さわやかなお天気の日が増えてきました。気候的には1年で最も過ごしやすい時期かもしれません。
週末はまた北参道でソフトクリームを食べてきました。この店オリジナルのレシピ、『蜂蜜とナッツのソフト』。これがまた美味しいんです。
蜂蜜がかかったソフトのおいしさもさることながら、コーティングされたコーンフレーク?の触感がポイントです。ピスタチオの鮮やかな空色が美しい。
オーナーが元フレンチのシェフのこの店にはソフトだけでなく、軽食もあります。先週 藤井聡太?という有名な将棋の人が対局中にこの店のオムハヤシを食べたのがTVで報じられてしまったようで、店が混まないか心配です。
こっちは普通に美味しいものを普通に(静かに)食べたいだけなんだから、熱しやすく冷めやすいアホ連中が押し寄せるのは全く勘弁してほしいですよ。
同じく週末、今 進んでいる入管法強化(改悪)の動きを受けて再放送されたETV特集『エリザベス この世界に愛を』には心を打たれました。
入管法改正の議論が大詰めのなかでこの番組を再放送したNHKにジャーナリズムの矜持を感じました。
— Akiko Sato 佐藤暁子 (@Akikosato711) 2021年4月17日
しかし、本当に最悪の国だな。FGMで難民認定しないとか。 https://t.co/JhpHEQsqO9
www.nhk.jp
日本の難民認定の厳しさは知られていますが、入国管理局の外国人収容の仕方は国連からも改善勧告が出るほど、非人道的なことで知られています。運用は恣意的で長期にわたり、時には暴力的な収用や医療の手が届かないこともあり、実際に何人も死者が出ている。
この番組は自身も収容されたことがあるナイジェリア人女性のエリザベスが、収容されている人々を励まし続ける姿を追ったものです。と言っても彼女に出来ることはそんなには多くはありません。ただ苦しんでいる人の話を聞き、慰め、ハグをする。一緒に神に祈る。
自分もいつ再び収容されるかわからないのに、この人はどうして他人のために尽くし続けるのか。なぜ、こんな人がいるのか。この人はどうしてこんなことを続けていられるのか。あまり見る気はなかった番組でしたが、いざ見始めたら目を背けることが出来ませんでした。22日深夜に再放送があります。
ということで、新宿で映画『パーム・スプリングス』
palm-springs-movie.com
砂漠のリゾート地パーム・スプリングス。妹である花嫁の介添人として結婚式に出席したサラ(クリスティン・ミリオティ)は、そこで出会った青年ナイルズ(アンディ・サムバーグ)と口説かれ、ロマンチックなムードになるが、突然ナイルズが謎の老人(J・K・シモンズ)に弓矢で襲撃される。近くの洞窟へ逃げ込んだ彼を追うサラは洞窟内で強い光に包まれ、目覚めると結婚式当日の朝に戻っていた。彼女がナイルズを問いただすと、彼はタイムループに巻き込まれ、何度も同じ日を繰り返していると告白する。
カリフォルニアのリゾート地パーム・スプリングスを舞台に、謎のタイムループに巻き込まれた男女を描くラブコメディー。タイムループものとかボクは全く興味ないんですが、アメリカのコメディアン・グループ、’’ロンリー・アイランド’’の制作なので見に行った次第。
今作の主演、アンディ・サムバーグら3人組の''ロンリー・アイランド''は有名TV番組サタデイ・ナイト・ライブの出身、16年に発表された映画『俺たちポップスター』は映画もサントラもアメリカで大ヒットしました。人種差別・性差別・薬・下ネタ・政治ネタを思い切り詰め込んで、全方面にケンカを売った『俺たちポップスター』は議会でも取り上げられるなど社会現象化しました。個人的にも、コメディとしてはNO1に好きかもしれません。
- 発売日: 2018/10/11
- メディア: Blu-ray
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spyboy.hatenablog.com
果たして今作はどうでしょうか。
サラは酒癖も男癖も悪いニート暮らしです。妹は一足先にハンサムな新郎と結婚する。幸せな家族のなかでも彼女は一人、劣等感を抱いている。
サラを演じるクリスティン・ミリオティはアマゾンプライムビデオの大傑作『モダンラブ ~今日もNYの街角で』の第1話の主人公だった人です。
舞台はカリフォルニアのリゾート地、パーム・スプリングス。浮かれたパーティーで、彼女は奇妙な男と出会います。
水着の上にアロハを着たナイルズ(アンディ・サムバーグ)(中央)です。
ナイルズに口説かれた彼女は良いムードになりますが、そこでナイルズはボウガンを持った謎の老人(JK・シモンズ)に襲われます。逃げるナイルズを追って洞窟の中に入ったサラですが、そこで強い光に包まれます。気が付いたら結婚式の朝に戻っていた。ナイルズを問いただすと、ナイルズは永遠にその日を繰り返すタイムループ現象に入っていて、サラもそれに巻き込まれたことが判ります。
ナイルズもサラも永遠にその日を繰り返すことになります。そうなったら金も仕事も愛情も名誉も名声も無意味です。ナイルズは人生に絶望しつつ、ちょっとのお酒と薬と悪ふざけ、その場限りの楽しさだけを追い求めています。
日がな一日 プールに浮かんでビールを飲んでいる。
一緒になって遊び惚けるサラ。
二人は死ぬこともできないんです。何度自殺しても、目が覚めたら、また結婚式の朝に戻っている。
だったら、酔っ払っている方がマシです。
下ネタと薬ネタ満載のお下劣なギャグ映画ですが、お話はだんだん哲学的になってきます。ここでは全てが無意味です。未来への希望は何もなく、時間は永遠にある。永遠だからこそ、深い絶望が二人を覆っている。これが本当の地獄かもしれない。
アメリカのギャグ映画独特の、大人になれないダメ男とダメ女の物語のフォーマットを借用していますが、今作は女性もダメというところが珍しい。二人はダメを永遠に続けていくのでしょうか。
お話としてはちょっととっ散らかっていますけど、結構深い。『セッション』の鬼畜教官役でアカデミー助演男優賞を取ったJK・シモンズが良い味を出しています。
『俺たちポップスター』のようにゲラゲラ痛快に笑うという感じではありませんでしたが、この無意味な世界でどうやって意味を見つけるか、という意味では非常に共感できる映画でした。
お客さん、結構入ってます。マニアックなところはあまりなくて、誰が見ても受け入れられるような作品かもしれません。相変わらず下ネタは狂ったように多いですが(笑)、ロマンティックなのでデートムービーとしても良いかも(笑)。
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