特別な1日  

-Una Giornata Particolare,Parte2-

『選挙について知っている1,2の事柄』と『2月の実質賃金』、それに『0417 再稼働反対!首相官邸前抗議』

桜も散ったというのに最近は訳がわからないくらい寒かったけど、今日になって多少暖かくなりました。今週 家の近くでTVドラマ(らしきもの)の撮影をしていました。スタッフがマンションの生垣にクリスマス用の電飾を飾りつけている。ボクは興味ないので直ぐ通り過ぎてしまったけど、ガードマンが見物人の整理をしていました。まだちょっと早い気もするが(笑)、あちらの業界はもう、そういう季節らしいです。
                                   
先週行われた統一地方選挙は史上最低の投票率定数の22%が無投票当選だそうです統一選2割超が「無投票当選」 笑いが止まらぬ地方議員たち|日刊ゲンダイDIGITAL
この体たらくは本当に日本人に民主主義が必要なのか寡頭制とか王政の方が日本人は好きなのではないかと疑ってしまうような結果ではあります。
今週になってボクの住んでいる区も選挙が始まりました。この時だけ、候補者が駅で辻立ちをしています。1〜3人くらいの少人数で辻立ちしているのは公明、民主、もう少し人数が多いのが自民、大勢でやってるのが共産という感じです。一応は政治に興味を持っているつもりのボクでも自分の選挙区の議員の名前は数人しか知りません。1、2週間の選挙期間だけじゃ、さすがにわかりっこない一票の格差が問題になっている国政だけでなく地方でも選挙制度そのものに問題があるんでしょう。そういうことを指摘する政党や候補者も殆どないから、一層 有権者が白けることになるんです。


かといって、怒りにかられて自分で立候補する、という気力はボクには勿論 ありません(笑)。想田和弘監督のドキュメンタリー『選挙』で描かれたように、気まぐれで訳の判らない有権者に頭を下げることで選挙を勝ち抜かなければならない、なんて、ボクでなくても普通の人だったら真っ平御免です。日頃は政治家のことをバカ扱いしているけれど、ボクにできないことをやっている点では彼らを尊敬せざるを得ません(笑)。



国民の大多数が反対している原発や安保法制が良い例で、今の選挙と言うシステムには国民の意思が充分反映されないという問題があるように思えます。それを見直すために、一票の格差地方分権の推進が言われているが、結局 選挙オンリーということ自体が問題だし、議員を中心にした間接民主制自体見直して、住民投票などで補完していくことが必要でしょう。
住民投票などによる間接民主主義の補完についてはこの本が指摘する通りだと思います。國分氏が署名のために自分で駅前に立った体験談は勉強になりました。

                                 
それを、どう実現したらいいか、というのはボクにはわからないですが、まず今の選挙オンリーの仕組み自体がおかしい、という問題意識が広まらないと難しいのは確かでしょう。自民に不満でも、受け皿がないのが現状です。野党の側もバカばっかりだもん(笑)。今は与党とか野党にこだわるより、住民投票に強制力を持たせるなど国民の意思に政治家を従わせるシステムを作ることの方が重要なように思えます。

だが日本人の民意というものはボクはあんまり信用できません太平洋戦争だって原発推進だって、民意だったからだ。戦前 日独同盟に反対したり、太平洋戦争の終戦工作を進めるのには政治家や軍人と言えども命の危険を覚悟しなければならなかった。日独同盟に反対した山本五十六に各方面から抗議が殺到し、死を覚悟して彼が遺書を書いたのは有名な話です。日本人というのは非常に危ない人種でもあります。だが民意を反映しながら政治が進んでいけば、人々は政治家や役人など他の誰かのせいにできません自分のことは自分で決めていれば、人間はそこから学ぶことができる。それでも学ぶことができないんだったら、民主主義なんか諦めて日本は寡頭制とか王政になればいいんじゃないでしょうか(笑)。
●毎度お馴染み日本人ジョーク


さて、3月31日に予定されていた2月の賃金の統計は何故か発表が遅れました。『失政隠しじゃないか』とかの憶測もあったが(笑)アベノミクスの失政隠しか 「実質賃金指数」公表延期の怪しさ|日刊ゲンダイDIGITAL、憶測は憶測だからボクはそういうことは言いません(笑)。ただ、結果として『22か月連続で実質賃金が低下』というニュースはあまり大きく報じられなかったのは確かです2月実質賃金は前年比‐2.0%、22カ月連続マイナス=毎月勤労統計 | ロイター

アベノミクスが始まってからの名目賃金/実質賃金の前年比推移(2013年1月〜2015年2月)



2月の名目賃金は前年同月比で+0.5%、実質賃金は前年同月比で−2%。前月に比べ名目賃金は低下傾向、実質賃金はやや上がり気味なのは原油安が効いているんでしょう。だが実質賃金は22か月連続で低下していることには変わりない。国民の暮らしはずっと悪化し続けているこれがアベノミクスの実態です(笑)。

