特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『右を向いても左を向いても』(嘆息&笑)、と「NO NUKES! Go Vote! Unite for Victory -伊方原発再稼働反対!」

EU離脱の余波はまだ続いています。
経済学者のトマ・ピケティ氏がEU残留に熱心じゃなかった英労働党にブチ切れてアドバイザーを辞任しました(笑)。Left-Wing Economist Thomas Piketty 'Quits' as U.K. Labour Party Advisor

一方 保守党内で離脱を主動し次期首相の本命だったボリス・ジョンソンは次期党首になるのを断念したし英EU離脱:公約「うそ」認める幹部 「投票後悔」の声も - 毎日新聞労働党党首の左派ジェレミー・コービンも残留に積極的でなかった責任を問われて辞任論が出ていますJeremy Corbyn Loses No Confidence Vote From MPs, Refuses to Resign
元は残留派だったボリス・ジョンソンは失敗するに決まっている離脱の責任から逃亡したし、労働者階級に影響力を発揮できなかった労働党左派も現実の問題に対処するには役立たずだったことを証明してしまいました。まさに、右を向いても左を向いても (嘆息)、と言ったところです。既に株の暴落でGPIFもボクも(笑)大損害が出ています。でも 今回の投票の影響が出てくるのはこれからが本番、もっと酷い話が長い間かけて徐々に出てくると思います。
●5兆円というと丁度 日本の原発と核燃料の簿価の合計です。つまり5兆あれば日本の原発を全廃できます!





しかし、この体たらくはやっぱり、他人事とは思えません。日本だって似たようなもの、です。TPPに関する議論なんかそっくりじゃありませんか。例えばTPPに反対している人たちの言ってることでまともな証拠がある話は殆ど聞いたことがありません。例えば野党は市民連合も含めてTPPに反対しています。あんな秘密協定のやり方でいいのか、という点ではボクも同意します。ですが、民進党も含めて多くの野党は農業、というより農協の『利権』を守るために反対しているように見えます。彼らは就業者の平均年齢70歳近くである農業の将来なんか全く考えてない。もっと極端な例では堤未果山本太郎三宅洋平みたいに『TPPはアメリカの陰謀だ』と言ってた連中が居ます。連中は、次期大統領候補が揃いも揃ってTPPを否定しているのをどう説明するんでしょう?(笑) 。EU離脱派の公約は嘘ばかりだったことが暴露されていますが、日本のTPP反対派の一部のペテン師ぶりはそれとうり二つです。
三宅洋平のTPPへの対処法(笑)

                               
かといって、いわゆる既存のエスタブリッシュメントがきちんと機能しているかというとそれも疑わしい
                                
今週 ちょっと面白い経験をしました。経団連で、経産省のトップ、事務次官から、彼らがEU離脱にどう対処したか、という話を聞いたんです。
経産省も当日まで7割の確率でEU残留、と思っていたそうです。でも3割くらいは離脱の可能性があるから、投票の前日にもし離脱した場合どうするか対策会議を開いていた、と次官は嬉々として喋ってました。まあ、ここまではいい。

で、何をしたか。
曰く『翌日 投票結果が出たら直ぐ安倍晋三他の閣僚らで会議を開き、マスコミにコメントを出せるようにした』、『月曜には大企業の経営者を聞いて要望を聞くポーズをマスコミに見せる!ための会議を開く段取りをした』、そうです。大変正直です(笑)。

でも おいおい。
それだけかよ(笑)会議を開くくらい誰でも出来るよ!(笑)。更に彼は『会議の際 財務省の次官は欠席してました』とわざわざ言ってました。よほど経産省財務省に代わって、政権内で重要視されているのが嬉しいんですね。

でも、この事務次官は表向きは感情を殆ど表しません。こいつはバカじゃない。年齢は60近いでしょうが、顔にほとんど皺がない、つるりとした表情をしています。山一ショックや小泉不況の時 中小企業から平然と貸し剥がしをした銀行マンみたいな顔です(笑)。でも各種データはばっちり頭に入っているし、話も論理的だし頭は超優秀なんでしょう。ボクの10倍以上は頭が良い、と思いました(笑)。

ただし!
彼が気にしているのは内向きのことばかりです。安倍晋三にどう思われるか、如何に霞が関での様々な手続きや根回し、各省庁間の力関係、には細心の注意を払っている。だけど、日本の国民のためにはどうしたら良いか、世の中をどう変えて行ったら良いか、自分はどういう世の中を望んでいるか、ということは殆ど考えてないマーケティング用語で言うと典型的なマーケティング・マイオピア、視野狭窄です。優秀な頭脳が実にもったいない。

                                     
ま、それは良いとして(笑)、日本のエスタブリッシュメントがきちんと機能していないのが良くわかる経験でした。だからと言って、地震兵器がどうのこうのという三宅洋平のような狂人みたいなポピュリズムが良いとも思いません。なんとか、もうちょっと普通の(笑)、まともな路線ってないんでしょうか(笑)。

