特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

ホントに原発をなくすために

フクシマ原発から放出された放射性物質は政府発表の2倍の可能性がある、という。http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20111027-OYT1T00072.htm?from=main4
チェルノブイリの10倍以上のフクシマの原子炉の燃料量を考えたら、別に不思議な話ではないのだが、トコトン、この国の政府は信じられないなあ、と思う。


そういう中でブログで拝見するCangaelさん四丁目でCan蛙やlonglongtoneさんアームチェア人智学日記 Armchair-Anthroposophist’s Diaryらのようにご自分の周りで出来る範囲で着実に署名活動をされていたり、活発にデモに参加されている方などには本当に頭が下がる。


それを実のあるものにするためにも、どうしても避けられないのが今度の国政選挙の話だ。
ボクはもちろん原発反対だし、消費増税も反対だが、それだけでなく、どう実現するのか具体的な方法論を示すことができる政治家に投票したい。例え原発反対と言う意見は同じでも、現実的にどうするかという話がなければお人よしが過ぎると思う。
だって、みんな、こんな酷い目にあっているんだから。


先週『モテキ』の大根監督がやっているTBSラジオの番組『金曜DIG』のPODCASTに『みんなの党』の江田憲司という幹事長が出てきて、案外いいことを言っていた。
Dig | TBS RADIO 954kHz(10/21の放送)

PODCASTは明日で削除されてしまうようなので、同様のインタビューが載ってる雑誌『SIGHT 11月号』をリンクする。

SIGHT (サイト) 2011年 11月号 [雑誌]

SIGHT (サイト) 2011年 11月号 [雑誌]

要旨はこう。内容が明確なのと具体的な手順に言及しているのはとても優れていると思った。
(1)『みんなの党』は原発ゼロを目標にする。原発が安全と言うのはもちろん、安いというのは大嘘だから。本当の原発の発電コストは太陽光発電と同じくらいだ。

(2)原発ゼロのための手順はこうする。
東京電力は破綻処理、一時国有化⇒10年以内に発送電分離して電力会社の地域独占体制を打破⇒自然エネルギーを含む他社参入で電気を選ぶ自由度が広がる⇒原発廃止、

(3)復興財源は行革で捻り出す(今 消費増税なんかしたら不況になる)


ボクは「みんなの党」は小泉亜流の新自由主義者だと思っていたので今まで一度も投票したことはない(笑)。
だが江田氏が言っていたように、企業献金(電力会社だ!)や電力労組のしがらみで、きっと自民党民主党原発ゼロなんてことはできない、と思う。社民党は良い意見を言うことがあっても、肝心の実務能力がゼロ(評論家と一緒)、なのが鳩山内閣普天間の問題で露呈して心底 失望した。共産党はどうなんだろ(笑)。


ボクは今度の選挙は原発の問題を最優先で判断しようと思っている。
時間があるだろうから、今から投票先を決める必要はない。
けど今回の選挙は後悔しない為にも、今のうちからよ〜く考えておくことが必要だと思う。間違っても威勢がいいだけの独裁者みたいな輩に騙されないように。大阪の皆さん、よろしくおねがいします





もうひとつ、選挙も重要だけれど、最も本質的な問題は一人一人が日々の暮らしのなかでどうするかだと思う。
個人で使っている電気の量なんて企業のそれに比べれば、たかがしれているだろうから、過度な節電なんかあまり意味がないと思うけど、市井の個人ができることで何かないだろうか。
ちなみにボクは、かってレコード会社、東芝EMI原発反対の歌が入ったRCサクセションのCDを発売中止にして以来、東芝製品は全面ボイコットしている(笑)。



その点で感銘を受けたのは、一橋大の経営学米倉誠一郎教授が書いた『創発的破壊』という本だ。

創発的破壊 未来をつくるイノベーション

創発的破壊 未来をつくるイノベーション

ミシマ社という、ユニークな本ばかり出して、今 本屋の店頭でちょっと話題になっている出版社が出しているこの本には以下のようなことが書かれている。。

・これからの日本は『分散化した都市国家を築き、これまでの半分以下のエネルギー消費で豊かな暮らしを続け、そのノウハウを世界と分かち合うことで富に換える』姿を目指すべきだ


・そのためにはカリスマ的なリーダーなど不要で、個人の小さな営みが生み出すパワー『創発』が重要である。例えば技術者一人ひとりが自分の製品を改良し1ワットづつ省エネをして、それが集まれば地球上で何億ワットも減らすことができる。今の日本で必要なのは『静かなジャスミン革命』である。


・無から大金を生み出すような金融商品の幻想を追いかけ、まだまだ使える自動車を3,4年で乗り換え、液晶TVのように多額の設備投資をした新製品を原価割れで売り、そのために長時間労働をして、地球資源をいたずらに消費する世の中に戻っても仕方ないではないか。


確かに3・11で世界は変わってしまった。でも、ボクはそれ以前の世界に戻りたいわけじゃない。政治家・役人・独占企業・御用学者がつるんで私腹を肥やしたり、嘘をついて多くの人や子どもを傷つける、バカな世界とおさらばしたいのだ


この本の中で著者と対談している、ノーベル平和賞を受賞したグラミン銀行のモハメド・ユヌス氏がこんな発言をしている。

・デモをして政府に要求を高めていくだけでは、かえって政府に依存するようになる。自分で自分の責任を持つようになれば尊厳が生まれ、自分のために闘うようになる。環境を調整し、自分でやることが重要なのだ。


今の世の中は余りにも複雑だし、誰かのリーダーシップに頼ることのほうこそ非現実的なような気がする。経済、政治、科学、全てを理解できる人間なんかそうは居ないだろう。まして2世議員やタレント崩れに松下政経塾じゃあ、一般の社会生活すらまともに送れるかすら怪しい(笑)。



それよりも 一人一人が仕事や家庭を通じて、世界を少しずつでも変えていけばいい。(ボクは仕事は嫌いだが)仕事でも少しはマシなことができることもあるし、家庭でもできることはあるだろう。
他人に頼らずにやっていれば、誰かに裏切られる心配もないし色々な知恵も湧くだろう。
第一 自分でやれることをやっていれば、ダメでも後悔は少なくて済むもんね〜。


●この東洋経済のインタビューにエッセンスがまとめられている。
http://www.toyokeizai.net/life/review/detail/AC/44f07ecf8e429f8becddc75ae7be8ae6/