特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『男のブランデーソフト(笑)』と『ホモソーシャルは人間を狂わせる』

 桜も散り、駒沢公園も少しずつ新緑が目につくようになってきました。仕事があるだけありがたいのは確かですが雑事でウンザリするような4月、とにかく早く、ゴールデン・ウィークに逃げ込みたい、です。


 感染の方も相変わらず酷いものです。アホ知事の人災による大阪の惨状はもちろんですが、東京だって似たようなものです。飲食店に責任をおっかぶせて感染防止に有効な手段を殆どとらないのですから早晩感染者数は跳ね上がるでしょう。
●日本の現状がコンパクトに整理されている記事だと思います。
business.nikkei.com

 最近 ボクの家の近所でも一人暮らしのジジイが昼カラオケに行って感染、町内中の噂になったんですが(笑)、自分から感染しに行くボケ老人だけでなく、気を付けていたって感染のリスクをゼロにすることはできません。明日は我が身です。

 そうやって 感染がどんどん広がっているのに聖火リレーなんて狂ってる、としか言いようがないんだけど電通から全国紙、テレビ局までマスコミもグルだから、そういう声は大きくならない。

 この期に及んで菅が五輪に固執しているのは秋の選挙のためです。

 五輪さえ行えば、バカな日本人はコロナも数々の失政も忘れてしまうと思っている秋の選挙後に感染が拡がったり、新たな変異株が出来てこの冬がとんでもないことになっても、その頃は国民は忘れている。連中はそう思っている。

 つまり、テレビでスポーツ中継なんか見てるバカが日本を滅亡に向かわせている、ということです。

スポーツ白痴連中がどうなろうと知ったことじゃありませんが、なんでボクまで連中の巻き添えにならなきゃならないんだ。


 現実逃避がてら、またまた北参道にソフトクリームを食べに行ってきました。今回は題して『男のブランデーソフト』(笑)。

 ソフトクリームの右側にブランデーが入ったアンプルが載ってます。食べるとき、これをソフトにかけて食べるのです。
 今までネーミングをバカにして頼まなかったのですが、これが美味しい!(笑)。ブランデーの香りはもちろん、ブランデーの甘さがソフトの甘さを余計に引き立たせます
 注文するとき恥ずかしくなるようなメニュー名ですが、ちょっとビックリするくらい美味しかった。家でもハーゲンダッツにブランデーでも振りかけてみようか、と思いました。

 こちらはアイスつながりで、この前 近所のイタリアンで食べたアイスクリーム。色んなベリーを煮た温かなソースをかけたもの。表面が溶けてますでしょ。アイスやお皿の上の粉は紅茶です。これまた美味しかった。

 ソフトにしろ、アイスにしろ、入っている砂糖のことを考えると恐ろしいのですが、どんなにお腹いっぱいでも、食欲がなくても食べられてしまいます。実際 糖分は脳に快感を与える麻薬的な働きをするそうで、飲料や加工食品メーカーはそれを利用して儲けている、というのを『あまくない砂糖の話』というドキュメンタリーで見たことがあります。

あまくない砂糖の話(吹替版)

あまくない砂糖の話(吹替版)

  • 発売日: 2016/10/20
  • メディア: Prime Video

www.youtube.com

 このドキュメンタリー、お勧めです。ボクはこの映画を見てから、糖分を減らし、BMIを25から19にまで減らすことができました。
spyboy.hatenablog.com

 それでも人生には憩いが必要です(笑)。たまにアイスやソフトは食べるのですが、せめて美味しいものだけにしよう(笑)と思っています。


 
 この前 経団連の元副会長っていう人がやってきました。
 数年前の副会長で、今は政府系関連企業などの社外取締役を務めていると言う人。よく喋る人で要件の合間に、こちらが聞きもしないのに、日立がイギリスへの原発輸出を諦めた顛末を話しだしました。面白かった。

 忘れている人もいるかもしれませんが、民主党政権の時代から政府は原発輸出を進めていました。安倍政権になって、それを一層加速させようとした。しかし、ベトナムアメリカ、トルコ、そしてイギリスと日本の原発輸出は全て失敗した。

 イギリスへ輸出しようとした日立はトップの中西がメイ首相のところへ何回も訪問、トップセールスでやる気十分だったそうです。が、いざ導入となったときに北海の風力発電とコスト比較になって、原発はどうしても敵わなかった
 原発の発電コストは実勢で1kwh当たり12円くらい、しかし風力発電だと5円以下だそうです。全く勝負にならない。再生エネの方が原発より遥かに安い。311後新たに突き付けられた現実です。

 日本の火力発電はエネルギーの変換効率が約40%と世界でも指折りの効率性を持っています(原発は30%、太陽光は20%くらい)。しかし、昨今の脱炭素で新設が難しくなった。日本の電気の需要は年々減っていますが、EVの普及やリニアモーターカーが動いたりすれば、余計に電気が必要になります。

 元副会長は、今の原発を電力会社で運営するのはもうムリ。国策会社を作って民間の原発を買い取り、国の責任で運営するしかない、と言ってました。退官した安倍の秘書官、経産省出身の今井は今もその仕事をやっているそうです。
mainichi.jp

 日本の将来のエネルギーについて北海道/東北沖の風力発電ビル・ゲイツの財団が研究している安全な新型小型原子炉しかない、ただ漁協の漁業権で揉めるだろう、と言ってました。
 CO2の問題があるから火力には頼れないが、再生可能エネルギーはどうしても安定しないし、電力会社が電力供給網を原発のために確保してしまっているので、再生エネ一本にするのは難しいというのです。