さて、ボクは家では電話は一切 出ないことにしています。かかってくるのがセールスの電話ばかりというのもありますが、そもそも電話というのは人の都合を考えず割り込んでくる無礼なもの、と思っているからです。選挙が近くなると留守電にやたらと世論調査が入るようになります。このクソ忙しいのに機械の自動音声にタラタラ回答している人なんているんでしょうか。そんな人って、どういう人か想像が付きます(笑)。近頃は固定電話を持っていない人も多いそうですし、世論調査の信頼性ってどうなんだろう、と思います。

                              
その世論調査によると(笑)、朝日では議席6の東京選挙区は自民二人、公明、民進蓮舫は当確、共産の山添はいい線行ってて、残りを田中康夫民進小川敏夫が争う状況だそうですhttp://www.asahi.com/articles/CMTW1606271300003.html
読売は自民の中川、蓮舫、公明、山添が先行、それを追う田中康夫小川敏夫、自民の朝日の優劣はつけていません31人立候補の東京選挙区、7氏混戦…序盤情勢 : 政治 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
産経は、自民の朝日が劣勢としています【壮絶選挙区に迫る】参院選、首都圏・近畿圏の8選挙区の情勢分析 小林吉弥氏 (1/3ページ) - 政治・社会 - ZAKZAK
                                                                                     
結局 田中康夫小川敏夫、自民の変なバレーボール選手(男にビーチバレーがあったなんて知らなかった)(笑)の3人で二つの議席を争う状況のようです。
ボクは『市民連合』が推す候補、尚且つ当選の可能性がある候補に投票します。ヘイトスピーチ対策法が刑訴法改正とバーター』みたいな陰謀論を振りかざす社民の増山とか三宅洋平とかは単に泡沫であるだけでなく、票が分散するだけ自民党を利しているんですね。存在そのものがムダ、なんです。

                                                    
今度の選挙では改憲勢力が3分の2を占めるのを防ぐことが最大のテーマ、だとボクも思います。野党に統治能力がない、という人もいると思いますが(ボクもそう思う)、今回は参院選であって政権選択の選挙じゃありません。
だったら1人区はどちらに入れるべきかは迷いません。複数区は東京に限らず、野党というより市民連合議席が増えるように投票するのが最も合理的じゃないでしょうか。既存政党が嫌いな人が棄権したり泡沫候補に投票すれば、少しは気分は晴れるかもしれない。でも、それはEU離脱に投票した労働者階級と一緒で、結果的に自分の首を絞めることになる。棄権や泡沫候補への投票はEU離脱に投票した労働者階級と同じです。Mr.地震兵器こと三宅洋平を応援するという想田和弘あたりですら、この程度のことが判らないのですから、日本のリベラル層の浮世離れの病は深いものです。

幾らなんでも自民の改憲案そのままが通るとは思わないですが、どうせロクなものにはならないでしょう。それを防ぐためには、各候補の好き嫌いじゃなく鼻をつまんででも当選確率の高い野党候補に投票せざるを得ないと思います。
                                                  
政治家もエスタブリッシュメントもダメ、かといってポピュリズムも危ない。それが先進国共通で抱える問題のようです。それに囚われないようにするというのは、さっきの事務次官想田和弘をみても結構 難しい問題です。勿論 完全な人間なんかいません。やはり、一人一人が少しずつ賢くなっていくしかないと思うのです。

              
                                                          

ということで、今週も【再稼働反対!首相官邸前抗議】 午後6時の気温は27度です。
今日は選挙前の拡大版「NO NUKES! Go Vote! Unite for Victory -伊方原発再稼働反対!」ということで、いつもより30分早く6時から。官邸前に加えて、国会正門前では様々なスピーカーを呼んでの集会がありました。

スピーカーの登場順に写真と簡単な説明を入れます。
●抗議風景





●京都から来た元宇宙飛行士の秋山氏。今日は以前と違う、生気がない表情で怪しいと思いました。自分の中にはまだセシウムが残っていると言ってました。少しオツムがおかしくなってるかも。

民進党初芝:彼は元維新ですが、毎度毎度来るから立派なものです。確か維新に居た頃はSEALDsの集会に参加して党から処罰されそうになったと思います。

民進党菅直人:彼はね〜(嘆息)。『私は今や元総理というより、一人の元市民運動家です』。そうだけど、それじゃ困るんだよ。曰く『反原発の議論は民進党の中が一番厳しいんです。だから比例区では民進党と書かないでください。政党名じゃなく原発に反対する議員の名前を書いてください』。これは某組合のことですよね。会場では大うけ(笑)。確かにそうなんだけど、自分たちが党内すらマネジメントできてないということでもあります。

共産党小池晃:話はうまいけど、共産党の定型どおり(笑)。

菅直人小池晃菅直人『私たちは色々ありましたが、今は市民の声を聴いて、そして共産党の多大なる力をいただいて全国で共闘することができました。佐賀では必ずしもうまくいってないかもしれませんが(ここで小池氏は何を言ってるんだという顔をしました)、岡田代表は決めたことは必ずやる男です。』小池晃:『定型通り(笑)』。だけど写真を見ても判る通り、二人の本気は伝わってきました。

