特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『敗戦記念日』と『謎の独立国家 ソマリランド』、それに『★0816 大飯原発を停止せよ!首相官邸前抗議!』

昨日は8月15日、ニュースを見てるとやっぱり、いや〜な感じ(笑)。
今年も政治家がウソをついて、自分の人気取りのために戦没者を利用しているだいたい『敗戦』の日を『終戦』と読み替えて責任や原因をうやむやにするようなことが続いている限り、日本の将来は危ないもんだ。靖国だってそう。政教分離ってはっきり決めてる国で、政治家が宗教法人を拝んだり、公費でカネを払うこと自体まともじゃないだろ。そもそも明治期に官がでっち上げたインチキ宗教を拝む発想が理解できない。まったく日本の伝統を大事にしてほしいもんだ(笑)。
そこを100歩譲ったとしても何が『心の自由』だ。自由を制限するような憲法改悪案を作ってるような奴がふざけんじゃね〜よ心の自由なら、誰にも迷惑がかからないように自分の家で一人で勝手に拝んでろ。
 こういうごまかしは原発事故もまったく同じ構造だもんな。『収束』とか(笑)。この国とその国民は同じ間違いを繰り返し続けるのだろうか。


                                          
夏休み読書の第3弾は今、ベストセラーにもなっている?ノンフィクション、『謎の独立国家 ソマリランド

謎の独立国家ソマリランド

謎の独立国家ソマリランド

アフリカ東端の国家ソマリアというと海賊で有名だ。この国の滅茶苦茶な内戦に介入した米軍を描いた『ブラックホーク・ダウン』という映画もあった。ボクはそれくらいしか知識がない。ソマリアという国は年がら年中内戦が続いており、治安も悪い、アフガニスタンイラクより遥かに危険だそうだ。だが その中で人々が独自に武装解除し十数年も平和に暮らしている地域、『ソマリランド』と呼ばれる地域があるという。

                                         
この本は早稲田大学探検部出身の著者が単身で、文字通りソマリアを『探検』したもの。
ソマリアという国は実質的に3つに分かれているという。一か所は南部にある首都モガディショ周辺、現地の各軍閥アルカイダとも関連があるイスラム原理主義者が内戦を繰り広げ続ける、著者曰く『リアル北斗の拳』(もしくはマッドマックス)状態だそうだ。政府はあるにはあるが殆ど機能しておらず、米軍やアフリカ機構派遣の軍隊がかろうじて治安を守っている。もう一か所は東部にあるプントランドと呼ばれる地域。反独立状態のこの地域は沿岸部を通る船舶を襲う海賊が大きなビジネスになっている。地域政府の生業も海賊と襲われた側との仲介交渉らしい。もう一か所は北部のソマリランドと呼ばれる地域。90年代後半にソマリアからの独立を宣言しているが、他国からはまだ認められていない。この地域は治安も良好で平和裏に民主主義が機能している。


滅茶苦茶、面白い。500ページもある本だったが一気に通読してしまった。日本からは想像もできないソマリアの社会。ソマリア人はせっかちで仕事も速いが、カートと呼ばれる覚醒成分が含まれた植物が国中に広まっており、それを食べ始めると仕事どころではなくなってしまう。著者は現地の人と数時間にもわたる『カート宴会』を続け、本音を引き出していく。また、海賊国家プントランドやリアル北斗の拳の首都周辺を訪れたときの緊張感。首都周辺はおしゃれな店も並んでいるが、日常茶飯事で戦闘も行われている。外国人はすぐ誘拐されてしまうからホテルの外には護衛なしで外出することはできない。一方 数日前まで戦闘が行われていた地域を取材する著者をエスコートし、安全を守る現地のケーブルTVの支局長は若干20歳の女性だ!女性の社会進出を一切認めないイスラム原理主義者に支配された地域に住むという彼女は昼間はTVで顔を出してニュースを流し、夜はベールで顔を隠して乗り合いバスに乗り帰宅している、という。もちろん命がけだ。

