特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『パフュームLIVE3:5:6:9@広島グリーンドーム』と読書『平和のための戦争論』、それに『1009 再稼働反対!首相官邸前抗議』

今週は広島へ行ってきました。Perfume Live3・4・5・6@広島グリーンドームPerfume Anniversary 10days 2015 PPPPPPPPPP

Perfumeの娘たちの出身は広島です。3年前に観た広島公演は予定外の郷土ネタのMCを1時間近くやるわ、最後は3人とも大泣きになるわ、で、ある意味感動的なステージでした。今回も東京より盛り上がるか、と思って出かけたわけですが、その日は3人とも目にうるうるさせながらも、プロとしてきっちり仕事をこなしていました。この2年間の海外ツアーは娘っ子たちを逞しく成長させたのでしょう。セットリストは東京とは2曲違い。今回もサイコロで曲を選んでいたため、インディーズ時代の『彼氏を募集中』をフリを変えて2回やったのが目玉でしょうか(笑)。東京より見やすい会場で、違う角度からステージを見るのは楽しかったです。
                                  
今回は仕事を半休して午後から出かけ、コンサートを見たら会場から徒歩5分のホテルに戻って睡眠薬飲んで、すぐ就寝。早朝の飛行機で戻って仕事復帰、という味も素っ気もない旅でしたが、市内のデパートで見かけて何年ぶりに食べた『うえの』(全国駅弁1位になったこともある宮島の有名店 あなごめしうえの | ホームページアナゴ飯はとても美味しかったです。広島は中国地方の大都市ですが、それでも東京に比べると公共機関も店もヒトの歩き方もペースがゆっくりしていて、分単位で物事が動いていく東京より遥かに人間らしい暮らし方だ、と思いました。今まで仕事で日本中色々なところへ行きましたが、和歌山、岡山、広島あたりは気候も温暖だし食べ物も美味しいし、結構好きなんです。ボクは東京生まれの東京育ちなので馴染みが全くないところは不安ですが、歳を取ったら地方で暮らすことに何となく憧れてしまいます。
<セットリスト>
1.Fake it  
2.NIGHT TRAIN
3.COMPUTER CITY
4.PICK ME UP
〜パフュームの3人と観客がサイコロを振って曲を選ぶ3・5・6・9(すごろく)コーナー〜
5.微かなカオリ
6.エレクトロ・ワールド
東京ではやらなかった初期の名曲
7.彼氏を募集中(売れて無い頃のヴァージョン)
8.未来のミュージアム
ドラえもん』の主題歌。フル・ヴァージョンをライブでやるのは初めてだそうです。
9.彼氏を募集中(盛り上がりヴァージョン)
〜ここから通常セットへ〜
10.ゲーム
11.間奏〜PARTY MAKER
12.DREAM FIGHTER
〜P.T.A.のコーナー〜
13.ワンルーム・ディスコ
14.チョコレート・ディスコ
15.PUPPY LOVE
〜アンコール〜
16.STAR TRAIN
テクノでもない、ミディアムテンポで地味なこの曲を東京で初めて聞いたときは戸惑いましたが、今回これはムーンライダーズ風なんだ、と言うことが判りました(笑)。

●夕陽の広島県庁と会場のグリーン・ドーム
  


                                
その 広島との行き帰りに読んだのがこの本です。『平和のための戦争論
著者は早稲田大学大学院教授でMIT客員研究員、国際関係と安全保障論が専門だそうです。朝日新聞記者→北京大客員研究員→防衛省防衛研究所主任研究官、麻生内閣で『安全保障と防衛力に関する懇談会』の委員も務めたそうです。そう聞くと眉をひそめる方もいるかもしれませんが(笑)、こういう委員は御用学者を呼ぶ場合もあるし、役所や政治家がアリバイ作りのために異なる意見を持つ人を呼ぶ場合もありますから、一概には何とも言えません。


安保法案について学者や識者の意見を見渡すと、憲法学者は殆どが違憲と考えているのに対して、国際関係や安全保障関係者はある程度理解を示している、と言っても良いと思います。例えば安保法案に反対している伊勢崎賢治みたいな人でも、9条の改憲も含めて集団的自衛権は検討するべき、と発言しています。この著者はTBSラジオの荻上チキの番組で整然と抑止力について語っていたのが印象的だったので、もっと詳しい意見を知りたいと思ったのです。
                                                     