●主催の反原連 ミサオ氏

精神科医香山リカ氏。『日本はどんどん悪くなっているような気がする。でも大阪でもヘイトスピーチ抑止条例ができた。政治でしかできないこともある。だから私は政治に絶望したくない』。今まで、この人の言ってることはピントが外れていて賛同できないことが多かったんです。でもこの人がヘイトスピーチに正面から反対するようになって、発言は切実さと説得力を帯びてきました。

●反安保法でおなじみの高校生、ティーンズ・ソウルのあやねちゃんとリューキ君:言ってることは稚拙かもしれないが、この子たちの実行力はボクは尊敬しています。この1週間 渋谷駅前で若い子相手に選挙へ行こうと呼び掛けているそうです。

山本太郎:話は威勢が良くて訴えるものはあるんだけど、『アベノミクスで大企業以外の国民全員が食うや食わずになってる』とか相変わらず言ってることに誇張や論理の飛躍が多すぎ。これでは逆効果になりかねません。最大多数の無党派層はドン引きするでしょ。

●学者の会、西谷修東京外語大名誉教授。昨年 彼はSEALDsの集会で三菱鉛筆三菱グループと勘違いして『鉛筆一本も買わない』とやって物笑いの種になりました。今日の彼は山本太郎とは対照的に、非常にぼそぼそと喋るんです。聴衆から聞こえないぞ〜という声が出るくらいです。ところが会場が話にどんどん引き込まれて行くんです。それはこんな話だったからです。『山本君のような元気がいい人と違って、私は図書館で虱と蚤と格闘しながら、本とにらめっこをするのが仕事です。60過ぎまでこんな集会でしゃべるなんて考えもしなかった。』、 『だけど、政府が事実を捻じ曲げることばかりやっている政府の元では、安全地帯は無くなりました。政治と関係ないなんて場所は無くなりました。私が事実を教えたら、政府が否定するかもしれないんです。』、 『今日は有田芳生候補(民進党比例)の事務所に行って、ハガキを800枚くらい書いて来たら、非常に充実感がありました』、 『一緒にやれることをやりましょうよ』。最後は万雷の拍手です! 山本太郎を完全に持って行きました。さすが歳の功、タヌキジジイ(笑)。

●弁護士兼映画監督(原発と日本)の河合弘之氏:ボクは映画も見てないし、主張も詳しく聞いたことないんですが、この人は金儲けと反原発を両立させている点で、非常に良いと思います。『現時点では仮処分が原発を止めるのに最も有効な手段。だが勿論政治を変えることが必要。』『反原発という流れは世界的な潮流である。目先の勝ち負けに一喜一憂しないで頑張っていこう。我々は最後に必ず勝つ!』真偽はさておき、リーダーはこれくらい言えないとしょうがないと思います。

小熊英二慶応大教授

民進党政権当時 野田首相と反原連との面談を橋渡しした小熊英二氏の話で締めます。彼は311以降 自分が予想も出来なかったことが起きている、という話をしました。曰く、
●日本で本当に原発が全て止まったこと。
ボクもこれは驚きです。若い時 高木仁三郎氏から『原発村の圧倒的な力』の話を大学の教室で聞いていた時は、こんなことが起きるとは夢にも思わなかった
●さらに今でも多くの原発が止まっていること
小熊氏は今春ドイツへ行ってきたそうです。言うまでもなくドイツは原発全廃を決めています。しかし現在ドイツでは稼働中の原発は8基、一方 日本は2基。そう言ったら驚かれたそうです。
●日本でもこんなに多くの人が政治的抗議に集まったこと。
2012年の夏には20万の人が集まりました。そりゃあ、驚きです。
●こんなに長く抗議が続いていること。
小熊氏はたぶん2012年の冬には官邸前抗議は終わる、と思っていたそうです。ボクもそう思っていました。でも今日で202回目、既に4年以上続いています(笑)。
●何かおかしなことがあったら国会前に集まるという文化が日本に定着したこと
ボクも日本ではデモは盛んにならない、個人で参加する(ボクのような)変わり者はごく僅か、と思っていました。でも、今や秘密保護法、安保関連法案から保育所に至るまで、何かおかしなことがあったら国会前に集まって抗議するという文化が完全に出来上がっています!

                                           
小熊氏は『世の中は本当に変わりつつある』と話を締めくくりました。彼独特のレトリックですが、全て本当のことです。確かに日本は4年前と比べて、あまり変わっていないようで、大きく変わりました。改めて、もっとましな世界になるよう、できることを少しずつでもやっていきたい、続けていきたい、と思いました。

●今日の参加者は3000人です。久々に4桁行った〜(笑)

●選挙に行こう!というSEALDs KANSAIのPV。音楽のセンスも言葉のセンスも素晴らしい。音楽はロバート・グラスパ―+ジョン・ケージみたい(褒め過ぎ)。でもマジで格好いい。驚きました。