                                      
それにしても、どうしてソマリランドだけは平和なのか。著者は理由を3つを挙げている。旧イギリス領だったため、イギリス得意の間接統治で旧来からの氏族制度が温存されていたこと(逆に旧イタリア領の南部、東部は氏族制度は弱まってしまった)、資源も何もなく他の国が介入してこなかったこと、遊牧民主体の北部の人々は昔から抗争を続けてきており逆に和平交渉をするのも得意だったこと。
ソマリランドも20年前は酷い内戦状態だったが、今では政治家(議会、大統領)と氏族(長老会議)が互いにけん制しあって平和を保つ仕組みが出来上がっている。政権交代も選挙で平和裏に行われているという。政府の権力を一切信じない個人主義者ばかりのソマリランドの人たちも平和のほうが得だ、という意識が出来上がっているらしい。
ある意味 日本の民主主義より遥かに進んでいる自分の損得を冷静に考えて自分の意志で物事を選択するソマリランドの人たちに、日本人が学ぶことは多いのではないか尖閣だの竹島だの一文の得にもならないことにムキになっているような連中より遥かにマトモ、だと思った。

                                            
読んでいて、眼が見開かれるような思いがした。民主主義は西洋式のものだけではない、という立派な実例だ。他にも、この本には日本では想像もできないようなソマリアのユニークな話が500ページにもわたって詰め込まれている。海賊にもそれなりの理由があるし(彼らは遊牧民時代の行動を続けているだけ。ちなみに遊牧民時代の掟に従い人質には一切害を加えないという)、リアル首都地域が『北斗の拳』状態なのはイスラム穏健派の政権をアメリカや周辺諸国(キリスト教国のエリトリア)が転覆させたからだとか、内乱状態でも首都の人々はあか抜けていて、ある意味文化的に暮らしているとか、イスラム原理主義者は現地でも嫌われているが虐げられていたマイノリティ氏族からは支持を受けているとか、マスコミの表面的な話では分からないことだらけだ。
いや、一つだけ良くわかったことがある。アメリカにしろ、(宗教を問わず)原理主義者にしろ、自分が正しいとおもって自分の論理を他人に押し付ける奴はロクなもんじゃない、ってこと。
著者が現地のガイド役と本当に心を通わせるに至ったエピソードは感動的だったし、何よりも面白くて、視野が広まる、読む価値がある、敗戦記念日にはぴったりの素晴らしいノンフィクションだった。ソマリランドの人たちにできるのなら、日本でもできるはずだ。


                                    
ということで今週も官邸前へ。★0830 大飯原発を停止せよ!首相官邸前抗議! | 首都圏反原発連合

今日も東京は文字通りの酷暑だったし、お休みで家から出たくないし、どうしよ〜かな〜と思ったけど、映画を見ることにしてその帰りに立ち寄った。世の中きな臭い話ばかりだし、秋からは忙しくなるかもしれないし、やっぱり、行けるときは行かないとなあと思って。
今日は簡単に写真だけ。
●始まる前

●抗議風景




●国会前

●一般人に混じってスピーチの順番待ちをする共産党の吉良ちゃんと笠井議員(赤いシャツのおっさん。めずらしく普通の服を着ていた)

                                                      
今日も吉良よし子ちゃんと笠井議員が来ていた。これだけ熱心に来ていると共産党は味方じゃないかと錯覚するかも(笑)。まあ、ボクは右も左も組織は一切信じないので、この人たち個人が、いざと云うときに組織の利益を離れた行動ができるかどうかで判断させてもらう。他にもラッパーのECD氏が官邸前でライムをかましてくれたらしいが、そっちは聞き逃してしまったのは残念無念。
今日の参加者は先週と同じくらいか、ちょっと多いくらい。官邸前2000人、国会前1000人、合わせて3000人弱くらいか(主催者発表3000人)。マスコミのニュースだけ見ているとこんなことしていてもムダじゃないかと、つい思ってしまうけど、これでやめたらもっと酷くなるだろうと考えるのが人間の理性ってもんだ(笑)。ここにきている人たちもそう思っているんだろう。

●夏休みの子供たち


●今日の写真:ボクは犬派だが、ネコとの連帯は拒まない!(笑)