ボクも含めて安保法案に反対する人の多くが論拠とする法律論とか民主主義のことは脇に置いて、安全保障の観点から徹底的に拘る意見はある意味新鮮でした。もちろん実際の判断は法律も安全保障も経済も考えて総合的に判断するわけです。最初は少し難しかったけど、読み通したらとても面白かったです。良い本の条件は、意見への単純な賛否じゃなく、考える材料をくれるかどうかだ、と思います。その意味ではこの本は合格です。記述も論理的でしたし。要旨はこんな感じです。
                                                        
戦争は双方の勘違いや事実誤認から起きる。前世代の政治家が持っていた戦争に対する怖れを安倍晋三からは感じられないし、その点は恐ろしい。だが、いくら安倍晋三でも自ら戦争を起こそうとしているとは考えられない。いま大事なことは日本人が取るべき行動を考え、議論することだ。日本人が何を考えているか外国から判り易くなるだけでも、平和を守れる可能性は高まる
                                                                                  
抑止は軍事力だけではできない。抑止が成功するためには3つの条件が必要。『相手に対して報復する能力を有し、使う意志があること(軍事力)』、『能力と意図を相手に正しく伝達できること(コミュニケーション)』、『状況に対する認識を相手と共有していること(信頼)』。      
                                                          
●将来の日本は次の5つの選択肢が考えられる。
1.現状維持
問題点としては今後アメリカの国際的影響力が低下する中で、紛争が増えて日本の立場がじり貧に陥る可能性があること。
2.非軍事的国際主義
軍事的手段に依らず援助や交際支援など平和的手段を積極的に行う。問題点は平和を確立するまで時間がかかること。また紛争が増えた場合、日本が国際協力をできなくなる可能性もあること
3.軍事的孤立主義
個別的自衛権を貫き日本独自の防衛力を強化する。国際紛争へは関わらない。問題点は防衛力整備の金がかかりすぎること。おそらく現在5兆円弱の防衛費を年間20兆円程度には増やさなければならない。また周辺諸国は警戒し、かえってリスクは増す可能性もある。その警戒を解くためには日本人自らが歴史の総括をすることが必要になる。
4.積極的軍事的国際主義
国連の決議に基づいて、軍事的な国際貢献を積極的に行う。問題点は3ほどではないがカネがかかることと、集団安全保障が確立するかどうか不確実性が高い、日本は常任理事国でもないのにそんなことが効果的にできるか疑問、ということ。
5.消極的軍事的国際主義
国連の決議に基づく選択的な軍事力の行使も視野に入れる。問題点は4ほどではないがカネがかかること、日本の世論が国際主義的になれるかどうかということ。日本の世論が国際主義的になっていなければ周辺諸国の疑惑を産み、かえって危険になる可能性もある。
                                                                                                                             
●著者としては国連を中心とした集団的自衛権の導入に賛成アメリカと、ではない)。だがそのためには以下の3つの条件が必要。安倍政権はこれらに全く力を注いでおらず、現在のままでの集団的自衛権導入は反対する。
1.平和に対する国内の議論
他国は日本の意図を、与野党の議論や新聞の論調、世論調査などで判断する。現在の日本は安全保障の議論が全く進んでおらず、他国に誤解を与える可能性がある。
2.中国との関係改善
軍事力だけでは抑止はできない。コミュニケーションと信頼がなければ抑止は不可能である。だが現在の政権はそのための努力が根本的に不足している。民間・文民・軍関係者それぞれが相手と交流することが抑止力を高める。
3.日本独自の歴史総括
過去の侵略について日本がきちんと総括しなければ他国は日本の意図を信頼できない。他国に対する謝罪や反省とは別に、純粋に歴史を総括することが必要である。


軍事力だけでは抑止はできない』、『戦争は相手の意図を誤解したり、事実認識を誤ることで引き起こされる』と著者が言っているのはその通りだと思います。つまりアメリカの軍事力と組むだけでは必ずしも抑止力は高まらないのでしょう(正確には高まるときもあるし、相手の不安を煽ってリスクが増える場合もある)。以前 ビジネススクールの意思決定の授業で『八月の砲声』という本を読まされました。第1次世界大戦はドイツ・連合軍双方の誤解が折り重なって泥沼の戦争になった、というノンフィクションの古典です。旧日本軍とは違ってドイツ軍も連合軍も賢かったし、実際きちんと情報を収集し戦争の準備もしていました。その上で双方とも楽勝だと考えていたのです。ですが、結果として双方とも判断ミスを重ね、泥沼の長期戦争になった。著者が言っていることはまさにそういうことなんでしょう。
●上下2巻の大著で多少かったるいですが(笑)、有益な本ではあります。