 勿論 彼が言っている電力供給網のことは矛盾しています。供給網を再生エネに解放させればいいんです。新型原子炉についてはきちんと調べてないので、ボク自身の判断は保留しますが、最初から原子炉を水没させているから電力供給が途切れてもメルトダウンしないって、短絡的じゃないですか(笑)。三題噺かって(笑)。
 風力発電に漁業権の問題が絡んでいるとは知りませんでした。イギリスの場合は漁業権は王室が持っていて漁民に貸し与える形なので洋上風力発電は全く問題にならなかったそうです。ちなみにロンドンの土地もあらかた王室が持っているそうです。

 彼が言ってることの是非は置いておきます。
 彼個人への印象を話すと、数字がビシバシ頭に入っていて頭もいいし、国内から海外まで現場の経験も豊富、非常に仕事が出来る。当たり前のことながらボクの100倍は(笑)ビジネスマンとして優秀です。
 それに偉そうでもない。70過ぎてるお偉方なのに迎えの車があるわけでもなく、当たり前のように電車で帰っていきました。
 どっぷり財界という世界には浸かっているとは思いましたが、個人としてはかなりマトモです。

 経団連というと電子メールも打てないよぼよぼの爺さんの敬老会という印象はあるかもしれませんが、やっぱり大組織でトップに行った連中ですから、それほどバカではない。そりゃあ、老いや名声欲でボケてしまったジジイも大勢いるんでしょうけど。
 官僚も同じです。数年前 経産省事務次官の講演を聞いた時は、偉そうで嫌な奴でしたが頭はめちゃめちゃ良い、と思いました。直接会って1時間くらい話をした前川喜平事務次官は頭が良いだけでなく、腰も低いし実に良い人でした。ちょっと驚いたくらい。
 太平洋戦争開戦時の軍部(官僚)も中央は概して頭は良かった。東条英機だって大局的な判断力はゼロだったかもしれないが、書類仕事は超一流だったそうです。
 当たりハズレはあるでしょうけど、概して財界も官僚も優秀な人間は多いと思います。


 問題はそういう優秀な人間がどうして原発やオリンピックを推進したりするのか。コロナ対策でも判断ミスを犯すのか。

 彼らが自分や自分の組織の利益を優先しているからなのか、日常当たり前に行われていることを変える発想がないからなのか(前エントリーの映画『ぼんやり戦争』のように)、自分が正しいと思うことを組織の中で主張する勇気がないからなのか。他にも原因は複数あるでしょう。

 一つだけ確かなのはどんなに優秀な人間でも判断ミスは犯すってこと。一般人の中の『平凡な悪』がユダヤ人の虐殺を起こした。それと同じじゃないでしょうか。

 だからこそ政府だろうと企業だろうと市民運動だろうと、個人だろうと、他人に自分の考えを判りやすく説明した上で色々な意見を聞く、透明性と多様性が大切です。
 安倍晋三以来 秘密保護法にしろ、秘密保護法にしろ、モリカケにしろ、学術会議の会員問題にしろ、コロナ対策にしろ、原発汚染水の排出にしろ、政府は国民にまともに説明しようとしません。マスコミもきちんと追求しない。旧来の市民運動の多くもタコツボ化して透明性と多様性なんて程遠いように見える
●リンク先のインタビュー、流石 中村喜四郎で、政治状況に関する認識には全く納得しました。


 
 政府や企業に任せきりなんて、そもそもムリです。チェックが無けりゃ、どんな組織も腐っていきます。チェックするための透明性と色んな人の意見を取り入れる多様性はセットです。政府も財界も男、それもジジイばかり(もしくは野田聖子橋本聖子のようなジジイもどきの女や脳味噌が筋肉で出来ているバカ中年)で意思決定してるから、まともな判断ができないホモソーシャル=つまり同質な連中ばかりが揃って、チェックが利かないからです。
 日本軍から現代の企業や役所まで日本型組織の失敗ってよく言われますけど、日本型組織の最大の特徴はジジイ(男)ばっかりで意思決定が行われるホモソーシャルな組織ってことです。

ビジネススクールの教科書にもなっている日本軍の失敗を分析した名著ですが、数々の失敗も『ホモソーシャル』というキーワードで読み解けばクリアになります。


 不肖 ボクなんかでも、夕飯を作らなきゃいけないから飲み会とか残業は嫌い~って、さっさと帰ると、やっぱり変人と思われています(笑)。でも仕事をさっさと終わらせて早く帰るって生産性が高いってことです。実際にボクがそうかは判りませんが(笑)。

 政治家の会食もそうです。密室で記録も残さずに物事が決まるなんておかしいって誰も思わない。デモや集会で『頑張り抜きましょう』を連呼する非論理的なスピーチやってる市民運動のマヌケジジイ連中もおんなじです。
 こんなこと一つとっても、ホモソーシャルな男社会って、まともじゃない。キモい。それだけじゃなく、狂ってるのかも。


 少子高齢化で日本が衰退していくのはもう決まってます(笑)。
 でも衰退のスピードを少しでも弱めると同時に次の種を蒔こうと思うのなら政治にも企業にもマスコミにも市民運動にも、外国人や女性にどんどん入って来てもらうしかない、と思います。
 そういう場を少しでも作っていかないとなー。それが既得権益者である(男ですから)ボクらに出来る、せめてもの罪滅ぼしの一つでしょう(笑)。