないのかもしれないけど、つまんない。『集会』というものはたいていそうだけど、話は冗長だし、訳が分からないものもあるし、、新しい情報や感動的な話があるわけでもないし、正直アホらしいとは思った。ネットが無い頃なら、いざ知らず、今時どういうつもりなんだろう(笑)。*ボクはこういう本当のことを言うから角が立つのですが(笑)。ボクは自分の声で意志表明をしたいんだよ!まあ、最初からわかってたことだし、ここにいることが自分なりの意思表明だと思って、黙ってプラカード持って立ってましたけどね。寒風に吹かれながら、イラク戦争が起きたとき、戦争反対のプラカードを持って一人でハイウェイに立ってたという故ピート・シーガー氏のことを思ってました(笑)。

                                                                                                                               
原子力業界のことは良く知らないけど、ウラン燃料大手の米ユーゼック社という会社が昨日 倒産した。日本の原発停止でアメリカのウラン濃縮企業ユーゼックが経営破綻 | HuffPost Japan ウラン濃縮の米ユーゼック、破産法の適用申請 東芝などが出資 | ロイター
同社の売上は約2000億、ウラン燃料のシェアは世界の約20%以上を持っている世界4大会社の一つだそうだ。日本の原発停止やドイツの脱原発が原因らしい。アメリカの倒産(チャプター11)は再建が前提だし、実際 出資している東芝が入って再建を目指すそうだけど、どうなることやら。18歳の時 故高木仁三郎氏に話を伺った際、原子力関連の大企業の力は絶望的なまでに大きいと感じた。だけど今や、そういう企業だって平気で潰れるような時代になった。前にも書いたけど、原発が止まっている時間が長引けば長引くほど、原子力ムラの力は弱まっていく。だからボクらがやっていることはムダではない。時間はボクたちの味方、それだけははっきりしている。