八月の砲声 上 (ちくま学芸文庫)

八月の砲声 上 (ちくま学芸文庫)

八月の砲声 下 (ちくま学芸文庫)

八月の砲声 下 (ちくま学芸文庫)

                                                     
一方 著者や伊勢崎賢治氏が言っている、日本にとって国連とのアメリカと、ではありません)集団的自衛権を認めることは有益である、はボクにはまだ実感がありません。強いて言えば、これからアメリカの力が弱まるにつれ世界での紛争は増える、それに備えろ、ということでしょう。ですが、ジリ貧だろうが現状維持でも良いじゃん、という思いはどうしても残ります。この点はボクはまだ結論を出せない。
著者は『不安定になっていく世界で日本人は平和をどうやって守っていくか、きちんとした議論が必要。そのことが日本の平和を守ることにもつながる』と結んでいます。そこはボクも賛成です。法的問題点は別にしても、安保法案はそういう議論を全く抜きで強行に成立させられてしまいました。そんな法案は日本の安全には全く資さないでしょう。一人一人がもっと平和について具体的に議論していかなければいけない、そのことが日本の平和につながると思いました。311の教訓専門家に任せきりにするとロクなことにならない(笑)を我々は簡単に忘れてはならないでしょう。



ということで、今週も官邸前へ。
めっきり秋らしい陽気になりました。朝晩は少し寒いくらいですが、ちゃんとスーツを着る気になります(笑)。普段のボクは勤務先でもネクタイは締めてないし、正直、だらしない恰好をしてるんですけど、抗議やデモに行くときはきっちりした格好をしたいんです(笑)。SEALDsの子たちを見ていて、あれに対抗するには(笑)スーツしかないっ!って思いましたもん(笑)。
今日の参加者は主催者発表で1200人。『原発でフクシマを復興』と寝ぼけたことを言ったらしい高木復興相のために、今日から新しく「高木はやめろ!」のコールが加わりました(笑)。
●抗議風景





●ボクの新プラカード(笑)。コンセプトはデザイン性+判り易さ+夜間の見やすさ

                                             
川内原発の2号機の再稼働が迫っていると言われている今 反原連はこのようなステーツメントを出しています。
川内原発1号機、8月14日に送電開始、9月10日に営業運転開始。2号機、再稼働10月15日か。【フィルター付きベント】も【免震棟】も【コアキャッチャー】も【十分な避難計画】も【火山対策】もない川内原発、今すぐ止めろ!
 個人的には、破局噴火が起きたら南九州は全滅なので火山対策なんか必要だろうか?と思うのですが、その他の点はうなずけることばかりです。例え原発に賛成の人だって、避難計画やフィルター付きベントや免震棟の整備をしないままの再稼働なんて疑問を感じるのではないでしょうか。この国ではどうして、ごく当たり前の疑問が議論されないのかなあ?
                                          
●今日の写真:ボクはこういうの好きなんです。一億総ナントカなんて、マヌケそのものじゃないですか(笑)

 
                                                                                                      
今日は官邸前へ行った後 久しぶりに学校時代の友達と会いました。お互い近況を話す中で、ボクは少し照れながら『今年の夏はずっと国会前でデモしてた』と言ったんです。そうしたら、皆から異口同音に『ありがとう』って言われたんです。ちょっと驚きました。彼らはそれぞれ、サラリーマンだったり、経営者だったりしますけど、皆 ごく普通のビジネスマンです。本音で話したら、そう思っている人は多いと思いますね。
<おまけ1>
国会前で抗議に参加して、石田純一氏がバッシングされてるんだって?ざけんじゃねえよ。
●ナイジェリアの少女誘拐に抗議するアン・ハサウェイ

スーダンの人権侵害に抗議して逮捕されたジョージ・クルーニー

ホワイトハウス前でイラク戦争に抗議するパティ・スミス

●国会前の石田純一


<おまけ2>
●元東大全共闘山本義隆氏の発言:彼は今夏、学生たちの邪魔にならないようにいつも端っこで抗議に参加していたのが目撃されています。
http://www.asahi.com/articles/DA3S12002818.html
拡散希望:SEALDs 1018渋谷街宣