ただ、4月になったら消費税の影響が消え、おまけにラッキーな原油安があるから、実質賃金は前年比レベルでは一時的には改善はするでしょう。名目賃金は下がるかも。インフレ脱却なんかどうなっちゃうの(笑)。そもそも経済の目的は経世済民、インフレは手段であって、目標にしたのが最初から間違いです。
●今朝の毎日新聞の記事:アベノミクスによる格差拡大

国の統計ではジニ係数は5年に1回なので、こういう記事を『作った』んでしょう。この記事の『ジニ係数』自体は統計と基準も違うし真には受ける話ではないです。それに物価がまるで違う港区と球磨村を比べても仕方がない(笑)。だが時系列で物事の推移を考えるための目安としては有効でしょう。それに記事本文中の神野直彦先生のコメントはまさにその通り。
http://mainichi.jp/select/news/20150417k0000m040124000c.html               
                                                                                                               
それに、もう一つ大きな問題があります。4月16日の日経『大機小機』はこう、指摘しています。
内閣府の中期財政支出試算では、アベノミクスでの税収増を最大限に見込んでも2020年のプライマリーバランス黒字化には9.4兆円不足する。歳出削減を進める気概があるかというと、党の議論を見ても具体策は見当たらない。残る手段である増税については国会で『10%以上の消費税率の引き上げで税収を増やすことは考えていない』と明言しているんです。市場関係者の間では、インフレによる政府債務の圧縮である『インフレタックス』論がささやかれ始めた。』

インフレタックスというのは『経済成長率の抑制や物価高で国民の犠牲を強いながら、国の債務圧縮を進める』ということです。イギリスは第2次大戦時の莫大な債務を戦後 長年の低成長と引き換えにこの手法で返したと言われています。今 まさに起きようとしているのはこういうことかも。だとしたら国民の無知無関心が招いたこととは言え、国民の暮らしの悪化はさらに長期間続くことになるでしょう。
●ちなみにボクの勤務先じゃありません(笑)。

                                                                                               
ということで、今週も官邸前へ。
昼間の最高気温は24度と少し暑いくらいだったけど、夕方になって気温が下がるとともに雲行きが怪しくなってきました。午後6時の気温は14度。スプリングコートを羽織ってちょうど良いくらいです。
今日の官邸前抗議参加者は官邸前5〜600人くらい、国会前500人くらい、併せて1000人くらいか(主催者発表1300人)。このところずっと天気が悪かったせいか、1000人を割りそうな週が続いていたが、やや盛り返しました。
●抗議風景




始まって直ぐ時折、霧雨がぱらつきます。でも先週の大雨に降られたばかりなので(笑)、今日は全然平気です、元気いっぱい。




●大飯・高浜原発差止仮処分申立団と弁護団の人。

今日は高浜原発の再稼働差し止めの仮処分判決を勝ち取ったばかりの申立団と弁護団の人が報告に来ていました。申し立て人の人が、既に高浜原発の周りでは7割以上の住民にヨウ素剤が配られたと怒っていたが、そうでなければ困るますよ。『原発のためになんでそんなことをしなければならないんだ』と言う申立人の人の憤りは尤もだけど、現実に再稼働しなくても燃料プールに核燃料がある以上 配らなければしょうがないじゃないですか。原発っていうのはそういうものだ。他には弁護士の人が言ってた『判決文の要旨だけでも自分の目で読んでください』というのは正にその通り。行動してくれて、ありがとうございます。
                                     
判決自体は良かったけれどhttp://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/npp_restart/68830.html、問題がないわけではありません。裁判所が原発の安全性の判断に踏み込んだことは評価に値しますが、議論の余地があるような問題、判決に引用された学者が事実誤認と言ってるような基準地震動の話をわざわざ根拠にしたのはどうなんでしょうかhttp://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/npp_restart/68850.html。そもそもゼロ・リスクの原発なんか物理的に存在しないのだから、裁判所がゼロ・リスクを求めても無理だ、と言うことになりかねません。そういう論拠だと上級審が甚だ不安だ。
それより、規制基準の中に避難計画が入ってないことを指摘すればよかったんです。いくら防潮堤を高くしても、10000年に1回の地震が来ればアウトです。いくら安全装置をつけても捜査員がミスをすればアウトだ。原子力規制委員会が言っているように絶対安全な原発は無い。だったら再稼働に当たって実効性のある避難計画が立てられていないのは賛成派の人だっておかしいと思うのではないでしょうか。だが今はそれを頬被りして再稼働の審査が進んでいます。そもそも数千、数万単位の人を速やかに避難できるような体制なんかバスや道路の準備だけとっても現実的に出来るわけがない(笑)。そこを主張すればいいのに。
                                       
この世の中に絶対安全・安心なものなんかない。再稼働するということは、目先のおカネは払うけど、『普段も時々放射能漏れが起きるし、少しは被害を受ける人がいるかもしれないけど、あんまり大ごとにはしないでね』、そして『もし大事故が起こったら、原発立地の人々は諦めてね』ってことです。危ないから電力会社や国はカネを払うのに決まってるじゃないですか(笑)。原発推進派・反対派双方に言えることだが、いい加減きれいごとは止めて、それが良いのか悪いのか、本音で話さなければいけないんじゃないでしょうか。でなければ、原発の問題は解決しないと思うな。